【FF-TCG】「Opus VI」登場で環境はどう変わったか、4つのポイントにわけて考察!

『FINAL FANTASY TRADING CARD GAME』の公式記事連載。今回は「Opus VI」が登場したことで環境にどんな変化が起こったのか、発売後の週末に新環境を遊んでみた編集部の考察をお届けします。今週末の「MASTERS2018」広島大会に参加する方などは参考にしてみてください。

皆さんこんにちは。カードゲーマー編集部の編集(川)です。
ついに「Opus VI」が始まり、新環境がスタートしました。

今週末にはさっそく「MASTERS2018」広島大会が開催されます。はたしてどんなデッキが勝ち上がってくるのか、今から楽しみですね。

今回は編集部の面々が「Opus VI」入り環境で遊んでみて得た実感を踏まえて「Opus VI」で環境はどう変わったのかをお話ししていきたいと思います。皆さんの新環境研究の助けになれば幸いです。

◆「Opus VI」の環境変化その1:フォワードがたくさん並びやすくなった

【6-050C】《チョコボ》imageや【6-126R】《レイラ》imageなどの登場により、フォワードを一気に展開される状況が増えています。

ほかにも【6-053R】《パイン》imageと【6-062R】《リュック》image、【6-044L】《ジタン》imageなど除去耐性を持ってフィールドに残りやすいフォワードも増えており、また【ジョブ(反乱軍)】のフォワード+【6-019L】《フリオニール》imageや、新戦力が加わった「暁の血盟」デッキでは【5-159S】《パパリモ》+【5-158S】《イダ》imageなどが同時に出てくることもあります。

これに対して全体除去となるカードはそれほど増えていません。
そのため、今後はこのフォワードの数を活用できるカードの価値がより高まるのではないでしょうか。
具体的には【5-118L】《ラムザ》imageや【5-126L】《暗闇の雲》image、「Opus VI」で登場した【6-084L】《レオ》imageといったカードたちです。

このフォワードの横並びとそれを活かした戦略にどう対応するかというのは「Opus VI」入りの環境を戦ううえでの1つのテーマになるのではないかと感じました。

◆「Opus VI」の環境変化その2:フォワードがよりタフで除去しにくくなった

「フォワードが横並びする」という点に加えて、続いては全体的にフォワードの質が上がっているということにも注目したいと思います。

先ほども挙げた【6-053R】《パイン》imageと【6-062R】《リュック》imageのコンビはひとたびそろえば召喚獣でもアビリティでも選べなくなります。【6-083H】《ヤ・シュトラ》imageは召喚獣やアビリティでブレイクできませんし【6-106H】《アイメリク》imageは自身のパワー未満のダメージを受けません。

これらに加えて前環境でも活躍していた【4-085H】《ダダルマー》imageや【5-068L】《ヤ・シュトラ》imageといったカードも引き続き使われそうです。

今後はこういった除去しにくいフォワードに対してどうするかも考える必要があるでしょう。

◆相手のフォワード展開に対応するにはどうするべきか?

では、これらのフォワードに対してどうすればいいのでしょうか。まず一番に思い浮かぶのはカードを選ばない、全体除去を使うということでしょう。

たとえば【1-107L】《シャントット》imageは今環境でも引き続き有用そうです。【1-198S】《ヴァルファーレ》imageや【2-107C】《クリュプス》imageなども横並び戦略には有効な回答になります。

あるいはフォワードの持つスペシャルアビリティを使うのもいいでしょう。【2-094H】《リディア》imageや【4-145H】《クラウド》image、「Opus VI」で登場した【2-002L】《ガーランド》などが全体除去のスペシャルアビリティを持っています。

また、前述のフォワードはフィールドに出たときのオートアビリティを持っていないため、選ぶことができるなら手札に戻してしまうのも手です。その場合は【1-176H】《ユウナ》imageや【1-178R】《リヴァイアサン》imageなどが候補となります。【1-176H】《ユウナ》imageは同時にブレイクゾーン利用への対策にもなりますから一石二鳥です。

別の手段としては無理に除去をせず、単純にパワーで上回るという方法もありそうです。【6-117C】《セイレーン》imageや【6-052R】《ディアボロス》imageなどは軽いコストでフォワードを大きく強化、あるいは弱体化してくれます。

これらのカードをうまく使い、自分のデッキが無理なく採用できるカードで相手の脅威をしのいでいきたいですね。

◆「Opus VI」の環境変化その3:強力なバックアップが多数追加された

「Opus VI」ではフォワードだけでなくバックアップにも強力なカードがたくさん追加されています。各属性ごとに見てみましょう。

属性

【6-009C】《シド[XI]》は前述した「フォワードの横並べ」と相性のいいカードです。フォワードを並べたあとなら全体強化が活きますし、先に出せば必要なカードを探しにいくことができます。その過程でブレイクゾーンにカードが置かれるので、これ1枚で【5-019L】《フェニックス》imageを手札に加え、ブレイクゾーンに復活させるカードを置くといったことも可能でしょう。

【6-010H】《朱雀のルシ セツナ》は実質除去のついたバックアップというだけでなく、その後ずっと火属性の召喚獣の性能を上げてくれます。
【4-016R】《バハムート》imageとの相性のよさはもちろんですが【4-003C】《イフリート》imageが最大で2コスト8000ダメージ、かつEXバースト付きになるのも見逃せません。また【3-020H】《フェニックス》imageが全体3000ダメージとなるので「フォワードの横並び」に対しての回答として使えるようになる点も評価できます。

【6-013R】《セルフィ》imageはついに登場した火属性の3コストでサーチ能力を持つバックアップで、EXバーストもついています。除去能力を持つ【6-012R】《ゼル》imageや各種《サイファー》などにアクセスできるため、火単や火雷デッキの潤滑油となってくれそうです。

属性

【6-023R】《エミナ》imageは相手の攻めを減速してくれるだけでなく、相手フォワードをブレイクするアビリティも持った器用な1枚です。相手のフォワードを凍結するカードには【1-193S】《ジル・ナバート》imageがありましたが最近は【2-037R】《ジル・ナバート》imageが採用されることが多く、この2枚は併用しにくいという問題がありました。彼女の登場はその問題をきれいに解決してくれます。

【6-025R】《カヅサ》imageはほぼ確実にフォワード1体をブレイクできるダメージの高さが魅力です。その後も【3-032R】《シヴァ》imageと同等のアビリティを持つため、ゲームを決めてくれることもあるでしょう。コストは重いものの非常に強力なバックアップです。

属性

【6-045H】《シド[II]》は一度に2CPを生み出せるようなアビリティを持ったカードです。デッキに複数の1CPバックアップを入れておく必要はありますが、バックアップをアクティブにする手段と併用することでより多くのCPを使えるようになります。

【6-046C】《シド・ヘイズ》imageは汎用性の高いサーチカード。アビリティは【4-134C】《ブラネ》imageと同じですが強力な一般兵である各種《チョコボ》たちと同じ風属性であることが違いですね。

【6-047C】《白魔道士》imageは手軽なブレイクゾーン対策です。タイミングを問わずにブレイクゾーンのカードを除外できるのが非常に強力で【1-048C】《導師》image、【5-082C】《採掘師》imageなどににらみをきかせられます。アビリティのコストでダルにする必要がないため、出してすぐ使える点も長所です。

属性

【6-064H】《アジドマルジド》imageは召喚獣を属性やコストを関係なく召喚できるため召喚獣が増えるごとに可能性を増す1枚です。
いまのカードプールでも【5-019L】《フェニックス》imageや【3-087H】《断罪の暴君ゼロムス》imageをバックアップを出しながらお得に召喚できますし、各種《ヘカトンケイル》のような軽い召喚獣を再利用する使い方もできます。

【6-079L】《ミンフィリア》imageは一気にカード2枚を回収できるアビリティが強力で、多属性デッキで活躍しそうなカードです。バックアップから望むCPが出せない状態でも彼女1人で「出したいキャラクター」「そのカードと同じ属性のキャラクター」をブレイクゾーンから手札にそろえられます。
光・闇属性のフォワードをブレイクするアビリティもあり、これは後述しますが「Opus VI」では光・闇に強力なフォワードが追加されたため、このアビリティが活躍する機会も少なくないでしょう。

属性

長い間、雷単デッキの弱点として「フィールドにあるバックアップからリカバリーがきかない」というものがありました。氷には【1-048C】《導師》image、土には【5-082C】《採掘師》image、水には【4-126R】といったカードがあるのに雷にはほかのカードの助けが必要な【2-116R】《フースーヤ》imageしかなく、フォワードを一掃されたあとの立て直しが難しかったのです。
それがこの【6-087R】《イデア》imageの登場で、ついに雷属性もバックアップからフォワードを出せるようになりました。雷単かそれに近いデッキではかなりの強化といえるでしょう。

破壊されにくいバックアップなので【2-110R】《サイファー》imageとのシナジーにも期待できます。同じバックアップの【2-100H】《イデア》imageと異なり、状況に応じて【2-099L】《イデア》imageに交代できるのが優れています。

属性

【6-108R】《イシュガルド教皇》imageはコストは重いもののカードを何でもサーチできるため光・闇属性のカードのようなデッキにたくさんは入れたくないカードの枚数を水増しすることができます。EXバーストがついているのも強力で、押されている状況でも逆転のきっかけになってくれるでしょう。

このように「Opus VI」では実に多くの優秀なバックアップが追加されました。
さまざまなデッキが恩恵を受けるのは間違いありませんが、特に単属性デッキはコストのバランスに気をつければ各種バックアップを自由に採用できるためメリットを享受しやすいでしょう。
もし、まだどんなデッキを組むか決められていないというプレイヤーの方は、とりあえず今回のバックアップたちを使って単属性のデッキを組んでみるのもいいかもしれません。

◆「Opus VI」の環境変化その4:光・闇属性に強力なフォワードが登場!

「Opus VI」では光属性に【6-127L】《フレースヴェルグ》image、闇属性に【6-128L】《ニーズヘッグ》が登場しました。いずれも強力なオートアビリティを持ったフォワードです。

【6-127L】《フレースヴェルグ》imageは3つの効果から好きなものを選択できますが、特に強いのは1つ目および3つ目の効果でしょう。
相手のアタックフェイズを飛ばす効果は簡単に言えば「次のターンには負けない」ということなので、不利な状況でよくある「パーティーでアタックすれば相手にダメージを与えてプレッシャーをかけられるが、そうするとブロッカーが足りなくて押し切られてしまうかもしれない」という場面で強気に行動できるようになります。

アタックフェイズ後に出すことで、反撃でこちらをしとめようとしていた相手の計算を大きく狂わせられるため、今後はダメージレースの最中に相手が不用意に見えるアタックをしてきても、このカードの存在を意識してブロックをしなくてはならないこともあるでしょう。

3つ目の効果はどの属性でも使えるブレイクゾーンの除外で、これも非常に貴重な能力です。
「Opus IV」環境では【3-144L】《レナ》imageと【4-126R】《剣術士》imageが使えた水属性、「Opus V」環境では【1-048C】《導師》imageがいる氷属性と【5-082C】《採掘師》imageを使える土属性が台頭したように、過去の強いデッキは何らかの形でブレイクゾーンのカードをリソースとして使えるものが多かったのです。

『FF-TCG』ではキャラクターを除外できるカードは少なく、ブレイクゾーンからの再利用を防ぐのは難しかったのですが、この【6-127L】《フレースヴェルグ》imageの登場によりあらゆるデッキでブレイクゾーンの除外ができるようになりました。

また2つ目の効果も決しては弱くはなく、単純に実質4コストでパワー9000のコストパフォーマンスのいいカードとも考えられますし、その際にブレイクゾーンの好きなキャラクターカードを1枚選んで手札と入れ替えられると考えれば十分すぎますね。

攻防にバランスのいい【6-127L】《フレースヴェルグ》imageに対して【6-130L】《ニーズヘッグ》imageは非常に攻撃的です。
ランダムに手札を除外するため、相手はたとえば次のターンになればバックアップからのCPだけで【1-061R】《アレキサンダー》imageを召喚して無理なくブレイクできるという状況でも、その【1-061R】《アレキサンダー》imageを先に失ってしまう可能性がある以上、無理をしてでもその場で【1-061R】《アレキサンダー》imageを召喚せざるをえないでしょう。

また「ブレイクされない」「パワー未満のダメージを受けない」などの除去耐性を無視してフォワードを除外できる効果も非常に頼りになります。このカードの存在が今後「アビリティに選ばれない」を持つフォワードの価値を高めるかもしれません。

ちなみに【6-130L】《ニーズヘッグ》imageのプレイするためには9コストかかります。さすがに重いと思われる方もいらっしゃると思いますが、この9コスト、バックアップをしっかり並べるデッキでは意外と無理なく支払えます。バックアップ5枚と手札2枚でもいいですし、バックアップ3枚と手札3枚のコストでも、いざ出してアビリティを解決すると出した方が有利になっているという場面も数多くありました。

先ほど、迷っているならとりあえず単属性のデッキを組むことをおすすめしましたが、その際はぜひ【6-130L】《ニーズヘッグ》も採用してみてください。単属性デッキに【5-148H】《カムラナート》image1枚、【1-184H】《カオス》image1枚、【6-130L】《ニーズヘッグ》1枚をセットで投入するとデッキパワーがぐっと上がるでしょう。

◆新環境にはまだまだ未知の強力なデッキが眠っています!

今回は、

・フォワードがたくさん横並びするようになった
・除去しにくいタフなフォワードが増えた
・どの属性も有用なバックアップを獲得した
・光、闇のフォワード2体には要注意

という4つのポイントにわけて「Opus VI」が環境にもたらしたであろう変化についてお話ししました。
もちろん、この考察が果たして正解かどうかはこれからの大会結果などを見るまでわかりませんが、デッキに入れるカードを選択する際に、何かの参考になればと思います。

「Opus VI」はまだ発売されたばかり。今回紹介した以外にもたくさんの環境を変化させるもの、新しいデッキのキーになるものが眠っているはずです。
ぜひお気に入りの1枚を見つけ出し、環境を制するデッキ構築に挑戦してみてください。

それではまた次回の記事でお会いしましょう!