「エッセンシュピール’19」カードゲーマー的レポート

2019年10月24日~27日の4日間(+23日のプレスデー1日)にわたり、ドイツのエッセン市にあるMesse Essenにて、世界最大のボードゲームの展示・販売イベント「Internationale Spieltage SPIEL’19(エッセンシュピール)」が開催された。

公式の紹介映像はこちら。

ボードゲーム・カードゲーム・フィギュアゲームなどなど、アナログゲームを中心としたゲームの一大イベントで、1,000を超えるメーカーが出展し、世界各地からやって来る入場者数は20万人近くにのぼる。

▲開場前の風景。ゲーマーをはじめ、老若男女多くの人が詰めかけている。

今年も、このエッセンシュピール’19に出展されていたゲームで、いくつか気になったものを紹介する。

ただしこの記事では、日本に入ってきそうなスカウトアクション(会場内で取った人気アンケート)の上位に出てくるようなゲームはあえて外し(そのようなゲームは他のエッセンシュピールの紹介記事にきっとあるので)本誌読者に向けて「トレーディングカードゲーム」やそれに近い「デッキビルディング」のゲーム、「アニメなどの版権物ボードゲーム」を中心に紹介していく。

◆会場内の様子(カードゲーマー的な視点から)

海外でも人気の『ポケモンカードゲーム』『Force of Will』『遊戯王』『FINAL FANTASY Trading Card Game』が出展されていた。

『ポケモンカードゲーム』では、発売直前の新パック「Welten im Wandel」が。
子供向けにカードのつかみ取りイベントが行なわれていた。

『FINAL FANTASY Trading Card Game』を展示しているSQUARE ENIXブース。
『ファイナルファンタジー』をテーマにしたボードゲームの『くじテンダーパーティー』『チョコボのパーティーアップ』も遊ぶことができた。

会場には、ゲーム以外にもカードケースなどのサプライなどを展示しているブースもいくつか見られた。
「ULTIMATE GUARD」のブースには、高級志向のカードボックスなどが展示・販売されていた。

こちらもサプライの「DRAGON SHIELD」。来場者に、『マジック:ザ・ギャザリング』用のトークンカードを配布していた。

◆会場内でも目立った「アニメ・映画原作」のゲーム

今回のSpielでは、アニメやドラマなどを原作にしたゲームも多数登場していた。

『進撃の巨人ボードゲーム』を作ったフランスのメーカー「Don’t Panic Games」では、多くの日本アニメ原作が登場していた。世界的にも人気の「攻殻機動隊」「カウボーイビバップ」「NARUTO-ナルト-」のゲームが試遊されていた。

アメリカのメーカー「USAOPOLY」では、「ハリー・ポッター」を題材にしたボードゲームを複数販売していた。他にも映画「ダイ・ハード」を題材にしたゲームも。

海外ドラマ「ドクター・フー」「スタートレック」を題材にしたゲームも。それぞれ作品の雰囲気に合ったコマが入っており、ファンにはたまらない物になっている。

映画「パシフィック・リム」のミニチュアゲーム。怪獣陣営と人類陣営で別れてバトルができる。映画に出てきたイェーガー(ロボット)が多数登場しているのが魅力だ。

◆リチャード・ガーフィールド作の新機軸ボードゲーム『KEYFORGE』

Spielのガイドブックの表紙にも登場した2人用対戦ゲーム『KEYFORGE』は、大きなブースで試遊や販売などが行なわれていた。
このゲームは、『マジック:ザ・ギャザリング』の産みの親リチャード・ガーフィールドが作成したゲーム。トレーディングカードゲームのように、プレイヤーごとに違うデッキを用意して対戦する形になっている。

パックにはなんとデッキがまるまる1つ入っている。
もちろんパックごとに違うデッキが入っており、しかも他に同じデッキは世の中に存在していない、といういわば「トレーディングデッキゲーム」になっている。
会場では、自動販売機で『KEYFORGE』の販売が行なわれていた!

◆会場で気になったゲームをいくつか紹介

カードゲーマーにはスリーブなどのサプライ品のメーカーとして有名な「UltraPRO」は、海外ではボードゲームも販売している。

この『SHARDS INFINITY』は、デッキ構築ゲームではあるが、各プレイヤーがそれぞれ異なるキャラクターカードを担当し、個別の能力も使って勝利を目指していくゲームになっている。
拡張セットを入れると、協力ゲームとしても遊ぶことができるようにもなっている。

『STAR REALMS』『HERO REALMS』は、それぞれ世界観が違うものの、同じゲームシステムを持ったデッキ構築型ゲーム。使ったコストによって、1枚のカードでも複数の効果が発揮できるようになっている。

ちなみにこれはホビージャパンのブース。『マフィアNo.5』『老師敬服』『ハンザの女王』などの試遊や販売が行なわれた。
また、日本発売に先駆け、『天下鳴動』をいち早く入手することもできた。

毎年規模がどんどん拡大しているSPIEL’19。この会場で発表・発売されたゲームが日本でも大ヒットするかもしれないので、気になる方はチェックしてみよう。