【FFTCG】たるほの隙あらばカード語り ~「Opus XIV」の描き下ろしカード編~

『FINAL FANTASY TRADING CARD GAME』の公式記事連載。今週はライターのたるほさんが「Opus XIV ~クリスタルの深淵~」に収録される描き下ろしカードをレビューします!

◆はじめに
みなさん、こんにちは! 『FFTCG』プレイヤーのたるほです。

8月6日(金)に『FFTCG』の新ブースターパック「Opus XIV ~クリスタルの深淵~」が発売されます。
「Opus XII ~クリスタルの目覚め~」、「Opus XIII ~クリスタルの輝き~」に続く、多属性カード推しセットの第3弾ということで、火土、氷雷、風水といったこれまでのセットにはなかった多属性カードが登場し、いよいよ(光、闇を除けば)2属性の組み合わせのマルチエレメントがそろうので、そこからどんなデッキが出てくるのかとても楽しみです。

また、最近ではもうすっかりおなじみになりましたが、いろいろなイラストレーターさんによる描き下ろしカードも、新しいものが登場するたびに盛り上がりますよね。

今週は、すでに公開されている「Opus XIV」のカードのなかから、描き下ろしイラストが使用されているカードについて、僕なりの視点からカードレビューをお届けしたいと思います。

今回の記事で紹介していない描き下ろしカードの【14-061H】《カルコブリーナ》と【14-089C】《ユエン》についてはこちらの記事でイラストとともに掲載されているのであわせてご覧いただければと思います。

それでは、さっそく始めていきましょう!

◆「火単」の新たなエースとなるか?【14-003R】《イルーア》
まずは【14-003R】《イルーア》から見ていきましょう。

なんといっても注目すべきは伊藤龍馬さんの描き下ろしイラスト。
モノクロームな世界に唯一色付く瞳の青が印象的な1枚で、同じ描き下ろしでもポップでキュートなイメージで彼女の意外な一面を捉えたような【5-099H】《イルーア》に比べて、今回は原作で見られるイルーアの冷酷さが強く出ている印象を受けます。

「Opus XIII」環境の「火単」には【13-017H】《レイン》や【13-130S】《ランジート》といった、バックアップを並べるほどバリューを増していくフォワードがよく搭載されています。

アタック時に火属性のバックアップをダルにした数だけ3000ダメージを与え、またそのぶんだけ自身のパワーを+3000するというアビリティを持つ【14-003R】《イルーア》もまた、昨今の「火単」の流れを汲むカードと言えるでしょう。バックアップが3~4枚並んでしまえば、戦闘で【14-003R】《イルーア》を止めるのは極めて困難になるはずです。

また、コスト1のフォワードで最初からヘイストを持っているのは現状このカードのみなので、そういった意味でも新機軸の1枚と言えます。「Opus XII」などに収録されている、コスト1のフォワードとシナジーを形成するカードたちとの組み合わせにも注目したいですね。

また、このカードを運用するうえで覚えておきたいのが【14-003R】《イルーア》のアビリティでダメージを与えるのは自身のフォワードでもいいということ。

「火単」ではすっかりお馴染みとなった【12-017H】《マギサ》にダメージを与えることで、実質2CPの支払いでコスト3のフォワードをデッキから呼び出せます

コストの軽さもさることながら、ダメージを与えるアビリティを毎ターン継続して使うことができるという点もこれまでの「火単」にはなかった新たな強みとなりそうです。

あとは【5-099H】《イルーア》のスペシャルアビリティ「シェイオル」の弾が増えるという点でも、間接的に環境に影響を与えてくるかもしれません。

味方全員にヘイストを与えて、相手のパワーも下げるという奇襲性抜群のスペシャルアビリティでしたが、これまで《イルーア》が1種類しかなかったため、やや安定性に欠ける部分がありました。今後デッキに最大6枚《イルーア》を搭載できるようになることでスペシャルアビリティの使い勝手がどう変わるか、これも注目の要素ではないでしょうか。

 

◆新時代のレジェンドカード!【14-065L】《クラウド》
次に紹介するカードは【14-065L】《クラウド》。
イラストは「DISSIDIA FINAL FANTASY」4周年記念イラストとして藤瀬リサさんによって描かれたものです。

『FFTCG』では「Opus XII」以降『DISSIDIA FINAL FANTASY』4周年記念イラストを使用したカードが収録されており、「Opus XIV」では浅見瑠比さんの手がけた《ヴァン》も収録されるということで、こちらも気になる1枚です。

そんな【14-065L】《クラウド》ですが、イラストにも描かれているリミット技「凶斬り」の三連続攻撃を思わせる3つの強力なアビリティを持っています。

なかでも特に強力なのが3つ目のアビリティです。
本来、アタックしたときにアビリティが誘発するフォワードは、フィールドに出たあとアタックするまでのスキを相手に突かれやすいのですが、【14-065L】《クラウド》は手札から【カテゴリ(VII)】のカードを捨てることでパワーが+1000され、相手のアビリティによって選ばれなくなります

【カテゴリ(VII)】のカード限定とはいえ手札1枚(=2CP相当)でアビリティによる除去を無効化してしまえるのは破格というほかありません。このカードの登場により、除去効果を持つ召喚獣の評価が見直されるかもしれませんね。

高いパワーと継続力のある除去、アビリティへの耐性とまさに新時代のレジェンドカードにふさわしいカードです。
なお、相手のフィールドにフォワードがいなくなるとパワーが下がってしまうので、1対1の盤面で相手と戦闘して、うっかり相打ちしてしまわないように注意しましょう。

さらに「Opus XIV」には【14-065L】《クラウド》をサポートする強力な仲間たちも収録されています。
【14-120H】《ティファ》は【14-065L】《クラウド》をサーチできるうえ、アタックしたフォワードのパワーを+1000できるので、よりパワーの高いフォワードを【14-065L】《クラウド》で倒せるようになります。

【14-121L】《バレット》は【14-065L】《クラウド》と直接的なシナジーはありませんが、手札のカードを【ジョブ(アバランチ)】と入れ替えることができるので、先ほどの【14-120H】《ティファ》を回収したり、手札のカードを【カテゴリ(VII)】のカードと入れ替えて実質的にすべてのカードを【14-065L】《クラウド》のアビリティのコストにできるようになります。

 

◆最高の汎用性。帰ってきたエージェント【14-122L】《アルシド》!
【14-122L】《アルシド》は、これまで【9-063L】《ガブラス》や【10-058R】《パンネロ》、【12-037L】《アーシェ》といった『FINAL FANTASY XII』のキャラクターを手がけてきた上国料勇さんによって新たに描き下ろされたカードです。

景山プロデューサーのたっての希望で描き下ろされた1枚とのことで、「Opus XIV」では堂々のレジェンドカードとして収録されています。

そんな【14-122L】《アルシド》ですが『FFTCG』で《アルシド》といえば、まず【2-097H】《アルシド》を想像する方も多いのではないでしょうか?

この【14-122L】《アルシド》は多属性になりさらに強力になって帰ってきた、まさに【2-097H】《アルシド》の正当後継者と言えるカードです。
【2-097H】《アルシド》は手札からコスト3以下の雷属性のフォワードを出せましたが、【14-122L】《アルシド》はコスト4以下の氷属性か雷属性のカードを出せるようになっています。

「Opus XIII」ではキャストに制限がある【13-112L】《玄武のルシ ニンブス》や【13-132S】《ティターニア》といったフォワードも登場しましたが、アビリティでフィールドに出す【14-122L】《アルシド》はこういったカードの使いやすさもぐっと高めてくれるでしょう。

また、以前のように相手のフォワードにダメージを与えることはできなくなりましたが、氷属性のフォワードがフィールドに出たときにフォワードを凍結するアビリティと、雷属性のフォワードがアタックしたときにフォワードをダルにするアビリティを新たに獲得しました。

【14-122L】《アルシド》自身はもちろん、【14-122L】《アルシド》以外のフォワードにも反応するアビリティなので、周りのフォワードにもバリューを与えます。

よく似たアビリティを持つカードに【10-020L】《レェン》や【13-105R】《ラスウェル》がありますが、これらの過去の活躍を考えれば【14-122L】《アルシド》の強さは想像に難くないでしょう。

フォワードにダメージを与えるのではなく、ダルにするという点もダメージレースを早めるうえではより有効な効果といえます。

カテゴリやジョブを問わず氷、雷の低~中コストフォワード全体とのシナジーを持つ【14-122L】《アルシド》は、今後の氷雷デッキを牽引していく存在になるのではないでしょうか。

◆限定環境はお任せ!?リミテッドで輝きそうな【14-081C】《からくり士》。
【14-081C】《からくり士》は、これまでも『FFTCG』で【カテゴリ(Special)】の描き下ろしカードを手がけてきた小池紅美子さんの新カード。今回は『FFXI』出典のカードとして登場です。

そんな【14-081C】《からくり士》が持つアビリティは「アクティブ状態のフォワード2体をダルにする:フォワード1体を選ぶ。それをダルにする。このアビリティは1ターンに1度しか使えない。」というもの。

非常にシンプルなアビリティですが、実は通常のアクションアビリティより遥かに使いやすいテキストとなっています。その理由は「アクティブ状態のフォワード2体をダルにする:」という起動コストの書き方。
通常、ダルアイコンを起動コストに含むアクションアビリティはヘイストを持たないかぎり、出たターンから使うことができません。
ですが【14-081C】《からくり士》は「アクティブ状態のフォワード2体をダルにする:」ことがコストなので、フィールドに出たばかりの【14-081C】《からくり士》をいきなりダルにしてコストを支払うことができます。細かなテキストの書き方の差ですが、こういったルールは覚えておくと役に立つでしょう。

そして、この【14-081C】《からくり士》、リミテッド環境では結構やり手の予感がします。ポイントは、レアリティがC(コモン)だということ。
リミテッドは、相手のフォワードを対処できるカードが多くないこともあり、こういういわゆるシステム系のフォワードが生き残りやすい環境です。そのなかでもこのカードはアタッカーやブロッカーをダルにすることでダイレクトにダメージレースにかかわってくるカードなので、かなり存在感を発揮してくれる予感がしています。

「Opus XIV」のリミテッドではぜひ【14-081C】《からくり士》の強さをみずから体感し、またみなさんにも感じてほしいので、新型コロナウイルス感染症が一刻も早く終息し、「プレリリースパーティー」をはじめとしたリミテッドのイベントが復活してくれればいいなと思いますね。

◆おわりに
今回は「Opus XIV」で登場するカードについて、僕チョイスでレビューをさせていただきました。

描き下ろしカードにはそれぞれフルアート版も存在し、毎回パックを開封するときの楽しみの1つなので、今後もどんなカードが登場するのか期待しつつ、8月の「Opus XIV」の発売を待ちたいと思います。

そして「Opus XIV」ももちろん楽しみですが、「Opus XIII」環境で開催される「MASTERS 2021」ももうまもなくまで迫っています。

感染対策を徹底し、久しぶりの公式トーナメントを盛り上げていきたいですね。

こちらの記事も力を入れて取り組んでいきたいと思っています。
それでは、また次回の記事でお会いしましょう!