【FFTCG】第1回マニアックルールクイズ!【目指せルールマスター】

『FINAL FANTASY TRADING CARD GAME』の公式記事連載。今週はルールマニアでもたるほさんが、『FFTCG』総合ルールを元に対戦中に発生するさまざまな状況に関するクイズを出題します。

 

◆はじめに
皆さん、こんにちは!『FFTCG』公式記事ライターのたるほです。
皆さんは『FFTCG』をプレイしていて、「このカードとこのカードの効果が同時に発動したらどうなるんだろう?」だったり、「この状況ではどういう順番でアビリティの効果を解決したらいいんだろう?」と迷ったことはありませんか?

そんなときに頼りになるのが、公式サイトで公開されている『FFTCG総合ルール』です。これは『FFTCG』における詳細なルールが記載されているもので、細かな判断に迷ったプレイヤーを助けてくれる『FFTCG』の辞書のような存在です。

こう聞くと少し難しそうに感じるかもしれませんが、総合ルールの要点を覚えておくことで『FFTCG』に関する知識も深まり、ゲームをより楽しめるようになります。
そこで今回は『FFTCG総合ルール』をもとに、クイズをしていきたいと思います。

クイズは全4問です。あなたは全問正解できるでしょうか?
それでは、さっそく始めていきましょう!


◆第1問 いずれかが勝利者か?(難易度★★☆☆☆)
あなたのフィールドにはパワーが10000の【13-119L】《ソフィ》がいます。
あなたのデッキは0枚で、対戦相手が6点ダメージを受けている状態で【13-119L】《ソフィ》のオートアビリティが解決されました。勝敗はどうなるでしょう?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正解:引き分けになる。
【解説】
これは実際に処理方法について確認したことがあるというプレイヤーも多いのではないでしょうか?

『FFTCG』は、ゲームの勝敗を決める3つの条件があります。

①対戦相手に7点のダメージを与える。
②対戦相手がカードを引けなくなる。
③対戦相手のデッキが0枚のときにダメージを与える。

『FFTCG総合ルール』において、これは「3.終了要件」で定義されていて、以下のような記載となっています。

3.終了要件

3.1.ゲームは以下の要件を満たした時に、敗北したプレイヤーの相手プレイヤーの勝利で終了する。
3.1.1.構築戦ではいずれかのプレイヤーが7点のダメージを受ける、リミテッド戦の場合はプレイヤーが6点のダメージを受けるとゲームはそのプレイヤーの敗北で終了する。
3.1.2.カードが引けなくなったプレイヤーがいる場合、ゲームはそのプレイヤーの敗北で終了する。
3.1.3.デッキが0枚の時にダメージを受けたプレイヤーがいる場合、ゲームはそのプレイヤーの敗北で終了する。

プレイヤー側の主観ではなく、ルール側の客観的な視点で記載されているため、勝者ではなく敗者を決める条件として定められているのが印象的です。
さて、今回の問題は【13-119L】《ソフィ》のアビリティであなたと対戦相手が「3.1.1.」と「3.1.2.」で同時に終了要件を満たし敗北するケースとなります。

このときあなたは勝利条件と敗北条件を同時に満たしていますが、『FFTCG総合ルール』では

3.2.あるゲームにおいて、あるプレイヤーが勝利条件と敗北条件を同時に満たした場合、そのプレイヤーはそのゲームに敗北する。
3.3.ゲームに残っていたプレイヤー全員が同時に敗北した場合、ゲームは引き分けとなる。

と規定されているため、両プレイヤーが同時に敗北したということで、「引き分け」という結果になるのです。
このシチュエーションは実際に僕も遭遇したことがあるケースなので、【13-119L】《ソフィ》を使ったデッキを使う際には覚えておくとよいでしょう。


◆第2問 決めるのは誰?(難易度★★★☆☆)
あなたは【14-006R】《焔神イフリート》をコントロールしており、対戦相手は5点ダメージを受けています
このとき相手の【8-049L】《エアリス》を対象に【11-001R】《イフリート》をキャストしました。
このとき【8-049L】《エアリス》はダメージを受けてブレイクされるでしょうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正解:対戦相手が決める。
【解説】
これはある効果や数値を別の効果や数値に置き換える「11.12.5.置換効果」に関する問題です。
今回のケースでは、【11-001R】《イフリート》が与えるダメージが複数の効果によって置換されています。

それでは少し状況を整理してみましょう。

①【14-006R】《焔神イフリート》をコントロールしているので、【11-001R】《イフリート》が与えるダメージは1000多くなる。
②対戦相手が受けているダメージが5点なので、【11-001R】《イフリート》は5000ダメージの代わりに8000ダメージを与える。
③【8-049L】《エアリス》のアビリティで対戦相手のコントロールするフォワードが自身のパワー未満のダメージを受けるとき、代わりにそのダメージは0になる。
④【8-049L】《エアリス》のアビリティで、【11-001R】《イフリート》が与えるダメージは2000減る。

ざっくり言えば、「【11-001R】《イフリート》のダメージが自身の効果で5000から8000に増え、【14-006R】《焔神イフリート》のアビリティで1000増え、【8-049L】《エアリス》のアビリティで2000減り、与えられるダメージが【8-049L】《エアリス》のパワー未満であればダメージが0になる。」という状況です。

これを解決するために、まずは置換効果の種類を覚えておきましょう。

置換効果には自己置換効果と呼ばれるものがあります。
11.12.5.6.
召喚獣、アクションアビリティ、スペシャルアビリティ、オートアビリティがそれ自身の解決時の効果の一部または、全部を置換する場合がある。この効果を自己置換効果と呼ぶ。置換効果を置換イベントに適用する場合には、最初に自己置換効果を適用し、それからそれ以外の置換効果を適用する。

11.12.5.6.
召喚獣、アクションアビリティ、スペシャルアビリティ、オートアビリティがそれ自身の解決時の効果の一部または、全部を置換する場合がある。この効果を自己置換効果と呼ぶ。置換効果を置換イベントに適用する場合には、最初に自己置換効果を適用し、それからそれ以外の置換効果を適用する。

ここで自己置換効果に該当するのは、【11-001R】《イフリート》自身の効果でダメージを置換する②です。
それを踏まえて、複数の置換効果が発生した場合の処理については以下のように記載があります。

11.12.5.7.
複数の置換効果がカードまたはプレイヤーに影響を与えるひとつの置換イベントを置き換えようとする場合、まず、自己置換効果を適用する。それから、カードが誰のコントロール下でフィールドに出るかを修整する効果があれば、その中の一つを選ぶ。その後、影響を受けるカードのコントローラー(コントローラーがいないならばオーナー)または影響を受けるプレイヤーが残りの置換効果を適用する順番を選択する。

つまり②【11-001R】《イフリート》が自己置換効果で最初に5000ダメージから8000ダメージに置換した後は、【8-049L】《エアリス》のコントローラーである対戦相手が残りの置換効果を好きな順番で適応できるということになります。

そのため相手が、

②→①→④→③

の順で適用した場合は最終的に7000ダメージが与えられ【8-049L】《エアリス》はブレイクされますが、

②→④→③→①

の順で適用した場合は、最終的に与えられるダメージが0になるので(一度0になったダメージは増加しない)、【8-049L】《エアリス》はブレイクされません。

【8-049L】《エアリス》を生き残らせるか、ブレイクしてバックアップをアクティブにするかという選択権を相手に委ねてしまうので、こちらが仕掛けたはずのアクションを相手のいいように利用されてしまいます。

あくまで一例ではありますが、複数の置換効果が発生するときは注意しておきたいポイントですね。

 


◆第3問 手札はあるの?ないの?(難易度★★★★☆)
対戦相手の手札は0枚
フィールドには【5-071R】《レヤック》がいます。
このとき、あなたは【13-028L】《ファイサリス》でアタックしました。
このとき【13-028L】《ファイサリス》はオートアビリティの効果をいくつ選択できるでしょうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正解:2つ選択できる
【解説】
これはオートアビリティの種類に関する問題です。

【13-028L】《ファイサリス》のオートアビリティの誘発にスタックし、【5-071R】《レヤック》のオートアビリティが解決されるので、相手の手札が1枚に増えるため一見すると選択できる効果は1つのようにも思えますが、『FFTCG総合ルール』では以下のような規定があります。

11.8.13.
11.8.10.オートアビリティが複数の効果から選択する場合、どの効果を使用するかを宣言する。
11.8.10.1.なんらかの条件によって選択できる効果の数が変動する場合はこの時点で数が決定される。以降、効果が解決されるまでこの数は変動しない。

つまり【13-028L】《ファイサリス》のオートアビリティが誘発した時点で、選択できる効果の数が決定されるため、これ以降相手の手札が増えたとしても選択する数は変動しないため、【13-028L】《ファイサリス》はどちらの効果も使うことができるのです。

また、ここで少しややこしいのが条件付きオートアビリティの存在です。

11.8.13.
「[誘発イベント]とき/たび/時に、[条件]場合、[効果]。」という形で条件を持つオートアビリティが存在する。これを条件付きオートアビリティと呼ぶ。条件付きオートアビリティは、誘発条件の一部としてその条件が満たされているかどうかをチェックする。条件が満たされていない場合、アビリティは誘発しない。また解決時にも再び条件をチェックし、条件が満たされなくなっていた場合には、アビリティは何もしない。

条件付きオートアビリティは「〇〇したとき、~~の場合、[効果]する。」という形で記載されるオートアビリティで、誘発時と解決時にその条件(~~)が満たされているかチェックされる、というもので【4-048L】《ロック》や【13-086R】《アグリアス》がこれに該当します。

こうしたカードは条件が満たされなくなった場合にはアビリティは何もしないので、解決にスタックして条件となるキャラクターを除去するなどの妨害が可能です。

【13-028L】《ファイサリス》のオートアビリティは「〇〇したとき、~~の場合、以下から選択する。」と記載されているため、誘発時と解決時に条件が満たされているかチェックしなければならないのでは? という気になりますが、【13-028L】《ファイサリス》の場合は、あくまで選択できる効果の数に対する条件(~~)なので、そもそも条件付きオートアビリティとは別物であり、途中から妨害しても効果の解決には影響ありません。

同じく条件付きで選択できるオートアビリティを持つカードに【15-139S】《クラウド》がいます。こちらは昨年、Twitterでも少し話題になりましたね。

これらのカードを妨害するときは、オートアビリティが誘発して効果を止められなかったなどうっかりプレイのないように、「10.1.1.アタック準備ステップ」中の妨害を心がけましょう。


それでは最後は、そんなアタックフェイズに関する問題です。

◆第4問  いつまでがアタック中なのか?(難易度★★★☆☆)
あなたの【12-072R】《レイル》にベアラーカウンターが3つ置かれています
【12-072R】《レイル》でアタックしダメージを与えたあと、あなたは【12-072R】《レイル》のアクションアビリティを使用することができるでしょうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正解:できる。
【解説】
この問題では、アタックフェイズをさらに深掘りしていきましょう。
この問題のポイントは、「フォワードはいつからいつまでアタック中か?」という点になります。

総合ルールでは「10.アタックフェイズ」は以下の4つのステップに分かれています。

10.アタックフェイズ

・10.1.1.アタック準備ステップ
・10.1.2.アタック指定ステップ
・10.1.3.ブロック指定ステップ
・10.1.4.ダメージ解決ステップ

フォワードがアタック中になるのは「10.1.2.アタック指定ステップ 」の「10.1.2.4.」の項です。

10.1.2.4.
選ばれたフォワードがなおターンプレイヤーによってコントロールされている場合、それはアタック中のフォワードとなる。

またカードやアビリティのプレイを行なうには優先権が必要になります。
「10.1.2.4.」でアタック中になって以降、優先権を得られるタイミングは、

・10.1.2.アタック指定ステップ 「10.1.2.6.」
・10.1.3.ブロック指定ステップ「10.1.3.6.」
・10.1.4.ダメージ解決ステップ「10.1.4.4.」

となるので、実はダメージを与えたあとにも優先権を獲得するタイミングがあり、まだアタック中の【12-072R】《レイル》はアビリティを使うことができるのです。

またこのテクニックは【11-059C】《ボビィ=コーウェン》などでも応用できます。

フォワードがパーティーを組んでいるのは、

・10.1.2.アタック指定ステップ「10.1.2.1.」

でパーティーを宣言してから、

・10.1.4.ダメージ解決ステップ「10.1.4.5.」

でそれが解消されるまでです。

【11-059C】《ボビィ=コーウェン》とパーティーを組んでいる【5-057C】《白魔道師》が

・10.1.4.ダメージ解決ステップ「10.1.4.4.」

で優先権を獲得し、自身のアクションアビリティのコストでブレイクゾーンに置かれたときに【11-059C】《ボビィ=コーウェン》でカードを2枚引ける動きは、覚えておくと活用できる機会もあるかもしれません。

そして見落とされがちなのが「10.1.4.4.」で優先権を放棄し第2メインフェイズに移行しようとしたとき、相手が優先権を使い行動した場合、直前のフォワードはまだアタック中だということです。
この場合でも、再び優先権を得れば問題なく【12-072R】《レイル》のアクションアビリティを使うことができます。

アタック中やパーティーを組んでいる間にしか使えない効果を持っているカードは限られていますが、知っていれば攻防の駆け引きがさらに磨かれることでしょう。

第3問、第4問のようなシチュエーションでは、あなたが今どのステップを進行しているかというのが重要になります。
公式トーナメントの場などでは、優先権の宣言やフェイズ・ステップの移行の宣言ははっきりと行うように心がけましょう。

◆おわりに
今回の『FFTCG総合ルール』クイズはいかがだったでしょうか?

普段プレイするだけでは目にする機会も少ない総合ルールですが、実は奥が深く、僕自身今回の記事を執筆しながらあらためて「なるほど!」と思うことも多かったです。
今回出題した以外にも知っているとおもしろいルールがたくさんあるので、ぜひ一度『FFTCG総合ルール』を読んでみてください。

ただ1点、注意しておきたいのが『FFTCG総合ルール』はカードプールの更新などにあわせて定期的にメンテナンスされるので、いま記載されている内容が、ずっと正しい解釈ではない可能性があるということです。

実際にルールが変更された例はこちら

あくまで参考知識として持っておいて、ルールがわからないときや不安なときは、公式Twitterアカウントに問い合わせたり、公式トーナメントの会場でスタッフに確認してみるのがいいでしょう。

ルールに関する質問は、

「FF-TCG Discord[JAPAN]」(公式Discordサーバー)
@FFTCG_SQEX(『FFTCG』公式Twitter)

などでできるので活用していきましょう。

それでは、また次回の記事でお会いしましょう!