『FINAL FANTASY TRADING CARD GAME』の公式記事連載。今回は開発課、荒井のルール解説クイズの第3弾として「Opus V」編をお届けします。
こんにちは、ホビージャパンゲーム開発課の荒井です。
「Opus V」発売から1か月ほど経ちました。皆さん新環境(というには結構経ってますが)を楽しんでいますでしょうか?
各地で毎週のように「MASTERS 2018」が開催中ということもあり、我々ホビージャパンのスタッフも全国を飛び回りバリバリジャッジをしております。
大会の現場では「Opus V」から新たに導入されたギミックに関する質問を多くいただきます。新しいカードやギミックで疑問が生じることがあるのは当然なので、気になったら遠慮なくジャッジを呼んでくださいね。
今回は、過去2回に渡ってお届けしてきたクイズ形式でのルール解説コラム、その最新版をお届けしたいと思います。皆さんの楽しい『FF-TCG』ライフの一助になれば幸いです。
過去のルール解説コラムはこちらからどうぞ。
では早速始めていきましょう!
Q1.イルーアが無効にできるもの
あなたは【5-099H】《イルーア》をコントロールしており、まだこのターン中に対戦相手から選ばれてはいない状態である。彼女でアタックして相手にダメージを与えたところ【1-023R】《ブリュンヒルデ》がEXバーストし、【5-099H】《イルーア》が選ばれた。彼女にダメージは与えられるか?
(正解は下へスクロール!)
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正解:無効にはならず、【5-099H】《イルーア》は7000ダメージを受けてブレイクされる
そのターンの最初に選んだ召喚獣やアビリティを無効化できる【5-099H】《イルーア》。その無効化するアビリティは「~によって選ばれたとき」と書かれているので、オートアビリティに分類されます。まず選ばれたときに無効にする効果がスタックに乗り、それが適正に解決されれば無効化させる、という流れで処理が行なわれます。
そしてEXバーストで【5-099H】《イルーア》が選ばれた場合はどうなるかという話ですが、この処理は前回のコラムで解説した【4-024R】《レドナ》とEXバーストの関係とまったく同じです。まずEXバーストを即座に解決し、そのあとにオートアビリティを解決…という順番になるため【5-099H】《イルーア》はブレイクされます。その後、無効にするオートアビリティが解決はされますが何も起こりません。
「無効にする」という文字の印象からなんとなくフィールドアビリティっぽく見えますが、これも立派なオートアビリティ。EXバーストには無力であることは変わらないのです。
Q2.続・イルーアが無効にできるもの
あなたは【5-099H】《イルーア》をコントロールしており、まだこのターン中に対戦相手から選ばれてはいない状態である。アタックしたところ【1-004C】《イフリート》がバーストし【5-099H】《イルーア》に4000ダメージが与えられた。その後、相手は【4-058C】《サボテンダー》のアビリティを起動し【5-099H】《イルーア》を選んだ。【4-058C】《サボテンダー》によるダメージは与えられるか?
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正解:無効にはならず、ダメージを与える
さきほどと似た状況ですが、EXバーストでめくれた【1-004C】《イフリート》のダメージは4000のため、まだ【5-099H】《イルーア》がブレイクされずフィールドに残っている状態です。その後【5-099H】《イルーア》がもう一度選ばれた場合、無効になるかどうかという問題ですが、この場合は無効にはできません。
EXバーストによって無効にするアビリティが不発になったため、一見するとまだ無効にできそうな気もします。ですが、このオートアビリティは「【5-099H】《イルーア》がそのターンに初めて選ばれた」ときにのみ発動するもので、無効にできなかったとはいえオートアビリティそのものはEXバーストで選ばれた際に発動しています。ですので、その後再度選ばれたとしても、アビリティが発動自体しない、ということになります。
Q3.ブロックしているフォワードとは
相手のフォワードAのアタックをあなたのフォワードBでブロックしたところ、Bに対して【5-044C】《背徳の皇帝 マティウス》を召喚された。それに対応して、あなたはAを【1-124R】《オーディン》でブレイクした。【5-044C】《背徳の皇帝 マティウス》によってBはブレイクされるか?
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正解:ブレイクされない
【5-044C】《背徳の皇帝 マティウス》は「ブロックしているフォワード」をブレイクする召喚獣です。このケースでは解決前にアタックしているフォワードがブレイクされたため、その場合残ったフォワードは「ブロックしている」状態なのか? というのがポイントなのですが、結論としてはNOです。あくまでお互いのフォワードがフィールドにいる状態でのみ「ブロックしている」状態であるということです。
ちなみにアタックは相手のフォワードがいなくてもできる行為ですので、同じようなケースでブロック側のフォワードがいなくなったとしても、アタック側はアタック状態のままです。あくまでブロックでのみ、このようなことが起こりうるとお考えください。
Q4.2つを選択する
【5-053R】《エコー》のオートアビリティで「フォワード1体を選ぶ。それをアクティブにする」と「カードを1枚引く」を選択した。それに対応して、選んだフォワードを【1-124R】《オーディン》でブレイクされた。1枚引くことはできるか?
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正解:引けない
『FF-TCG』の原則として「アビリティや召喚獣で選んだキャラクターがすべて解決時に不適正(フィールドから離れる、選ばれない状態になるなど)になった場合、その効果すべてが解決されなくなる」というものがあります。例えば【4-012C】《ゴブリン》で選んだフォワードがブレイクされた場合、ヘイストを与えることもカードを1枚引くこともできません。
この原則は「Opus V」で多数追加された「複数の効果から2つ選択する」ものであっても同様です。複数の行動をしているとはいえ、オートアビリティとしてはあくまでひとつ。ですので「アクティブにする」だけでなく「カードを引く」まで、すべてまとめて解決できなくなります。
Q5.続・2つを選択する
【5-062L】《ディアボロス》を召喚し「コスト5以上のフォワードをブレイク」「コスト4以下のフォワードのパワーを1000にする」を選択した。前者で選んだフォワードが【1-157C】《学者》で手札に戻り、不適正となった。後者で選んだフォワードはパワー1000にできるか?
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正解:パワー1000にできる
Q4と似たケースですが、今度は逆に「解決できる」が正解となりました。どこに違いがあるのでしょうか。
ポイントは、前者も後者もフォワードを「選んでいる」ところにあります。Q4の解説で「選んだキャラクターが“すべて”解決時に不適正になった場合、その効果すべてが解決できなくなる」と述べましたが、Q5の場合は不適正になったのは前者のフォワードだけです。すべてが解決時に不適正になったわけではないので、残りの適正なものは可能な限り解決される、という処理になります。
原理としては【1-018L】《バハムート》で選んだ2体のうち1体が手札に戻ったケースと同じです。この場合でも、残った1体にはちゃんと10000ダメージが入ります。
Q6.2倍と半分と
【1-030R】《レブロ》と【1-083H】《マリア》がおり、【5-149S】《アモダ》のパワーが10000になっている。このアモダが
A:自身のオートアビリティでパワーが2倍になった
B:【5-133H】《ビスマルク》でパワーが半分になった
場合、それぞれパワーはどうなるか?
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正解:A→20000 B→5000
「パワーを2倍にする」という概念は「Opus I」時点からありましたが、「Opus V」で初めて「半分にする」が登場しました。まとめて解説しておきましょう。
基本的に2倍や半分といった現在のパワーを基準値として加減する数値を算出する場合は、パワーを修正する効果をすべて適用した状態から計算します。【1-083H】《マリア》などの常にアビリティでパワーを増やすものはもちろんのこと、【1-120C】《モンク》や【1-106C】《ゴーレム》といったそのターン限定の一時的なパワーアップも含まれます。
よく似た効果である【3-066R】《バルバリシア》の「パワーを1000にする」はカードに書いてある数字そのものを変更し、その後パワーを増やす効果を適用していたため、処理が異なることに疑問を覚えた方もいるかもしれません。どちらとかいうとバルバリシアのほうが特殊なケースで、「パワーを○○にする」という風に固定の数字が定義されている場合のみ基本のパワーを変更する、という処理になります。それ以外はすべて、その時点でのパワーに対して加減を行なう、というように覚えておきましょう。
Q7.属性変化はアビリティ?
【5-148H】《カムラナート》が自身のアビリティによって火属性になった。その後、【3-128C】《踊り子》によって【5-148H】《カムラナート》のアビリティがすべて失われた場合、【5-148H】《カムラナート》の属性はどうなるか?
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正解:火属性のまま
【5-148H】《カムラナート》はアビリティによって自身の属性を変化させました。ということはアビリティを失った場合は元の属性(闇)に戻るのでは?という気もしますが、元に戻ることはなく火属性のままです。
【5-148H】《カムラナート》のアビリティはあくまで「属性を変える効果が毎ターン発動する」ものであり、属性が変わったという結果はアビリティとは関係ない独立したものです。たとえば自身のアビリティでパワーを+1000した【5-037R】《ザイド》がアビリティを失ったとしても+1000がなかったことにはなりませんが、理屈としてはそれと同じようなものになります。
Q8.オートアビリティの解決順
あなたのターン、【5-106R】《黒騎士》が相手のフィールドにいる状態で【5-083C】《PSICOM治安兵》をフィールドに出して【5-106R】《黒騎士》をブレイクすることを選んだ。このとき、【5-083C】《PSICOM治安兵》は【5-106R】《黒騎士》によってブレイクされるか、されないか?
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正解:ブレイクされる
複数のオートアビリティが同時に発動したときの手順については、前回のコラムで【4-035R】《シド・ランデル》を例に解説しました。これも考え方は同じです。
両プレイヤーでオートアビリティの誘発タイミングが重なった場合は、原則として「ターンプレイヤー→非ターンプレイヤー」の順番でスタックに積みます。そしてスタックは積まれたものとは逆の順に解決していきますので、非ターンプレイヤー側の【5-106R】《黒騎士》から先に解決し【5-083C】《PSICOM治安兵》はブレイクされることになります。
ちなみに、【5-019L】《フェニックス》などを用いて相手のターン中に【5-083C】《PSICOM治安兵》が出た場合は、これとは逆になります。先に【5-083C】《PSICOM治安兵》を解決し【5-106R】《黒騎士》はブレイクされ、「黒騎士をブレイクゾーンに置く」ことができなくなるため【5-083C】《PSICOM治安兵》はブレイクされずフィールドに残ります。
いかがでしたでしょうか。今回は敢えて、これまでのコラムで取り上げた内容と近い問題も入れてみましたので、そのときの解説を読んでいた方は簡単にわかったかもしれません。
カードの挙動は根底となる基本ルールをもとに作られているため、たいていのケースは類似のカードにも当てはまります。「このカードはこうだった」だけでなく、その根拠となる部分も覚えておくと、いろいろなカードに応用がきくようになりますよ!
ではまた、次回の記事でお会いしましょう!