『FINAL FANTASY TRADING CARD GAME』の公式記事連載。今回は「MASTERS 2025 1st season」千葉大会、神戸大会で採用されるL3構築における「星の涙」の注目カードを紹介します。
◆はじめに
皆さん、こんにちは。『FFTCG』公式記事連載の編集担当で『FFTCG』プレイヤーのゆばと申します。
最新ブースターパック「星の涙」が発売されましたが、前回はライターのたるほさんが新環境の注目カードとスタンダード環境の移り変わりについての記事を書いてくれました。
ここでは4月6日(日)に開催される「MASTERS 2025」千葉大会と、4月12日(土)に開催される「MASTERS 2025」神戸大会で採用されている「L3構築」フォーマットにおける「星の涙」の注目カードを紹介していこうと思います。
今環境のL3構築では「星の涙」が加わり、同時に「秘められた希望」がローテーションして使えなくなります。これによって使用可能なカードは「秘められた試練」「秘められた伝説」「星の涙」に収録されているカードと、以下の7種類のプロモーションカードになります。
なお2月に発売された「レガシーコレクション」のカードはL3構築では使えない(使用可能なカードNoを持つカードが再録されていない)ので注意しましょう。
というわけで「秘められた試練」から「星の涙」までのカードとプロモーションカードでデッキを組んでいくことになる……のですが、実はここで問題が1つ。最新セットである「星の涙」はもちろんのこと、1つ前の「秘められた伝説」が入った環境でもL3構築の大きなトーナメントは開催されておらず、どんなカードやデッキが強いのか、どんな戦略が有効なのかまったくわかっていない未開の地と言える状況なのです。そして大会まではもう1週間を切っているということで、これはある意味『FFTCG』の開発元であるホビージャパンからプレイヤーの皆さんへ「さぁ、どんなデッキを持ってくるんだい!?」という挑戦状とも言えるのではないでしょうか。
それではさっそく、そんなフロンティアなL3構築で活躍しそうな「星の涙」のカードを見ていきましょう。
◆L3構築における「星の涙」の注目カード
最初に紹介するのは【25-029R】《ヌージ》と【25-081R】《バラライ》、そして【25-020R】《ギップル》です。
L3構築では貴重な、バックアップをサーチできるバックアップの【25-029R】《ヌージ》。EXバーストも持っているのでデッキの安定性向上だけでなく逆転性も高めてくれます。サーチ先となる【25-081R】《バラライ》もブレイクゾーンのカードを回収できて実質1コストのバックアップとして運用可能。両者ともスペシャルアビリティこそありませんが、自身をブレイクゾーンに置くアクションアビリティがあるため複数枚引いても無駄になりにくくなっています。
もう1つのサーチ先である【25-020R】《ギップル》も【カテゴリ(X)】のフォワードを強化する能力を持っており、今弾では彼らと同じ氷と雷属性で収録されている25-033R】《ユウナ》や【25-080H】《パイン》が強化能力の恩恵を得られます。
また「氷雷」の組み合わせには【25-025L】《セフィロス》や【25-073L】《ザックス》を擁する【カテゴリ(VII)】の【ジョブ(ソルジャー)】ギミックもあります。
【25-029R】《ヌージ》と【25-081R】《バラライ》はこういったデッキでも安定性を高める役割を果たしてくれるでしょう。
次に紹介するのは【25-010H】《サラマンダー [III]》。
フィールドに出たときとアタックしたときに、コストを支払って2体に9000ダメージを与えるという極めて高い除去能力を持ちます。火属性を含む5CPを支払うのはちょっと大変そうなので、クリスタルをしっかり確保できるデッキで運用したいところ。ベストパートナーとなるのは【24-111H】《ルシオ》で継続的にクリスタルを獲得できる【ジョブ(クリスタルの戦士)】を使うデッキでしょう。
ただ、現在のL3構築では【23-002L】《カイアス》+各種《バハムート》や【24-005L】《クライヴ》+【24-001L】《イフリート [XVI]》、【25-006L】《クラウド》など、ほかにも強力な除去手段が目白押しです。
これらのカードとどう共存させていくか、デッキのバランス取りが少し課題になるかもしれません。
続いては【25-051L】《レム》をはじめとする【ジョブ(クラスゼロ)】のメンバーを見てみましょう。
今回、火・風・雷の3属性にまたがって一気にカードが充実した【ジョブ(クラスゼロ)】ですが、その中心的な存在になりそうなのが【25-051L】《レム》です。序盤はバックアップを、中盤以降ならフォワードをサーチすることでデッキの安定性を大いに高めてくれます。ブレイクゾーンに置いてすべての【ジョブ(クラスゼロ)】のキャラクターをアクティブにできるので、ダル・凍結戦略への対抗策になったり最終盤のダメージレースにも貢献してくれます。【25-077C】《シンク》や【25-070C】《エイト》での再利用を狙っていきたいところです。
再利用という点では【25-078H】《セブン》も要注目のカードです。
スペシャルアビリティ「ボンデージウィップ」は信頼性の高い除去であり、コスト5くらいまでのフォワードであれば楽々射程に入ります。ブレイクゾーンからの回収手段を駆使して繰り返し使っていきたいですね。また【ジョブ(クラスゼロ)】にヘイストを付与するアビリティもダメージを稼ぎやすく、コストでダルにしたキャラクターも【25-051L】《レム》でアクティブにできます。
アクティブにするカードで言えば【25-037H】《クイーン》も強力。
毎ターンバックアップを2枚アクティブにできるので、コスト面で大きくリードすることができます。【16-043H】《アトモス》と同じ効果だと思えばその強力さは折り紙付きですね。
そして【ジョブ(クラスゼロ)】を集めたデッキの文字通りエースとなりそうなのが【25-005H】《エース》。
0まで下がるコスト軽減能力を持っており、さらにアタックせずとも毎ターン相手にダメージを与えられます。もちろんスペシャルアビリティ「キャノンレーザー」も強力。現環境では数少ない10000を超えるダメージを与えられる手段であり、さまざまなデッキで採用されそうな【24-001L】《イフリート [XVI]》をにらめる1枚です。
次は土属性から【25-067H】《リュック》を。
フィールドに出たときにコスト3までのバックアップを出せるので、展開力が高いだけでなくデッキの属性が多い場合の調整役にもなってくれます。【ジョブ(戦士)】を持っているのも現環境では大きなプラス要素。【25-014L】《フォルカー》でサーチして出すことができるため、【25-014L】《フォルカー》→【25-067H】《リュック》→バックアップ展開というダイナミックな動きも可能です。ただ惜しむらくはL3構築に【ジョブ(戦士)】のバックアップがほとんどいないこと。【25-014L】《フォルカー》で一挙にサーチというわけにはいかないようです。一応【24-057C】《クラウド》はいるのですがさすがに【25-006L】《クラウド》を優先したほうがよさそうです。
もう1つ持っている【ジョブ(カモメ団)】も先述の【25-033R】《ユウナ》でサーチ&属性を無視して出すことができるため「氷雷」のようなデッキでもお呼びがかかるかもしれません。
そして、そんな【25-033R】《ユウナ》や【25-067H】《リュック》と絡めて使いたいのが最後に紹介する【25-096L】《ティーダ》です。
バックアップを手札に戻し、そのぶん【カテゴリ(X)】のキャラクターをキャストするコストを3下げてくれます。これをこれまで紹介してきたカードと組み合わせてフル活用すると、
【25-096L】《ティーダ》で【25-081R】《バラライ》を戻す
↓
コストが0まで下がった【25-033R】《ユウナ》をキャスト、【25-067H】《リュック》をサーチ
↓
【25-033R】《ユウナ》のアビリティで【25-067H】《リュック》を出す
↓
【25-067H】《リュック》のアビリティで【25-081R】《バラライ》を出しなおしてフォワードを回収
という動きが可能になります。そして【25-096L】《ティーダ》のもう1つのアビリティである「ティーダか【カテゴリ(X)】のキャラクター1体が出るたび、対戦相手のフォワードのパワーを-4000する」効果により-4000を4回振り分けることができます。4属性が絡むアクションですが、決まれば一気に盤面を掌握できそうです。
◆おわりに
今回はL3構築の目線で「星の涙」のカードを紹介しました。
果たして「MASTERS 2025」千葉大会や神戸大会ではどんなデッキが出てくるのか、楽しみです。
「MASTERS 2025 1st season」ではL3構築の大会はこの2つだけですが、「2nd season」でもL3構築の大会はおそらく開かれるでしょう。久しぶりにトーナメントシーンに帰ってきたL3構築をぜひ研究してみてはいかがでしょうか。
それでは、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。