『FINAL FANTASY TRADING CARD GAME』の公式記事連載。今週は発売されたばかりの新ブースターパック「星の涙」の注目カードを紹介します。
◆はじめに
皆さん、こんにちは! 『FFTCG』公式記事ライターのたるほです。
いよいよ『FFTCG』のOpusシリーズで25番目となるブースターパック「星の涙」が発売されした!
発売に先がけて公式サイトではカードリストが公開され、全国のカードショップで開催された「プレリリースパーティー」ですでに最新のカードに触れたというプレイヤーも多いかと思います。皆さん、気になるカードはありましたか?
さて、今回はそんな「星の涙」に収録された最新カードの中から特に気になるものをチェックしていきたいと思います。
4月から始まる「MASTERS 2025 1st season」のトーナメントシーンについても触れていきたいと思いますので、参加を予定されている方はぜひチェックしてくださいね。
それでは、さっそく始めていきましょう!
◆最新ブースター「星の涙」の注目カードをチェック!
最初に取り上げたいのは光属性のレジェンドカード【25-104L】《ユウナ》です。
【25-104L】《ユウナ》はアクティブ状態のフォワード2体をダルにすることをコストに、3つの効果から1つを選択できるアクションアビリティを持っています。選択できる効果は「フォワードを最大2体までダルにする」「キャラクター1体を凍結する」「召喚獣1体かオートアビリティ1つを選び、相手が1CP払わなければその効果を無効にする」というものです。
特に注目なのが3つ目の「召喚獣1体かオートアビリティ1つを選び、1CP払わなければその効果を無効にする」という効果です。召喚獣の【12-002H】《アマテラス》や【9-068H】《ドラゴン》のように無条件で効果を無効化することはできないものの、【25-104L】《ユウナ》が生き残り続けることで相手の効果に繰り返し制約を課し、リソースを縛るという使い方が想定されます。
繰り返し使えるという前提と、コストの支払いにフォワード2体のダルを必要とすることから、ゲーム序盤からフォワードが並ぶデッキで活躍が期待できるカードとなりそうです。
例えば「氷水グリーヴァ」や「土水ウネ」などのデッキはキーカードの【21-027L】《グリーヴァ》や【19-119L】《ウネ》を【25-104L】《ユウナ》で守れた場合のバリューが高いので、採用候補としてかなり適性が高そうです。これらのデッキに採用されている【22-105H】《ミワ》や【22-098H】《セイレーン[V]》などのカードで【25-104L】《ユウナ》を守りやすいというのもポイントです。
【22-123R】《レオ》や【25-106R】《マキナ》といった序盤から展開しやすいLBカードとも相性がよいため、これらのカードが採用されるデッキでの使用も検討したいところです。
既存のデッキだけでもかなり採用できそうな【25-104L】《ユウナ》ですが、では反対に対策する側に回ることを考えるとどういった手段が考えられるでしょうか?
【25-104L】《ユウナ》のスタッツはコスト2・パワー5000といわゆる小型のフォワードなので、対処自体はそれほど難しくありません。まず候補に挙がるのは、デッキを選ばず採用しやすいLBカードの【22-120H】《クラウド》でしょう。現在も多くのデッキで小型のフォワード対策として採用されている【22-120H】《クラウド》ですが、明確な仮想敵が増えることで今後はより需要が高くなりそうです。
また基本的に【25-104L】《ユウナ》を活かすデッキはフォワード先行で展開してくるパターンが多くなることが考えられるので、【3-018C】《ビビ》や【19-076R】《クジャ》といった除去効果を持つバックアップでの対応が有効だと考えられます。火属性や雷属性を中心としたデッキはそれらのバックアップを複数種類採用しやすいため、後続として展開される2枚目以降の【25-104L】《ユウナ》に対しても、支払いを求められる1CPが賄いやすくなるという点においてマッチしています。こうした小型フォワードの除去に優れたデッキは最近のメタゲームではあまり活躍していない印象ですが、今後の【25-104L】《ユウナ》の活躍次第では復権してくることも予想されます。
光属性の【25-104L】《ユウナ》に続いて、闇属性から【25-118H】《ゴルベーザ》を2番目にピックアップします。
【25-118H】《ゴルベーザ》の持つアクションアビリティは、1+XCPを支払ってコストX以下の【ジョブ(ゴルベーザ四天王)】1枚をサーチしフィールドに出すというもの。 コストさえ支払えばキャストできるLBカードという特性にサーチ効果が相まって、非常に再現性の高いギミックとなっています。
また、このギミックはコストパフォーマンスの面でも優れています。
手札1枚が2CPを生み出す『FFTCG』ではカードのコスト+(キャストするカード自体が生み出せる)2CPを実質コストとしてカードがキャストされるのに対し、デッキからカードをサーチしてフィールドに出す【25-118H】《ゴルベーザ》のアクションアビリティは【ジョブ(ゴルベーザ四天王)】限定ではあるものの、カードのコスト+1CPと通常のキャスト以上に効率のよいコストパフォーマンスでカードをフィールドに送り込むことを可能にしています。
さらにアクションアビリティで支払うコストに属性の指定もなく、戦闘中や相手ターンであっても使えるなど、普通にキャストする以上の大きなメリットを備えている点も優秀です。
そんな【25-118H】《ゴルベーザ》からフィールドに送り込まれるのが、土のスカルミリョーネ、水のカイナッツォ、風のバルバリシア、火のルビカンテのゴルベーザ四天王です。「星の涙」ではもちろんゴルベーザ四天王の面々も収録されており、強力なアビリティで【25-118H】《ゴルベーザ》を支えてくれます。
【25-061R】《スカルミリョーネ》はフィールドに出たときフォワード1体を選び、次にそのフォワードに与えられるダメージを2000軽減することができるオートアビリティを持っていますが、【カード名(ゴルベーザ)】を選んだ場合、さらに対戦相手の召喚獣やアビリティに選ばれない耐性を付与することができます。【25-118H】《ゴルベーザ》のアビリティで呼び出す場合だけでなく、自身もバックアタックを持っているため、召喚獣のように扱える非常に便利な1枚です。
【25-089R】《カイナッツォ》はフィールドに出たとき対戦相手のフォワード1体を手札に戻すオートビリティを持ち、【カード名(ゴルベーザ)】をコントロールしている場合はそれをブレイクゾーンに置かせることが可能です。LBカードの登場で手札に戻す効果の価値が高まったこともあり、単体でも運用できるスペックを持ちながら【カード名(ゴルベーザ)】をコントロールしている場合はブレイクゾーンに置かせることで “ブレイクされない”などの除去耐性を貫通できる点も魅力です。
【25-047R】《バルバリシア》はフィールドに出たときブレイクゾーンにある【カード名(バルバリシア)】以外の【ジョブ(ゴルベーザ四天王)】を手札に加えるオートアビリティと、フィールドに出たときに【カード名(ゴルベーザ)】をコントロールしている場合、対戦相手のコントロールするすべてのフォワードに3000ダメージを与えるオートアビリティの2つを持っています。
【25-061R】《スカルミリョーネ》や【25-089R】《カイナッツォ》と比べると限定的な効果ではあるものの、EXバーストをあわせ持つブレイクゾーンからの回収効果は【25-068C】《クーシー》などでも有用性が実証されており、相手への全体ダメージもなかなか強力なものになっています。
【25-016R】《ルビカンテ》は今回のゴルベーザ四天王の中でももっとも《ゴルベーザ》に依存したアビリティを持っており、その効果は【カード名(ゴルベーザ)】がアタックしたときフォワード1体に8000ダメージを与えるという強力なものです。このオートアビリティ自体にEXバーストがあったり、指定した属性からのダメージを0にすることができるアクションアビリティもあるなど、単独での使用に値する要素はあるものの、基本的には《ゴルベーザ》デッキに採用することになるでしょう。
非常に強力なカードとしてデザインされている今回のゴルベーザ四天王ですが、個人的にもっともすばらしいと感じているのは、彼らのコストが『FFIV』での登場順に準拠したデザインになっているところです。こういった細部のデザインに美しさを感じさせてくれるのも『FFTCG』の魅力と言えますね。
また、これまでのブースターパックで登場した【ジョブ(ゴルベーザ四天王)】の中にも新たな活躍に期待できるカードもありそうなので、こちらもチェックしたいですね。【13-047H】《バルバリシア》などは可能性がかなりありそうです。
【25-118H】《ゴルベーザ》を使う場合、基本的には【ジョブ(ゴルベーザ四天王)】をすべて採用したほうが【25-118H】《ゴルベーザ》のバリューを高く使えますが、その場合はメインデッキにも【カード名(ゴルベーザ)】のカードを採用する可能性があるため、雷属性+何かという組み合わせがデッキの軸になると考えられます。個人的には多属性へのアプローチがしやすく【17-134S】《ベイガン》のようなサポートカードもある「土雷」をベースにした構築がスタンダードになるのかなと感じています。
また【25-061R】《スカルミリョーネ》や【25-089R】《カイナッツォ》は単体でもそれなりに活躍が見込めるため、土属性や水属性絡みのデッキで見かけることが多くなるかもしれません。過去にない再現性を持つ【25-118H】《ゴルベーザ》、「MASTERS 2025」では全国のデッキビルダーによる新デッキに期待したいところです。
最後にチェックするのは、個人的に「星の涙」の全カードの中でもっとも目を引かれた【25-091H】《クラーケン[III]》です。
【25-091H】《クラーケン[III]》は召喚獣かモンスターをキャストするためのコストを1減らすというフィールドアビリティと、フィールドに出たときバックアップ1体を選び【25-091H】《クラーケン[III]》がフィールドにいる限りそれをゲームから除外するというオートアビリティを持っています。
カードをキャストするためのコストを軽減するカードといえばこれまでも【1-177R】《ユウナ》や【14-116H】《マシュリー》、【14-118H】《シュテル・リオニス》など非常に強力なカードが多く存在し、そのどれもが環境で活躍してきました。
そんななか、【25-091H】《クラーケン[III]》でコストを軽減できる範囲は召喚獣とモンスターという広いものになっています。一見この対象範囲はチグハグなものにも感じますが、昨今活躍している「水単」や「火水」などのモンスターデッキの展開力に対するカウンターとしてLBカードの【22-118H】《シャントット》が採用され、さらにそれへのカウンターとしてモンスターデッキ側が【12-002H】《アマテラス》や【18-096C】《リヴァイアサン》を使用している流れを考えれば、モンスターデッキでの展開とカウンターの補助を両立できる【25-091H】《クラーケン[III]》の軽減効果は大いに役立ってくれそうです。
また、バックアップを除外する効果も【25-091H】《クラーケン[III]》がいる間だけという不完全なものですが、これもモンスターデッキの除去の要である【24-104H】《湿地の魔女》へのカウンターとして採用される【18-090R】《カルミア》を自然な形で対策できると考えれば、悪い効果ではありません。
2月の「第六期名人位決定戦」でも「水雷モンスター」が優勝を納め、今後さらにモンスターデッキが活躍していくことを考えると、トーナメントシーンでも【25-091H】《クラーケン[III]》を見かける機会が多くなると思われます。
◆「星の涙」環境のトーナメントシーンについて考える
ここまで「星の涙」の最新カードをレビューしましたが、これらのカードの登場で「星の涙」環境はどう変化していくでしょうか?
まずは既存デッキの動向に関して考えていきましょう。
これまでの「秘められた伝説」環境では「火風土水【光の戦士】」「カオスコンボ」「土水カオスアーク」「火氷水【騎士】」「水単モンスター」などのデッキが活躍しました。アグロデッキ対EXバーストによるカウンターという構図の環境が進み、最終的に「水雷モンスター」が環境を締めくくるかたちで幕を閉じています。
しかし「星の涙」の発売と合わせて「カオスコンボ」の中核を担ってきた【23-117L】《カオス》に条件付きの制限がかけられることが発表され、「星の涙」環境は前環境の基本構造であった「アグロデッキ対EXバーストによるカウンター」が崩れたところから想定を組み立てていかなければなりません。
【23-117L】《カオス》についての公式サイトの発表コラムはこちら
アグロデッキのシェア減少が予想されることでEXバーストの需要もこれまでほどではなくなり、これによって優位性を確立していた「土水カオスアーク」などは今後やや減少傾向が見られるかもしれません。その流れで【23-129H】《ルナフレーナ》の重要性もやや低くなることが予想されます。
また、同じくEXバーストによるカウンターを得意としていた「火風土水【光の戦士】」は【14-113R】《リヴァイアサン》のような環境のEXバースト需要に応じて割いていたスロットを別のカードに切り替え、新たな形を確立していくことが予想されます。
そして「カオスコンボ」と並び立つアグロデッキとして活躍していた「火氷水【騎士】」はアグロデッキの仮想敵が絞り込まれることによって対策されやすくなり、活躍の幅は狭まっていくのではないかと予想されます。
「水雷」をはじめとするモンスターデッキはアグロデッキの減少と、前述した【25-091H】《クラーケン[III]》などによる強化を受け、順当に使用率を伸ばしていくと思われます。
では「星の涙」の新カードは環境にどのような影響を与えるでしょうか?
やはり一番大きな影響を与えると考えているのが【25-104L】《ユウナ》です。
ゲーム序盤から相手のリソースに強く干渉できる【25-104L】《ユウナ》ですが、前環境までの主要デッキの中には【25-104L】《ユウナ》を効果的に処理できる能力を備えたデッキは多くなく、特に2枚目以降の【25-104L】《ユウナ》に綺麗に対処できる手段があまり多くないように感じられます。
また、前述のようにアグロデッキが減ることで氷属性が復権することも予想されるため、「氷水グリーヴァ」や「氷雷」など【25-104L】《ユウナ》を使うデッキの選択肢は広いものになるでしょう。
特にさまざまなデッキが試されるであろう環境初期においては【25-104L】《ユウナ》の相方となるカードへの適切な対処が難しく、セオリーが確立されるまでの期間は【25-104L】《ユウナ》を対処できるか否かでデッキの評価が分かれてくると考えられます。
このほかにも「星の涙」で新たに登場したテーマとしては先ほど紹介した【25-118H】《ゴルベーザ》+【ジョブ(ゴルベーザ四天王)】や、一挙にカードが追加された【ジョブ(クラスゼロ)】などもあり、さまざまなデッキの登場が期待できます。「星の涙」で新たに登場したデッキがこれまでのトップデッキにどこまで食らいついていけるのかも今後のトーナメントで注目していきたいですね。
◆おわりに
今回は最新ブースターパック「星の涙」の新カードから注目のカードをピックアップして紹介しつつ、今後のトーナメントシーンに目を向けての考察を行ってきました。
新しいカードがこれから始まる「MASTERS 2025」でどのような活躍を見せてくれるか今から楽しみですね。
僕もプレイヤーとして楽しんでいければと思いますので、一緒に今シーズンの『FFTCG』を盛り上げていきましょう!