『FINAL FANTASY TRADING CARD GAME』の公式記事連載。今回はライターのたるほさんが、明日発売の新ブースターパック「悪夢より来たる」の注目カードを紹介します。
◆はじめに
みなさん、こんにちは!
『FFTCG』公式記事ライターのたるほです。
いよいよ明日3月24日(金)に最新ブースターパック「悪夢より来たる」が発売されます。
すでにプレリリースパーティーで新カードに触れ、新たな環境に向けてテンションが高まっているというプレイヤーの方も多いのではないでしょうか?
もちろん僕もその1人で、先日公式サイトで公開されたカードリストとにらめっこしながら、新カードを活躍させる方法を模索する日々を送っています。
今回は「悪夢より来たる」の発売に向けて、僕たるほが個人的に注目しているカードから3枚をピックアップして紹介していきたいと思います。
◆「水風【FFX】」の新たなるエースとなるか!? 【19-118L】《ユウナ》
1枚目の注目カードは【19-118L】《ユウナ》です。
風/水属性の多属性レジェンドカードである【19-118L】《ユウナ》は、コスト3ながらパワー8000という多属性カードらしい高パワーに加え、2つの強力なアビリティを持っています。
1つ目のアビリティは「ユウナがフィールドに出たとき、対戦相手のコントロールするフォワード1体を選ぶ。それのコストがあなたのコントロールする【カテゴリ(X)】のキャラクターの数以下の場合、それをデッキの1番上か1番下に置く。」というもの。2つ目のアビリティはDamage 5で有効になる「ユウナがフィールドに出たとき、コスト6以下の【カテゴリ(X)】のキャラクターカードを1枚サーチし、フィールドに出してもよい。」というものです。
1つ目のオートアビリティは非常にシンプルかつ強力な除去効果で「ブレイクされない」のような除去耐性の影響を受けず、またデッキの1番上か1番下かを選べるため、こちらが攻めるタイミングではデッキの1番上に置くことで相手のフォワードをダメージゾーンに送ったり、守るタイミングではデッキの1番下に置いて再登場を大幅に制限したりと、状況に応じた選択が可能です。
対象のコストが大きくなるほど、それに応じて必要とされる【カテゴリ(X)】のキャラクターの数も多くなりますが、もともと【カテゴリ(X)】には優秀なカードが多く、とりわけ【16-139S】《ティーダ》や【16-135S】《ルールー》といった【19-118L】《ユウナ》のオートアビリティの条件を満たしつつサポートしてくれるカードは、【19-118L】《ユウナ》をより強力に使ううえで非常に優秀です。
また「悪夢より来たる」では、【19-118L】《ユウナ》と同じ風/水属性の多属性カードでブレイクゾーンの対策を担える【19-116C】《パイン》や、【カテゴリ(X)】のバックアップをサーチし序盤の安定感を支えてくれる【19-046C】《ダチ》といったさまざまな【カテゴリ(X)】のキャラクターが登場しています。スタンダードだけでなく、L3構築で活躍させることも難しくはなさそうです。
2つ目のオートアビリティはDamage 5という厳しい条件を持ちますが、これひとつで戦況を覆すほどの力を持つものです。
個人的にこのアビリティで出したいカードの筆頭は何といっても【14-108H】《ジェクト》です。スペシャルアビリティ「ジェクトブロック」で相手のオートアビリティ・アクションアビリティ・スペシャルアビリティ・召喚獣を無効にできる【14-108H】《ジェクト》は「水風【FFX】」の切り札的存在ですが、攻めて強いカードデザインのため、こちらが押されているときはコストがやや重くキャストが難しいという状況も少なくありません。しかし【19-118L】《ユウナ》が登場したことで、そういった状況下であっても【14-108H】《ジェクト》を使うことが容易になったと言えそうです。
こちらのフォワードがアタックしていれば、【14-108H】《ジェクト》で【19-118L】《ユウナ》を手札に戻しつつ、さらなるキャラクターの展開も可能です。もちろん【14-108H】《ジェクト》以外の選択肢も強力で、【16-131S】《ジェクト》や【18-011R】《パイン》を属性の垣根を越えて使用してもいいですし、原作とは真逆の【19-106H】《シン》を呼び出す【19-118L】《ユウナ》を見ることもあるかもしれません。
フィールドに出ることで当然ながら1つ目のアビリティも誘発するので、ゲーム終盤の【19-118L】《ユウナ》は1枚で逆転を呼び込む活躍をするカードとなるでしょう。
◆「土単」復活の兆し? 土属性に大型アップデート!
2枚目の注目カードは【19-058R】《ジェノバ・SYNTHESIS》です。
【19-058R】《ジェノバ・SYNTHESIS》は土属性のレアカードで、「ジェノバ・SYNTHESISがフィールドに出たとき、対戦相手のコントロールするすべてのフォワードに4000ダメージを与える。あなたが土属性のバックアップを5体以上コントロールしている場合、代わりに対戦相手のコントロールするすべてのフォワードに8000ダメージを与える。」というオートアビリティを持つフォワードです。
効果から一目瞭然、まさに「土単」で使ってくれ! というメッセージが込められたカードです。これは「土単」愛好家の僕としても使わないわけにはいきません。
全体除去は土属性の代名詞ともいえる効果の1つですが、フォワードでありながらこれほどの効果を持つカードは【19-058R】《ジェノバ・SYNTHESIS》が初めてで、ダメージの範囲も対戦相手のフォワードに限定されているため、全体除去にありがちな“盤面をリセットできたはいいが、返しのターンにフォワード展開し直されあまり状況が変わらなかった”という状況を防ぐことができます。
そんな【19-058R】《ジェノバ・SYNTHESIS》と相性がよいのが【14-075H】《モント・リオニス》です。
自身のコントロールする土属性のキャラクターの数だけキャストに必要なコストが軽減されていく【14-075H】《モント・リオニス》は、バックアップを並べることで真価を発揮する【19-058R】《ジェノバ・SYNTHESIS》と相性がよく、【14-075H】《モント・リオニス》→【19-058R】《ジェノバ・SYNTHESIS》の展開で戦況をガラリと入れ替えることが可能です。まさに【19-058R】《ジェノバ・SYNTHESIS》は、現代の「土単」の救世主となりえるカードといえるでしょう。
「悪夢より来たる」にはほかにも、強力な除去効果を持つ【19-056C】《グラフ》や【19-062R】《ナハト》といった土属性のフォワードが登場しています。これらは【19-058R】《ジェノバ・SYNTHESIS》とは逆に単体除去に秀でたカードで、使い分けることで「土単」の対応力を大きく伸ばしてくれます。
また【19-058R】《ジェノバ・SYNTHESIS》や【19-056C】《グラフ》の持つ【カテゴリ(MOBIUS)】に注目してみると、「土単」の新たな可能性が見えてきます。
それが【19-121H】《メイア》の存在です。
土属性には【14-059R】《ウォル》や【17-079L】《闇の王》、【17-065H】《アシェラ》など強力な【カテゴリ(MOBIUS)】のカードも多く、これらのカードを中心に【カテゴリ(MOBIUS)】のカードを多く採用することで、【19-121H】《メイア》をデッキのエンジンとした構築も考えることができます。
【19-121H】《メイア》自身は土/水属性の多属性カードであるものの、【14-075H】《モント・リオニス》や【14-059R】《ウォル》によってキャストせずにフィールドに出すことも可能なうえ、【11-072R】《デシ》や【1-107L】《シャントット》、【18-056C】《ケットシー [XI]》など土属性でおなじみのバックアップを採用すれば、キャストを視野に入れた運用も十分可能です。同じく土/水属性で【カテゴリ(MOBIUS)】の強力なフィニッシャーである【13-119L】《ソフィ》も採用した「土単タッチ水」のような構築を目指してみるのもおもしろいかもしれませんね。
◆最高のイラストと最高のアビリティを持つ新時代のアタッカー、【19-108L】《ジタン》
3枚目の注目カードは【19-108L】《ジタン》です。
火/風属性の多属性レジェンドカードである【19-108L】《ジタン》ですが、なんといっても注目したいポイントは「ファイナルファンタジー」シリーズを代表するデザイナー・伊藤龍馬さんによって手掛けられたイラストレーションです。
こちらのカードに使われているイラストは「DISSIDIA FINAL FANTASY」の4周年記念で描かれたもので、氏のゲーム制作のはじまりになったFFIXのジタンを手掛けられたということ。
黒を基調とした落ち着いたトーンの背景に明るく映し出されるジタンの振り向きざまの強い眼差しと大きな背中は、作中で仲間たちを照らす彼の力強さをみごとに表現されていると感じます。それでいてジタン本人に濃く差す影は、彼の抱える内なる闇を感じさせる1枚です。
『FFTCG』の大きな魅力の1つとして、さまざまなイラストレーターによる描き下ろしイラストをフルアートカードで楽しめるコレクション性がありますが、この【19-108L】《ジタン》はぜひともフルアートバージョンで集めたくなるカードです。
もちろん「悪夢より来たる」にはほかにも魅力的なイラストのフルアートカードが多数あるので、お気に入りのカードはぜひフルアートバージョンでコレクションしてみてはいかがでしょうか?
さて、ここまで【19-108L】《ジタン》の魅力をイラストの視点から語ってきましたが、このカードのすばらしさはこれだけに留まりません。
【19-108L】《ジタン》は「ヘイスト」と「ジタンはコスト3以上のフォワードにブロックされない。」という2つのフィールドアビリティを持ち、非常に攻撃的な性能を持つフォワードです。
そしてもう1つの「ジタンがフィールドに出るかアタックしたとき、対戦相手は手札を公開する。あなたはその中から1枚を指定してもよい。そうした場合、それをゲームから除外し、対戦相手はカードを1枚引く。」というオートアビリティが、【19-108L】《ジタン》のアタッカーとしてのポテンシャルをこれまでにないレベルへと引き上げています。同名の【3-056H】《ジタン》のような単純な手札破壊と違い相手にカードを引かせるため、直接リソースを奪う手段にはなりませんが、抜かれたカードはブレイクゾーンに置かれるのではなく除外されるため、ゲーム中に再利用することができません。また以前、よく似たアビリティを持つカードに【11-133S】《ケットシー》がいましたが、【19-108L】《ジタン》はバックアップでも指定できるため、状況に応じた相手の最善手を奪い続け、ゲームの主導権を常に取り続けることが可能です。
コスト2の多属性カードということで、一見すると効率的なキャストのためにバックアップの展開が優先されるように感じますが、手札2枚をコストに【19-108L】《ジタン》をキャストするプレイすら許容されそうなポテンシャルを感じます。
ゲームにタイムリミットを設けさせる強力な攻撃性能と、相手のテンポを奪い続けこちらの舞台に引きずり込む強制力は、環境のゲームレンジを定義するだけの力を持つと考えられるので、「力の復活」環境で活躍していた「風単」のようなコンボデッキや「水単」のようなコントロールデッキに対して【19-108L】《ジタン》の登場がどのような影響を与えていくのか、メタゲームの視点でも注目していきたい1枚ですね。
◆おわりに
今回は「悪夢より来たる」の新カードの中から、僕が注目しているカードをピックアップし紹介してきました。
いずれのカードも活躍間違いなしなので、どのカードから使えばいいか迷っているという方は、ぜひとも参考にしていただければと思います。
もちろんこれらのカードのほかにも活躍を期待しているカードはたくさんあります。
【19-068R】《リディア》に【19-055R】《エーコ》、【19-120C】《ガーネット》の登場で大幅に強化された【ジョブ(召喚士)】や、史上初の4属性を持つ多属性カード【19-128L】《ウォーリアオブライト》など枚挙にいとまがありません。
次回の記事ではそんな「悪夢より来たる」の新カードを使ったデッキを紹介したいと思います。4月から始まる「日本選手権 2023 Spring」に向けて、がっつりデッキを掘り下げていこうと思いますのでぜひお楽しみに!
それでは、また次回の記事でお会いしましょう!