【FFTCG】たるほの隙あらばデッキ語り ~「Opus XIV」環境の「土単」編~

『FINAL FANTASY TRADING CARD GAME』の公式記事連載。今週はライターのたるほさんが新環境で愛用している「土単」のデッキテクを解説します!

◆はじめに
皆さん、こんにちは! 『FFTCG』プレイヤーのたるほです。
「Opus XIV ~クリスタルの深淵~」が発売され、いよいよ「Opus XIV」環境がスタートしました。

なかなかカードショップや公式トーナメントなどで対面での対戦がしにくい情勢ですが、Discordなどを通じて対戦を楽しまれている方も多いのではないでしょうか?

僕は最近、描き下ろしカードのフルアート版をコレクションする楽しさを覚えてしまい、持っていないカードを見つけては集めてファイルに入れてニヤニヤしています。
デッキを作ったり、対戦するのももちろん楽しいですが、コレクションとして楽しめるのも『FFTCG』の魅力の1つですよね。

さて、今回は久しぶりの「たるほの隙あらばデッキ語り」ということで、久しぶりに自慢の「土単」について「Opus XIV」の最新カードからキーカードとなる3枚に焦点を当てて「Opus XIV」環境での「土単」について語らせていただきます。

思えばこの「隙あらばデッキ語り」シリーズも、僕の「土単」を紹介したいがために始めた企画だったので、原点回帰ということになりますね。それでは、さっそく始めていきましょう。


◆「土単」の新エース!【14-065L】《クラウド》image
みなさんは「Opus XIV」で一番好きなカードは何かと聞かれたら何と答えるでしょうか?

今の僕は、間違いなく【14-065L】《クラウド》imageと答えます。
高いパワーと継続した除去能力、幅の広い除去耐性などカードとしてのスペックはもちろんのこと、「DISSDIA FINAL FANTASY」4周年記念で藤瀬リサさんによって描き下ろされたイラストの迫力は見ているだけでも楽しくなる、『FFTCG』の魅力を体現したカードと言えるでしょう。


今回の「土単」はそんな【14-065L】《クラウド》imageを使おうと考えて作ったデッキとなります。


●デッキリスト:「土単【FFVII】」

カード番号 カード名 枚数
フォワード(20枚)
【14-075H】 《モント・リオニス》 3
【14-062L】 《岩神タイタン》 2
【11-071L】 《ティファ》 1
【9-063L】 《ガブラス》 3
【14-065L】 《クラウド》 3
【11-064L】 《アーシュラ》 2
【12-061L】 《クルル》 2
【13-056R】 《ヴァニラ》 1
【13-119L】 《ソフィ》 3
バックアップ(18枚)
【11-072R】 《デシ》 2
【5-082C】 《採掘師》 3
【9-067C】 《シド・ガーロンド》 3
【2-093H】 《ラウバーン》 1
【7-069C】 《コルカ》 1
【1-204S】 《ジェシー》 2
【9-071C】 《バンガ族》 3
【14-066C】 《コボルト族》 3
召喚獣(12枚)
【12-068H】 《フェンリル》 2
【9-068H】 《ドラゴン》 2
【4-093R】 《ヘカトンケイル》 3
【10-068C】 《クーシー》 2
【14-060R】 《カーバンクル》 3

【14-065L】《クラウド》imageを使うにあたってまず考えたのが「3つ目のアビリティを安定して使うために【カテゴリ(VII)】のカードをどれくらい採用するべきか?」ということです。

単純にアビリティに選ばれるだけでなく同時にパワーを上げることができるので、召喚獣や対象を選ばないダメージによる除去への耐性も得られ、テキスト以上の働きをする効果です。

このアビリティをいかに効率的に使えるかが【14-065L】《クラウド》imageを使ううえで重要なポイントになります。

ですが、ただ【カテゴリ(VII)】のカードを寄せ集めるだけでは、デッキのポテンシャルを落としてしまい本末転倒だと考えました。

やみくもに【カテゴリ(VII)】のカードを採用するのではなく【14-065L】《クラウド》imageのパフォーマンスを発揮するため、デッキ自体のポテンシャルも高めなければいけません。

では、何を採用しようかと考えたとき、まず目をつけたのが同じく「Opus XIV」に収録されていた【14-060R】《カーバンクル》imageでした。

先ほどのデッキのポテンシャルにも通じる話ですが、【14-065L】《クラウド》imageを守るために本来キャストしなければいけないだろうキャラクターカードを手札に残すプレイはフィールドと手札の質を落とすことにもつながり、結果的に【14-065L】《クラウド》imageのパフォーマンスを下げることになってしまいます。

召喚獣である【14060R】《カーバンクル》は、キャラクターカードと異なり相手ターンにも使える可能性があるので、【14-065L】《クラウド》imageのために使わなくても手札に残すことに価値があり、手札の質を維持しつつ【14-065L】《クラウド》imageのアビリティも構えることができます。

【14-060R】《カーバンクル》imageを使うためにはバックアップをすべて土属性のカードで統一する必要があるので、「土単」としてデッキを考えていきました。

次に考えたのが、相手のフォワードにいかにブロックを強要させるかということです。

【14-065L】《クラウド》imageはブロックを強要することで、相手のフォワードを継続して除去することができますが、それはあくまで相手のフォワードがアクティブ状態であるという前提があります。

こちらにブロッカーがいなければ、相手は総攻撃をしかけて【14-065L】《クラウド》imageを無力化しようと考えるので、それを阻止するためには【14-065L】《クラウド》imageにブレイブを与える必要があります。

そのための手段として採用されているのが【11-071L】《ティファ》imageです。


【カテゴリ(VII)】の採用枚数を限定しているこのデッキでは【11-071L】《ティファ》imageは一見十分に活躍できないのではないかと考える人もいるかと思いますが、【11-071L】《ティファ》imageにはこれ以外にも重要な役割があります。

相手がフォワードを1体しか出していないと【14-065L】《クラウド》imageはブロックされた後パワーが下がってしまい結果的に相打ちになってしまうということがよくありますが、【11-071L】《ティファ》imageは【14-065L】《クラウド》imageのパワーを上げてくれるので、こういった相手に対しても安心してアタックをしかけることができます。

また【14-065L】《クラウド》imageは直接ブレイクしてくる召喚獣に対しては無力ですが、ダメージを3点以上受けていれば【カテゴリ(VII)】のフォワードは【11-071L】《ティファ》imageによって召喚獣やアビリティでブレイクされなくなります。

コスト5のフォワードということも重要で、【9-063L】《ガブラス》imageのサーチ対象になることで手札にも加えやすく【14-065L】《クラウド》imageのアビリティのコストとして使いやすい点も見逃せないポイントです。

このように【11-071L】《ティファ》imageは【14-065L】《クラウド》imageの足りないところを補ってくれる存在です。

なお、今回採用を見送った【カテゴリ(VII)】のカードとして【11-130L】《セフィロス》imageと【11-140S】《カダージュ》imageが挙げられます。


どちらも【14-065L】《クラウド》imageに依存せず強いカードであり、万が一手札であぶれてしまってもアビリティのコストとしても使用できるので、闇属性のコストにできないデメリットを感じにくいため、【14-065L】《クラウド》imageと相性のいいカードです。

環境に明確な仮想敵がいなかったため採用を見送りましたが、【11-071L】《ティファ》imageの恩恵を受けるカードを増やせるという意味で採用するのもいいでしょう。

現段階ではこのデッキの【カテゴリ(VII)】のカードは【14-065L】《クラウド》image自身を含めて9枚となっています。
一見少なく見えますが、先ほどあげた【9-063L】《ガブラス》imageで【11-071L】《ティファ》imageをサーチする動きや【5-082C】《採掘師》imageや【10-068C】《クーシー》imageなどで【カテゴリ(VII)】のカードにアクセスできるようにしています。

それでも、絶対的な枚数は多くはないので【14-065L】《クラウド》imageを守り切れないこともありますが、このデッキは【14-065L】《クラウド》imageにのみ依存しているデッキではないので、今のところはこのくらいのバランスがいいのかなと考えています。

◆最強のタンク登場!【14-075H】《モント・リオニス》image
【14-075H】《モント・リオニス》imageは土属性のキャラクターの数だけキャストするコストが軽くなっていくということで、【14-060R】《カーバンクル》imageと並んで「土単」を組む動機になるカードで、「カードゲーマーvol.59」のなかで、僕が“全「土単」愛好プレイヤー待望の1枚”と紹介させていただいたカードでした。

そして実際に使ってみるとその予感は見事的中しており、今回の「土単」はまさにこのカードのおかげで完成したと言っても過言ではないと言える1枚でした。

ブレイクゾーンからフォワードを出すアビリティは、数字どおりコスト6のフォワードを狙っていってもいいのですが、フィールドに定着したら強い【14-065L】《クラウド》imageのようなカードを【3-123R】《暗黒の雲ファムフリート》imageや【8-136L】《常闇のヴェリアス》imageから守りつつ展開できます。

原作における《モント・リオニス》はいわゆるタンクキャラクターなので、そういった再現がされているのもこのカードの注目ポイントです。

【14-075H】《モント・リオニス》image土属性のキャラクターの数が奇数なら偶数コストで、偶数なら奇数コストでキャストすることになるため、無駄なく運用するためには偶数コストのフォワードが重要になります
そこで【14-075H】《モント・リオニス》imageとセットで採用を考えたのが、【14-075H】《モント・リオニス》imageをサーチでき、【14-075H】《モント・リオニス》imageでブレイクゾーンから出すこともできる【9-063L】《ガブラス》imageです。

例えばバックアップが5枚の状態から【9-063L】《ガブラス》imageを出し、そのままサーチしてきた【14-075H】《モント・リオニス》imageを出すことで、バックアップをきれいに使い切って展開できます。

バックアップの展開を優先して、準備が整ってから動き出す「土単」では、1枚から大量展開につながる【14-075H】《モント・リオニス》image+【9-063L】《ガブラス》imageは非常に重要です。
【9-063L】《ガブラス》imageはEXバーストを持ち、【14-062L】《岩神タイタン》imageもサーチできて防御面での活躍も見込めるため、このデッキでは3枚採用しています。

また、コントロールの軸に【14-065L】《クラウド》imageを置いている「土単」にとってアタッカー不足は大きな問題です。
特に大会を見据えてデッキを考えるなら、制限時間という問題が発生します。
そこでゲームのフィニッシュスピードを上げるために【14-075H】《モント・リオニス》imageで復活させる選択肢として【11-064L】《アーシュラ》imageと【13-119L】《ソフィ》imageのセットを採用しています。


先ほどの【9-063L】《ガブラス》image+【14-075H】《モント・リオニス》imageの動きから【11-064L】《アーシュラ》image+【13-119L】《ソフィ》imageへつなげることで、土属性のフォワードが【13-119L】《ソフィ》image+3体になり【13-119L】《ソフィ》のアビリティの条件を満たします。これによって一気に戦線を整えつつ、直接ダメージとドローを狙うのがこのデッキの目指すべき動きのひとつです。

このデッキにはこれ以外の【ジョブ(モンク)】ギミックは搭載されていませんが、【13-119L】《ソフィ》imageは相手にとっては除去必須のカードなので【11-064L】《アーシュラ》imageを専属の相棒にするだけの価値はあり、また、このデッキでは【14-075H】《モント・リオニス》imageや【12-068H】《フェンリル》imageからでもフィールドに出せるので、そのアビリティを活かせるタイミングも多いはずです。

◆蛮神再び!【14-062L】《岩神タイタン》image
「Chapter」シリーズから『FFTCG』で遊んでいたプレイヤーにとって、「Opus XIV」での「蛮神」たちの登場には大きな衝撃を受けたのではないでしょうか?

「蛮神」のカードたちは「Chapter」シリーズ最後のセットとなった「2015」で登場し、なかでも【14-062L】《岩神タイタン》imageの前身となる《蛮神タイタン》は一気に環境を席巻したカードでした。

「Opus XIV」で再びその姿を現した【14-062L】《岩神タイタン》imageは土属性の新たなリセットカードとなっています。


今までの土属性で全体除去といえば【1-106L】《シャントット》でしたが、バックアップである【1-106L】《シャントット》は基本的に1回しかフィールドに出すことができないため、複数枚投入しても繰り返し相手の攻勢に対応できないことが弱点で、またこちらのフィールドのフォワードも除去してしまうので、攻撃的なデッキに対しては大きく隙を見せてしまう可能性もある、リスクを抱えたカードでもありました。

ですが、【14-062L】《岩神タイタン》imageは除去されることの多いフォワードなので何度もフィールドに出るチャンスがあり、自分のフォワードを巻き込んだとしても、こちらは少なくとも【14-062L】《岩神タイタン》imageを残すことができるという、フォワードならではの強みがあるカードです。

【1-106L】《シャントット》と違い、除去できるカードは自身のパワー未満のカードだけですが、手軽にパワーを上げられる【14-066C】《コボルド族》imageなどのサポートも充実していて、パワーが高い【14-065L】《クラウド》imageや【13-119L】《ソフィ》imageを生き残らせやすい点も強力です。

また【カテゴリ(XIV)】ということで、【9-067C】《シド・ガーロンド》imageで回収して使いやすいというのも個人的に評価しているポイントです。

バックアップの展開が重要な「土単」では自ら後続のバックアップを探しつつ、必要に応じてフィールドを離れられる【9-067C】《シド・ガーロンド》imageはこれまでいろいろな構築で「土単」を作ってきた中でも特に気に入って愛用していたカードです。

これまでは「土単」で採用される【カテゴリ(XIV)】のキャラクターはバックアップがほとんどだったのですが、【14-062L】《岩神タイタン》imageが登場したことで強力なフォワードを回収できるようになり、【9-067C】《シド・ガーロンド》imageに新たな価値が付与されたことも【14-062L】《岩神タイタン》imageが持つ大きな役割だと考えています。

 

 

◆最新版「土単」のトリセツ
ここからは「土単」を使ううえでのちょっとしたポイントについてお話ししていこうと思います。

基本的なデッキの方針として、まずはキャラクターの展開から【14-075H】《モント・リオニス》imageのキャストを目指していきます。

【9-063L】《ガブラス》imageを経由してキャストすることを想定するのであれば、

・バックアップ5枚+【9-063L】《ガブラス》imageで5CPキャスト
・バックアップ4枚+【9-063L】《ガブラス》imageで6CPキャスト

が、狙いやすいラインになります。

また、キャラクターはバックアップを中心に序盤は展開していきますが【14-065L】《クラウド》imageは例外です。フィールドに定着させやすく、対処のためにリソースを消費させやすいので、早いタイミングからフォワードを展開してくる相手やブレイクゾーンへの対策を手厚くしてくる相手に対しては、こちらも早めにキャストしていって問題ありません。

相手のフォワードより先に出せば、多くのフォワードの展開にストップをかけることができます。
万が一、対処されてしまっても【14-075H】《モント・リオニス》imageから復活させることができるので、手札に【カテゴリ(VII)】のカードがあれば積極的にキャストしていくのがおすすめです。

最後に、このデッキが苦手なタイプを1つ挙げると「氷雷」が挙げられます。
手札を捨てさせられたり、バックアップを凍結されることでリソースが制限されることで【14-065L】《クラウド》imageのアビリティを活かしにくく、フィールドに出たときに仕事をするカードが少ないこともあり一度劣勢に立たされると切り返すのが難しいデッキです。

そのため「氷雷」と対戦するときは、【13-056R】《ヴァニラ》imageが重要になります。

相手はダル、凍結以外のフォワードの除去手段が限られるデッキなので【13-056R】《ヴァニラ》imageを生き残らせやすく、早いターンに出せればカウンターが4つ溜まることも珍しくありません。

相手が「氷雷」だと判断したら積極的に【13-056R】《ヴァニラ》imageのキャストを目指してプレイしていきましょう。

◆おわりに
今回は「Opus XIV」で大幅にアップデートされた「土単【FFVII】」を紹介しました。

自分の愛用しているデッキが徐々に強化されていくのも新セットが出たときの楽しみの1つですよね。
「Opus XIV 〜クリスタルの深淵〜」環境ではこの「土単」を使い込んで大会にも出場したいと考えてるので、「MASTERS 2021」でお会いした方はぜひよろしくお願いします。

まだまだ試していないカードもたくさんあるので、今後も環境とともにデッキをアップデートしていきたいと思います。

また、新環境で登場するであろうデッキからも目が離せませんのでインタビューもたくさんしていきたいですね。

それでは、また次回の記事でお会いしましょう!