『FINAL FANTASY TRADING CARD GAME』の公式記事連載。今週は「Opus XI ~ソルジャーの帰還~」によって注目度がアップした「Opus X ~いにしえの戦士たち~」以前のカードをあらためてピックアップします。
◆はじめに
皆さん、こんにちは。カードゲーマー編集部の編集(川)です。
先週、新ブースターパック「Opus XI ~ソルジャーの帰還~」が発売されました。
前回の記事では「Opus XI」の注目カードを紹介しましたが、今回は「Opus XI」が登場したことによって注目度の上がった「Opus X ~いにしえの戦士たち~」以前のカードをいくつか紹介していきます。
また、現在発売中の「カードゲーマー vol.51」でも『FFTCG』の攻略記事をお届けしています。開発課スタッフオススメの「L3構築」と「スタンダード」のデッキを紹介しているので、こちらもあわせてお楽しみいただければと思います。
それでは、さっそく始めていきましょう。
◆「Opus XI」の登場で注目度の上がったカードを紹介!
1枚目は火属性から【10-008L】《ザンデ》です。
もともと1枚でフォワードを複数展開できるカードとして「Opus X」で登場したときからそのポテンシャルには注目されていましたが、今回相性のいいカードが複数登場したことで大きく強化されました。
まず、1コストフォワードでは【11-007R】《ザックス》が追加されています。
毎ターン、手札を捨ててしまうデメリットはあるものの1コストでパワー8000、さらにダメージ能力のオマケつきというハイスペックな1枚です。
そして、3コストフォワードでは【11-018H】《マッシュ》が登場しました。
こちらは、ダメージと引き換えにCPを消費することなく自身を大幅に強化できます。このアクションアビリティはけん制として非常に優秀で、実際にはアビリティを使わなくとも相手がブロックをためらってくれる状況も少なくないでしょう。
また、能動的にダメージを受けることで、マッシュ自身や2枚目以降の【11-008L】《ザンデ》を強化することもできます。
【10-008L】《ザンデ》のDamage 5のアビリティが発動したら、フィールドに出たときのオートアビリティで2コストのフォワードも復活させられるようになりますが、もちろん2コスト帯にも【10-008L】《ザンデ》や【11-018H】《マッシュ》と相性のいいカードが増えています。
まずは【11-013R】《トゥモロ》。
Damage 3の状態でもかなり優秀なスペックになりますが、Damage 6ともなれば破格の性能を持ちます。相手は大人しくダメージを受けるか、複数のフォワードを捧げるかを選択しなくてはならなくなるでしょう。
そしてもう1枚が【11-011R】《ダダルマー》。
このカードを【10-008L】《ザンデ》で復活させるとこちらもかなりピンチになりますが、序盤に【10-008L】《ザンデ》を引けなかった場合などに盤面を支えてくれ、あとで【10-008L】《ザンデ》を出す際にDamage 5で出しやすくしてくれます。
【10-008L】《ザンデ》を使うデッキはキーカードとなる【10-008L】《ザンデ》を引けなかったときのもろさが弱点でしたが、今回【11-018H】《マッシュ》や【11-011R】《ダダルマー》といった単体でもコンボでも役に立つフォワードを獲得したことで、デッキパワーが大きく上がっています。
1ターン目に【10-008L】《ザンデ》、【11-007R】《ザックス》、【11-018H】《マッシュ》が並べば圧倒的な盤面を築けますし、バックアップを置きつつ自傷効果を活かしたデッキとしても戦えます。
【10-008L】《ザンデ》は【9-063L】《ガブラス》や【10-081R】《プリッシュ》などでサーチできるので、火土の2属性で組んでみるのがよさそうですね。
続いては風属性から【4-058C】《サボテンダー》です。
かつては「土風」で一世を風靡したカードですが、相棒だった【4-085H】《ダダルマー》の禁止により、最近は見かけることが減っていました。
しかし、今回【11-137S】《アスール》が登場したことで、トーナメントシーンに返り咲くかもしれません。
【11-137S】《アスール》はある程度ダメージを受けてからが本領なので【4-085H】《ダダルマー》よりも準備に時間はかかりますが、そのぶんアビリティの最大値は高くなっています。
「Opus XI」ではモンスターをサーチできる【11-053H】《ドネッド》が登場しており、【11-090L】《クジャ》は序盤に時間を稼ぎつつ【11-137S】《アスール》へのつなぎになり、スペシャルアビリティも【4-058C】《サボテンダー》と好相性です。
また、ダメージを受けることがメリットにもなりうるようになったため【4-058C】《サボテンダー》の2番目のアビリティの価値も高まっています。
これでダメージを受けつつ除去をして【11-096L】《アラネア》で【5-163S】《ウリエンジェ》、さらに【4-058C】《サボテンダー》を復活させる動きも強力でしょう。
また、これは風雷デッキに限った話ではなく雷属性全体に言えることですが、【ジョブ(王の剣)】シナジーの登場も追い風となるでしょう。
これまで「雷単」や「風雷」デッキはバックアップをスムーズに展開することこそできましたが、アビリティが強力なものがあまり多くなく、CP供給以上の働きがなかなかできませんでした。
しかし【ジョブ(王の剣)】たちの登場によりバックアップからも戦線に干渉できるようになりました。また、「風雷」で並べたバックアップを活用するという点では【11-056R】《フィオナ》も非常に優秀です。
新しい相棒を手に入れ、そして課題だったバックアップも強化された【4-058C】《サボテンダー》入り「風雷」デッキもぜひ試してみたいですね。
続いては土属性の【9-077L】《リディア》です。
「Opus XI」では【ジョブ(召喚士)】のフォワードを参照する効果がいくつか登場しており、【ジョブ(召喚士)】であるこのカードも注目度アップです。
一緒に使いたいのは【11-110L】《ガーネット》と【11-123R】《ユウナレスカ》です。
この3枚は全員が【ジョブ(召喚士)】であり、【9-077L】《リディア》はデッキから召喚獣を召喚、【11-123R】《ユウナレスカ》は手札からリーズナブルに召喚獣を召喚できます。
そうすることで【11-110L】《ガーネット》に召喚カウンターを載せ、相手のダメージによる除去からこちらのフォワードを守れるようになります。
また【11-015L】《ブラスカの究極召喚獣》も、このデッキではCPを使えない状態でも相手のフォワードに対処できる手段として活用できるでしょう。
自分のフォワードを並べて、さらに相手のフォワードにも対処して……というのはなかなか大変ですが、このカードはそれをスムーズに実行できるようにしてくれます。
これで相手のフォワードを除去すれば、逆に相手はフォワードを再展開しつつ、強力なアビリティを持っているこちらのフォワードに対処しなくてはならなくなるため一気に優位に立てるでしょう。
また【11-072R】《デシ》も「召喚士」デッキになかなかマッチしたカードだと言えそうです。
これまで紹介したカードは全部フォワードなので、このカードでサーチが可能です。さらに、好きな属性のCPを生み出せるので土水の2属性に加えて【5-062L】のようなほかの属性から強い召喚獣をタッチしたいといった欲張りな構築をする時にも役立つでしょう。
「Opus X」の段階で【10-068C】《クーシー》や【10-127H】《シトラ》といったカードを獲得して着実に強化されていましたが、今回【ジョブ(召喚士)】のフォワードと新たなシナジーを得て、【9-077L】《リディア》はさらにその力を高めたと言えるのではないでしょうか。
最後に紹介するのは【9-104L】《オルトロス》です。
アタック時に2000+αのダメージを与えられて、かつ最大で2回復活できる除去耐性の高さ(このカードの場合はしつこさ、と言ってもいいかもしれませんね)が魅力のフォワードです。
この「安定して2000ダメージを与えられる」というアビリティが【11-037L】《バルトアンデルス》の登場により評価されることになるかもしれません。
フォワードの展開と除去を同時に行なうのはもちろん強力ですが、この2枚コンボはターンをまたいで実行できるのがポイントです。
これで相手の大型フォワードを倒してしまえばアタックした【9-104L】《オルトロス》が打ち取られてしまうリスクも大きく下がりますし、【6-041L】《リノア》や【1-077C】《導師》で【11-037L】《バルトアンデルス》を再利用できるようにしておけば、【9-104L】《オルトロス》の除去耐性の高さもあいまって何度も相手のフォワードをなぎ払えるでしょう。
さらに「氷水」の2属性で組めばサーチ能力を持つ【4-026H】《ガストラ帝国のシド》や【1-196S】《モーグリ [XIII-2]》も使えます。
また【11-124H】《リルム》もこのデッキに組み込めそうです。
このカードも【カテゴリ(VI)】なので【9-104L】《オルトロス》と同じようにサーチができますし、【4-132R】《トンベリーズ》も【11-037L】《バルトアンデルス》と好相性でコンボの再現性が高まります。
「水氷モンスター」といったかたちのデッキになりそうですが、モンスターデッキは一度整ってしまった相手の盤面を返すのが苦手なデッキだったので、今回の【9-104L】《オルトロス》&【11-037L】《バルトアンデルス》コンボの登場は頼もしく感じられそうです。
◆おわりに
「Opus XI」の登場で評価が高まりそうな昔のカードを紹介しました。
「Opus XI」は本当にデッキが組みたくなるカードが多く、今回紹介した以外にも『FFVII』デッキや『FFIV』デッキ、「忍者」デッキなどさまざまな新デッキが登場しそうです。
新型コロナウィルスの影響により、今はまだ大会などが開かれていませんが、5月末からは「MASTERS 2020」も開催される予定です。そのときまでいろいろなデッキを作って、イベントシーズンの再開に備えておきたいですね。
それでは、また次回の記事でお会いしましょう。