『FINAL FANTASY TRADING CARD GAME』の公式記事連載。今週はカードゲーマー編集部が組んだ「Opus XII」環境のデッキを2つ紹介します。
◆はじめに
皆さん、こんにちは。カードゲーマー編集部の編集(川)です。
11月6日にブースターパック「Opus XII ~クリスタルの目覚め~」が発売され、新環境がスタートしました。
11月15日には新環境最初のイベントとなる「第18回自宅名人戦」が開催され、「雷水 暁の血盟」が優勝、「火単 侍」と「土雷『FFXV』」が上位入賞という結果になりました。
明日11月20日(金)には「第19回自宅名人戦」が公式Discordサーバー上で開催されます。当日の20時まで参加を受け付けているので、ぜひご参加ください。
さて、今回はそんな「Opus XII」環境で編集(川)が使ってみたデッキから「風土ネオエクスデス」と「火水バラライギード」の2デッキを紹介します。新しいデッキの練習相手にでも役立ててもらえればうれしいです。
それでは、さっそく始めていきましょう。
◆「Opus XII」デッキ紹介1:風土ネオエクスデス
1つ目のデッキは「風土ネオエクスデス」です。まずはデッキリストをどうぞ。
カード番号 | カード名 | 枚数 |
フォワード(23枚) | ||
【3-056H】 | ジタン | 2 |
【5-068L】 | ヤ・シュトラ | 3 |
【8-049L】 | エアリス | 2 |
【12-071R】 | 闇の王 | 2 |
【12-061L】 | クルル | 1 |
【9-063L】 | ガブラス | 3 |
【11-076C】 | 不死王 | 3 |
【10-069R】 | 玄武のルシ ギルガメッシュ | 1 |
【12-117R】 | イリス | 2 |
【8-136L】 | 常闇のヴェリアス | 2 |
【12-110L】 | ネオエクスデス | 2 |
バックアップ(20枚) | ||
【5-059R】 | セミ・ラフィーナ | 3 |
【6-047C】 | 白魔道士 | 1 |
【8-047C】 | ウァルトリール | 1 |
【8-058R】 | ノルシュターレン | 3 |
【5-091H】 | 星の神子 | 3 |
【5-082C】 | 採掘師 | 1 |
【9-077L】 | リディア | 1 |
【7-069C】 | コルカ | 1 |
【11-072R】 | デシ | 3 |
【6-079L】 | ミンフィリア | 1 |
【1-107L】 | シャントット | 1 |
【1-184H】 | カオス | 1 |
召喚獣(7枚) | ||
【8-046R】 | アレキサンダー | 3 |
【5-062L】 | ディアボロス | 1 |
【9-068H】 | ドラゴン | 2 |
【10-068C】 | クーシー | 1 |
ほとんどのカードはオーソドックスな「風土」コントロールで使われているものと同じですが、「Opus XII」の新カードから【12-110L】《ネオエクスデス》をフィーチャーしたデッキです。
【9-063L】《ガブラス》と【11-076C】《不死王》で【12-110L】《ネオエクスデス》をサーチして、早期の着地を目指します。
先攻ならば初手にバックアップを1枚キャストして、次のターン【11-076C】《不死王》から【12-110L】《ネオエクスデス》を狙います。
後攻ならば1ターン目からバックアップを出さず【11-076C】《不死王》or【9-063L】《ガブラス》から【12-110L】《ネオエクスデス》、あるいは1ターン目にバックアップを2枚キャストして2ターン目に【9-063L】《ガブラス》から【12-110L】《ネオエクスデス》というのが基本パターンです。
■結局【12-110L】《ネオエクスデス》は強いのか
この【12-110L】《ネオエクスデス》はプレビューで登場して以来、ユーザー間でこのカードは強いのか、序盤に出されたらどうしようもないのではないか、といった議論が活発に繰り返されてきました。
そこで、「はたしてどのくらい【12-110L】《ネオエクスデス》は強いのか」を調べるため、先日の「第18回自宅名人戦」にこのデッキを持ち込んで、できるだけ【12-110L】《ネオエクスデス》を出すようにプレイしてみました。
その結果、
●1回戦:「火水 光の戦士」 ○
【12-110L】《ネオエクスデス》に対して相手が【5-146H】《ウォル》でリソース維持を狙ったところにこちらのブレイクゾーン対策のカードが刺さってリソース差がつき、そのまま勝利。1枚だけの【1-107L】《シャントット》をサーチなしで引き込めたりと、運にも恵まれました。
●2回戦:「火雷コスト1+タッチ【12-052H】《バッツ》」 ○
早期に着地した【12-110L】《ネオエクスデス》が除去されず、じわじわとリソース差をつけて勝ち。相手の【12-052H】《バッツ》が出たところに【8-046R】《アレキサンダー》を合わせられたこともあり、対策カードが効果的に働きました。
●3回戦:「雷水 暁の血盟」 ☓
優勝したReimen Moriokaさんとの試合。
【11-076C】《不死王》経由で【12-110L】《ネオエクスデス》を出して【3-123R】《暗黒の雲ファムフリート》をケアしましたが、2ターン連続で【3-123R】《暗黒の雲ファムフリート》をキャストされてプランが崩壊し敗北。
【1-177R】《ユウナ》で【3-123R】《暗黒の雲ファムフリート》のコストが下がっていたこともあり、うまく処理されてしまいました。
●4回戦:「火単 侍」 ○
【12-012L】《テンゼン》スタートだったので、さすがに【12-110L】《ネオエクスデス》ではなく【8-136L】《常闇のヴェリアス》をサーチして対処。その後【12-110L】《ネオエクスデス》も追加してリソースを攻め、相手のアドバンテージ源である【12-017H】《マギサ》も【8-046R】《アレキサンダー》で除去し、勝利。
●5回戦:「土雷『FFXV』」 ☓
3位に入ったKurosawaさんとの試合。
早期に【12-110L】《ネオエクスデス》をキャストするも、アクションアビリティでパワー11000になった【12-107R】《ルナフレーナ》に【4-093R】《ヘカトンケイル》をぶつけられて除去されてしまいました。
そして、この【12-107R】《ルナフレーナ》がフィールドに残ってしまい、フォワードをブレイクゾーンに置かせるアビリティが使えるようになって敗北。
…という内容で、感触としては「強いけど圧倒的ではなく、対処されたときのリスクもある。ただし無視はできないので対策は必要そう」というものでした。
なので、より【12-110L】《ネオエクスデス》を活かすためには、このカードにオールインするのではなくサブプランを用意する、あるいは【12-110L】《ネオエクスデス》のほうをほかの戦略を持ったデッキのサブプランにするのが正解だと感じました。
今回のデッキで言えば闇属性のフォワードが【8-136L】《常闇のヴェリアス》と2枚ずつになっていますが、これを【8-136L】《常闇のヴェリアス》を2枚、【12-110L】《ネオエクスデス》を1枚にして基本的には【8-136L】《常闇のヴェリアス》を使い、必要に応じて【12-110L】《ネオエクスデス》を出す、というやり方ですね。
それ以外のサブプランとしては、【10-047R】《エコー》で【11-015L】《ブラスカの究極召喚獣》や【9-057L】《ヤズマット》などと合わせて使ったり、【12-097H】《シルドラ》で水属性や【カテゴリ(V)】のキャラクターと合わせて使う選択肢がありそうです。
【12-110L】《ネオエクスデス》に重心が偏ることなくデッキに組み込めるようになったとき、このカードはまた一段階強くなるのだろうな、と思います。
■それ以外のカードの使い心地について
続いて、【12-110L】《ネオエクスデス》以外でこのデッキに入っているカードの使い心地を紹介したいと思います。
【12-071R】闇の王
【5-091H】《星の神子》の新しいサーチ先となるフォワードで、相手にバックアップを出されるというデメリットが気になる場面はほとんどありませんでした。ブレイブ付与で攻防一体の活躍ができ、EXバーストも発動させないため安心感が非常に高いです。今後【5-091H】《星の神子》を使うデッキなら1枚は入れて問題ないと感じました。
【12-117R】イリス
序盤はバックアップを出すためのコストとして使えて、バックアップが並んだあとは0~2コストでパワー8000のフォワードとして運用できる器用なカード。【6-079L】《ミンフィリア》で回収したあとで一気にフォワードを2体展開できたり、遅くなりがちな「風土」にいい感じの緩急をつけてくれます。パワー強化かブロック制限かを選べるアクションアビリティも強かったです。
【8-046R】アレキサンダー
1ターン目【12-012L】《テンゼン》や【12-017H】《マギサ》+ダメージ手段、【12-052H】《バッツ》&【12-053C】《ボコ》など「返しのターンでの除去」では間に合わないと感じるカードが増えたため採用してみました。
今回の自宅名人戦でも【12-052H】《バッツ》や【12-017H】《マギサ》を倒す機会があり、また【12-061L】《クルル》で再利用できるなど、感触はとてもよかったです。ただし、相手に【12-061L】《クルル》を使われるとこちらの高コストキャラクターがブレイクされるので、それは忘れないようにしないといけませんね。
◆「Opus XII」デッキ紹介2:火水バラライギード
次に紹介するのは「火水バラライギード」。こちらもまずはデッキリストを。
カード番号 | カード名 | 枚数 |
フォワード(24枚) | ||
【9-115R】 | ポロム | 3 |
【11-118L】 | セリス | 2 |
【12-101R】 | ダスク | 3 |
【10-106L】 | アーシェ | 2 |
【2-126R】 | ギース | 3 |
【5-126L】 | 暗闇の雲 | 1 |
【12-003R】 | アリゼー | 1 |
【12-004R】 | アルフィノ | 3 |
【12-015H】 | フォルツァ | 1 |
【12-114R】 | バラライ | 3 |
【12-109L】 | レナ | 2 |
バックアップ(18枚) | ||
【7-017H】 | ミース | 2 |
【12-008R】 | ゴブリンプリンセス | 2 |
【11-020C】 | リルティ | 1 |
【11-109R】 | エモ | 1 |
【10-114C】 | 白魔道士 | 2 |
【10-121C】 | モーグリ-4組- | 3 |
【10-119R】 | フェレーナ | 3 |
【3-143C】 | レオノーラ | 1 |
【3-131H】 | ギード | 3 |
召喚獣(6枚) | ||
【3-123R】 | 暗黒の雲ファムフリート | 3 |
【12-097H】 | シルドラ | 2 |
【5-019L】 | フェニックス | 1 |
モンスター(2枚) | ||
【4-012C】 | ゴブリン | 2 |
【12-114R】《バラライ》と【3-131H】《ギード》のコンボはそろえば相手のフォワードを一掃できますが、【12-114R】《バラライ》が氷と風の多属性カードで【3-131H】《ギード》が水属性なので普通に組むと3属性デッキになってしまいます。
「風水氷」の3属性ならば【8-058R】《ノルシュターレン》と【8-053H】《シェルロッタ》やほかの【カテゴリ(FFCC)】のバックアップ、氷と風のCPを生み出す【9-033C】《モーグリ-9組-》などで運用できるかと思いきや、これがなかなか難しく、序盤ほとんどのパターンで手札をコストにして3属性目のバックアップを出すことになる=3属性デッキなのに同じ属性のカードを手札に2枚そろえる必要がある、という状況に陥ってしまいます。
そのため、このコンボは「風水」や「水氷」の多属性カードが出てから……と思っていたのですが、どうしても今使ってみたくて別の形でできないかと考えてみたものです。
環境のトップに食らいついていけるデッキパワーがあるかはわかりませんが、新カードをいろいろ使えて楽しかったので紹介することにしました。
まず今回、デッキを「火水」にしたことで、【3-131H】《ギード》のキャストやアクションアビリティのための水属性CPの捻出が容易になりました。
また【10-119R】《フェレーナ》と【12-008R】《ゴブリンプリンセス》によってスムーズにバックアップをそろえることができます。このデッキはなるべく早めにバックアップを4枚並べたいのでデッキによく合致したコンビです。
そして次に【12-114R】《バラライ》をフィールドに出すためのカードがこちら。
これに【5-019L】《フェニックス》を含めて総勢9枚で【12-114R】《バラライ》をフィールドに出します。「出す」側はいずれも水属性、あるいは【カテゴリ(V)】なので【12-097H】《シルドラ》でサーチできます。
また【12-097H】《シルドラ》は【3-131H】《ギード》もサーチできます。【12-097H】《シルドラ》は普通にキャストするとトータルで手札が1枚減ってしまいますが、コンボパーツのサーチ手段があることは大切です。
また、この「出す」カードは共通して【12-004R】《アルフィノ》も出せるという特徴があります。
なので、序盤は「出す」カードと【12-004R】《アルフィノ》で戦力を展開しつつアドバンテージを取って、スキを見て【3-131H】《ギード》を出しておき、相手が展開してきたら【12-114R】《バラライ》での一掃を目指す、というのがこのデッキの運用法となります。
■細かいテクニックの紹介
このデッキは基本的に「【3-131H】《ギード》を出しておいて、何らかの手段で【12-114R】《バラライ》を出す」というコンボを狙うデッキなので、それ以外の要素はあまりないのですが【12-109L】《レナ》を絡めた部分にいくつか小さいテクニックがあるので紹介したいと思います。
1:序盤の【12-109L】《レナ》をリソースに交換する
【10-119R】《フェレーナ》から【12-008R】《ゴブリンプリンセス》と展開した場合、手札に【12-109L】《レナ》がやってきます。
しかし、最序盤の【12-109L】《レナ》はちょっとパワーが高いだけのフォワードで、出すと【12-008R】《ゴブリンプリンセス》もいなくなってしまうので、この段階では出す選択肢は得策ではありません。
そこで役立つのが【7-017H】《ミース》です。アビリティで【12-109L】《レナ》を捨てることで【12-101R】《ダスク》と【12-004R】《アルフィノ》を揃えに行ったり、必要であれば【12-114R】《バラライ》もサーチできます。
また、単純なコスト面でも【12-008R】《ゴブリンプリンセス》を0コストのバックアップとして運用できたことになるのでお得です。
同様に【2-126R】《ギース》でも【12-109L】《レナ》を別のカードに交換できるのでよかったら覚えておいてください。
2:【12-109L】《レナ》+【4-012C】《ゴブリン》
【10-119R】《フェレーナ》より先に【12-008R】《ゴブリンプリンセス》を出したときなどのアクションで、【4-012C】《ゴブリン》をサーチして出しておくことで【12-109L】《レナ》のアビリティを出してすぐ使えるようになります。
【4-012C】《ゴブリン》は【12-109L】《レナ》以外にも【11-118L】《セリス》や【5-126L】《暗闇の雲》ともコンボするので機会があれば狙ってみましょう。
◆おわりに
「Opus XII」環境のデッキを2つ、紹介しました。
明日の「第19回自宅名人戦」でも、きっとまた新しいデッキが出てくることでしょう。まだまだ始まったばかりの「Opus XII」環境、新機軸のカードがたくさんあるので、皆さんもぜひ気になるカードでデッキを作ってみてくださいね!
また、11月30日(月)発売の「カードゲーマーvol.55」でも「Opus XII」環境を特集しています。
新環境に対応したデッキリストや注目のカードを紹介していますので、こちらもぜひご覧ください。
さらに、12月からは全国のカードショップさんで「SHOP MASTERS 2020」が開催されます。
参加賞としてフルアート版【11-139S】《エアリス》と、【11-119C】《トンガリ》のスリーブがもらえるほか、優勝者には『FFVII』のプレイマットがプレゼントされる非常に豪華なイベントとなっています。
詳細は後日『FFTCG』公式サイトに掲載されますが、すでに速報版が公開されているので、こちらで開催日程をチェックして、ぜひお近くの大会に足を運んでみてください。なお、その際はマスクの着用や手指の消毒などの感染対策を十分に取るようお願いします。
それでは、今回はここまで。
また次回の記事でお会いしましょう!