『FINAL FANTASY TRADING CARD GAME』の公式記事連載。今週は「MASTERS2019」横浜大会の会場で有力プレイヤーに『「Opus IX」の注目カードは?』というアンケートを取ってみたので、その結果をお届けします。
◆はじめに
皆さん、こんにちは。カードゲーマー編集部の編集(川)です。
先週末、新たなスタートを切った「Opus IX」環境で「MASTERS 2019」後半の開幕戦となる札幌大会、横浜大会が開催されました。
独創的な風水デッキで横浜大会を優勝されたeurekaさんのインタビューは来週お届けいたしますので、楽しみにお待ちください。
今回は横浜大会の会場に来ていた有力プレイヤーたちに「Opus IX」の注目カードをあげてもらいましたので、その取材結果を掲載します。
強豪プレイヤーはどのような目線でどのカードに注目しているのか、デッキ作りやメタゲーム、構築の参考にしていただければと思います。
◆強豪プレイヤーの見た「Opus IX」の注目カードは!?
閣下さん(2017、2018日本代表、「Grand Championship 名古屋」優勝)
【9-014L】《ネール》
ゲームを終えるフィニッシュターンであれば、CPを出したりアビリティを使ってダルになっているバックアップにはもう仕事がありません。そういったカードをリソースに換えられるうえ、それによって得られる効果がパワー強化とヘイストであったり、あるいは除去であったりと非常に強力な点を評価しています。
バックアップが5体いればパワー11000かつヘイスト持ちのフォワードになりつつ、8000ダメージを2回与えるわけですから、フィニッシャーとしての力は非常に高いです。
また、デッキ構築を工夫する必要はありますが、実質2~4CPのフォワードとしても使うことができ、終盤以外でもしっかり戦力になってくれるところも魅力的です。
ほかには【9-059R】《レム》、【9-115R】《ポロム》などにも注目しています。「Opus IX」はこれまで以上にRやHのカードに使ってみたくなるカードが多いセットですね。Lも引き続き強力なので、いろいろなカードが使われるようになりそうです。
Mk.2さん(「MASTERS 2019」さいたま大会優勝)
【9-115R】《ポロム》
僕はこのカードが「強い」というより「ヤバい」寄りなんじゃないかなと思っています(笑)。
これまで水属性は召喚獣を使うことは得意でしたが、召喚獣を回収するには【3-126H】《エーコ》のようなコストと手間をかけていました。
それが、2コストのフォワードがブレイクゾーンに置かれるだけで達成できるようになったというのは大きな変化になるのではないでしょうか。
そして、EXバーストを持っている点もこのカードのとんでもないところです。
手札に来ても、ダメージでめくれてもアビリティを使えるので、召喚獣を回収することの再現性が非常に高いんですね。極端な話をすれば、デッキ切れ直前まで戦えば3回アビリティを使う機会があるわけです。「運が良かったら召喚獣をより多く使える」ではなくて「“ほぼ必ず”召喚獣をより多く使える」ことが戦略に及ぼす意味は大きいと思います。
もちろん【3-145L】《レナ》で回収する回数を増やすのも強力ですし、繰り返し使ってもブレイクゾーンからの回収なので【1-167C】《バイキング》や【4-144H】《リルム》のようにデッキの枚数が減らないという点でもリスクが少なく、総じて非常に強力なカードだと感じています。
ほかに注目しているのは【9-021R】《ヴァリス》と【9-030H】《ハーディ》です。どちらもデッキを安定させてくれるカードであり、【9-021R】《ヴァリス》は複数の属性のCPを出せる【9-033C】《モーグリ -9組-》などが「Opus IX」で出たこともあり、アビリティは思ったより無理なく使えるなという印象です。
コーゲンさん(「MASTERS 2019」伊勢崎大会優勝)
【9-084H】《カイン》
雷属性のバックアップはオートアビリティなどでは優れているものの、フィールドに残って継続的に仕事をしてくれるものは少なく、終盤戦においてバックアップでアドバンテージを得るのが少し難しい属性になっています。
【6-087R】《イデア》を筆頭に、少しずつラインナップは充実してきていますが、もう一声欲しかったところでした。
そこで登場したのがこの【9-084H】《カイン》です。パワー8000と終盤戦もしっかり戦えるサイズに加えて、パワー-8000の除去効果も強力で、かつ対象がアクティブ状態限定といったこともありません。ダメージを受けなかったり軽減したりするカードも増えてきているので、マイナス修整の除去は非常にありがたいですね。
バックアップ3体くらいからでもあまり無理せず運用できるので、序盤に仕事ができないということもありませんし、高コストであることは【9-094L】《フースーヤ》や【9-063L】《ガブラス》などの存在によりメリットにもなりえます。
総合的に見て、雷属性が欲しかった1枚なのではないかなと思います。
ほかの注目カードとしては【9-071C】《バンガ族》ですね。ブレイクゾーンからカードを回収するカードとしては、土属性にはすでに【5-082C】《採掘師》が高い評価を得ていますが、バックアップがいないときには使いにくかったり、フォワードを回収するにはタイムラグがあったりと、欠点がないわけではありません。そういうところに割って入れる可能性を秘めたカードだと評価しています。
ちょーぎょーじさん(「MASTERS 2018」福島大会優勝)
【9-061R】《異端の騎士 ガーランド》
【9-014L】《ネール》とどちらをあげるか迷いましたが、たぶんあっちはほかの方があげるだろうということで(笑)。「Opus IX」では実質2CPでパワー8000、9000というフォワードが増えましたが、そのなかでもこのカードに注目しています。
土属性のデッキはすでに『FFXV』のシナジーにより【8-079H】《ノクティス》がいるときの【8-074H】《グラディオラス》のような低コストで高パワーのフォワードがいるため、自然とアタックに行く場面、ブロックを強制する場面が多く、追撃の一手として【9-061R】《異端の騎士 ガーランド》を2CPでプレイしやすくなっています。
また【8-063L】《ガブラス》でのサーチも可能ですし、アタック時のオートアビリティは一見「使うタイミングがあるのか?」と思ってしまうかもしれませんが、除去などを持っていない相手に対して「フォワードを並べてブロックで耐える」という選択肢を消せるため、見た目以上に強力なものだと考えています。バックアップをちゃんと出しておけば1ターンに2回起動することも不可能ではありません。
「軽くプレイできる」というメリットが「フィールドに出たときのオートアビリティなどを持っていない」、「条件を整えないとプレイしにくい」というデメリットを上回れるかは未知数ですが、十分な可能性を秘めたカードだと思います。
AXZさん(第2期「名人位決定戦」東北予選優勝)
【9-124H】《ガストラ皇帝》
客観的な視点では【9-115R】《ポロム》や【9-059R】《レム》などが「使われるカード」だと考えていますが、個人的に好きなのは【9-124H】《ガストラ皇帝》ですね。
除去ができる闇属性のカードといえば【8-136L】《常闇のヴェリアス》などがあげられますが、カードの強さが知れ渡って対策が当たり前になった今では、相手に選択権があるというのは見逃せない弱点です。
対して【9-124H】《ガストラ皇帝》は好きなフォワードをブレイクできるので、アビリティによって選ばれなかったりブレイクされないフォワードは天敵となりますが、こちらに選択権があるという利点が役立つ場面もあるのではないかと思います。
また【5-148H】《カムラナート》と相性がいいのも長所ではないでしょうか。
【5-148H】《カムラナート》から確実に除去ができるバックアップをサーチできると考えればなかなか強力ですし、先に【9-124H】《ガストラ皇帝》を出しておいて、アクションアビリティで【5-148H】《カムラナート》を出し、2枚目の【9-124H】《ガストラ皇帝》を確保するような動きもおもしろそうです。
【5-148H】《カムラナート》はすでに「バックアップを持ってくるカード」としての実績がありますが、こういったカードが増えたことでまた可能性を広げましたね。
◆おわりに
強豪プレイヤーによる注目カード紹介をお届けしました。
皆さんも本命と思われるようなカードから意外なカードまで、多彩なカードがあげられたのではないでしょうか。
「MASTERS 2019」横浜大会を制したデッキにも採用されていた【9-115R】《ポロム》のように、すでに頭角をあらわしているカードもあります。ほかのカードたちがこれからどのような活躍を見せるのか、楽しみですね。
ほかにも会場に来ていたプレイヤーにお話をうかがってみたところ、上であげられた以外のカードでは【9-056H】《メーガス三姉妹》、【9-068H】《ドラゴン》、【9-104L】《オルトロス》などがよく話題にのぼりました。
これらのカードにも注意が必要かもしれません。
また、オマケとして「Opus IX」の新カードプレビューを書いてくれた開発課の荒井と私、編集(川)のオススメカードも載せておきます。
開発課・荒井
【9-091H】《ネロ [XIV]》
ほかの属性を参照するアビリティは【9-007H】《ガイウス》や【9-020R】《リットアティン》などの火属性のカードと組み合わせてもいいですし、ほかにも【9-074C】《モーグリ -10組-》や【9-097C】《モーグリ -6組-》など雷属性を含む複数の属性のCPを出せるカードが登場しているので発動させるのは難しくありません。
ブレイクゾーンから手札に加わったときのアビリティは、これまでのカードで同じ効果を持ったものは1枚もない非常にレアなものです。
【1-133C】《賢者》や【8-105H】《リド》などで回収することでダメージを与えられるので、そこから「ダメージを受けている」ことを参照するカードにつなげると効果的でしょう。【2-116R】《フースーヤ》を出してダメージを与え、すぐ何らかの手段でブレイクして【9-091H】《ネロ [XIV]》を回収…などすれば非常におもしろい動きができそうです。
編集(川)
【9-036H】《幽霊》
【4-080L】《ケフカ》と相性がよさそうで、かつ両方【カテゴリ(VI)】なのでサーチでそろえやすそうなところに可能性を感じます。【4-080L】《ケフカ》をタッチした「氷水モンスター」のようなデッキで【4-144H】《リルム》や【4-123H】《ガウ》などと一緒に使うとおもしろいのではないかと思います。
今回紹介したカード以外でも、皆さんそれぞれに「実はこのカード強いんだよ」というカードがあると思います。お気に入りのカードを使ってデッキを組んだら、ぜひショップ大会や「MASTERS 2019」、「CRYSTAL CUP」などの大会に参加してみてくださいね!
それではまた、次回の記事でお会いしましょう!