「BANDAI CARD GAMES Fest 24-25 in JAPAN(FINAL)」『バトスピ』ブースレポート&「バトスピチャンピオンシップ2024 ASIA FINAL」優勝者インタビュー

3月15日、16日の2日間、千葉・幕張メッセにて「BANDAI CARD GAMES Fest 24-25 in JAPAN(FINAL)」が開催されました!

世界12地域で開催されたバンダイカードゲームの総合イベントのラストを飾る本イベントでは、『バトルスピリッツ』『デジモンカードゲーム』『ONE PIECEカードゲーム』『ユニオンアリーナ』『ドラゴンボールスーパーカードゲーム フュージョンワールド』『開運コロシアム』『ガンダムカードゲーム』の7タイトルが一堂に集結。各タイトルのブースでは大型大会をメインにさまざまな対戦イベントやステージが実施され、2日間合計で2万人を超える来場者を記録しました。


本記事では、参加タイトルのなかから『バトルスピリッツ』ブースをピックアップ。1日目を中心にイベントの模様をお伝えしつつ、アジアNo.1のバトラーを決める「バトスピチャンピオンシップ2024 ASIA FINAL」優勝者インタビューもお届けしていきます!

◆勢揃いのゲストと楽しむビッグバトル!

1日目の『バトスピ』ブースのバトルエリアでは、デッキの属性(色)ごとに参加者がチームに分かれてバトルを行なう『「コアの光主」最強決定戦』や、コラボカードでバトルする「ウルトラマンカップ」「仮面ライダーカップ」の3大会を実施。いずれも事前応募制の大会ながら、大きなバトルエリアを埋め尽くすほどの参加者が白熱のバトルを繰り広げていました。

また、1日目にはゲストとしてバトスピ公式アンバサダーの田中健大さん、神谷伶美さん、二宮丈さん、わたなべそうさん、桃崎あやかさん。ガーディアンの新井良平さん、土岐頼知さん、碓氷剛史さん、しゅくりさん、掛川渚さん、阿部笑華さん。エイジスのバトリ勝悟さん、岩澤俊樹さん。そして小川祥平さんが参加。『バトスピ』ではおなじみのメンバーが大集合したステージは年に1度のお祭りにふさわしい賑やかさとなっていました。また、アンバサダーは大会の進行やコールを担当したほか、ガーディアンは『「コアの光主」最強決定戦』、エイジスは各コラボカップにも参戦して、大会を盛り上げていました。

▲(後列左から)増尾興佑さん、岩澤俊樹さん、バトリ勝悟さん。 (中列左から)阿部笑華さん、土岐頼知さん、新井良平さん、碓氷剛史さん、しゅくりさん、掛川渚さん。 (前列左から)小川祥平さん、わたなべそうさん、神谷伶美さん、田中健大さん、二宮丈さん、桃崎あやかさん。
▲1日目の控室では、当日大会に参加予定のないわたなべさんと桃崎さんも待機中にバトルを楽しんでいました。控室でもバトルやトークに華が咲く姿からも、ゲスト陣の『バトスピ』愛が伝わってきます!

 

さらに、会場では二宮さん、小川さん、神谷さん、新井さん、碓氷さん、阿部さん、土岐さん、しゅくりさん、掛川さんの9名によるサイン会が全3回に分けて実施。いずれの回もお気に入りのカードやサプライにサインを求めるバトラーが殺到し、長蛇の列ができていました。

なお、2日目は引き続きバトスピ公式アンバサダー、ガーディアンの面々に加え、エイジスからは岩澤さんと増尾興佑さん。そして小川祥平さん。さらに公式番組MCでおなじみの喜山茂雄さんがゲストとして登場。当日実施された3人チーム戦「バトスピ3on3」とディーバ限定構築戦「ディーバプロデューサーカップ」へそれぞれ参戦し、参加者とバトルで交流を深めていました。また、1日目に引き続き、田中さん、わたなべさん、桃崎さんのサイン会も実施されていました。

各大会の規模もさることながら、ゲストの出演数も『バトスピ』のイベントでは最大規模となっており、バトルやサイン会でゲストともたくさん触れ合えるイベントとなっていました!

▲両日ともに当日参加が可能なガンスリンガーバトルも終日実施。お目当ての大会を戦い終えたバトラーが徐々に参加しはじめ、午後には参加者の列が絶えない人気エリアに。

 

 

◆ラストチャンスを手にしたアジアNo.1バトラーにインタビュー!

1日目の会場では、先に紹介したバトルイベントに加えて「バトスピチャンピオンシップ2024 ASIA FINAL」が実施されていました。『バトスピ』ブースとは離れた別エリアで始まったスイスドロー予選は、バトルエリアとは打って変わり、バトラーの応酬だけが聞こえる静かな空間。アジアNo.1の座をかけた、チャンピオンシップを締めくくる大一番にふさわしい、厳かな真剣勝負が繰り広げてられていました。

スイスドロー5回戦を抜け、決勝トーナメントを勝ち進んだ上位4名によるバトルは、司会に田口尚平さん、解説にわたなべそうさん、小川祥平さんを迎えて会場内のステージで実況され、来場者も観戦できるようになっていました。

こちらの模様はバンダイ公式YouTubeチャンネルでもアーカイブされています。ステージでは「バトスピ真界放プロジェクト」として、2026年から施行される新フォーマットや、テレビアニメ新シリーズも発表されていますので、あわせてチェックしてみてください。

最高峰のバトルに観客とステージが固唾をのむなか、見事決勝を制してアジアNo.1に輝いたのは、「オーブ」デッキを使用したレモン選手!
『バトスピ』公式番組「バトスピリーグ」にも出場していた熟練バトラーのレモン選手ですが、今年は諸事情から『バトスピ』を引退しなければならず、本大会は優勝を手にする最後のチャンスだったとのこと。表彰式のインタビューでは祝福するゲストと共に涙ぐむ一幕もありました。

 

▲(写真左から)準優勝の黒咲選手、優勝のレモン選手、第3位のあゆむ選手。

ここからは、そんなレモン選手へのインタビューをお届けしていきます!

―ASIA FINAL優勝おめでとうございます! まずは優勝した心境をお聞かせください。

レモン選手(以下「レ」):ひとことで言うと最高です! まだ夢なのかなと思っている部分もありますね。というのも、自分は『星座編』から『バトスピ』を始めて今年で15年になるのですが、約半分にあたる7年前の世界大会「バトスピチャンピオンシップ2017 -煌臨杯-」では決勝戦で負けてしまったんです。そして、今年はやむを得ない事情で『バトスピ』を引退しなければならず、このASIA FINALが自分のやってきた15年の、もう半分をかけた最後のチャンスでした。そこで勝ちとれた優勝なので、自分ながらきれいな終わり方ができたなと驚いています。

―優勝だけでもすばらしいですが、まるで物語のような展開ですね。となると、公式大会にはずっと出場されていたのでしょうか。

レ:そうですね。始めた当初はまだ中学生でしたが、公認・非公認を問わず、さまざまな大会を探しては出場していました。負けず嫌いだったんで、一度めちゃくちゃに負かされたあとに「このゲームで絶対に1番を獲りたい!」という気持ちが強くなって、修行のような感覚でチャレンジを続けていました。コロナの影響で2年くらい空いてしまった時期はありますが、それ以外は公式の大きな大会にはほぼ全て出場しています。

―そうした活動もあって、レモン選手は『バトスピリーグ』でもチームティアワンのメンバーとして参加されていますよね。実は「バトルスピリッツ バトラーズガイド2025」で『バトスピリーグ』の選手へインタビューする企画があったのですが、そこで同チームのkomainu選手から「今年が最後のチャンスになるレモン選手を絶対に日本決勝へ連れていきたい」というチームの想いを聞かせていただきました。それが結実する形となったのも印象的です。

レ:そうだったんですね……! ティアワンのメンバーには、一緒に出場したはるき選手、ダイキチ選手も含めて、みんなにデッキの調整や相談に乗ってもらっていましたし、チーム外でもいろいろな方に協力や応援をいただきました。その想いを背負ったからこそここまで来れたと言うか、オカルト的な話かもしれませんが、みんなの「優勝してくれ!」という言霊が導いてくれたのかなとも思います。まだ全員には感謝を伝えられていないので、この場を借りて、本当にありがとうございました!

―ここからは大会内容についておうかがいしていきます。まずは使用デッキと、使用理由についてお聞かせください。

レ:「オーブ」デッキになります。現在は環境の中心というか、王者になるのはやはり「激覇」デッキになるのですが、「激覇」デッキのミラーマッチだと、どうしても構築の段階でも、プレイの段階でも差がつかないことが懸念点となりました。使用するバトラーもレベルが高く、決定打にかけるなと。そこで「どうせ出場するなら優勝以外はいらない。優勝できないなら予選落ちでもいい」と「激覇」デッキメタに振り切った「オーブ」デッキを使うことにしたんです。

―なるほど。ただ、決勝トーナメントでは「激覇」デッキはほとんど残っていませんでしたよね。

レ:自分を含め「オーブ」デッキが2名、「ククルカン」「シャックGS」「プチグロウGS」「熱契約」デッキが1名ずつで「激覇」デッキは1名だけでした。顔ぶれを見た瞬間、正直負けは覚悟しましたね……。

―それでも勝ち進めた要因というのはあるのでしょうか。

レ:「オーブ」デッキは自発的にドローができないんですよ。だからセットプレイというよりは、配られた手札でできることを割り切ってじりじり攻めていく必要があるんです。そのぶん、 [機獣]スピリットで1点を取りに行ったりとか、バーストや《フリーダムガンダム[ハイマットフルバースト]》で盤面を開拓したりとか、1枚1枚の出し方、アタックの仕方を繊細にすれば、得意ではない対面にもごまかしが効くデッキではあると思っています。それでいえば、自分のベストなプレイングが発揮できたからなのかなと。おこがましいですが……。

―世界一のバトラーが言うのですから間違いありません! では、デッキを調整するうえで気をつけたポイントなどはありますか?

レ:一般的な「オーブ」デッキだと、ブレイヴが5枚くらい入るのですが、自分のデッキは《アスラン・ザラ[DESTINY]》3枚のみにして、代わりに《魔術皇の大創界石》を採用しています。ブレイヴは非常に強力な反面、初期手札に入ると展開が重くなって敗因になりがちだと思っています。また、そもそも「オーブ」デッキを使用した目的である“「激覇」デッキに必ず勝つ”という目標が達成できないのはナンセンスだと感じたので《選ばれし探索者アレックス》を封じられる《魔術皇》を追加しました。《戦車合体ヴィーゼル》《機巧犬キシュードッグ》《激覇ウォール》を気にせずアタックできる要員になりますね。とにかく「激覇」デッキに対して時間切れで負けることだけは避けたいと考えていたのですが、予選含めて3回当たった「激覇」デッキとの対戦ではきっちり時間内に勝負を決めることができました。

―本来の目的もしっかり達成できたと。では、本大会で一番のハイライトをあげるとしたらどのバトルになるでしょうか。

レ:やはりトーナメント決勝戦ですね。実は一番追い詰められたバトルでもありました。予選スイスドローラウンドでは負けたバトルもあったんですけど、どちらかというと形勢が相手側に傾いていた展開が多くて諦めがついたんです。一方、決勝戦は自分が形勢の良い状態からスタートしたものの、相手の黒咲選手に《暴双龍ディラノスXV》《灼熱の契約剣ヒートライザー》を立て続けに展開されて、一気に形勢が逆転してしまいました。「ここから負けるのか……」と諦めかけたのですが、そこからのドローで《フリーダムガンダム[ハイマットフルバースト]》を引き当てて、なんとか押し返すことができたんです。運命を分ける1枚だったと思います。

―となると、本日のMVPカードを選ぶとしたら……。

レ:やはり《フリーダムガンダム[ハイマットフルバースト]》ですね。決勝での一幕はもちろん、そこまでのバトルでも「ヘルメス」デッキや「シャックGS」デッキに対する勝因となる場面がありました。このデッキは基本的に遅いのですが《ハイマットフルバースト》が絡むときだけ打点が伸びて、一気に勝負を決められる瞬間があるんです。こちらの遅さに相手が油断した隙をつけるカードとして役立ちますし、もちろん決勝戦のような防御カードとしても優秀です。

―今回はASIA FINALということで、海外のバトラーも出場していましたが、海外と日本で環境やバトルの印象に違いはありましたか?

レ:まずは単純に、相手の語学力に驚きました。英語はもちろんなんですが、日本語でコミュニケーションを取ってくれる人もいましたね。通訳の方は横にいてくれますが、それでもバトル中のやりとりは直接できたほうがスムーズなので、逆に英語がまったくダメな自分にはありがたかったです。「ノーフラッシュ!」くらいしか言えないので……(笑)。
環境の違いで言うと、少なくともASIA FINALに上がってきた海外選手は日本選手とくらべて「激覇」デッキがほとんどおらず、「シャックGS」「プチグロウGS」といったグッドスタッフデッキを使われていたのが印象的でした。トップデッキで勝つよりも、メタとデッキの速さを意識しているイメージですね。同じメタデッキでも日本選手とはアプローチの仕方が違うので、勉強になることも多かったです。

―今回のイベントでは、ステージで「バトスピ真界放プロジェクト」として「スタンダード」「エターナル」の2つのフォーマットが2026年度より施行されることが発表されました。レモン選手の印象や期待したいポイントはありますか?

レ:一定期間で使用できるカードが切り替わる「スタンダード」が新しい遊び方になると思いますが、そちらがバトラーに文化として根付いてくれたらいいなとは思います。新しく『バトスピ』を始める方は、これまで蓄積されたカードプールはもちろん、そこから生まれるコンボもバリエーションがありすぎて、追い付くのが大変なところもありますよね。スタンダードならカードの知識は全員同じラインで、プレイングの練度で純粋にバトルが楽しめるんじゃないかなと。悔しくもバトルから離れる身ではありますが、もし僕が復帰したら、いちばん最初に触るのはスタンダードになると思います。そのときにこれまでのバトラーにも再会できて、新しいバトラーもいて「スタンダード、めちゃくちゃ流行ってるじゃん!」って一緒に盛り上がれたらうれしいですね!

―最後に、世界のバトラーに向けて一言お願いします。

レ:『バトルスピリッツ』を15年続けてきて、ゲームのことも、ゲーム以外のこともすごくたくさん学ばさせていただきました。人とのつながりもたくさん生まれて、人間としても成長させてくれて、ここまで本気になれるものは多分これからの人生でも出会えないかもしれない。それは周りにいる仲間のおかげでもありますが、あなたと仲良くしている人はずっとバトルしてくれるかもしれないし、ふとした理由で1年後には辞めてしまうかもしれない。だからこそ、一緒にバトルできる今この時間を大事にしてほしい、楽しんでほしいなって思います!

―ありがとうございました!

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