「FINAL FANTASY TRADING CARD GAME ASIA Grand Championship Osaka」レポート

『FINAL FANTASY TRADING CARD GAME』の公式記事連載。今回は6月30日、7月1日に大阪で開催された「FINAL FANTASY TRADING CARD GAME ASIA Grand Championship2018 Osaka」のレポートをお届けします。

皆さんこんにちは。カードゲーマー編集部の編集(川)です。

6月30日と7月1日の2日間、大阪にて「FINAL FANTASY TRADING CARD GAME ASIA Grand Championship 2018 Osaka」が開催されました。今回はそのレポートをお届けします。

なお当日の模様は『FF-TCG』の公式生放送でも中継されており、こちらでそのアーカイブを見ることができます。
また7月3日には、いよいよ来週7月13日(金)に発売される最新ブースターパック「Opus VI」のプレビューと、ホビージャパン開発課スタッフによる「作品単」構築トーナメントの模様をおさめた生放送も行われました。こちらも同じサイトで試聴できるので、チェックしていなかったという方はぜひご覧ください。

さらに『FINAL FANTASY TRADING CARD GAME』の公式サイト世界選手権に向けたムービーが流れるようになっています。こちらも非常にかっこいい内容になっているので必見です。

◆2日間にわたる白熱した戦いの模様をレポート!

「FINAL FANTASY TRADING CARD GAME ASIA Grand Championship2018 Osaka」には99名のプレイヤーが集まりました。
本大会での優勝者は11月にロンドンで開催される世界選手権への参加権が与えられます。日本のプレイヤーが得られる世界選手権への参加権はアジア全域で開かれる5つの「ASIA Grand Championship2018」大会と国内イベントである「MASTERS2018 FINAL」「MASTERS2018 THE AFTER」それぞれの優勝者、合計7名ぶんしかないため非常に狭き門となっており、今回の大阪大会には地元のプレイヤーだけでなく関東やそれ以外の地域からも多くの遠征プレイヤーの姿が見られました。

本大会は初日に構築戦フォーマット7回戦が行われ、上位8名が2日目の決勝ラウンドに進出します。
「Opus V」の構築戦は【4-038L】《セリス》imageや【4-048L】《ロック》imageを中心にした氷属性のデッキと【4-085H】《ダダルマー》imageを中心にした土属性のデッキが流行しており、この2つのデッキとそれに対抗するさまざまなデッキという形で環境が構成されていました。

この傾向は本大会でも変わっておらず、私個人も参加して7回戦のマッチアップは氷単が3回、土風が3回、土単が1回という内容でした。ベスト8に残ったデッキも氷単3名、土風2名、土単1名、風雷1名、水風1名となっており、見事に「氷vs土vsその他」という構図になっています。
「その他」の要素としては風属性の採用率が高く、特に【5-062L】《ディアボロス》imageと【5-068L】《ヤ・シュトラ》imageは風属性を含んだベスト8の4デッキ中、風雷をのぞく3デッキに投入されていました。

構築戦の環境はまもなく「Opus VI」の入ったものに移りますが、新環境のスタート地点としてこれらのデッキ、カードを意識しておくのがよさそうです。

初日の7回戦を終え、ベスト8に残ったのはHolyさん、クマさん、riruさん、山口のメンバーさん、ちょーぎょーじさん、ソエさん、閣下さん、モーグリ大好きさんの8名でした。
昨年の日本代表選手は閣下さん、KUROSAWAさん、サワダさんの3名が本大会に参加されていましたが、そのなかでは閣下さんがベスト8に残っています。

大会2日目はベスト8のプレイヤーによる決勝ラウンドが行なわれました。ここからは試合が2本先取となり、より緊迫した戦いが繰り広げられます。
準々決勝では氷単のソエさん、ちょーぎょーじさん、riruさんの3名がそろって勝利し、残る一席には土風vs水風のマッチアップで勝利した閣下さんが入り、ベスト4は氷単3名と土風1名という形になりました。

準決勝では公式記事連載でもたびたび登場している閣下さんとちょーぎょーじさんが激突、もう1つのテーブルではriruさんとソエさんがぶつかります。

ベスト8の戦いを取材していておもしろかったのは、全プレイヤーのデッキリストが公開されていたため、相手に合わせたプレイングがいくつも発生していたことです。
たとえば準決勝の閣下さんとちょーぎょーじさんのマッチアップでは、閣下さんの土風デッキに序盤から使える除去が少ないことを見抜いてちょーぎょーじさんが先手第1ターンに【4-026H】《ガストラ帝国のシド》imageから【4-048L】《ロック》imageをサーチしてそのまま出すというプレイを見せました。続くターンもバックアップ1枚から効率よく出せる3コストの【1-057R】《ラーグ公》imageではなく手札2枚をコストにして【4-146L】《ティナ》imageを出していました。

このような展開は準々決勝でもあり、手札破壊を重視した攻撃的な氷単とチョコボシナジーを搭載したスピードのある風雷の対決となったriruさんと山口のメンバーさんの対戦でも、オートアビリティの発動を狙わず2ターン目に【4-048L】《ロック》image、さらに次のターンにもバックアップを出さずに【3-033L】《ジェネシス》imageでとにかくフォワードを並べて攻めの姿勢を押し出していくシーンが見られました。

相手のデッキがわかっているがために、このような普段のセオリーとは少し違う展開が多く見られたのが本大会2日目の特徴だったと思います。

準決勝では土風の閣下さんと氷単のriruさんが勝ち上がり、決勝戦は環境を象徴する2つのデッキによる対戦となりました。

決勝戦でもriruさんは攻撃的な姿勢を崩さず、1ターン目から【4-048L】《ロック》imageを出していきます。さらに【5-031H】《ギルバート》image、【3-154S】《ジタン》imageと徹底的に手札を攻め、閣下さんのリソースを削っていきます。

この攻勢に対して閣下さんはまず【4-058C】《サボテンダー》imageと【3-066R】《バルバリシア》のコンボで第一波をしのぐと、次のターンでは【4-085H】《ダダルマー》imageをトップデッキしてフィールドへ。さらに【4-093R】《ヘカトンケイル》imageを2ターン続けて引き込むと一気にフィールドを制圧していきます。
riruさんも【4-038L】《セリス》imageを中心に戦線を再構築していきますが、バックアップが並び始めるとここからが土風の本領発揮で【4-085H】《ダダルマー》imageをダルにしないようにしながら徐々にダメージを与えていきます。さらに【4-058C】《サボテンダー》imageの2枚目も展開してパワー8000までのフォワードをいつでも除去できる体制を整えます。

riruさんはここで【5-029L】《オーファン》imageによるダルと凍結で攻め切るプランを立てますが、これを【5-062L】《ディアボロス》imageが突き刺さり、閣下さんが第1ゲームを先取します。

第2ゲームでもriruさんは再び【4-026H】《ガストラ帝国のシド》imageからの【4-048L】《ロック》image。さらに【5-031H】《ギルバート》imageと並べていきます。さらに【2-026L】《ヴェイン》imageを追加してダメージを与えていくと【4-058C】《サボテンダー》imageや【5-148H】《カムラナート》imageといったカードがダメージゾーンに行きます。

閣下さんは【4-148L】《ケフカ》で【4-058C】《サボテンダー》imageを確保し、【3-066R】《バルバリシア》imageとのコンボでriruさんのフォワードを除去して盤面を整えていきます。
それでもriruさんは【3-036H】《シド・オールスタイン》image、【2-047L】《リノア》imageとフォワードを展開して
5点までダメージを与えます。

しかしここで再び【5-062L】《ディアボロス》image。【3-036H】《シド・オールスタイン》imageがブレイクされ、パワー1000になった【2-047L】《リノア》imageも【4-058C】《サボテンダー》imageとの合わせ技で倒されます。

これで攻勢をしのいだ閣下さんは【4-086H】《タマ》imageでブレイクゾーンから【4-085H】《ダダルマー》imageを復活させ、さらに【5-063S】《ウリエンジェ》で2枚目の【4-058C】《サボテンダー》imageもフィールドに戻して盤石の体制を築き上げます。

こうなるとデッキのほとんどのフォワードが出してすぐに倒されてしまうので氷単にとって厳しい展開に。
第1ゲームと同じく【5-029L】《オーファン》imageに希望を託しますが、ここでも【5-062L】《ディアボロス》imageが除去とフォワードのアクティブ化を同時に行なう大きな働きを見せます。
そして、そこからのアタックで7点目のダメージを決めた閣下さんが「FINAL FANTASY TRADING CARD GAME ASIA Grand Championship2018 Osaka」のチャンピオンとなりました!

◆優勝者 閣下さんインタビュー

続いては本大会で優勝し、見事2年連続の日本代表プレイヤーとなった閣下さんのショートインタビューをお届けします。

自分の理想とするコントロールデッキと出会えた
――まずは優勝、そして2年連続の日本代表選出おめでとうございます。
閣下:ありがとうございます。
――5月に行なわれた「MASTERS2018」諏訪大会では氷単を使って優勝、続いて「FINAL FANTASY TRADING CARD GAME ASIA Grand Championship2018」シンガポール大会でも氷単でベスト8まで残られましたが今回は土風を使っての優勝となりました。デッキを変えた理由などをお話しいただけますか。
閣下:氷単で挑んだシンガポールでこの土風に完膚なきまでにやられてしまったのが一番の理由です。使用者のjoshさんにデッキを見せてもらったらすごくいいデッキだったので、今回使わせてもらうことにしました。
――この土風はどういう点が優れているのでしょうか。
閣下:氷単に対して強い【4-085H】《ダダルマー》imageというカードを活かしているのはもちろんなのですが、単純にデッキパワーが高く氷単以外のデッキにも不利がつきにくい点が優秀です。特にバックアップが強力、かつたくさん入っているので展開が非常に安定する点もこういった大きな大会向けだと思います。
――バックアップの枚数が多いので展開が安定するというのはわかりますが、バックアップの強力さとは具体的にはどういうことでしょうか。
閣下:通常、バックアップを多くするとそのぶんフォワードや召喚獣の枚数が減ってしまい攻め手に欠ける構成になってしまうことがよくあります。しかし、このデッキは【5-082C】《採掘師》imageや【5-091H】《星の神子》などフォワードに変換できるカードがたくさん入っていて、除去の多い相手にも攻め手が足りなくなるということがありません。

さらに【5-091H】《星の神子》から【5-148H】《カムラナート》image、さらに【1-184H】《カオス》imageといったサーチの連鎖があり、それをサポートする【5-059R】《セミ・ラフィーナ》imageは【4-085H】《ダダルマー》imageと相性がよいなど、カードパワーの高さとシナジーの両方が追求されています。
そして先ほど言ったようにバックアップをフォワードに変換することによるアドバンテージも獲得できる構成なので、単体でも強いカードがより活かせて、オマケにコストパフォーマンス面でも優秀というスキのないデッキになっていると思います。

また、少数精鋭で投入されているフォワードも強力で【4-085H】《ダダルマー》imageと【5-075L】《ウォル》image、【5-068L】《ヤ・シュトラ》imageがそろえばほぼ勝ちのような強力な戦線を構築できます。これらのカードが何度も【5-082C】《採掘師》imageや【4-086H】《タマ》imageで復活してくるので相手の除去が尽きてしまうことも少なくありません。
――諏訪大会後のインタビューでは「コントロールデッキを組みたい」とおっしゃっていましたが、骨太のコントロールデッキという点も気に入った理由でしょうか。
閣下:それも理由ですね。もともと土属性でコントロールデッキが組めないかとは考えていたのですが、しっかりとした形ができずにいました。その点でこの土風はコントロールデッキとして非常に高いレベルになっていてすごいなと思いました。

世界を見ると、海外コミュニティとの力の差を実感する面も

――今回、海外のデッキを参考にされたわけですが、去年の世界選手権や先日のシンガポール遠征などを踏まえて、いま世界と日本の『FF-TCG』の関係はどうなっていると感じますか。
閣下:去年の世界選手権のときから感じていましたが、いま海外のレベルはどんどん上がっています。日本のコミュニティが日本だけで研究をしているのに対して海外のプレイヤーは国を超えて、たとえば英語圏といったより大きなまとまりで『FF-TCG』を研究しています。そのためプレイヤーの質などとは別に単純な試行回数やどれだけ多くのアイデアが出せるかといった、いわば物量の面で日本は負けていると感じます。私自身も身内のコミュニティでの調整がメインになっているので、これから日本代表のプレイヤーが決まってきたらしっかりと調整を重ねたいです。
――去年の世界選手権は、初の開催ということで海外の選手と対戦するのもほとんど初めてという感じでしたが。今年はこれまでの経験を踏まえてステップアップするということですね。
閣下:はい。なので私に続く日本代表のメンバーが誰になるのかは注目していますし、世界と戦うという意思のある方に上がってきてほしいなと思います。もちろん『FF-TCG』はゲームなので楽しむ、というのが第一ではあるのですが、やっぱり世界の人たちと戦うのはすごくおもしろく、またいい経験になるため、去年以上に真剣に打ち込みたいですね。
今年こそ、優勝トロフィーを日本に持って帰りたいと思っているので、これから日本代表を目指す人、一緒に頑張りましょう! 待っています!
――ありがとうございました。

◆「Opus VI」発売迫る! 今週末はプレリリースパーティ!

今回は「FINAL FANTASY TRADING CARD GAME ASIA Grand Championship 2018 Osaka」の模様をお届けしました。

来週は今回の大阪大会で優勝した閣下さんによる「Opus V」環境の振り返り記事が掲載されます。
シンガポール遠征から大阪大会までの道のりなどをもあらためてレポートされるとのことなので、お楽しみに。

そして、いよいよ「Opus VI」の発売日が近づいてきていますが、その前に今週末は一足早く「Opus VI」のカードで遊べる「プレリリースパーティ」が全国のカードショップで開催されます。

開催店舗についてはこちらから確認できるので、ぜひお近くのお店に足を運んでみてください!
プレリリースパーティに参加すると『FFX-2』の《ユウナ》スリーブと、【6-003H】《ガイ》のプロモーションカードももらえますよ!

それではまた次回の記事でお会いしましょう!