『FINAL FANTASY TRADING CARD GAME』の公式記事連載。今週は6月16~17日に開かれた「Asia Grand Championship 2018」のシンガポール大会に参加したたるほさんのレポートをお届けします。
◆はじめに
どうもこんにちは! 『FF-TCG』プレイヤーのたるほです。
いつもはこの公式記事連載でインタビュー記事を書かせてもらっていますが、先日シンガポールで開催された「Asia Grand Championship 2018」シンガポール大会に参加してきましたので、今回は初の海外遠征になったシンガポール大会の様子を大会参戦レポートとあわせてお届けしたいと思います。
最初に言ってしまいますが、今回の海外遠征、とても楽しかったです!
もちろん海外に行くのはそれなりに大変だったのですが、友人達と一緒に旅行することも、同じゲームを遊んでいる世界のプレイヤーと交流することも素晴らしい体験だとあらためて思いました。
『FF-TCG』は日本国内でもさまざまな場所で「MASTERS」などの公式大会が開催されています。この記事が「いつも遊んでいる仲間と次はちょっと遠征してみるのもいいかも」と思っていただくきっかけになればうれしいです。
それではレポートをどうぞ!
◆今回の舞台、シンガポールってこんなところ!
今回「Asia Grand Championship 2018」シンガポール大会の舞台となったシンガポール共和国は、東南アジアの都市国家でアジアの金融センターとも言われている国です。
ちょうど大会の数日前に行われた米朝首脳会談の会場となり、世界中から注目が集まっていました。アジアの金融センターと呼ばれるだけあって、都心部は非常に栄えていました。
シンガポールのランドマークであるマリーナベイ・サンズにはカジノやショッピングモールが併設され、毎晩ライブショーが行われています。
ここの屋上からはシンガポールの夜景が一望できます。また、すぐ真横には近未来的テーマパークとして誕生したガーデンズ・バイ・ザ・ベイやシンガポールの象徴とも言えるマーライオンがマリーナベイを見渡すように立っています。
シンガポール島の南にあるセントーサ島は、ユニバーサル・スタジオ・シンガポールや世界最大級の水族館シー・アクアリウムがあり島全体が巨大なレジャースポットになっています。
そんなシンガポールですが、カードゲームも盛んでショッピングモールやビジネスビルの中にはカードショップが入っています。
ショップでは『FF-TCG』をはじめ日本のカードゲームも数多くプレイされていました。
シンガポールは「人種のるつぼ」といわれ、中国系・インド系・マレー系など様々な人種の方が生活しており、地域ごとに変わった食文化を味わうことができます。
「Asia Grand Championship 2018」シンガポール大会の会場はサンテックシティです。
ショッピングモール内にある広い会場で、地元のショップが物販を行なうなど日本の「MASTERS」などとはまた違った雰囲気がありました。
また、イベント中ショッピングモールから立ち寄ったお客さんがその場で初心者講習を受けたりしている光景も日本ではなかなか見ない新鮮な光景でした。
会場ではホビージャパンの開発陣によるガンスリンガーやショップ主催のサブトーナメント、豪華景品の当たる抽選会などが開催され、世界大会への権利を目指す真剣勝負の場というだけでなくカジュアルに楽しむにも持ってこいのイベントになっていました。
◆シンガポール対策の秘蔵っ子「氷土」デッキを紹介!
さてここからは「Asia Grand Championship 2018」シンガポール大会に参加した大会レポートをお届けしたいと思います。
今回使ったデッキはこちらです。
「Asia Grand Championship 2018」シンガポール大会 使用デッキ:氷土
カードNo. | カード名 | 枚数 |
フォワード(25枚) | ||
【1-047R】 | 《ティナ》 | 2 |
【1-192S】 | 《シド・レインズ》 | 2 |
【2-026L】 | 《ヴェイン》 | 1 |
【3-030L】 | 《クジャ》 | 1 |
【3-033L】 | 《ジェネシス》 | 2 |
【4-038L】 | 《セリス》 | 3 |
【4-048L】 | 《ロック》 | 2 |
【5-029L】 | 《オーファン》 | 1 |
【5-152S】 | 《セラ》 | 1 |
【1-101R】 | 《ギップル》 | 1 |
【4-085H】 | 《ダダルマー》 | 3 |
【5-075L】 | 《ウォル》 | 3 |
【5-083C】 | 《PSICOM治安兵》 | 1 |
【5-086L】 | 《セシル》 | 2 |
バックアップ(18枚) | ||
【1-048C】 | 《導師》 | 2 |
【1-196S】 | 《モーグリ[XIII-2]》 | 2 |
【2-037R】 | 《ジル・ナバート》 | 2 |
【4-026H】 | 《ガストラ帝国のシド》 | 2 |
【4-030C】 | 《黒魔道師》 | 2 |
【2-093H】 | 《ラウバーン》 | 2 |
【4-086H】 | 《タマ》 | 1 |
【5-082C】 | 《採掘師》 | 3 |
【5-093C】 | 《モグ[MOBIUS]》 | 2 |
召喚獣(7枚) | ||
【5-032H】 | 《グラシャラボラス》 | 3 |
【1-117R】 | 《ヘカトンケイル》 | 2 |
【5-081C】 | 《コカトリス》 | 2 |
僕が「Asia Grand Championship 2018」シンガポール大会の相棒として選択したのは「氷土」デッキです。
「氷単」が持つ立ち上がりの強さと「土単」の中盤以降の攻守隙のないパワフルさを合わせて2つのデッキの弱点を補おうというコンセプトのデッキです。
シンガポールに行くと決めたときから「土か氷のどちらかは使ったデッキを使おう」と考えていました。皆さんご存知のように「Opus V」環境ではたくさんの大会で氷と土をメインにしたデッキが優秀な成績を収めていましたし、僕自身も、こちらのコラムでサノさんやabcさんのインタビューを通してこの2属性の魅力を強く感じていました。
そして「氷を使うか、氷に有利な土を使うか?」で悩んでいるうちに「氷と土はお互いの弱点を補完しあっているな」と思い、「氷土」デッキを組むにいたりました。
実際2色の相性は非常によく「氷単」や「土単」と比べても単色デッキにはないメリットがあったと思います。
特に大きかったのが【5-075L】《ウォル》の存在です。
多色デッキを使ううえで弱点となるのが【1-057R】《ラーグ公》や【1-095R】《エナ・クロ》といった属性ごとのフォワードのパワーを上げるバックアップの恩恵を受けにくくなってしまうことなのですが、【5-075L】《ウォル》のオートアビリティによって【4-038L】《セリス》や【4-048L】《ロック》がより攻撃に参加しやすくなったのが「氷土」という組み合わせの最大のメリットだったと考えています。また【5-075L】《ウォル》のダル状態のフォワードに3000ダメージを与えるアビリティも氷属性のカードと相性がよく、先述の【4-038L】《セリス》や【1-047R】《ティナ》、【1-192S】《シド・レインズ》に【5-032H】《グラシャラボラス》といったカードがいつも以上に活躍できるようにになりました。
また土のエースカード【4-085H】《ダダルマー》の存在も見逃せません。
カード単体での活躍の幅も広く、特に除去の強い火・氷・雷に向かって積極的にプレイしていけるカードとして活躍してくれました。
そして氷属性と組み合わせることで【1-047R】《ティナ》と合わせて使うことができ、「土単」の【5-095H】《ヤン》のような本来氷が苦手とするフォワードにも対処できます。また【カテゴリ(VI)】のカードなので【4-026H】《ガストラ帝国のシド》からサーチすることもできます。そして【4-048L】《ロック》のオートアビリティが使いやすくなるように貢献してくれた点も「土氷」の組み合わせならではのメリットだったと思います。
また「土氷」の2属性にすることで【5-082C】《採掘師》と【5-093C】《モグ [MOBIUS]》を採用できる点も大きな強みだったと思います。
それには2つ理由があって、まず1つめはこのデッキに入っているフォワードはほとんどがフィールドに出たときに発動するオートアビリティを持っているため、再利用すればするほどアドバンテージを稼げるというもの。
もう1つはデッキパワーを落とさずデッキの安定性を高められることです。
そんなことは当たり前の話と思われるかもしれませんが、せっかく海外遠征をしたのにバックアップを引けない事故でいくつかのゲームを落としてしまったという結果はなるべく避けたいものです。しかし、バックアップを多くすれば展開は安定するかもしれませんが、逆に相手に対する脅威の数が足りず攻めきれないこともあるかもしれません。そこで役立つのが先ほどあげた「フォワードに変換できるバックアップ」です。これらのカードを採用することでそういった事故が起きる確率を下げられますし、【5-083C】《PSICOM治安兵》や【2-026L】《ヴェイン》のようなカードも繰り返し使えるようになるのでデッキの対応力も上がります。海外のメタゲームは日本とは異なるため、いろいろなデッキに対抗できるようになる点も地味に大事なポイントだと思いました。
こういったメリットから今回「氷土」デッキを使いトーナメントに挑んだのですが、果たしてどんな結果になったのか。次はその模様をお伝えしようと思います。
◆「Grand Championship Singapore」対戦レポート
第1回戦:対「火水召喚獣」デッキ 勝ち
海外で『FF-TCG』をプレイするのは初めてだったので、初戦はとても緊張していたのを覚えています。
相手のデッキは「火水」で【2-121H】《アーシェ》【3-129L】《ガーネット》などの除去されにくいフォワードを中心に戦線を構築し、召喚獣で除去を行ないダメージを与えていくデッキでした。
こちらがフォワードを出しても【4-016R】《バハムート》や【5-019L】《フェニックス》などで除去され、なかなか攻めに転じられないゲーム展開になっていきます。
火属性のデッキは少ないという読みがあり、相手の戦線を突破するためにパワーを上げる要素は【5-075L】《ウォル》で十分だろうと考えていましたが、こういうデッキに対しては常時パワーの上がる【1-057R】《ラーグ公》の方が有効ですね。
【4-038L】《セリス》のスペシャルアビリティ「魔封剣」で一度【5-019L】《フェニックス》を無効化するものの、とにかく召喚獣が多くフォワードを出しては除去され、ダメージ6点と追い込まれてしまいます。しかし、ここでついに相手の召喚獣が尽きたようで、守りを固めながらフォワードを再展開し、逆転勝利をおさめることができました。
対戦後、デッキを見せていただいたのですが召喚獣が18枚と非常に多く入っており、日本ではあまり対戦したことのない構築が印象的なデッキでした。日本では「Opus」シリーズになってフォワードどうしのアタック、ブロックのかけ引きがより重要になりましたが、このデッキの「フィールドに残りやすいフォワードと大量の除去手段」という構成は少し「Chapter」時代の感覚に近いものがあって懐かしく思いました。
第2回戦:「氷単」(TAKさん) 勝ち
2回戦目にして4人しかいなかった日本勢の1人であるTAKさんとの対戦。お互い前日まで調整を共にしていて手の内を把握していたので、2人とも苦笑いしながらのスタートでした。
こちらは1ターン目にバックアップ2枚を出して相手の出方を見ることに。氷系のデッキどうしの対戦では、ここで【4-038L】《セリス》をプレイされると攻守が逆転してしまいます。
1ターン目バックアップ1枚から次のターンに3コストのカードをプレイしたいときも、なるべくバックアップを2枚出しておくことが重要です。
しかし今回は【4-038L】《セリス》がなかったようで、こちらが先にバックアップ2枚から【4-038L】《セリス》、さらに【4-048L】《ロック》と展開して相手のバックアップと手札を攻めることができました。【5-075L】《ウォル》も追加でプレイし、相手のフォワードをダルにしながらダメージを積み重ねて除去し、EXバーストでの除去も封じたまま攻勢を維持してそのまま勝つことができました。こちらのデッキは主力が4CPのフォワードにかたよっているので【5-028C】《裏魔道士》によるアタック制限が苦手なのですが、幸いプレイされず序盤の優位を保ったまま攻め続けられたのが勝因でした。
第3回戦:「土単」 負け
相手の方が先攻で【3-095R】《ヤン》【3-073C】《アーシュラ》を最序盤にそろえて一気に押してきます。
こちらも【4-038L】《セリス》や【1-047R】《ティナ》【1-192S】《シド・レインズ》【5-032H】《グラシャラボラス》などで脅威をさばいていきますが、相手も【4-093R】《ヘカトンケイル》や【2-093H】《ラウバーン》による除去や、氷の天敵である【1-097H】《ガイ》を出してくるなど、こちらに体勢を立て直す時間をなかなか与えてくれません。
何とか相手の攻め手をせき止めて【3-033L】《ジェネシス》のアタックで反撃の糸口をつかもうとしますが、ここで【1-118R】《ムスタディオ》がEXバースト。【3-033L】《ジェネシス》がブレイクされます。
続けて【5-075L】《ウォル》と【5-086L】《セシル》を展開し【5-086L】《セシル》がパワー11000のブレイブになってアタック。すると今度は【4-073C】《アトモス》がEXバーストし【5-075L】《ウォル》が倒され、これでこちらの戦線が崩壊してそのまま押し切られてしまいました。
今になって考えてみると【5-075L】《ウォル》のアビリティでパワー強化とブレイブ付与を選んだのはその後のフォワードによる攻防を考えると不正解ではなかったと思いますが、EXバーストを封じるという選択肢もあったため、もっと冷静に相手の使っていたカードを考えればまた結果は違ったかもしれません。もちろんEXバーストは運の要素も大きいので一概にどちらが正解とは言えませんが、EXバーストを封じた方が安全という考えをもっと持てるようにしたかったと思います。一瞬の判断が結果を大きく左右し、悔しさの残るゲームとなりました。
・第4回戦:「氷単」 勝ち
相手側が序盤から相手の【4-038L】《セリス》とこちらの【4-085H】《ダダルマー》がにらみ合う展開に。幸い【1-057R】《ラーグ公》を出されていなかったので、こちらからアタックをしかけると相手のターンに【4-038L】《セリス》がアタックしてきました。
これはプレイミスで【4-038L】《セリス》のプレイヤーにダメージを与えたときに発動するオートアビリティは、ダル状態のフォワードがいたら必ずそれを選ばなくてはなりません。この状況ではダル状態の【4-085H】《ダダルマー》しかいないため彼を選ばなくてはならず、【4-085H】《ダダルマー》の「召喚獣やアビリティに選ばれたとき」と「ダメージが与えられたとき」のオートアビリティが両方発動して【4-038L】《セリス》はブレイク、追加のダメージも無かったためこちらの【4-085H】《ダダルマー》だけがフィールドに残り、そのまま有利な状況をを維持して勝利することができました。
氷に強い【4-085H】《ダダルマー》を採用できることも「土氷」のメリットだなと強く感じました。
第5回戦:「氷風土タッチ火雷」(しどさん) 負け
この時点で日本勢では僕としどさん、閣下さんが3勝1敗だったので「そろそろ当たるかもしれないね」と話していたのですが、休憩時間にお手洗いから戻ってきて対戦卓に向かうとテーブルの向かい側にはしどさんが待っていました。2回目の日本人対決で、そのうえ調整期間中に一度も勝てなかったデッキ相手で緊張が走ります。
序盤はこちらが【4-038L】《セリス》【4-048L】《ロック》の黄金コンビをそろえて攻勢に出ます。相手のデッキは【4-085H】《ダダルマー》【4-058C】《サボテンダー》のコンボを搭載しているため、バックアップもなるべくフォワードを回収できるカードを優先して出していき【5-083C】《PSICOM治安兵》を使いまわして【4-058C】《サボテンダー》をブレイクしていこうというプランでした。
3点目までこちらは順調にダメージを与えて生きますが4点目で【5-086L】《セシル》がEXバースト、返すターンでは【3-066R】《バルバリシア》と【4-058C】《サボテンダー》のコンボで盤面を一掃されて窮地に追い込まれてしまいます。ここで失った時間が響いて最後まで相手の守りを突破できず、負けてしまいました。
第6回戦:「氷単」 勝ち
4回戦目とは違って今度は序盤から【1-057R】《ラーグ公》を出されてパワーで押される展開になってしまいます。こちらは【4-085H】《ダダルマー》【5-075L】《ウォル》などをそろえて反撃に出ようとするも【5-028C】《裏魔道士》で主力フォワードのアタックを封じられてしまいます。
さらに【5-029L】《オーファン》を絡めて6点目まで追い詰められますが、ここで相手も毎ターン【5-028C】《裏魔道士》のアビリティを使っていたためリソースがぎりぎりに。こちらもフォワードの数がそろってきたためアタックし返してダメージを稼いでいきます。そのままあと1枚【3-032R】《シヴァ》が引かれたら負けという状況で2ターンが経過。ついにダメージが追いつき、相手はライフを守るためにフォワードをブロックに使い、数を減らしていきます。そして、カードが足りなくなって【5-028C】《裏魔道士》のコストを払えなくなったところでこちらの4CPフォワードが総攻撃をしてギリギリ勝つことができました。
ゲーム中には見えなかった【1-042R】《スコール》【1-059R】《ラグナ》がデッキの底に固まっていてコンセプト通りの動きができなかったらしく、これらが順調に出されていたらより苦しい展開だったと冷や汗をかくゲームでした。
6回戦までを終えて4勝2敗。そのなかではオポーネント・マッチ・ウィン・パーセンテージ(編註:勝ち点の数が同じプレイヤーのなかでより正確に順位を出すために使われる数値)が一番高かったので8位通過のチャンスがあるなか最終戦を迎えます。
第7回戦:「氷水」 勝ち
手札破壊とバウンスを組み合わせたモンスターが多めのデッキでした。
こちらの脅威に対しては【1-176H】《ユウナ》や【4-130H】《ストラゴス》でバウンス。モンスターは倒しても【4-123H】《ガウ》で再利用という展開と除去が連動しているおもしろいデッキでした。しかし、こちらは【1-047R】《ティナ》【4-085H】《ダダルマー》の除去コンビがそろって盤面を掌握します。そのまま押し切れるかとも思いましたが、さらにそれを【4-043C】《プリン》からの【3-036H】《シド・オールスタイン》で返されるという一進一退のゲームに。
しかし、ここで相手の【3-036H】《シド・オールスタイン》に倒された【4-085H】《ダダルマー》が【1-176H】《ユウナ》のアビリティで除外することを選ばずターンをパスしてきたため、【5-082C】《採掘師》で【4-085H】《ダダルマー》を回収して再展開できました。この一手が大きくそのまま勝利することができました。
というわけで5勝2敗で迎える結果発表。
最終結果は……
一歩届かず10位でした。
残念ながら2日目に駒を進めることはできませんでしたが、考えていたメタがきっちりハマり、デッキもそれに応えて準備どおり、イメージどおりの働きをしてくれましたので10位という悔しいところですが、自分の力を十分に出し切れた大会だったかと感じます。
今回は初の海外遠征ということで不安もありましたが、ホビージャパンスタッフの方が英語版ファイルを持ってフォローしてくれる、ゲーム進行しやすいようターン進行のパウチを用意してくれるなど配慮していただけたこともあり、つたない英語でも円滑にコミュニケーションを取ることができました。
今後も「Asia Grand Championship 2018」タイ大会を始め海外でも多くのイベントが開催されますし、日本でも国外から来たプレイヤーと対戦する機会が増えていくと思います。こういった大会に参加できたことはプレイヤーとして大きな経験値になったと感じました。
また、今回の遠征で特に役だったのがこちらの記事なので、まだチェックしてない方もぜひ見てみてください。シンガポール遠征の翌週に参加した店舗大会でフランスとイギリスの方とお話しした際もスムーズに対戦することができました。
◆初めての海外遠征で実際にあったアクシデントと教訓を紹介
ここからは今回のシンガポール遠征で遭遇したアクシデントとそこから得られた教訓についてお話ししようと思います。
これから海外遠征を考えている方の参考になれば幸いです。
事例その1:なくしものをしたときの対処法
これは大会前日、日本勢のみんなでシンガポール観光に出かけたときの話です。
しどくんとホテルからタクシーに乗り目的のマリーナベイ・サンズへ到着し、閣下さん、TAKさんと合流しようとしたところで、スマホがなくなっていることに気づきます。
どうやら乗ってきたタクシーにスマホを落としてきたようなのですが、あわてて乗っていたタクシーを追おうとするもあとの祭り、無情にもタクシーは去って行ってしまいました。
普段なら必ずもらう領収書ももらい忘れており、どこのタクシー会社だったかもわからず連絡の手段もありません。
途方に暮れてホテルのフロントに助けを求めると受付のお姉さんからこんな提案が、、、
「セキュリティーにエントランスのカメラを見せてもらえば、乗っていたタクシーのナンバーがわかるかもしれません」
藁にもすがる思いでセキュリティーを尋ねると2人組のガードマンが相談に乗ってくれました。
「どんな色のタクシーだった?」
「何時くらいに乗った?」
「乗った場所は?」
「OK心配しなくていい。君のiPhoneはすぐに見つかるよ。スマイルスマイル。」
話を聞いているときは半信半疑でしたが、なんと驚くことにものの30分で僕の手元にスマホが戻ってきました。
後で聞いた話ではありますが、こういったケースでは警察はもちろんですが、その施設が雇っているセキュリティースタッフを頼るといいそうです。彼らは施設にやってくるタクシー業者などともつながりがあり、連絡手段を持っていることも多いとのこと。日本に帰ってきたあと、お世話になったこのセキュリティー会社にはつたない英語ですがお礼のメールを送るほど感激しました。
事例その2:しっかり断るための言葉を知っておこう
次は大会当日、これはトラブルと言うほどではないですが現地プレイヤーとトレードをしているときの話です。
実は海外では「Chapter」シリーズのカードが非常に人気で、結構な頻度でトレードを持ちかけられました。そしてその時、結構な確率でカードどうしではなく金銭を交えたトレードを持ちかけられます。
しかし会場内には地元のショップが出店していてシングルカードの販売を行っています。また今回は大型のショッピングモール内でのイベントでした。そういった経緯から金銭でのトレードお断りしていたのですが、結構強気に「シンガポールでは金銭トレードは問題ないんだ」というようなことを言われる機会がありました。
こういったイベント会場やカードショップ内でなければ、個人間での金銭のトレードはある程度自由かと思いますが、商業施設をレンタルして出店企業も出ている以上会場でのそういったトレードは避けるべきでしょうし、海外で金銭トラブルに巻き込まれると自衛の手段もないかと思いますので、トレードの際は金銭の話が出てきたら可能な限り避けるのがいいのかなと感じました。
またタクシーに乗るときやチャイナタウンを歩く時なども客引きがグイグイと迫ってくることがあるので、あらかじめしっかり断る言葉を現地の言葉で予習しておけばよかったなと思います。
ここで紹介した例は、あくまで僕が今回の遠征で経験した話なので旅行経験がある方や英語でコミュニケーションのある方はよりよい対処方法があるかと思いますが、次回以降の海外での大会に参加される方の何かしらの参考になればと思います。
◆終わりに
今回はシンガポールの遠征レポートをお届けしました。
今回の経験で、海外遠征は大変さよりも楽しさが大きく上回ると感じました。
僕はぜひまた海外の大会に遠征したいなと思っているので、参加しようと思っている方がいたらご一緒してくださると嬉しいです。
次の海外レポートでは海外のプレイヤーにインタビューができるようになっていたいですね。英語の勉強もちょっとがんばらなくてはと思います。
それではまた次の記事でお会いしましょう!