『FINAL FANTASY TRADING CARD GAME』の公式記事連載。今回は11月24日、25日の2日間にわたって開催された「World Championship 2018(以下、世界選手権)」の模様をお届けします。
◆はじめに
皆さん、こんにちは。カードゲーマー編集部の編集(川)です。
11月24日、25日の2日間にわたってイギリス・ロンドンにて『FF-TCG』の世界選手権が開催されました。
世界各地から集まった32人のプレイヤーと昨年の優勝者であるベルギーのTobi Henrietさんを加えた33人によって今年の世界チャンピオンの座が競われました。
ここでは大会前日から決勝までの模様を、日本代表の戦いを中心にお伝えします。
別の記事では日本代表の各メンバーがこの大会に向けてどういう考えでデッキを準備し、臨んだのかを聞くインタビューもお届けするので、あわせてお楽しみください。
◆11月22日 ~ロンドン到着~
大会前々日、22日の夜にロンドンに到着した日本代表一行。
ロンドンの市街はすでにクリスマスイルミネーションが飾られており、古い建物が続く町並みとあいまって大変に見ごたえがありました。
当日はホテルに到着後に夕食をとって解散となりましたが、日本代表チームは一室に集まってお互いのデッキ調整を行なうことになりました。
話を聞くと、日本代表のメンバーはそれぞれ多忙で練習会などはできておらず、かつ「Opus VII」発売からまだあまり時間がたっていないため、デッキの練りこみがまだ足りていないとのこと。
皆、口をそろえて「『水単フースーヤ』は読まれてるだろうから使いたくはない、でも代わりのデッキも難しい……」と悩んでいました。やはり1人で3つのデッキを作るというのは歴戦の強豪プレイヤーであっても大変だったようです。
あとで聞いたところによると、この調整会はなんと朝4時まで行なわれていたそうです。ここでの各プレイヤーの選択や、その理由なども別の記事でお伝えする予定なのでお楽しみに。
◆11月23日 ~レセプションで各国代表が顔合わせ~
翌日は朝10時に大会で使用するデッキリストの提出を済ませると夕方まで自由時間となりました。
日中は各々観光に出かけ、夕方から開かれたレセプションにて各国の選手が一堂に集まりました。
レセプションでは世界選手権開催にあたってスクウェア・エニックスのシニア・ディレクターである松山博邦さんや、今大会でヘッドジャッジを務めるホビージャパンの景山太郎プロデューサーが登壇。二度目の世界選手権を開催できたことへの祝辞を寄せるとともに、選手たちの健闘に期待を寄せていました。
その後、選手たちを壇上での紹介時に各々配られたカードに沿って5つのチームにわけ、交流会を兼ねたクイズ大会が行なわれました。
クイズ大会では『FF-TCG』にまつわるものから、ゲームの『ファイナルファンタジー』シリーズからの問題など合計10問が出題されました。
いくつか出題されたクイズを見てみましょう。
皆さんはおわかりになりましたか?
この記事の最後に正解を載せておくので、あとでチェックしてみてくださいね。
このクイズ大会で優勝したチームのプレイヤーには賞品として『FFIX』のビビや『FFXIV』のイダのぬいぐるみがプレゼントされました。
◆11月24日 ~世界選手権 予選ラウンド~
この日からいよいよ世界選手権の本戦が始まります。
和やかなムードながらも真剣な面持ちの各国代表がホテルのホールに集まり、第1回戦の開始を待ちます。
そうして第1回戦がスタート。日本代表は閣下さんが早くもフィーチャーテーブルに呼ばれ、そして何とハリガイさんとしどさんは1回戦から日本人対決に。そしてひこにゃんさんはイタリア代表のMarco Grammaticaさんとマッチングされます。
ひこにゃんさんは第1ゲーム、「水土」で相手の「氷土」と戦います。序盤に展開された【7-129H】《ガルデス》がずっとフィールドに残り続けてダメージを与えられ、最後は形勢不利となったところを【5-032H】《グラシャラボラス》の手札破壊から【3-036H】《シド・オールスタイン》のオートアビリティで防壁を破られ敗北を喫します。
第2ゲームでは逆にひこにゃんさんの「氷単」と相手の「水単」の組み合わせ。【7-133S】《アルティミシア》が効果的に対戦相手の動きを縛り、【6-027L】《クジャ》のEXバーストも合わせてほぼ相手に何もせず勝利し、勝負は3ゲーム目へともつれこみます。
第3ゲームはひこにゃんさんが「風単」、相手の方は「雷単」です。
序盤【2-106R】《グラミス》で【2-097H】《アルシド》をサーチした相手に対し、アビリティによる除去をケアして【6-045L】《ジタン》などのアビリティに選ばれないカードでひこにゃんさんは応戦していきます。
しかし【5-108L】《ゼムス》が出てくるとこれを除去する手段がなく、アドバンテージを稼がれてしまいます。【5-108L】《ゼムス》のアビリティで盤面を充実させ、ひこにゃんさんのフォワードには的確に【7-103C】《ラムウ》などで対処してみせた相手が勝利となります。
第1回戦では閣下さん、ハリガイさんが勝利し、まず1-0と好調な滑り出しを見せます。
続く第2回戦、ここからはシードとなっていた昨年の世界王者Tobi Henrietさんも加わり、さらに白熱した戦いが繰り広げられました。
ここでベルギー代表のMetin Pemukさんとマッチングされたしどさんは第1ゲーム、バックアップを引けず【4-148L】《闇の王》からスタートした相手を冷静に「水単フースーヤ」で倒すと、第2ゲームでは今度は相手の「水単フースーヤ」に「土単」をぶつけます。【1-117R】《ヘカトンケイル》で効果的に相手のバックアップをブレイクして足止めをし、有利にゲームを進めていきますが「水単」の展開力はすさまじく、4ダメージを与えたところでフォワード5体による強固な盤面を構築されてしまいます。
そして、相手は満を持して【3-130R】《カイナッツォ》。これで逆転かと思われましたが、ここで必殺の【3-147L】《戒律王ゾディアーク》が炸裂!
一気に6ダメージを受けることとなりましたが自軍のフォワードを守りつつ相手のフォワードを壊滅させ、そのまま勝利を手にします。
前々日の調整中に最後まで「【3-147L】《戒律王ゾディアーク》を使いたいけどデッキスロットが空いていない。どうやって皆【3-147L】《戒律王ゾディアーク》と【5-078R】《ガブラス》の枠を作っているんだ……」と悩んでいたしどさんでしたが、何とかスペースを見つけ出し、そしてそれが功を奏したようでした。
第2回戦が終わって日本代表はハリガイさんが2-0、残る3人が1-1という成績になります。
そして第3回戦。今度はひこにゃんさんがフィーチャーテーブルへ。そして、今度は何と閣下さんとしどさんがマッチング。しどさんは早くも2回目の日本人対決です。
そして、ここまで全勝のハリガイさんはオーストラリア代表のJason Zheさんとマッチング。
第1ゲーム、ハリガイさんは「氷単」を選択。【6-022R】《イゼル》から【5-040C】《呪術士》をサーチしてフィールドへ。これに対して相手は【5-083C】《PSICOM治安兵》を捨てます。自らモンスター対策カードを捨てた相手に対してハリガイさんは【5-034C】《ゲスパー》を展開し、手札を刈り取っていきます。相手も【3-078H】《クルル》を出して応戦しますがしっかり【5-044C】《背徳の皇帝 マティウス》で除去して攻め手を緩めず、まずはハリガイさんが一本先取。
第2ゲームはJasonさんが「風単」、ハリガイさんは「水風ユリパ」です。後手1ターン目にバックアップと【6-044L】《ジタン》でスタートしたハリガイさんは次のターン、まずビッグアクションにつながる【1-080H】《バッツ》を捨てさせ、捨てられないよう早めに出された【7-128H】《ユーリィ》によるブロックを【6-052R】《ディアボロス》で退け、一気に優勢になります。
さらに【1-197S】《アニキ》で【6-053R】《パイン》をサーチすると次のターンには【6-124L】《ユウナ》とともにフィールドへ。一度は【6-053R】《パイン》が除去されてしまうものの再度出しなおすと、さらに【6-062R】《リュック》も加えて「ユ・リ・パ」のフォーメーションを完成させます。
こうなってしまうと風単では対処が難しく、ハリガイさんが万全の体勢のまま7点のダメージを稼いでストレート勝ちをおさめ、全勝で第4回戦へと進みます。
ほかのテーブルでは閣下さんがしどさんとの日本人対決を制して2-1、ひこにゃんさんとしどさんは1-2となります。
続く第4回戦。閣下さんはアメリカ代表Hunter Nanceさんとマッチングされますが、相性の悪い組み合わせに苦戦させられます。
第1ゲームは閣下さんが「風単」、Hunterさんが「水単フースーヤ」。この試合では【3-123R】《暗黒の雲ファムフリート》による除去に手を焼くものの、【3-139C】《ナイト》に対して【7-128H】《ユーリィ》のアビリティを失わせる能力が効果的に働き閣下さんが先取します。
第2ゲームは閣下さんの「土火」に対してHunterさんが「風単」。このゲームでは【1-064R】《エアリス》のスペシャルアビリティ「星の守護」を要所で2回使われてしまい、閣下さんは相手のフォワードを除去することができずHunterさんが勝利。
第3ゲーム、「水単フースーヤ」の閣下さんに対して「土氷」のHunterさん。第1ターンに【2-037R】《ジル・ナバート》を出され、メインエンジンである【2-146H】《フースーヤ》を封じられる苦しい立ち上がり。それでも【4-133C】《バイキング》を並べて展開力で押していこうとしますが、これに対しては【7-077L】《ノクティス》とまたもクリティカルなカードを出されてしまいます。
この【7-077L】《ノクティス》は【3-123R】《暗黒の雲ファムフリート》で退けますが、さらに戦力を追加したところで今度は【1-107L】《シャントット》! さらに【4-085H】《ダダルマー》と、厳しいカードが続きます。これも何とか【3-123R】《暗黒の雲ファムフリート》で除去しますが、相手はさらに【4-036H】《セッツァー》から【4-085H】《ダダルマー》をサーチ、さらに【1-047R】《ティナ》も現れます。
閣下さんはそれでも何とか先に6ダメージを与えて相手をあと一歩のところまで追い詰めますが【2-146H】《フースーヤ》を3枚全部引いてしまうなど不運もあり、惜敗。2-2の成績となります。
4回戦終了時点でハリガイさんが4-0でベスト8進出を決め、閣下さん、ひこにゃんさん、しどさんが2-2。ベスト8進出は難しいかと思われましたがここでスタンディング(順位)が掲示され、それを確認したところ次のラウンド勝利すれば、ほかの試合の結果しだいでは3勝2敗グループのなかでギリギリベスト8に滑り込める可能性があるとわかり、奮起します。
そうして迎えた5回戦。ベスト8進出には勝利が絶対条件のひこにゃんさんはオーストラリア代表のRobert Meadowさんとマッチング。
ひこにゃんさんはこれまで先手と後手のどちらでもバランスよく戦える「水土」デッキを第1ゲームに選択していましたが、ここでは「氷単」をチョイス。ひこにゃんさんの「氷単」は手札破壊に特化したタイプではなく、ダルと凍結を主軸にした中速のタイプです。Robertさんは「水土」をチョイス。
お互いにすばやくバックアップを並べて、以降は引いてきたカードをすべて戦力としてフィールドに送り込める状態となり、ヘビーな殴り合いが始まりますが、ここで輝いたのが【7-033R】《スノウ》。これで相手の【6-126R】《レイラ》と【4-133C】《バイキング》によるブロックを許さず、さらにダルにしたところに【1-192S】《シド・レインズ》による追撃も決まるなど狙い通りの活躍をし、第1ゲームを勝利します。
第2ゲームは「火単光の戦士」のRobertさんが第1ターンから【5-146H】《ウォル》、【7-002R】《アイギス》、【7-012H】《ソール》と並べるロケットスタート。ひこにゃんさんも【6-126R】《レイラ》と【4-133C】《バイキング》、さらに【6-126R】《レイラ》を【4-087R】《ディリータ》で活用して【7-002R】《アイギス》を倒すなど粘りますが、最後はブロッカーと相打ちになった【5-146H】《ウォル》が復活させた【7-012H】《ソール》に【2-019R】《魔人ベリアス》がヘイストを付与してアタックしてきて勝負あり。第3ゲームにもつれこみます。
第3ゲームは「風単」どうしのマッチアップとなりましたが、Robertさんが序盤バックアップを並べられず、それを好機と見たひこにゃんさんが【1-088C】《弓使い》で少ないバックアップをさらにブレイクし、リソース差を広げ、そのまま勝利しました。
第5回戦ではハリガイさんが初めて負けて4勝1敗となるものの、ほか3名はいずれも勝利し3勝2敗と全員が勝ち越して終えることができました。
結果としては残念ながら閣下さん、ひこにゃんさん、しどさんはベスト8に入ることは叶いませんでしたが、ベスト16には入賞し賞品のタブレットPCをゲット。17位以降の賞品はゲーミングマウスだったということで「ベスト8に残れなかったのは悔しいが、お土産はもらった」と一安心の様子でした。
◆11月25日 ~世界選手権 決勝ラウンド~
翌日、同じ会場で世界選手権の決勝ラウンドが行なわれました。ベスト8に進んだプレイヤー以外は別の部屋でドラフトやホビージャパンスタッフとのガンスリンガーを楽しんでいました。また、思い出に各国代表からカードにサインをもらっているプレイヤーもいました。
準々決勝では、前日3位通過のハリガイさんは6位通過のJason Zheさんとマッチング。予選ラウンドでも当たっていて、そのときはハリガイさんが勝利しています。
第1ゲームはハリガイさんが「水単フースーヤ」、Jasonさんが「雷単」です。
展開力と除去力の勝負になるかと思いきや、Jasonさんはバックアップを並べてパスをする消極的な展開をしてきます。ハリガイさんはフォワードを並べて攻めていきますが、これには除去を合わせられ、なかなかダメージを与えることができません。
これはJasonさん、というか海外プレイヤーに共通していた作戦で「水単フースーヤ」に対しては、その高いドロー能力を逆手にとって早い段階からデッキ切れ勝ちを狙うというものでした。試合時間が最大3ゲームで120分と多めに取られていて引き分けによる両者敗北のリスクが低いこの大会ならではの戦い方で、これに気づいたハリガイさんはギアチェンジして攻めを加速させます。
相手がまったく攻めてこないため毎ターン【2-146H】《フースーヤ》を起動し、相手をダメージ6点と追い込みますが、自身も4点までダメージを受けます。ダメージ、デッキ残量ともにギリギリの戦いとなりますが、【2-107C】《クリュプス》に耐え切った【3-125C】《うたかたの召喚士》が最後の1ダメージを与え、ハリガイさんが先勝します。
第2ゲームはJasonさんが「水土タッチ火」、ハリガイさんは「水風ユリパ」です。
ハリガイさんの後手1ターン目【6-044L】《ジタン》に対して、Jasonさんは2ターン目【7-129H】《ガルデス》という立ち上がり。これらが一度お互いにすれ違いのアタックをしたあとハリガイさんは【6-124L】《ユウナ》から【6-062R】《リュック》、さらに次のターンには【6-052R】《パイン》と並べ「ユ・リ・パ」をそろえます。
これに対しては【1-107L】《シャントット》か、【3-078H】《クルル》を絡めた全体除去くらいでしか対処できませんが、後者は【6-044L】《ジタン》が目を光らせており、手札を捨てさせてスペシャルアビリティをけん制していきます。
しかし、Jasonさんは【1-107L】《シャントット》を引き込み盤面をリセット。ハリガイさんも【5-133H】《ビスマルク》で【6-124L】《ユウナ》を救出して再展開しますがバックアップを置けていないことが響き、手札がなくなってしまいます。このリソース差が響き、Jasonさんが取り返して1-1のイーブンに。
第3ゲームは「氷単」のハリガイさんが1ターン目に【1-033C】《アルガス》、【5-040C】《呪術士》、【3-026C】《カヅサ》と並べるベストな立ち上がり。いきなり3枚も手札を奪われた「風単」のJasonさんにほとんど何もさせずにダメージを与え続け、そのまま勝利。準決勝へと駒を進めました。
準決勝はフィーチャーテーブルで昨年の世界選手権で3位に入賞したイギリス代表のAlex Hancoxさんとの試合になります。
第1ゲームは先手のAlexさんが「水単」、ハリガイさんは「水風ユリパ」です。
2ターンでバックアップを4枚並べ、3ターン目に【6-126R】《レイラ》と【4-133C】《バイキング》をそろえたAlexさんに対してハリガイさんは1ターン目に【1-083H】《マリア》、2ターン目に【1-197S】《アニキ》とやや出遅れます。
それでも【ジョブ(カモメ団)」のフォワードを少しずつ並べてじょじょに盤面を強化していきますが、お互いにフォワードをほとんど除去せず並べあったところで【3-130R】《カイナッツォ》により盤面を壊滅させられ、さらにダメ押しの【5-126L】《暗闇の雲》が登場してAlexさんが押し切ります。
第2ゲームでは「氷単」のハリガイさんが1ターン目から【5-040C】《呪術士》を2対並べて攻め立て、それに対して「土風」の「Alexさんはバックアップを並べて【4-085H】《ダダルマー》で反撃という展開に。ハリガイさんは【5-034C】《ゲスパー》を追加して手札を縛りますが、Alexさんは【5-059R】《セミ・ラフィーナ》を出しており、捨てる手札をコストにして【4-085H】《ダダルマー》のアビリティを誘発させられてしまいます。
苦しい状況ながらもハリガイさんは【3-041C】《DG ソルジャー》や【3-040C】《DGS トルーパー1st》を並べて物量差で押し切ろうとしますが、Alexさんは少ない手札から毎ターン確実に脅威を展開します。そして、ついに【4-058C】《サボテンダー》が2枚そろってしまい、【4-085H】《ダダルマー》が完全に盤面をコントロールしていきます。
さらに【5-075L】《ウォル》までが登場しAlexさんは磐石の体勢に。そのままダメージ差を逆転して勝利しました。
惜しくも準決勝で敗れてしまったハリガイさんは、決勝戦と同時に行なわれる3位決定戦に挑みます。
3位決定戦ではイギリス代表のLuis Bardon-Burnettさんと対戦。なんとベスト4はハリガイさんを除く3人がイギリス代表であり、その強さを見せつけるかたちとなりました。
第1ゲームでは【5-082C】《採掘師》から次のターンに【5-148H】《カムラナート》と、やや重く動く相手に対してハリガイさんは1ターン目に【6-126R】《レイラ》と【4-133C】《バイキング》を並べ、さらに【2-146H】《フースーヤ》も置いて万全の体勢に。
これに対してLuisさんは【5-148H】《カムラナート》を光属性にしたいものの、そうするとサーチしてきた【1-184H】《カオス》がプレイできないため水属性を選択。これを【2-146H】《フースーヤ》と【3-133R】《カイナッツォ》の合わせ技で除去して道をこじ開け、さらに出された【7-129H】《ガルデス》も【7-125C】《リヴァイアサン》で退けて攻めの姿勢を崩しません。
続くターンは追加の戦力や召喚獣が引きたいところでしたが【2-146H】《フースーヤ》を引いてしまいブレーキがかかるもののこれまでにつけたテンポ差が大きく、起死回生の【4-085H】《ダダルマー》も【3-123R】《暗黒の雲ファムフリート》で除去し、第1ゲームを先取します。
第2ゲームは「氷単」のLuisさんに「水風ユリパ」の【6-062R】《リュック》のアビリティに選ばれない能力が光ります。さらに早いターンに【6-124L】《ユウナ》と【6-053R】《パイン》もかけつけ、何にも選ばれないうえにアクティブになることもできるという氷属性にとっては悪夢のような展開を見せつけます。
しかし【6-124L】《ユウナ》のための召喚獣がなかなか引けず「氷単」のパワーの高いフォワードたちの守りをなかなか突破できません。相手もそろってしまった「ユ・リ・パ」を崩すのは難しいとわかっているためデッキ切れ戦略にシフトし、戦線はこう着します。
そうして残りデッキ2枚となったラストターン、冷静に残りのカードを把握していたハリガイさんは召喚獣を連打して一気に盤面をこじ開け、ギリギリのところで最後の1ダメージを与えて勝利、見事3位入賞を決めました。
そして、決勝戦のテーブルでは、準決勝でハリガイさんを破ったAlexさんが同じイギリス代表のJamie Faulkerさんとの試合を制し、今年のチャンピオンに輝きました。
決勝戦のあとは表彰式が執り行われ、優勝したAlexさん、準優勝のJamieさん、3位のハリガイさんにトロフィーが授与されました。
表彰式の最後には景山プロデューサーが登壇し、選手たちの健闘をたたえるとともに来年の世界選手権が北米で開催されることをアナウンスし、今年の世界選手権は閉幕となりました。
2019年になれば、まだ再び世界選手権への切符をかけた全国大会が始まります。
この記事を読んだ方も、来年はぜひ日本代表になるべく、全国大会に挑戦してみてくださいね!
そして、あらためて世界チャンピオンとなったAlex Hancoxさん、準優勝のJamie Faulknerさん、3位入賞となったハリガイさん、おめでとうございます!
◆終わりに
4日間にわたる世界選手権のレポートをお届けしました。
なお最終日には、日本代表メンバー全員でロンドンのカードショップ「DARK SPHERE」さんを訪問しました。
ここはイギリス代表のプレイヤーも常連として通っている地元の一大コミュニティ・ショップだということでした。
店内には秘密基地のような雰囲気が漂っており、扱っている商品のバリエーションも多く、ここで遊んだら楽しいだろうなと思わせてくれる素晴らしいお店でした。
「これがイギリス代表の強さの原動力か……」とその空気を感じた日本代表の面々も、来年もまた代表として海外に出たいと改めて決意していたようでした。
来年はいったい誰が日本代表プレイヤーとしてアメリカの地で戦うことになるのでしょうか。今から楽しみでなりません。
来年もますます広がる『FF-TCG』を、皆さんぜひ楽しんでくださいね!
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記事中のクイズの答えはこちらです。
Q:『FF-TCG』のなかでもっとも高いコストの数字はいくつで、そのコストのカードは何枚ある?
A:もっとも高いコストのカードは9コストで、9コストのカードは【1-018L】《バハムート》、【4-114L】《ライディーン》、【6-130L】《ニーズヘッグ》、【7-080H】《プリッシュ》、【7-130L】《シン》の5枚。
Q:“モーグリ”が最初に登場した『ファイナルファンタジー』のタイトルは?
A:『ファイナルファンタジーIII』。
Q:光と闇を除く属性のなかで、唯一パワー1000のフォワードが存在しない属性は何?
A:雷属性。火には【2-016R】《パロム》など、氷には【5-040C】《呪術士》、風には【2-060C】《チョコボ》、土には【6-084L】《レオ》、水には【1-167C】《バイキング》などが存在します。