『FINAL FANTASY TRADING CARD GAME』の公式記事連載。今回は世界選手権レポートの最終回として日本代表プレイヤーへのショートインタビューを一挙に4本お届けします。
◆はじめに
皆さん、こんにちは。カードゲーマー編集部の編集(川)です。
「世界選手権レポート」シリーズの最終回は日本代表として戦ったハリガイさん、閣下さん、ひこにゃんさん、しどさんそれぞれに世界選手権を振り返ってもらったショートインタビューをお届けします。
日本代表メンバーは「Opus VII」環境をどう見て、どういう準備をして臨んだのか。先週のちょーぎょーじさんの環境考察記事と合わせてお楽しみください。
これまでの世界選手権レポート記事はこちらからどうぞ!
【FF-TCG】World Championship2018、2日間に渡る戦いの模様をレポート!
【FF-TCG】World Championship2018チャンピオンAlex Hancoxさん&若きフランス代表Evan Tanguyさんインタビュー
◆ハリガイさん(最終成績:3位)の場合
――今回持ち込んだデッキは何でしたか?
ハリガイ:「水単フースーヤ」「手札破壊型の氷単」「風水ユリパ」の3つですね。
●水単フースーヤ
カードNo. | カード名 | 枚数 |
フォワード(21枚) | ||
6-126R | レイラ | 3 |
4-133C | バイキング | 3 |
3-139C | ナイト | 3 |
3-130R | カイナッツォ | 2 |
5-126L | 暗闇の雲 | 2 |
4-127L | スタイナー | 2 |
3-125C | うたかたの召喚士 | 3 |
3-144L | レナ | 3 |
バックアップ(17枚) | ||
4-138R | メルウィブ | 3 |
5-132R | バデロン | 2 |
1-177R | ユウナ | 3 |
4-134C | ブラネ | 3 |
1-180R | ワッカ | 2 |
3-122C | アルテミシオン | 1 |
2-146H | フースーヤ | 3 |
召喚獣(12枚) | ||
1-178R | リヴァイアサン | 2 |
4-128C | コヨコヨ | 3 |
2-133R | 不浄王キュクレイン | 3 |
3-123R | 暗黒の雲ファムフリート | 3 |
7-125C | リヴァイアサン | 1 |
●氷単
カードNo. | カード名 | 枚数 |
フォワード(31枚) | ||
3-036H | シド・オールスタイン | 3 |
3-040C | DGSトルーパー1st | 3 |
3-041C | DGソルジャー | 3 |
3-042C | DGソルジャー | 3 |
1-042R | スコール | 1 |
2-047L | リノア | 3 |
6-060H | ラグナ | 2 |
5-040C | 呪術士 | 3 |
3-033L | ジェネシス | 2 |
6-033H | スコール | 3 |
7-035L | セラ | 2 |
1-033C | アルガス | 3 |
バックアップ(11枚) | ||
6-022R | イゼル | 3 |
2-037R | ジル・ナバート | 3 |
3-026C | カヅサ | 3 |
7-033R | スノウ | 2 |
召喚獣(5枚) | ||
3-032R | シヴァ | 2 |
5-044C | 背徳の皇帝 マティウス | 3 |
モンスター(3枚) | ||
5-034C | ゲスパー | 3 |
●風水ユリパ
カードNo. | カード名 | 枚数 |
フォワード(21枚) | ||
6-126R | レイラ | 3 |
4-133C | バイキング | 3 |
3-139C | ナイト | 3 |
3-130R | カイナッツォ | 2 |
5-126L | 暗闇の雲 | 2 |
4-127L | スタイナー | 2 |
3-125C | うたかたの召喚士 | 3 |
3-144L | レナ | 3 |
バックアップ(17枚) | ||
4-138R | メルウィブ | 3 |
5-132R | バデロン | 2 |
1-177R | ユウナ | 3 |
4-134C | ブラネ | 3 |
1-180R | ワッカ | 2 |
3-122C | アルテミシオン | 1 |
2-146H | フースーヤ | 3 |
召喚獣(12枚) | ||
1-178R | リヴァイアサン | 2 |
4-128C | コヨコヨ | 3 |
2-133R | 不浄王キュクレイン | 3 |
3-123R | 暗黒の雲ファムフリート | 3 |
7-125C | リヴァイアサン | 1 |
――この3つを選んだ理由を教えてください。
ハリガイ:「氷単」についてはまず【2-037R】《ジル・ナバート》を使いたかったというのが理由です。「氷単」は手札破壊や速度に特化したものと中速のものの2パターンがあって今回は前者をチョイスしました。個人的にはあまり手に合っていないタイプのデッキなのですが、2本先取の試合では2連勝しないかぎり必ず先手を取るタイミングがあるので、そのときのために選んだという感じですね。
「水単フースーヤ」は、自分でも【2-037R】《ジル・ナバート》をデッキの採用理由にするくらい意識していたので、あまりいい選択ではないと思ってはいたのですが、以前から使っていて「MASTERS2018 FINAL」でも勝たせてもらったこともあって、意地みたいなところはありました(笑)。
「風水ユリパ」は“アンフェア”な要素を求めての採用ですね。【ジョブ(カモメ団)】がそろったら一部のカード以外では対処できなくなるので、そういうカードがデッキに入っていなかったら勝ちです。
世界選手権に来るプレイヤーはみんな上手なので、自分が勝るとしたらデッキ構築の部分だと思っていて、マッチングされた時点で勝つことを目指しました。
今回は「Opus VII」の発売から3週間で世界選手権ということで調整の時間を十分にとれず、このデッキ選択は100点満点でいえば60点くらいですね。一応、当たり運しだいでどんな相手にも勝てる組み合わせにはなっているので選択としては間違っていなかったと思ってはいます。
「風水ユリパ」に対して【1-107L】《シャントット》と【3-147L】《戒律王ゾディアーク》を複数搭載したデッキのようなキツい組み合わせはもちろんあるのですが、当たる確率も1/3なので何とかなるだろうと考えていました。
――最終的な結果は3位入賞となりましたが、実際に2日間戦っての感想を聞かせてください。
ハリガイ:皆「水単フースーヤ」への意識が思った以上に高くて、プレイングも洗練されていたことと、速度特化型の「氷単」がいなかったことが印象的です。
それと、やはり僕が「水単フースーヤ」にこだわってしまった部分があったかなと思います。海外のプレイヤーが使っていた「風水ユーリィ」がすごくいいデッキで、これにたどり着けていればなという気持ちです。
「風水ユリパ」は【ジョブ(カモメ団)】に寄せた構築になっているので、召喚獣を融通すれば「風水ユリパ」と「風水ユーリィ」は共存できたんですよ。反省点はそこですね。
――少し話は変わりますが「Opus VII」のカードで使って強かった、使われて強かったカードはありますか。
ハリガイ:使って強かったのは【7-126C】《ワッカ》です。このカードの登場で「風水ユリパ」は一段階上の強さを手に入れられたと思います。
使われて強かったのは【7-005C】《イフリート》、【7-103C】《ラムウ》、【7-125C】《リヴァイアサン》といった4コストのEXバースト持ち召喚獣ですね。やはり4コスト帯のフォワードをEXバーストで除去できるのは強力です。
それと、やはり【7-128H】《ユーリィ》です。結構強いカードだとは思っていたんですが、彼を活かせるデッキが出てきたことでその強さを実感しました。「水風ユーリィ」は本当にいいデッキです。僕も使おうと思います(笑)。
――最後に世界選手権を振り返って一言いただけますか。
ハリガイ:予選ラウンドでJamieさんに、準決勝でAlexさんに負けて、この2人がそれぞれ準優勝、優勝となっているので海外の上手なプレイヤーは本当に上手なんだなと思い知らされました。その一方で、3位になれたことで自分が海外に通用しないわけではないということを知ることができて、その点は収穫でした。
この2日間、すごく充実していたので来年もぜひ出場したいと思います。
――ありがとうございました。
◆閣下さん(最終成績:ベスト16)の場合
――今回持ち込んだデッキとその選択理由について教えていただけますか。
閣下:持ってきたのは「風単ユーリィ」「火土光の戦士」「水単フースーヤ」の3つです。
●風単ユーリィ
カードNo. | カード名 | 枚数 |
フォワード(24枚) | ||
1-080H | バッツ | 3 |
6-044L | ジタン | 2 |
7-046R | ヴァータ | 3 |
7-057R | ナッシュ | 1 |
3-066R | バルバリシア | 1 |
4-067H | モーグリ | 2 |
7-054L | チェリンカ | 2 |
5-068L | ヤ・シュトラ | 3 |
4-068H | ホープ | 1 |
7-062R | ホープ | 3 |
7-128H | ユーリィ | 3 |
バックアップ(18枚) | ||
1-083H | マリア | 2 |
1-079R | ノラ | 3 |
7-043C | アーチェス | 3 |
6-067C | 白魔道士 | 2 |
3-070C | 予言士 | 1 |
7-044H | アルハナーレム | 3 |
7-060R | バルトロメイ | 3 |
1-088C | 弓使い | 2 |
召喚獣(8枚) | ||
4-052C | アレキサンダー | 3 |
5-062L | ディアボロス | 3 |
3-071H | 輪廻王カオス | 2 |
●火土光の戦士
カードNo. | カード名 | 枚数 |
フォワード(27枚) | ||
7-018L | ラァン | 3 |
7-075L | ウォル | 1 |
7-068H | クルル | 3 |
7-002R | アイギス | 3 |
5-024H | ルーネス | 3 |
5-074H | イングズ | 2 |
3-078H | クルル | 3 |
7-012H | ソール | 3 |
7-131S | ウォーリアオブライト | 2 |
7-132S | フリオニール | 2 |
5-146H | ウォル | 2 |
バックアップ(17枚) | ||
6-011C | 朱雀兵 | 3 |
1-028R | レェン | 3 |
3-018C | ビビ | 2 |
7-017H | ミース | 2 |
5-082C | 採掘師 | 3 |
2-093H | ラウバーン | 1 |
5-088R | セーラ[MOBIUS] | 2 |
5-093C | モグ[MOBIUS] | 1 |
召喚獣(6枚) | ||
3-020H | フェニックス | 3 |
5-077H | カーバンクル | 1 |
4-093R | ヘカトンケイル | 2 |
●水単フースーヤ
カードNo. | カード名 | 枚数 |
フォワード(21枚) | ||
6-126R | レイラ | 3 |
4-133C | バイキング | 3 |
3-125C | うたかたの召喚士 | 3 |
3-139C | ナイト | 3 |
3-130R | カイナッツォ | 2 |
7-119H | ハリカルナッソス | 1 |
4-129L | スタイナー | 1 |
5-126L | 暗闇の雲 | 2 |
3-144L | レナ | 3 |
バックアップ(17枚) | ||
4-138R | メルウィブ | 3 |
1-177R | ユウナ | 3 |
5-132R | バデロン | 2 |
4-134C | ブラネ | 2 |
1-180R | ワッカ | 2 |
4-126R | 剣術士 | 1 |
3-122R | アルテミシオン | 1 |
2-146H | フースーヤ | 3 |
召喚獣(12枚) | ||
4-128C | コヨコヨ | 2 |
7-125C | リヴァイアサン | 1 |
1-178R | リヴァイアサン | 3 |
2-133R | 不浄王キュクレイン | 3 |
3-123R | 暗黒の雲ファムフリート | 3 |
それぞれの選択理由ですが「Opus VII」発売後、まず「水風」をいじっていてそこから自然と「風単ユーリィ」ができたんです。これは強さも申し分なくて、まず1つ決まりました。
次に「火単」を触っていて、感触は悪くなかったんですがちょっと攻めが一本気すぎるという気がして、どうにか器用さを追加できないかなと思って調整を始めました。そのなかで【7-068H】《クルル》が【ジョブ(光の戦士)】で、【3-078H】《クルル》は【3-020H】《フェニックス》や【7-002R】《アイギス》で参照する2コストだということに気づいて「火土光の戦士」ができました。
これでデッキが2つできて氷、雷、水のカードが全部余っているというぜいたくな状況になりました。ただ、そこから3デッキ目を決めるのは非常に難航して、最終的に妥協するようなかたちで「水単フースーヤ」になりました。
――「氷単」などを選ばなかった理由はなんでしょうか。
閣下:「氷単」には除去できないフォワードがいるというのが避けた理由です。速度特化型の「氷単」は環境が読みにくいなかで突進するタイプのデッキを使いたくなかったというのもあります。
――それでも、できることなら「水単フースーヤ」を使いたくはなかったということでしょうか。
閣下:デッキパワーという面では合格なのですが、強さが知れ渡りすぎているというのが問題でした。当然ほかのプレイヤーにも読まれているでしょうし、このデッキがいるとわかっていればたとえば「氷単」は【2-037R】《ジル・ナバート》を入れますし、それ以外のデッキも【1-117R】《ヘカトンケイル》や【1-088C】《弓使い》のようなカードを採用してくるでしょう。
――前回の世界選手権や名人戦など、複数のデッキを使う場合は1つを先手用のデッキにすることがセオリーになっていたと思いますが、今回の3デッキはいずれも先手後手どちらもバランス型に見えますね。
閣下:バランス型3つならまぁいいだろうと思っていました。このなかでは「水単フースーヤ」が、早い「氷単」に当てられたくない=後手時に出しにくいので、どちらかといえば先手よりのデッキになっています。
もともと「水単フースーヤ」で戦うコツはコントロールデッキとして振る舞いすぎないことだと考えていたので、デッキの組み合わせとしては問題はないだろうと判断しました。
――2年連続での出場となりましたが、今年の世界選手権で戦ってみた感想はどうでしたか。
閣下:「風単ユーリィ」の仕上がりには満足しています。5ラウンドで4勝1敗としっかり勝ち星を稼いでくれました。
逆に「火土光の戦士」は調整不足でした。もっと後手用のデッキとしてコストが重く制圧力のあるカードを入れるべきだったと思います。このデッキが3番目のデッキならばよかったのですが、2番手のデッキとしては力不足でした。
また、別の反省点としてデッキを作りすぎたということが挙げられます。今回、候補として10個くらいデッキを作ったんですが、力不足のデッキを見切れなかったせいで本命のデッキの調整に支障が出た部分があったと思います。「火土光の戦士」デッキの練りこみ不足などがわかりやすいですね。
一定の段階でデッキを絞りこみ調整の質を確保するべきでした。「水単フースーヤ」に決めたのもロンドンに来てからですから、最後までベストなデッキはないかなと探すのを欲張ってしまったという感じです。
――では最後に、世界選手権を振り返って一言いただけますか。
閣下:今年はベスト8に残れなかったので、来年はまたベスト8に残れるようがんばりたいと思います。
――「世界選手権に出場する」というのは前提なんですね。
閣下:それはもう前提です(笑)!
――ありがとうございました。
◆ひこにゃんさん(最終成績:ベスト16)の場合
――今回使用したデッキについてお話しいただけますか。
ひこにゃん:使ったのは中速の「氷単」、「水土」、「風単ユーリィ」です。
●氷単
カードNo. | カード名 | 枚数 |
フォワード(23枚) | ||
1-162S | シド・レインズ | 2 |
6-033H | スコール | 1 |
7-042H | ラスウェル | 1 |
4-048L | ロック | 2 |
3-033L | ジェネシス | 2 |
4-038L | セリス | 3 |
6-041L | リノア | 2 |
7-035L | セラ | 2 |
6-027L | クジャ | 3 |
5-029L | オーファン | 2 |
7-133S | アルティミシア | 2 |
6-130L | ニーズヘッグ | 1 |
バックアップ(17枚) | ||
2-037R | ジル・ナバート | 3 |
4-030C | 黒魔道士 | 2 |
6-023R | エミナ | 1 |
7-041R | ユール | 1 |
7-134S | 皇帝 | 1 |
1-057R | ラーグ公 | 3 |
1-196S | モーグリ[XIII-2] | 1 |
4-026H | ガストラ帝国のシド | 1 |
6-031C | 召喚士 | 1 |
1-048C | 導師 | 1 |
7-033R | スノウ | 2 |
召喚獣(10枚) | ||
1-039C | シヴァ | 3 |
4-033C | シヴァ | 3 |
7-031C | シヴァ | 2 |
3-037H | 死の天使ザルエラ | 2 |
●水土
カードNo. | カード名 | 枚数 |
フォワード(27枚) | ||
4-133C | バイキング | 3 |
6-126R | レイラ | 3 |
4-129L | スタイナー | 2 |
5-126L | 暗闇の雲 | 2 |
6-084L | レオ | 3 |
4-087R | ディリータ | 1 |
7-077L | ノクティス | 2 |
4-085H | ダダルマー | 3 |
5-075L | ウォル | 3 |
5-086L | セシル | 1 |
5-118L | ラムザ | 3 |
3-154S | ジタン | 1 |
バックアップ(17枚) | ||
1-156R | オヴェリア | 3 |
4-126R | 剣術士 | 3 |
4-134C | ブラネ | 1 |
4-138R | メルウィブ | 1 |
3-094C | ペリノア | 1 |
5-093C | モグ[MOBIUS] | 1 |
6-068C | 学者 | 1 |
3-076R | 仮面の女 | 1 |
6-067R | エピタフ | 1 |
5-082C | 採掘師 | 1 |
7-069R | コルカ | 1 |
6-079L | ミンフィリア | 1 |
1-107L | シャントット | 1 |
召喚獣(6枚) | ||
1-117R | ヘカトンケイル | 3 |
4-093R | ヘカトンケイル | 3 |
●風単ユーリィ
カードNo. | カード名 | 枚数 |
フォワード(24枚) | ||
1-080H | バッツ | 3 |
3-065L | バッツ | 1 |
6-044L | ジタン | 2 |
7-046R | ヴァータ | 3 |
3-066R | バルバリシア | 2 |
4-069H | モーグリ | 2 |
7-054L | チェリンカ | 3 |
5-068L | ヤ・シュトラ | 3 |
7-135S | セシル | 2 |
7-128H | ユーリィ | 3 |
バックアップ(17枚) | ||
1-083H | マリア | 2 |
7-043C | アーチェス | 2 |
6-067C | 白魔道士 | 2 |
4-066R | ノノ | 2 |
7-044H | アルハナーレム | 3 |
6-058R | モーグリ[XI] | 3 |
1-088C | 弓使い | 3 |
召喚獣(9枚) | ||
3-071H | 輪廻王カオス | 2 |
5-062L | ディアボロス | 3 |
6-051C | チョコボ&モーグリ | 1 |
6-052R | ディアボロス | 3 |
――これらのデッキの選択理由はなんでしょうか。
ひこにゃん:「氷単」はもともと【カテゴリ(XIII)】のカードを主軸にした「火氷」を調整していて、そこから生まれたデッキです。個人的に【7-035L】《セラ》をとても高く評価していて、これを入れたデッキを使おうと考えていました。
――【7-035L】《セラ》のどういうところを強いと評価しましたか。
ひこにゃん:フォワードを継続的に凍結させられる点です。それによって【4-038L】《セリス》のアタックが通りやすくなり、そうなればフォワードにもダメージを与えられて【1-192S】《シド・レインズ》や【7-042H】《ラスウェル》も効果的に使えますし、ダル状態になっているカードが多ければ【7-133S】《アルティミシア》や【3-037H】《死の天使ザルエラ》もより強力になります。
また、このカードを活かすために使う【カテゴリ(XIII)】のカードが強いという面もあります。【1-192S】《シド・レインズ》、【2-037R】《ジル・ナバート》、【5-029L】《オーファン》、【7-033R】《スノウ》などはデッキの動きを歪めずに投入できて、かつ【7-035L】《セラ》とシナジーがあります。
――なるほど、ありがとうございます。ほかの2デッキについてはどうでしょうか。
ひこにゃん:「水土」は強いカードをたくさん投入できて、相手を問わず勝ち星が期待できそうというのが理由です。「水単」にまとめようかなとも思いましたが、「氷単」が自信作だったので残り2デッキで5属性使えるならぜいたくに使おうということで「水土」になりました。【6-126R】《レイラ》と【4-133C】《バイキング》、【5-075L】《ウォル》、【4-085H】《ダダルマー》ときら星のようなカードが詰め込まれています(笑)。
最後の「風単」は閣下さんのものをシェアしてもらいました。
【6-126R】《レイラ》抜き「風水」や【3-147L】《戒律王ゾディアーク》入り「土雷」など、いろいろなデッキを考えていたのですが、どれも「悪くはない」くらいの感触で悩んでいたところに「風単」を見せてもらって「これでいこう」と思いました。
「風単」はないだろうと思ってカードをそんなに持ってきていなかったので【1-079R】《ノラ》や【7-060R】《バルトロメイ》、各種《ホープ》のギミックがなくて、代わりに【7-135S】《セシル》や【6-052R】《ディアボロス》が入っているのですが、これでも十分強かったです。「風単」というデッキはベースが強いんだなと驚きました。
――実際に世界選手権で戦ってみての感想はいかがですか。
ひこにゃん:早い「氷単」が思った以上にいなかったのが想定外だったですね。これならばもう少し氷に対するガードを下げてもよかったかもしれません。
それでも、最終的に自分の持ち込んだデッキについてはおおむね満足しています。結果的には「氷単」と「風単」が3勝2敗、「水土」が2勝3敗でした。「水土」はプレイが難しく、ミスをして落としてしまったゲームがありました。結構前から使っていたデッキで、それにも関わらずミスをしてしまったのでそこが分岐点になってしまったかなと思います。
――早い「氷単」がいなければ、どのようなデッキが候補になりましたか。
ひこにゃん:「水単モンスター」のようなコンボ要素のあるコントロールや「風水ユリパ」のように複数のカードをそろえて戦うデッキが候補になったと思います。ハリガイさんが使っているのを見て「風水ユリパ」もよかったと感じていて、「風単」も閣下さんのデッキなので総合的に風属性のカードを過小評価していたなというのが反省点です。
あと、環境初期に【7-082R】《モーグリ [FFCC]》を使った多属性デッキが強さとは関係なく楽しくて、これに時間を取られてしまったのも反省点かもしれません(笑)。
――海外プレイヤーのデッキはどうでしたか。
ひこにゃん:自分が使った「水土」をコピーされていたのがうれしかったですね。あとは自分が見切った【4-043C】《プリン》と【7-034L】《セフィロス》を軸にした「氷土」のようなデッキも使われて想像以上に強く、まだまだ研究不足だなと感じました。
――では最後に、世界選手権を振り返って一言いただけますか。
ひこにゃん:権利を取ったのがシールド戦とブースタードラフトの「Grand Championship」横浜大会で、同じフォーマットだった「MASTERS2018 THE AFTER」も権利獲得ギリギリまでいけたので、次はこれらのフォーマットで世界選手権やってくれないかなと思っています(笑)。
――ありがとうございました。
◆しどさんの場合
――今回使用したデッキと、その選択理由についてお話しいただけますか。
しど:使ったのは「氷単ガルデス」「土単ガブラスゾディアーク」「水単フースーヤ」ですね。
●氷単ガルデス
カードNo. | カード名 | 枚数 |
フォワード(26枚) | ||
6-040H | ラグナ | 1 |
1-042R | スコール | 1 |
6-038H | スコール | 1 |
5-040C | 呪術士 | 1 |
7-042H | ラスウェル | 1 |
4-048L | ロック | 1 |
5-036L | 皇帝 | 1 |
5-041R | スノウ | 1 |
2-026L | ヴェイン | 1 |
6-027L | クジャ | 1 |
3-036H | シド・オールスタイン | 1 |
1-192S | シド・レインズ | 2 |
3-033L | ジェネシス | 2 |
4-038L | セリス | 3 |
7-035L | セラ | 3 |
5-029L | オーファン | 3 |
7-129H | ガルデス | 2 |
バックアップ(17枚) | ||
7-102R | ライトニング | 1 |
1-048C | 導師 | 1 |
7-025H | クー・チャスペル | 2 |
4-026H | ガストラ帝国のシド | 2 |
6-022R | イゼル | 2 |
2-037R | ジル・ナバート | 3 |
1-198S | モーグリ[XIII-2] | 3 |
1-057R | ラーグ公 | 3 |
召喚獣(7枚) | ||
5-032H | グラシャラボラス | 3 |
3-037H | 死の天使ザルエラ | 3 |
5-044C | 背徳の皇帝マティウス | 1 |
●土単ガブラスゾディアーク
カードNo. | カード名 | 枚数 |
フォワード(24枚) | ||
5-083C | PSICOM治安兵 | 1 |
4-096H | ラウバーン | 1 |
1-093H | ヴァニラ | 2 |
7-077L | ノクティス | 2 |
5-074H | イングズ | 2 |
5-075L | ウォル | 2 |
5-086L | セシル | 2 |
7-064R | アシュマダイ | 2 |
4-085H | ダダルマー | 3 |
5-078R | ガブラス | 3 |
2-081L | ガブラス | 1 |
4-148L | 闇の王 | 2 |
7-129H | ガルデス | 1 |
バックアップ(17枚) | ||
5-093C | モグ[MOBIUS] | 1 |
3-076R | 仮面の女 | 1 |
1-105C | 幻術師 | 3 |
7-066C | カーバンクル | 3 |
1-095R | エナ・クロ | 3 |
7-069C | コルカ | 3 |
5-082C | 採掘師 | 3 |
召喚獣(8枚)td> | ||
1-117R | ヘカトンケイル | 3 |
4-093R | ヘカトンケイル | 3 |
3-147L | 戒律王ゾディアーク | 2 |
モンスター(1枚) | ||
5-090R | ヒルギガース | 1 |
●水単フースーヤ
カードNo. | カード名 | 枚数 |
フォワード(24枚) | ||
4-129L | スタイナー | 1 |
7-116L | ティーダ | 1 |
7-119H | ハリカルナッソス | 2 |
3-130R | カイナッツォ | 2 |
3-144L | レナ | 3 |
3-125C | うたかたの召喚士 | 3 |
3-139C | ナイト | 3 |
4-133C | バイキング | 3 |
6-126R | レイラ | 3 |
5-126L | 暗闇の雲 | 3 |
バックアップ(16枚) | ||
3-122C | アルテミシオン | 1 |
1-157C | 学者 | 1 |
5-132R | バデロン | 1 |
1-180R | ワッカ | 2 |
4-138R | メルウィブ | 2 |
1-177R | ユウナ | 3 |
4-134C | ブラネ | 3 |
2-146H | フースーヤ | 3 |
召喚獣(10枚) | ||
4-128C | コヨコヨ | 1 |
1-178R | リヴァイアサン | 1 |
7-125C | リヴァイアサン | 2 |
3-123R | 暗黒の雲ファムフリート | 3 |
2-133R | 不浄王キュクレイン | 3 |
それぞれの選択理由は「氷単ガルデス」は「水単」キラー、「土単ガブラス」は「氷単」キラー、「水単フースーヤ」はバランスがいいという評価だったからです。
――かなり相手の使ってくるであろうデッキを絞り込んでいたんですね。
しど:はい。しかし実際は思ったより「氷単」が少なく、この狙いはちょっと外れたかなと思っています。僕の選んだ3デッキは全部4コストでフォワードをサーチするバックアップがある属性で、これも「氷単」を意識した結果です。
――「氷単」を意識していたのが伝わってきますが、それにしては「水単フースーヤ」に【4-128C】《コヨコヨ》が1枚しか入っていないというのが気になります。
しど:「水単フースーヤ」は「氷単」とのマッチングで使う予定がなかったからです。基本的に「氷単」は先手のときに使いたいデッキなので2本目か3本目に使われることが多く、こちらは1本目にバランス型の「水単フースーヤ」を出しておくことで「氷単」対「水単フースーヤ」というマッチアップをなるべく発生させないようにしたいと考えていました。
――3デッキ制ならではのデッキ調整ですね。そのほかにもデッキ調整で工夫された点はありますか。
しど:「水単フースーヤ」は召喚獣が10枚と少なめになっています。これを言うと「なぜ『水単フースーヤ』を使っているんだ?」と思われるかもしれませんが、召喚獣があまり好きではないんですよ(笑)。だからこのデッキはフォワードが24枚も入っています。【7-116L】《ティーダ》と【7-119H】《ハリカルナッソス》が使いたくて、これらのためにスペースを空けたかたちです。
使っていて思いましたが【2-146H】《フースーヤ》はEXバーストしなくても強く、また召喚獣を減らして投入した【7-119H】《ハリカルナッソス》も活躍してくれたので、この選択は正解だったかなと思っています。
「土単ガブラスゾディアーク」はもともと【4-148L】《闇の王》がいまの環境で強いと思っていて、それを使いたい=闇属性のカードを多く入れられるデッキということでチョイスしました。
本当なら全部のデッキに1枚ずつ【4-148L】《闇の王》を入れたかったのですが(笑)、最終的に「土単ガブラスゾディアーク」にだけ入りました。
――実際に世界選手権を戦ってみての感想はいかがですか。
しど:予選ラウンド3勝2敗だったんですが、この2敗ってハリガイさんと閣下さんなので日本人プレイヤーにしか負けてないんです(笑)。海外プレイヤーとの試合では「水単フースーヤ」が強く、このデッキは4勝してくれました。
逆に「土単」は「氷単」が少なかったこともあって2勝3敗とふるいませんでした。「水単」→「土単」→「氷単」とほぼ出す順番を決めていたので「1本目を『水単』で取って、相手の『氷単』を『土単』で返り討ちにする」というプランがなかなかうまくいかなかったのは残念です。
しかし、うれしい誤算としては「氷単」が思った以上に強かったという点があります。3回使ったのですが2勝1敗と勝ち越してくれて、ポテンシャルは高いなと思いました。
特にモンスターを活用するかたちにはしなかったのですが、それでも【7-129H】《ガルデス》は非常に強力でした。
――では最後に、世界選手権を振り返って一言いただけますか。
しど:次に出場することがあれば、もう日本人プレイヤーには当たりたくないです(笑)。今回使ったデッキは召喚獣少なめの「水単フースーヤ」や、土壇場で【3-147L】《戒律王ゾディアーク》を入れた「土単」など、結構個人的な好みが強く反映されたデッキだったのですが、どれもそこそこ戦えたので、それは少し自身につながりました。
来年も出場できれば、今度はベスト8入賞を狙ってがんばりたいと思います!
――ありがとうございました。
◆終わりに
日本代表プレイヤー4名による世界選手権の振り返り記事をお届けしました。
3デッキ制という、日本の一般的なトーナメントとは違った環境での戦いではありますが「Opus VII」環境になって出てきたデッキへの評価など、今後「名人戦」などを戦うプレイヤーの皆さんにも参考になる部分があったのではないかと思います。
来年4月からの「MASTERS2019」も開催が決定し、また日本代表を決める戦いが始まります。
来年、北米の地で日本代表として戦っているのはこの記事を読んでくださっているあなたかもしれません。
今年の『FF-TCG』公式記事連載は今回が最後となります。
今年1年多くの方に記事をお読みいただき、ありがとうございました。
来年もイベントレポートやインタビュー、デッキ紹介コラムなど、さまざまなコンテンツをお届けしていくので、引き続きカードゲーマーと『FF-TCG』をよろしくお願いいたします!