「BANDAI CARD GAMES Fest23-24 World Tour FINAL in JAPAN」『バトスピ』ブースレポート&「バトスピチャンピオンシップ2023 アジア決勝」トップ3インタビュー

3月2日、3日の2日間、千葉・幕張メッセにて「BANDAI CARD GAMES Fest23-24 World Tour FINAL in JAPAN」が開催されました!

本イベントは世界9地域で開催されたバンダイカードゲームの総合イベントで、『バトルスピリッツ』『デジモンカードゲーム』『ユニオンアリーナ』『ONE PIECEカードゲーム』『ドラゴンボールスーパーカードゲーム フュージョンワールド』の5タイトルが一堂に集結。大型大会をはじめ、各タイトルでバラエティ豊かなステージやサイドイベントが実施され、2日間合計で2万人を超える来場者を記録しました。

 

本記事では、参加タイトルのなかから『バトルスピリッツ』ブースをピックアップ。アジア最強のバトラーを決める「バトスピチャンピオンシップ2023 アジア決勝」をはじめとした1日目の模様を中心にお伝えしていきます!

 

◆自由なスタイルで楽しめるバトルが目白押し!

1日目の『バトスピ』ブースでは、2023年度実施された「バトラーズカップ2023」の記念品を一度に手に入れられる事前応募制の大会「BIGバトラーズカップ2023」に大勢のバトラーが参加していたほか、イベント恒例の「ガンスリンガーバトル」「コラボ3戦バトル/ディーバ3戦バトル」も大盛況! なお、2日目には事前応募制の3人チーム大会「BATTLE SPIRITS 3on3」や、ガーディアンとバトルができる「エクストリームチャレンジ」も実施され、両日ともに思い思いのデッキや参戦スタイルで1日中バトルが楽しめるサイドイベントが充実していました。

イベントを彩るゲストとして、1日目はガーディアンのしゅくりさん、阿部笑華さん、土岐頼知さんが「BIGバトラーズカップ2023」や「ガンスリンガーバトル」に参戦し、バトルを大いに盛り上げました。また、対戦開始コールなどの全体進行はバトスピ公式アンバサダーの田中健大さん、神谷伶美さんが担当。両名は他タイトル合同のオープニングセレモニーにも登壇し『バトスピ』の熱気を会場全体に届けていました。

 

なお、2日目にも「BATTLE SPIRITS 3on3」にバトスピ公式アンバサダーの二宮丈さん、わたなべそうさん、桃崎あやかさん、「エクストリームチャレンジ」にガーディアンの新井良平さん、碓氷剛史さん、掛川渚さんが参加されています。

 

▲展示スペースには『バトスピ』の英語版『Battle Spirits SAGA』の実カードがずらり。英語版独自のデザインや英語版名称、描き下ろしの弾内コラボカードなど、国内『バトスピ』ユーザーにとっても見どころ満載な展示となっていました。

▲他タイトル合同の企画として、会場内に設置されたクイズに答えて特製デッキケースがゲットできる「SPECIALクイズラリー」を実施。物販もタイトル合同でブースが展開され、多くのユーザーが列を作っていました。また、開封済みカードパックのリサイクルプロジェクトという、カードゲームならではの取り組みを紹介するスポットも。

 

◆開催国の意地を見せたアジア決勝トップ3にインタビュー!

『バトスピ』ブース1日目のメインイベントとなったのが「バトスピチャンピオンシップ2023 アジア決勝」。日本決勝の上位22名に、アジア各エリアのエリア代表を加えた32名のバトラーが、アジアNo.1の称号をかけた最高峰のバトルを繰り広げました。


32名の使用デッキは日本決勝から引き続き「アイボウ突契約」デッキが目立つものの、計15デッキが立ち並ぶバリエーション豊かな分布となっていますが、トップバトラーが集うだけあってその完成度はどれも一級品。どの選手が勝ち上がるのか予想がつかない激戦模様のなか、スイスドロー予選ラウンドと決勝トーナメント1回戦を勝ち抜き、トップ4へと進出したのは全員が日本人選手! 同じく日本決勝上位選手とアジア代表選手がバトルした昨年3月の「アジアエキシビショントーナメント」で海外選手が優勝したことをはじめ、これまで海外選手に一歩先を行かれていた日本バトラーにとっては面目躍如となる結果となりました。

なお、トップ4バトラーが激突した決勝トーナメント準決勝以降は、会場内のメインステージで生中継を実施。実況に田口尚平アナウンサー、解説に『バトスピ』プロデューサーの梨本寛人氏と紫のガーディアンの土岐頼知さんを迎え、多くのバトラーが観客として見守るなかで繰り広げられたバトルは、選手の1手1手に会場が思わずどよめく白熱ぶりをみせていました。なお、こちらの模様は同じくステージで発表された最新情報とあわせて『バトスピ』公式YouTubeチャンネルでもアーカイブ配信されていますので、あわせてチェックしてみてください!

▲ステージでは『メガデッキ 太陽神の顕現』『契約編:真 第1章 神々の戦い』の新情報や今後のイベントスケジュールなどを公開。新ギミック「契約創界神ネクサス」として追加される創界神が明らかになったシーンでは、会場から大きな歓声があがりました。

 

 

そんな名誉あるバトルを勝ち抜き、見事アジア最強バトラーの栄冠を手にしたのは、「アイボウ突契約」デッキを使用したずみ選手!
ここからは「イザナギ&イザナミ」デッキで準優勝したハイパボリックスライム選手、「零契約」デッキで3位入賞したすら選手を加えたアジアトップ3選手のインタビューをお届けします!

▲(画像左から)ハイパボリックスライム選手、ずみ選手、すら選手

 

―本日はおめでとうございます! アジアトップ3に輝いた今の心境をお聞かせください

すら選手(以下「す」):嬉しいです!……が「トップ4に日本人選手しかいないなら、日本決勝で優勝した自分が負けるはずはない!」と意気込んでいたところもあるので、悔しさも残りますね。

ハイパボリックスライム選手(以下「ハ」):練習の段階で、自分のデッキは山札運がすべてだなと思っていて、そのうえでプレイングでミスをしないようにというのが目標だったのですが、全体を通して大きなヘマはしなかったのでベストは尽くせました。ここまで来れるとは思っていなかったので満足しています!

ずみ選手(以下「ず」):まずはやっと優勝できたな……と。これまではずっと大きな大会は2位止まりで、日本決勝でも準優勝という悔しい結果に終わっていました。今回、3度目の正直でアジア優勝を勝ち取って、シルバーコレクターのジンクスを超えられたことがとても嬉しいです。

 

―本日の使用デッキと使用理由は?

す:日本決勝に引き続き「零契約」デッキを使用しました。「また零契約かよ、味占めてるな」とは言われたくなかったので、他のデッキもいろいろ試してはみたんですが、「零契約」デッキが日本決勝で無敗だったこともあっていちばん自信が持てるデッキだし、ミスも少ないんじゃないかなと。最終的に悔いの残らないバトルをしたいと考え抜いた結果こうなりました。


ハ:日本決勝から『コラボブースターEX ガンダム 運命と自由』が出たくらいで、ほぼ環境変わってないですもんね。日本決勝ですら選手が優勝したことで「零契約」デッキの強さが知れ渡ったことは変化と言えますけど、意外と流行らなかったですよね。

す:正直ミラーマッチは避けたかったので、流行っていたら他のデッキを使ってました。実際はそこまで多くはなかったのでいけるかなと。

ハ:自分も日本決勝から引き続き「イザナギ&イザナミ」デッキを使いました。本当は《三叉神海獣トリアイナ》を軸にしたデッキを研究していたのでそちらを使いたかったのですが、召喚時効果で破壊すると《聖皇ジークフリーデンXV》がめくれてネクサスや《トリアイナ》が破壊されてしまうので、どうしても超えられないなと。そうなると一番強いのは「イザイザ」デッキだろうという結論になりました。本来は青デッキ使いのはずだったのに、いつの間にか「イザイザ」が自分の代名詞みたいになってしまっていますね(笑)。


ず:「アイボウ突契約」デッキを使用しました。日本決勝ではコントロール寄りのデッキだったので、次は安心して速度を出せるデッキを……ということで選びました。日本決勝のインタビューでも話しましたが、自分は強さはもちろん、みんなを驚かせるような構築をして『バトスピ』を盛り上げたいと常に考えているので、安定感はめざしつつ、テンプレートから外れた自分なりのアレンジは加えています!

―デッキの調整で気をつけたポイントは?

す:デッキの中に2枚自由枠を用意していて、環境によって変えています。アジア決勝では出場選手が最初からわかっていて、それぞれどんなデッキを使いそうかもある程度推測できたので、なんとなく環境読みをして《銀の魔術士ヴィフ・アルジャン》と《銀翼のマンタレイ》を入れました。特に《マンタレイ》は「零契約」デッキのミラーマッチ対策で入れていたんですが、実際にミラーで役立ちましたし、それ以外でも重疲労させられた《零相棒ウィズ》を回復したことで打点がリーサルに届いた展開もあったので、うまく機能してくれました。

ハ:日本決勝の時点でデッキは完璧だと思っていたんですが《幻惑の隠者騎士バジャーダレス》は抜きました。《バジャーダレス》は基本的に相手ターンに開くバースト札なんですが、そこから効果破壊をしちゃうと相手の《聖皇ジークフリーデンXV》が開いて打点が増えてしまうんですよね……。とはいえ《フリーデンXV》の影響で《超星使徒スピッツァードラゴン》が増え、バーストが破棄される環境が予測されたので、代わりに《超幻獣王リーンドス》を入れました。こちらはライフ回復で相手の打点計算を狂わせられるし、手札破棄で《リアニメイトLT》の召喚対象を増やせるのでデッキとの相性が良いんです。【神託】で相手に見えてしまうので目に見えた効果はなかったものの、堅実に仕事はしてくれました。

ず:ソリティア感を出すことを目標に調整しました。「アイボウ突契約」デッキは《突破刀バトル・セイヴァー》と《龍皇ジークフリードXV》が揃わないとリーサルが厳しい、いわゆるコンボデッキだと思っています。この2枚を41枚のデッキから2セット確実に引くには《カウントドロー》だけではドローソースが乏しいと感じたので《フォースブライトドロー》も加えて確実性を高めました。《フォースブライトドロー》で3枚、《カウントドロー》で3~4枚引いて、《バトル・セイヴァー》の【合体結誓】でコアを回収してでさらに連打できるので、デッキのカードはほぼ引けてしまう。単純に自分がドローするデッキが好きというのもありますね。

す:「キャスゴ」デッキっぽいよね。ドローソースでドローソースを引いてくるみたいな。ずみ選手の性格が出てるし、めちゃくちゃいいデッキですよ。《EVANGELION Mark.06 -カシウスの槍-》3枚積みも男気にあふれている……!

ず:その結果負けてたらなんにも言えないけどね(笑)。優勝したからこそ胸を張って語れています。あとは事故をなるべくなくしたかったので《マグマンモス》を抜いて、ネクサスを11枚体制にしたのもポイントになります。

ハ:《マグマンモス》抜きは衝撃でした……。デッキが41枚なのも気になったんですよね。

ず:「アイボウ突契約」デッキはリストの大半が確定枠って言われてるので、テンプレからかけ離れるのは挑戦しにくい、勇気がいるところではありました。デッキが41枚なのは枠が決まらなくて、悩むくらいなら全部入れちゃえの精神です(笑)。《零ノ障壁》を入れて防御札を5枚体制にした結果ですね。

 

―本日のMVPカードを選ぶとしたら?

す:《マーキュル・ドレイク》です。記載効果の全てをめちゃくちゃ使いまくりました。《マーキュル・ドレイク》召喚から《零相棒ウィズ》でアタックして【励起】で回収したカードを展開して3点、4点、5点とダメージを重ねられたので、文句なしの最強カード。デッキの核といっても過言ではないですね。

ハ:一番強いカードは当然《創界神イザナギ&イザナミ》なんですが(笑)、追加で挙げるとすれば2枚採用した《リアニメイトLT》ですね。決勝トーナメント1回戦では先攻1ターン目で《イザイザ》、2ターン目で《リアニメイトLT》から《神産ノ獣ジュモクマシラ》を蘇生して、手札から《神産ノ武神オノゴロウ》を出す上振れの展開になり、使えるコアが2コア増えたことで勝ちに繋げられました。

ず:《エンシェントドラゴン・フェブラーニ》と《フォースブライトドロー》で悩みますが、どちらか1枚選ぶとしたらやはり先述したドローソースの要となってくれた《フォースブライトドロー》です!

 

―今回はアジア決勝ということで海外のバトラーも参戦しましたが、実際にバトルをしてみた印象はいかがでしたか?

ハ:自分がバトルした方は日本語がそれなりに通じる選手だったのでそこは助かりましたね。使用しているデッキはあまり日本の環境では見かけないものが多かったのですが、変な動きをするとか、弱いということは決してなかったです。

す:事前に聞いていた情報では環境デッキを堅実に回す印象が強かったのですが、実際は「極契約」「王契約」など、選手選手で自分の使いたいデッキ、得意なデッキで戦おうという意思を感じました。環境とは異なるデッキとバトルしたことでたくさん気づきも得られましたね。「シャックWBS」デッキの《セトの剛腕神殿》とかはかなり苦戦を強いられました。

ず:海外選手だからという垣根は特に感じず、いちバトラーとしていいバトルをさせてもらったという印象ですね! 前年までは海外選手がアジア優勝を勝ち取っていたことが多かったんですが、今年はベスト4が全員日本選手になったのは、日本勢の環境理解度が高まっていたのはもちろん、海外選手の強さを警戒した結果だと思っています。全体的にバトルのレベルは上がっているので、来年も楽しみです!

 

―大会を通して記憶に残ったバトルはありますか?

す:Nana選手とバトルした3位決定戦です。終盤OCが10の《ゼロフェンサー ウィズ》でアタックしたとき、カウント9だったのでNana選手に即応されずに返されたんです。そこから《マーキュル・ドレイク》の効果を絡めてカウントを増やして《ゼロフェンサー》のライフ貫通でリーサルまで持ち込みました。当然相手もそれを見越して耐えてくるだろうと思っていたので、最後に「フラッシュないです」と言われたときには思わず聞き返してしまいました。《白晶防壁》も抱えていたし、やりようによってはターンを返されていたかもしれないのでなんとか凌げたなと思う反面、Nana選手は夢に出るシーンになったかもしれないですね……(笑)。

ハ:日本決勝では「アイボウ突契約」デッキ相手に初手で《創界神イザナギ&イザナミ》を出せたのに、プレミが重なって負けていました。本大会では準決勝の相手が同じ「アイボウ突契約」デッキで初手に《イザイザ》が出るという、奇しくも日本決勝を再現するような展開になったのですが、今回はしっかり相手の防御札を枯らせて勝つことができました。自分の成長を感じられたのもあって、印象に残っています。

ず:優勝した決勝はもちろんなんですが、準決勝もハイライトになります。日本決勝の決勝戦でぶつかったすら選手との再戦なんですが、アジア決勝でもトップ4になるまで1回負け越していたんです。0勝2敗の状況で準決勝で当たって、リベンジの機会を与えてもらったところを、デッキの強みを最大限に出せた形で勝利できたのでうれしかったです。

す:いいバトルだったよね。ちょっとこっちがもたついている間に、【合体結誓】も使わずに《断罪の滅龍ジャッジメント・ドラゴニス》を素出しして決めてきた。

ず:途中《龍皇ジークフリードXV》 が《契約煌臨》できたのもよかったね。前段階で《三賢神ラルヴァンダード》を2枚絡めて《氷刃血解》も撃ててと、デッキが全部噛み合ってた。あの瞬間「今日は俺の日だな……!」って確信しました(笑)。

 

―今後の『バトスピ』に期待していることはありますか?

す:やっぱりバトラーがもっと増えてほしいですよね。今日は他タイトルのイベントも併催されていたのもあって、比較して盛り上がりに物足りなさを感じてしまう場面もありました。「こんなにおもしろいのになんで遊んでくれないんだ!」って。

ハ:ユーザーの熱量はすごいんだけどね。体験会に参加した親子が結構苦戦していたのを見てしまったし、ちょっとルールが複雑なのはネックかもしれない……。地上波でアニメが放送されていたころは、それこそ小さい子供もたくさん遊んでたのになって思ってしまう。

す:当時ジュニアクラスで参加していたバトラーはみんな大人になってるという(笑)。それだけ歴史が長いタイトルで、遊び続けている人にあわせてゲーム性が深くなってるのはわかるんですけどね。

ず:『バトスピ』は1日目のステージの大トリだったし、タイトルとして期待されているのも感じます。自分は我々が何も言わなくても十分楽しいし、そうして遊び続けた結果がトップ3につながっていると思うので、この楽しさがこれからも続いてくれたら文句はないです!

 

―最後に、アジアトップ3から全世界のバトラーへひとこと!

す:「来年もここで待ってます!」……と言えるように、これからも頑張ります!

ハ:「イザナギ&イザナミ」デッキ、最高です! 決勝戦では結果的にデッキの強みと弱みを両方出せましたし、まだまだ構築の余地もあると思うので、ぜひ使ってみてください!

ず:『バトスピ』はテンプレートや固定概念に囚われなければ、まだまだ魅力的なデッキがたくさん構築できるはずです。今回はアジア優勝という形でそれを証明できたかと思うので、これからもいろんなデッキを創造して楽しんでもらえればなと思います!

 

15周年の節目となる大型大会の“テッペン”を、アニメシリーズ初作品がテーマのデッキタイプが飾った『バトスピ』。3月30日(土)には『メガデッキ 太陽神の顕現』4月27日(土)には『契約編:真 第1章 神々の戦い』が発売され、新カード、新ギミックによって対戦環境が大きく変動していくことが予想されます。2024年度は一体どんなデッキや選手が活躍していくのか、今後の展開に期待しておきましょう!

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