『FINAL FANTASY TRADING CARD GAME』の公式記事連載。今週は、ライターのたるほさんが明日発売の最新ブースターパック「反撃の雄たけび」のカードを使ったデッキを紹介します。
◆はじめに
みなさん、こんにちは!
『FFTCG』公式記事ライターのたるほです。
明日はいよいよ新ブースターパック「反撃の雄たけび」の発売日ですね!
先週末から開催されていたプレリリースパーティーで新カードに触れてみて、新環境へのモチベーションが高まっているというプレイヤーの方も多いのではないでしょうか?
今弾はさまざまなテーマのデッキを深堀りしてくれるカードが多く、どんなデッキから組み始めればいいのか悩んでいる方もいるかと思います。
そこで、今回は「既存デッキの中で強化を受けているテーマ」に焦点を当てて、「反撃の雄たけび」のカードを取り入れたデッキを紹介していきたいと思います。
これまで活躍してきた実績のあるデッキが「反撃の雄たけび」でどのようなアップデートを受けたのか、新環境へのウォーミングアップに、ぜひチェックしていってください!
◆「反撃の雄たけび」でアップデートされたデッキ紹介!
1.「火単【侍】」
まず紹介するのは「火単【侍】」です。さっそくサンプルレシピから。
●サンプルデッキ:「火単【侍】」(赤字は「反撃の雄たけび」の新カード)
カード番号 | カード名 | 枚数 |
フォワード(27枚) | ||
【8-004R】 | 《アヤメ》 | 3 |
【11-003R】 | 《カイエン》 | 3 |
【15-006H】 | 《カイエン》 | 3 |
【12-012L】 | 《テンゼン》 | 3 |
【17-006R】 | 《ゴウセツ》 | 3 |
【17-016L】 | 《ヒエン》 | 3 |
【14-014C】 | 《侍》 | 3 |
【17-008H】 | 《侍》 | 3 |
【17-001H】 | 《アドラード》 | 3 |
バックアップ(16枚) | ||
【7-009C】 | 《侍》 | 3 |
【12-009C】 | 《侍》 | 3 |
【15-007C】 | 《侍》 | 3 |
【16-009C】 | 《侍》 | 2 |
【17-009C】 | 《侍》 | 3 |
【11-012C】 | 《タツノコ》 | 2 |
召喚獣(7枚) | ||
【17-014R】 | 《バハムート》 | 2 |
【15-009C】 | 《バハムート》 | 2 |
【12-002H】 | 《アマテラス》 | 3 |
「反撃の雄たけび」で【火単「侍」】には、
・【17-006R】《ゴウセツ》
・【17-016L】《ヒエン》
・【17-008H】《侍》
・【17-009C】《侍》
と、一挙に4種類もの新戦力が追加されました。
この大盤振る舞いと言える新カードの追加に驚いたプレイヤーの方も多いのではないでしょうか?
今回の追加で「火単【侍】」が具体的に強化されたのは以下のポイントだと考えられます。
①【12-012L】《テンゼン》が回収可能になり、戦線維持がしやすくなった
「火単【侍】」の柱となるキーカードが【12-012L】《テンゼン》です。
自分のターン終了時にデッキの上から5枚を公開し【侍】を手札に加えるアビリティと、フィールドから離れたときブレイクゾーンのコスト3以下の【侍】を回収するアビリティを持ち、デッキのエンジンでありながら、パワー9000というスペックで主力アタッカーとしての役割も兼ねる1枚です。
非常に強力なカードではありますが、最近は除去カードが増えたことで対処されやすくなり、【12-012L】《テンゼン》を容易に回収できない「火単【侍】」は環境的に下火な傾向にありました。
そんななか「反撃の雄たけび」では【17-006R】《ゴウセツ》が登場し、「火単【侍】」は【12-012L】《テンゼン》をブレイクゾーンから回収する手段を獲得しました。キーカードである【12-012L】《テンゼン》を維持しやすくなったことにより、さらにタフな戦いが可能になったことは、「火単【侍】」の大きな強化点と言えるでしょう。
②【17-016L】《ヒエン》の登場で、ヘイストによるアタックが可能になった
【12-012L】《テンゼン》と並ぶ「火単【侍】」のキーカードが【11-003R】《カイエン》です。【侍】がアタックするたびに、相手のフォワード全体に【侍】の数×1000ダメージを与えるアビリティを持っており、この効果を軸にフィールドを制圧できるのが「火単【侍】」の強みでもありました。
この効果は強力な反面、アタックしなければ発動しないため、あらかじめフォワードを用意したうえで【11-003R】《カイエン》を出さなければならず、強力ではあるものの対処されやすい側面もありました。しかし、【17-016L】《ヒエン》が登場したことにより、この隙を埋められるようになったことは「火単【侍】」にとって大きな変化となるでしょう。
ヘイストを持つカードが増えたことで、単純にゲームスピードが速まる点も、地味ながら明確な強化点です。
【17-016L】《ヒエン》はヘイストを得るためには条件がありますが、もともとキャラクターの展開を得意とする「火単【侍】」にとってはなんなく達成することができるでしょう。
そして【17-016L】《ヒエン》にはもう1つ、アタックしたとき【カテゴリ(XIV)】のフォワードをアクティブにし、1ターンに2回アタックできるようにする効果があります。
【17-016L】《ヒエン》はもちろん、「反撃の雄たけび」で追加された【17-008H】《侍》は【カテゴリ(XIV)】なので、構築を歪めることなく、自然とデッキにギミックを組み込めるのもうれしいですね。
③【17-009C】《侍》で【14-014C】《侍》を何度も使えるようになった
【17-009C】《侍》はブレイクゾーンにある【ジョブ(一般兵)】のフォワードを手札に戻すアクションアビリティを持ちますが、それがコスト3以下の火属性のフォワードであれば代わりにフィールドに出すことができます。
このデザインのカードは各属性にサイクルとして配られていますが、とりわけ【17-009C】《侍》はカード名の優秀さと、相棒となる【14-014C】《侍》の存在から使用用途がはっきりしている点で、一歩リードしていると言えるでしょう。
【14-014C】《侍》は「火単【侍】」では珍しい、フィールドに出たときに役割をこなせるカードで、【17-009C】《侍》で何度も使うことで、ゲーム展開をより有利に進めることができます。
「反撃の雄たけび」では【17-008H】《侍》も同時に登場しており、こちらは追加でコストがかかるものの、【14-014C】《侍》のようにブレイクゾーンを参照しないためタイミングを選ばず仕事ができる強さがあり、【14-014C】《侍》とともに【17-009C】《侍》のバリューを高めてくれるでしょう。
これらの強化された点に加え、アビリティによるダメージ軽減を封じ、こちらの与えるダメージを2倍にできる【17-001H】《アドラード》や、10000ダメージを最大2体に割り振れる【17-014R】《バハムート》など、【侍】以外の選択肢も強化されており、デッキ全体のポテンシャルが底上げされています。
【12-012L】《テンゼン》や【11-003R】《カイエン》といったデッキの核となるカードは変わりませんが、「反撃の雄たけび」でも最も強化を受けたテーマの1つと見て間違いないでしょう。
2.「火氷【FFVI】
続いては、根強い人気を誇る「火氷【FFVI】」をご紹介。
●サンプルデッキ:「火氷【VI】」(赤字は「反撃の雄たけび」の新カード)
カード番号 | カード名 | 枚数 |
フォワード(32枚) | ||
【17-002L】 | 《エドガー》 | 3 |
【17-017H】 | 《マッシュ》 | 3 |
【17-029L】 | 《ゼザ》 | 3 |
【17-030H】 | 《セッツァー》 | 3 |
【17-022H】 | 《ウーマロ》 | 2 |
【16-030L】 | 《シャントット》 | 3 |
【15-028H】 | 《ゴゴ》 | 3 |
【15-036H】 | 《セリス》 | 3 |
【4-048L】 | 《ロック》 | 3 |
【12-112L】 | 《セルテウス》 | 3 |
【13-105R】 | 《ラスウェル》 | 3 |
バックアップ(15枚) | ||
【17-020R】 | 《モンブラン》 | 2 |
【11-002H】 | 《インターセプター》 | 3 |
【2-005C】 | 《賢者》 | 3 |
【17-034R】 | 《ハーディ》 | 2 |
【11-030C】 | 《クロノス》 | 2 |
【4-026H】 | 《ガストラ帝国のシド》 | 3 |
召喚獣(3枚) | ||
【12-002H】 | 《アマテラス》 | 3 |
【カテゴリ(VI)】軸のデッキに加わった注目のカードが【17-002L】《エドガー》。
フィールドに出たとき【カード名(エドガー)】以外の【カテゴリ(VI)】のフォワードを2体回収できる汎用性の高いアビリティと、コスト3以上の【カテゴリ(VI)】フォワードの《S》コストを軽減するアビリティを併せ持つカードで、デッキの潤滑油的な存在として活躍が期待される1枚です。
今回のデッキでは【17-002L】《エドガー》と相性がいいカードとして以下のカードを採用しています。
①【4-048L】《ロック》
まず相性がいいフォワードとして挙げられるのが、【カテゴリ(VI)】の看板フォワードとしておなじみの【4-048L】《ロック》です。
直近では「クリスタルの支配者」で登場した【15-036H】《セリス》と相性がよく、再び環境で見る機会の増えた【4-048L】《ロック》ですが、「反撃の雄たけび」では【17-002L】《エドガー》が登場したことで、ゲーム中に何度もキャストを狙うことが可能になり、継続してアドバンテージを奪うことが可能となりました。
また、【17-002L】《エドガー》のアクションアビリティで「ミラージュダイブ」を繰り返し使えるようになったことで、“ブロックしにくいフォワード”から“ブロックできないフォワード”に変わった点も注目しておきたいポイントです。
これまで「ミラージュダイブ」はゲームのフィニッシュ手段としての側面が強いスペシャルアビリティでしたが、使用頻度が高まったことで【4-048L】《ロック》が7回アタックすればゲームに勝利できるカードになったのは「反撃の雄たけび」環境での大きな変化です。
「光の使者」環境ではブロックされないアビリティを持つ【16-116L】《ティーダ》が「水単」や「火水」といったデッキで活躍しましたが、それと同様の脅威となるフォワードになったことは注意しておくべきでしょう。
②【17-017H】《マッシュ》
次に【17-017H】《マッシュ》ですが、こちらは2つのスペシャルアビリティを持っており【17-002L】《エドガー》とのシナジーを強く意識してデザインされたカードと言えるでしょう。
「オーラキャノン」はこれまで「火氷」というデッキタイプが苦手としてきた、盤面への脅威に対処できるアビリティであり、また「チャクラ」はフォワードを並べるデッキへの対策として採用される、ダメージによる全体除去への対策としても有効な効果となっています。
【17-002L】《エドガー》のアクションアビリティで使って強いのはもちろん、【17-017H】《マッシュ》を2体回収しておくことで、1ターンに複数回「オーラキャノン」を使ったり、相手ターンに「チャクラ」を構えてけん制するといった、これまでにない幅広い対応を可能にする1枚です。
このほかにも【17-002L】《エドガー》と相性のいいスペシャルアビリティとして【17-030H】《セッツァー》の「銭投げ」もあり、豊富な選択肢のなかから状況に合わせてスペシャルアビリティを使うことが可能です。
また「火氷」は【カテゴリ(VI)】以外の要素でも強化を受けています。
その1つが【17-020R】《モンブラン》+【17-034R】《ハーディ》のバックアップパッケージです。
【17-020R】《モンブラン》はサーチ先が【17-034R】《ハーディ》に限定されるものの、これまでなかった火属性から氷属性のバックアップをサーチできるカードで、バックアップのスロットを抑えたい「火氷」にとっては待望のカードと言えるでしょう。
相方となる【17-034R】《ハーディ》は2種類のアクションアビリティを持ち、特に手札からコスト5以下のフォワードをフィールドに出すアビリティは使うタイミングに指定がないため、フォワードのオートアビリティを召喚獣のように使うことができる汎用性の高い効果となっています。
なお、どちらも【ジョブ(モーグリ)】なので【17-031L】《セラ》との相性もよく【カテゴリ(VI)】デッキに限らず「火氷」デッキでは幅広く活躍してくれる可能性を秘めたカードです。
さらに「反撃の雄たけび」は氷属性の特徴の1つである、相手に手札を捨てさせるカードにも強化がされています。
【17-029L】《ゼザ》は条件付きですが、相手の手札からカードを選んで捨てさせられるカードで、単にリソースを奪うだけでなく、状況に応じて最も重要な選択肢を奪うことができます。
フィールドに出た後も、味方のフォワードを強化してアタックを仕掛けることができるので、「火氷」のアグロ性能をさらに支えてくれます。
唯一のデメリットである相手の手札だけコストが増加する点も、手札破壊に優れた「火氷」であれば大きな問題にはならないでしょう。
3.「火風雷【忍者】」
今回最後に紹介するのは「火風雷【忍者】」です。
●サンプルデッキ:「火風雷【忍者】」(赤字は「反撃の雄たけび」の新カード)
カード番号 | カード名 | 枚数 |
フォワード(30枚) | ||
【11-045H】 | 《エッジ》 | 3 |
【11-054R】 | 《謎の男》 | 3 |
【16-051L】 | 《セシル》 | 3 |
【17-044R】 | 《オニオンナイト》 | 3 |
【11-051C】 | 《ツキノワ》 | 3 |
【1-086C】 | 《ユフィ》 | 1 |
【17-102L】 | 《謎の男》 | 2 |
【17-103R】 | 《ユウギリ》 | 3 |
【11-094C】 | 《ザンゲツ》 | 3 |
【11-006C】 | 《ゲッコウ》 | 3 |
【14-129H】 | 《ゲッショー》 | 3 |
バックアップ(17枚) | ||
【17-049C】 | 《シド・ポレンディーナ》 | 3 |
【11-060C】 | 《マイナ》 | 3 |
【8-057C】 | 《忍者》 | 3 |
【12-013C】 | 《忍者》 | 3 |
【5-017C】 | 《忍者》 | 1 |
【15-095C】 | 《忍者》 | 3 |
【6-097C】 | 《忍者》 | 1 |
召喚獣(3枚) | ||
【15-105C】 | 《レモラ》 | 3 |
「火風雷【忍者】」は「Opus XI ~ソルジャーの帰還~」で登場した【11-045H】《エッジ》を中心に【忍者】カードのシナジーを活かして戦うトリッキーなデッキです。
「Opus XI」環境当時は新型コロナウイルス感染症の影響もあってリアルでの公式トーナメントがほとんどありませんでしたが、オンラインで開催されていた「自宅名人戦」で毎大会活躍するなど、当時からポテンシャルの高さを見せていました。
そんな「火風雷【忍者】」ですが、「反撃の雄たけび」の新カードでさらに強化されました。
1つ目の強化が新たに【忍者】をサポートするカードの登場です。
【17-103R】《ユウギリ》はフィールドに出たとき、デッキから【ジョブ(忍者)】か【カード名(忍者)】をサーチするオートアビリティと、手札から【ジョブ(忍者)】か【カード名(忍者)】を2枚捨てることで、コスト4以下のフォワードをブレイクするアクションアビリティを併せ持つ、【忍者】版【11-003R】《カイエン》とも言えるカードです。
【11-003R】《カイエン》同様バックアップのサーチも可能で、特に【忍者】をキャストするほど得をしていく「火風雷【忍者】」ではこのカードの重要度は非常に高いものになっています。
「火風雷【忍者】」は序盤から【11-045H】《エッジ》を展開できるかがデッキのポテンシャルに大きく影響するため、新たなサーチ手段の追加はデッキの大きな強化点と言えるでしょう。
同様に、【カテゴリ(IV)】のサーチを行なう【17-049C】《シド・ポレンディーナ》の登場も、【11-045H】《エッジ》をより安定してキャストする助けになってくれます。
さらに、この【17-049C】《シド・ポレンディーナ》の登場は、【忍者】と【カテゴリ(IV)】の親和性をさらに高めました。
【17-102L】《謎の男》は雷属性としては過去に類を見ない破格のアドバンテージを獲得できるカードですが、ブレイクゾーンに【カード名(謎の男)】か【カード名(カイン)】を必要とする制約の多いカードです。
ただ、「火風雷【忍者】」にはもともと【11-054R】《謎の男》が採用されることが多く、アドバンテージを得られるアビリティを無理なく使うことができます。
また「光の使者」で登場し、風属性のデッキで活躍している【16-051L】《セシル》を採用することで、【11-045H】《エッジ》を守りつつ戦えます。
2つ目の強化が、単体で完結した強さを持ちながら【忍者】でもある【17-044R】《オニオンナイト》の追加です。
【17-044R】《オニオンナイト》は自身をダルにし手札に戻すことで、手札のコスト3か4のフォワードをフィールドに出すアクションアビリティを持っています。
単純に自身よりコストが重いカードを踏み倒せるためアドバンテージを得られることはもちろん、これを活用し、本来なら使えないタイミングでフォワードを出せるため、それらのアビリティを召喚獣のように使える点も強力です。
【忍者】デッキでは、フィニッシャーとして活躍する【11-094C】《ザンゲツ》を防御手段として使ってもいいでしょう。
また【カード名(オニオンナイト)】には同じく【ジョブ(忍者)】の【4-054L】《オニオンナイト》があります。
《オニオンナイト》には【カード名(オニオンナイト)】を多く採用することにメリットがあるものが多く、直近のセットで大きく強化を受けているので、【忍者】と【カード名(オニオンナイト)】を組み合わせたハイブリッドな構築を目指してみるのもいいかもしれません。
◆おわりに
今回は「反撃の雄たけび」の新カードで「既存デッキのなかで強化を受けているテーマ」に焦点を当てて、3つのデッキを紹介しました。
発売前の記事ということもあり、粗削りな部分も多いかと思いますが、これらのデッキをベースにさらに磨きをかけていこうと考えています。
これらのほかにも【アバランチ】、【竜騎士】、【モンク】といったおなじみのジョブデッキも強化されていたり、【タークス】のような少しカードプールが物足りなかったジョブにも新カードが追加され、さまざまなテーマでのデッキ構築を手助けしてくれるセットとなっています。
もちろんジョブデッキ以外の新機軸のデッキも数多く登場してくると思いますので、発売以降はそうしたデッキも研究し、ここで紹介していければと思います。
最新環境ではどういったデッキが活躍するのか、今から楽しみでたまりません!
それでは、また次回の記事でお会いしましょう。