『FINAL FANTASY TRADING CARD GAME』の公式記事連載。今週は、12月24日施行の禁止・制限制定後の環境で活躍しそうなデッキ4つを紹介します。
◆はじめに
みなさんこんにちは! 『FFTCG』プレイヤーのたるほです。
さて、今年も残すところ1週間ほどとなってまいりました。
今週末は今年の締めくくりとなるイベントである「第3期名人位決定戦」が開催されます。大会の模様は生放送で配信されるので、こちらもぜひチェックしてみてください。
「第3期名人位決定戦」1日目生放送
「第3期名人位決定戦」2日目生放送
先週は12月24日施行の禁止・制限カードの制定を受け、「第3期名人位決定戦」および1月以降の「MASTERS 2021」に向けて環境がどのように変化するかの考察を行ないました。
今回は先週の記事に引き続き、禁止・制限施行後のスタンダード環境を想定したデッキを紹介していきたいと思います。
それでは、さっそく始めていきましょう!
◆新環境のデッキたち
今回紹介するデッキは、
「氷雷【パーティーアタック】」
「火単【侍】」
「水風【空賊】」
「土単【クリスタル】」
の4デッキです。
まず1つ目はこちら。「氷雷【パーティーアタック】」です。
●「氷雷【パーティアタック】」
カード番号 | カード名 | 枚数 |
フォワード(29枚) | ||
【14-122L】 | 《アルシド》 | 3 |
【14-123C】 | 《セフィロス》 | 2 |
【14-124H】 | 《ゼロムス》 | 3 |
【4-048L】 | 《ロック》 | 3 |
【11-024L】 | 《ウーマロ》 | 2 |
【15-036H】 | 《セリス》 | 3 |
【15-041L】 | 《ライトニング》 | 2 |
【5-099H】 | 《イルーア》 | 3 |
【12-080H】 | 《シド・プリヴィア》 | 2 |
【12-087H】 | 《ミド・プリヴィア》 | 2 |
【13-079L】 | 《ベヒーモス・K》 | 2 |
【15-128L】 | 《ノクティス》 | 2 |
バックアップ(17枚) | ||
【4-026H】 | 《ガストラ帝国のシド》 | 3 |
【8-036C】 | 《セッツァー》 | 3 |
【10-036R】 | 《ティナ》 | 1 |
【11-133S】 | 《ケットシー》 | 2 |
【9-098C】 | 《リーブ》 | 3 |
【12-082R】 | 《ディアナ》 | 2 |
【14-080R】 | 《エクスデス》 | 3 |
召喚獣(4枚) | ||
【9-025H】 | 《ザルエラ》 | 1 |
【14-029R】 | 《シーヴァ》 | 3 |
パーティーアタックは「クリスタルの支配者」でもプッシュされているギミックです。
氷属性ではパーティーアタックにまつわるアビリティを持つカードとして【15-036H】《セリス》が登場しました。
【カテゴリ(VI)】のフォワードがパーティーアタックしたとき、キャラクターを2体凍結させるか、ブレイクゾーンから自分の【カテゴリ(VI)】のキャラクターを回収するかを選べるアビリティを持ち、戦局に応じて柔軟にモードを選択できるカードです。
自分以外の【カテゴリ(VI)】のフォワードがアタックしたときにもアビリティが誘発するので、パーティーアタックをすればするほどアドバンテージを獲得できます。
さらに、フィールドに出たときに【カード名(ロック)】をサーチできるので、自力でパーティーアタックの仲間を準備でき、デッキ内の【カード名(ロック)】を引ききってしまったとしても、相手に手札を捨てさせるモードを選べるなど、こちらのアビリティを無駄になることがほとんどないと言っていいでしょう。
【4-026H】《ガストラ帝国のシド》さえあれば、これから【15-036H】《セリス》→【4-048L】《ロック》とつなげることができ、これまで構築段階で意識して【カテゴリ(VI)】を厚く採用する必要があった【4-048L】《ロック》も大幅に強化されました。
この【15-036H】《セリス》のポテンシャルに着目し、構築したのが「氷雷【パーティーアタック】」です。
パーティーアタックにフォーカスしたデッキということで、【12-087H】《ミド・プリヴィア》 や【15-128L】《ノクティス》を採用し、1度のパーティーアタックでより大きいリターンを得られるように意識しました。
また氷属性・雷属性のどちらともパーティーアタックできるように、多属性カードを多めに採用しています。
【14-122L】《アルシド》は【15-036H】《セリス》や【4-048L】《ロック》を並べ、アタックしていくためのサポート役として非常に優秀で、序盤から高い展開力で攻勢に出られるようにしてくれます。
【14-124H】《ゼロムス》は、【4-048L】《ロック》と同じコスト3のフォワードで「アタックすることで相手を追い詰める」という強さのベクトルも同じ方向のカードなので、同時に採用することでデッキの再現性を高めることができます。氷属性には珍しく、自力でヘイストを得られるというのも強力です。
「クリスタルの支配者」ではさらに【15-041L】《ライトニング》も登場してヘイストを持つフォワードが増えたことで、相手にとって計算外のパーティーアタックを仕掛けられるようになったことも、デッキを後押ししてくれています。
今回の構築では“パーティーアタック”によりフォーカスして【15-128L】《ノクティス》を採用していますが、「火単」のような“待ち”のデッキに対しては【11-140S】《カダージュ》を採用し、【5-099H】《イルーア》などと合わせて除去耐性を高めた構築を目指していくのも強力なので、環境に合わせたカスタマイズの余地のあるデッキです。
続いてのデッキはこちら。
●「火単【侍】」
カード番号 | カード名 | 枚数 |
フォワード(25枚) | ||
【8-004R】 | 《アヤメ》 | 2 |
【8-138S】 | 《ヒエン》 | 2 |
【10-132S】 | 《ティナ》 | 2 |
【11-003R】 | 《カイエン》 | 3 |
【12-012L】 | 《テンゼン》 | 3 |
【13-129S】 | 《フィリア》 | 1 |
【13-130S】 | 《ランジート》 | 2 |
【13-017H】 | 《レイン》 | 3 |
【14-011H】 | 《豪神スサノオ》 | 2 |
【14-014C】 | 《侍》 | 3 |
【15-006H】 | 《カイエン》 | 2 |
バックアップ(17枚) | ||
【7-009C】 | 《侍》 | 3 |
【8-137S】 | 《ゴウセツ》 | 2 |
【11-004C】 | 《クー・チャスペル》 | 3 |
【12-009C】 | 《侍》 | 3 |
【12-016C】 | 《ブレイズ》 | 2 |
【13-006C】 | 《ザンデ》 | 1 |
【15-007C】 | 《侍》 | 3 |
召喚獣(8枚) | ||
【12-002H】 | 《アマテラス》 | 3 |
【15-014H】 | 《ブリュンヒルデ》 | 3 |
【10-002H】 | 《イフリート》 | 2 |
「火単【侍】」は、前回の記事でも触れた「火単」のバリエーションのひとつです。
もともと「Opus XII 〜クリスタルの目覚め〜」の発売とともに登場し、高い制圧力で猛威を奮ったデッキではありましたが「クリスタルの支配者」現在の環境では、全体除去の要である【11-003R】《カイエン》が【14-116H】《マシュリー》と【14-118H】《シュテル・リオニス》のどちらでも対処されやすいため、その力を発揮できず影を潜めていました。
しかし「Opus XIV ~クリスタルの深淵~」と「クリスタルの支配者」でも着実な強化がされていたこともあり、禁止・制限施行後の環境では再び活躍するのではと噂されているデッキです。
除去に特化したコントロール型の「火単」と「【侍】」の大きな違いは、デッキの軸とも言える【12-012L】《テンゼン》の存在です。
従来の「火単」は除去をすることが勝ち手段となるため、除去耐性のあるフォワードや除去を待たずにヘイストで攻め込んでくるアグロデッキに対して不利になってしまうという側面がありましたが、「火単【侍】」は【12-012L】《テンゼン》によるアドバンテージの獲得、ビートダウンプランの選びやすさなど同じ「火単」でも性質の異なるデッキです。
また、新たに追加された【14-014C】《侍》、【15-006H】《カイエン》は、これまでの「火単【侍】」に不足していた即効性のある除去効果を持っていて、アタックしなければ除去ができないという「火単【侍】」の弱点を補ってくれました。
禁止・制限施行後の環境初期は特に「火単」への注目度が高い環境になると思いますが、「火単」に対して選ばれない能力やヘイストで対策してくるデッキに対して、短いゲームレンジを選択することもできて全体除去にも秀でた「火単【侍】」は有利をとりやすいと感じているので、今後の環境でも「火単【侍】」は有力な選択肢になるのではないかと考えています。
3つ目はこちらのデッキです。
●「水風【空賊】」
カード番号 | カード名 | 枚数 |
フォワード(23枚) | ||
【13-048H】 | 《バルフレア》 | 3 |
【15-045H】 | 《エッジ》 | 2 |
【15-047R】 | 《カイツ》 | 3 |
【14-042L】 | 《雲神ビスマルク》 | 3 |
【15-044L】 | 《ヴァン》 | 2 |
【14-102L】 | 《海神リヴァイアサン》 | 2 |
【10-109C】 | 《エルザ》 | 2 |
【15-115H】 | 《パンネロ》 | 3 |
【14-125L】 | 《ヴァン》 | 3 |
バックアップ(18枚) | ||
【9-055C】 | 《フラン》 | 2 |
【11-056R】 | 《フィオナ》 | 1 |
【12-038H】 | 《アルテア》 | 2 |
【14-053R】 | 《ミュリン》 | 1 |
【14-054R】 | 《ヨーテ》 | 3 |
【15-056R】 | 《フィロ》 | 3 |
【4-138R】 | 《メルウィブ》 | 1 |
【10-118R】 | 《トマジ》 | 2 |
【13-093H】 | 《サラ》 | 3 |
召喚獣(6枚) | ||
【10-055H】 | 《チョコボ》 | 3 |
【9-114C】 | 《不浄王キュクレイン》 | 3 |
モンスター(3枚) | ||
【14-049H】 | 《テュポーン》 | 3 |
開幕からトップスピードで仕掛けてくる「土水【ドーガ】」、「風単【チョコボ】」が弱体化し、バックアップを並べるデッキが見直されるということで、外すことができないのは風属性です。
「風単【チョコボ】」でもデッキの中核となった【14-042L】《雲神ビスマルク》は健在なため、今後の環境では「風単」、「氷風」、「水風」などさまざまなデッキで活躍することになるでしょう。
今回紹介するのは、そのバリエーションのうちのひとつ、「水風【空賊】」です。
もともと「Opus XIV 〜クリスタルの深淵〜」で登場した【14-125L】《ヴァン》の存在により、圧倒的なバックアップの展開力を持っていた「水風【空賊】」ですが、「クリスタルの支配者」ではさらなる強化がなされました。
なかでも【15-115H】《パンネロ》は強力で、フィールドに十分な【空賊】がいれば、毎ターン継続してアドバンテージを稼ぐことが可能です。
【13-048H】《バルフレア》から復活させることも容易なので、できるだけフィールドに定着させて相手とのアドバンテージを広げていきましょう。
2セット続けてレジェンドで収録された【15-044L】《ヴァン》はフィニッシャーとしてデッキを強化してくれました。
「火単【侍】」の《カイエン》同様、同時に使えないことがネックではありますが、「水風【空賊】」は【14-042L】《雲神ビスマルク》や【10-055H】《チョコボ》で【14-125L】《ヴァン》とスイッチしながら戦えるので、非常に柔軟に立ち回ることができるのも大きなメリットです。
味方がコスト3以上のフォワードにブロックされなくなるというフィールドアビリティは、構築によってはまったくブロックできない可能性すらあるため相手に相当のプレッシャーを与えられます。
2つのオートアビリティはそれぞれ追加のコストを要求してきますが、まず【ジョブ(空賊)】をアクティブにするアビリティでバックアップをアクティブにしてからもう1つのアビリティを解決すると実際にかかるコストをかなり軽くできます。
このデッキでは【ジョブ(空賊)】のバックアップを3種類採用しているので、それらが全部フィールドにある状態であれば、実質3CPでフォワードを出しつつ相手のフォワードを除去するというパフォーマンスで運用できます。
このパワーをマイナスする効果も、最近よく見かける【15-083L】《リディア》のようなダメージ除去に耐性があるフォワードを対処するのに効果的です。
このデッキには【14-049H】《テュポーン》と合わせて2種類の除去能力を持つ風属性のキャラクターが採用されているので、【14-042L】《雲神ビスマルク》で何度も使いまわし、フィールドを制圧していきましょう。
最後に紹介するのは、毎度おなじみの「土単」です。今回は「クリスタル」ギミックを活かした構築にしてみました。
●「土単【クリスタル】」
カード番号 | カード名 | 枚数 |
フォワード(22枚) | ||
【8-068L】 | 《アーデン》 | 1 |
【9-062H】 | 《ヴィンセント》 | 1 |
【9-063L】 | 《ガブラス》 | 3 |
【12-061L】 | 《クルル》 | 2 |
【14-062L】 | 《岩神タイタン》 | 3 |
【14-065L】 | 《クラウド》 | 3 |
【14-075H】 | 《モント・リオニス》 | 3 |
【15-071H】 | 《ケフカ》 | 3 |
【15-084L】 | 《ロベルアクベル》 | 3 |
バックアップ(18枚) | ||
【1-095R】 | 《エナ・クロ》 | 2 |
【1-107L】 | 《シャントット》 | 1 |
【1-204S】 | 《ジェシー》 | 2 |
【9-067C】 | 《シド・ガーロンド》 | 3 |
【9-071C】 | 《バンガ族》 | 2 |
【14-064R】 | 《キトン》 | 3 |
【14-066C】 | 《コボルト族》 | 2 |
【15-080C】 | 《風水士》 | 3 |
召喚獣(10枚) | ||
【4-093R】 | 《ヘカトンケイル》 | 3 |
【9-068H】 | 《ドラゴン》 | 3 |
【10-068C】 | 《クーシー》 | 3 |
【14-060R】 | 《カーバンクル》 | 1 |
このデッキはズバリ【15-084L】《ロベルアクベル》で【14-064R】《キトン》を回収し、毎ターン「夢幻三段」による除去を狙うことをコンセプトに構築したデッキです。
【15-084L】《ロベルアクベル》は新ギミック“クリスタル”によってこれまで土属性に不足していた除去効果を補いつつ、さらに毎ターン継続したアドバンテージを獲得できる待望のカードです。
【14-064R】《キトン》以外にも【1-204S】《ジェシー》を回収し【14-065L】《クラウド》のアビリティを匂わせつつ相手にプレッシャーをかけたり、【15-080C】《風水士》を何度も使いまわし、大技である【15-071H】《ケフカ》のアクションアビリティを狙ったりと、状況に応じた使い回しができるのも非常に便利です。
フォワードは少し重めのコスト帯のカードが中心ですが【14-075H】《モント・リオニス》で展開を補助しつつ、【15-084L】《ロベルアクベル》を定着させる展開を目指していきましょう!
「クリスタルの支配者」環境では一定数「火単」の活躍が見込まれることから、今回の構築には僕のお気に入りカードでもある【8-068L】《アーデン》を採用しているのもポイントです。【9-063L】《ガブラス》からの選択肢として、状況に応じてサーチしてきましょう。
今回は【14-064R】《キトン》に着目しましたが、他にも【14-080R】《エクスデス》とセットで使う構築も魅力的なので、「土雷」での構築もおもしろそうですね。
◆おわりに
今回制定される禁止・制限施行後のスタンダード環境で僕が作ってみたデッキを紹介しました。
紹介した4デッキのほかにも、まだまだ完成していないデッキや試せていないデッキがあるので、「第3期名人位決定戦」や「MASTERS 2021」などの舞台で、いろんなデッキで遊んでいきたいですね。
禁止・制限の制定で環境はガラリと変わりそうですが、今後も注目のデッキなどがあれば、こちらで紹介していきたいと思います。
さて、今年の記事は今週で最後となります。
みなさん、2021年の『FFTCG』は楽しめたでしょうか?
コロナ禍という特殊な情勢で過ごした年にはなりましたが、無事「MASTERS 2021」も再開され、またみんなで『FFTCG』ができるようになったことが、個人的には今年一番うれしかったことだと感じています。
今年は最後に「第3期名人位決定戦」というビッグイベントを残していますが、参加する方はお互い全力で腕を競いましょう!
冒頭でも述べましたが、当日の様子は配信もされるので、今回参加しない方も当日は観戦という形でぜひイベントにご参加ください。
「第3期名人位決定戦」1日目生放送
「第3期名人位決定戦」2日目生放送
それでは、また来年の記事でお会いしましょう! よいお年を!