【FFTCG】7月28日(金)発売! 新ブースターパック「英雄の夜明け」の注目カードレビュー!

FINAL FANTASY TRADING CARD GAME』の公式記事連載。今週はライターのたるほさんが新ブースターパック「英雄の夜明け」の注目カードをレビューします。

◆はじめに
みなさん、こんにちは!
『FFTCG』公式記事ライターのたるほです。

最新ブースターパック「英雄の夜明け」の発売がいよいよ来週、7月28日(金)に迫ってきました。
公式サイトでも収録される全カードのリストが公開され、今週末には新カードでいち早く遊べるプレリリースパーティーが開催されます。

「英雄の夜明け」プレリリースパーティー開催情報

今弾もメタゲームに変化をもたらす強さを持つカードや、シリーズファン待望のすばらしい新規アートで彩られたカードが盛りだくさんで、みなさんも実際のカードが手に入ることを今か今かと待ちわびているころかと思います。

今回はそんな「英雄の夜明け」の新カードを、発売に先駆けレビューしていきます!

それでは、さっそく始めていきましょう。 

 

◆「英雄の夜明け」、新カードの傾向は?
まずは「英雄の夜明け」が環境にもたらす影響について、簡単に考察していこうと思います。

傾向その1:全体除去の量と質の向上
僕が今回「英雄の夜明け」のカードプールをざっと見まわしてまず感じたのが、強力な全体除去効果を持つ新カードが非常に多くなったことです。
火属性の【20-007L】《鬼神》、氷属性の【20-042L】《ロック》、風属性の【20-047H】《ジェノバBeat》・【20-053H】《ナンバー128》・【20-051H】《デブチョコボ》・【20-057L】《女神》、そして光属性の【20-127L】《神竜》と、1つのブースターに実に7種類もの全体除去効果を持つカードが収録されています。

今回登場した全体除去カードの多くは、これまでのカードとは異なり、軒並み除去範囲が相手のフォワードに限られている点も特徴的です。『FFTCG』の代表的な全体除去である【1-107L】《シャントット》や、昨今活躍の機会が多かった【15-082H】《ヘカトンケイル》は自身のフォワードも巻き込む効果であり、これによるテンポロスやフォワードの再展開が課題となりがちでした。

これに対して今弾の全体除去はこうした課題がクリアされており、全体除去からダメージレースへの参加をスムーズに行ないテンポを失わず攻めに転じられるようになったことで、質の面でも大きくその性能を向上させていると言えます。全体除去の増加はフォワードを展開することがリスクにつながるため、「英雄の夜明け」後の環境では、先行してフォワードを展開して一気に攻勢に出るのではなく、あえてフォワードを2体程度に抑えて戦うといった戦術も必要になるかもしれません。 

 

傾向その2:全体除去の強化を受けたフォワードの変化
全体除去の量と質が向上したことで、採用されるフォワードの基準も見直されていくことになるでしょう。
この基準となるのは以下の要件と考えられます。

・全体除去に巻き込まれない、あるいは耐えられるフォワード
・リソースの消費が少なく展開できるフォワード

それぞれについて見ていきましょう。
まず前者についてですが、代表的なものがフォワード化する能アビリティを持つモンスターです。
アタック、ブロック時だけフォワードになれるモンスターの有用性は以前から認識されていましたが、フォワードによる全体除去の質が高まったことで、除去と展開がシームレスにつながり、そのままダメージレースへ移行する状況が増えることが予想されるため、ただリカバリーするだけでなくその後のダメージレースで後れを取らないカードが重要になります。フォワード化できるモンスターの中にはDamageにより強力な効果を発揮できるカードも多く、除去をかわすだけでなく、全体除去後のフィールドをめぐる戦いで重要な存在になってくるかもしれません。

また、パワー9000以上のフォワードもこの要件をクリアしてくれるでしょう。今弾で追加されたものを含めて、いま環境にある全体除去カードを見てみると【15-082H】《ヘカトンケイル》や【20-051H】《デブチョコボ》など8000ダメージを与えるカードが多く、これを上回るパワーを持つカードは相対的に生き残りやすいと言えるでしょう。逆に言えばパワー9000以上のフォワードが少ないデッキは、「英雄の夜明け」環境で増加する全体除去の影響を受けやすいと言えるため、採用するフォワードの見直しが必要になるかもしれません。

次に、リソースの消費が少なく展開できるフォワードについてですが、フォワードの除去が容易になり、フィールドに定着しにくい環境では、生き残ることでアドバンテージを生み出していくフォワードよりもフィールドに出た段階でアドバンテージを稼ぎ役割を終えるカードのバリューが高くなる傾向にあるため、これまで以上にそうした性質を持つカードの評価が見直されることになりそうです。

「英雄の夜明け」にも【20-039R】《ルード》+【20-041R】《レノ》、【20-049R】《チェリンカ》+【20-060R】《ユーリィ》、【20-086H】《アリゼー》+【20-106R】《アルフィノ》などセットでの運用を前提としたフォワードの組み合わせが多数登場しています。これらのカードはコスト効率がよく、先述したフォワード展開を2体で抑えるという戦い方にも合致するデザインで、仮に除去されても再展開が容易なパッケージとなっています。

これらのカードは新環境でも特によく見かけるカードとなっていくのではないでしょうか。


現時点での予想をまとめると、全体除去の量と質が高まることで、それらを採用するデッキが増え、プレイと構築のセオリーに変化が生まれるというのが「英雄の夜明け」環境初期のメタゲームの変化だと考えています。プレイの面では、フォワード展開を2体までにとどめつつ戦うことが増えるため、アグロやコントロール、コンボデッキといったゲームレンジを振り切った戦い方から、ミッドレンジ的な戦い方を求められることが多くなるのではないかと予想しています。それに伴いデッキ構築の面でも、除去されにくいフォワードや展開力のあるフォワードのパッケージが見直されていくのではと考えています。

◆「英雄の夜明け」注目カードレビュー
ここからは「英雄の夜明け」の新カードで僕が特に注目しているカードについて触れていきたいと思います。 

 

【20-127L】《神竜》

「英雄の夜明け」の新カードで、個人的にもっとも注目しているカードが【20-127L】《神竜》です。「フィールドに出たとき、カードを1枚サーチし、手札に加えてもよい。」という非常にシンプルなオートアビリティを持つこのカード、なんとサーチするカードに制限がありません。発売と同時に施行される【12-097H】《シルドラ》の禁止からもわかるように『FFTCG』における汎用性の高いサーチ能力はそれだけで大きな価値があります。

そのため、繰り返し出されたくないので放置したいところですが、【20-127L】《神竜》はパワー9000でブレイブを持つ攻防一体の強力なフォワードであり、相手のフォワードだけをすべてブレイクするスペシャルアビリティ「タイダルウェイブ」も持つため、フィールドに放置することが大きなリスクとなるデザインとなっています。

そして何より破格なのが、相手のフォワードがこちらより3体以上多いとキャストするためのコストが3減るという軽減効果です。最近のアグロデッキは高効率のフォワードを並べて2、3回のアタックで7点近くのダメージを与えるものが多いため、一見すると達成が困難に見えるこの効果も、実はかなり現実的なデザインなのではないかと思っています。

他のカードをキャストするためのコストにできない光属性という特性上、使いにくいという印象を受けることも事実ですが、属性を問わずすべてのデッキに採用されうる汎用性や、【19-104H】《マディーン》のように光属性を多く採用することがメリットにつながりやすいカードの存在から、見た目以上に活躍させやすいカードだと考えています。特定の光/闇属性のフォワードに依存しないデッキであれば、ほぼすべてのデッキにおいて選択肢に挙がる可能性を秘めているため、「英雄の夜明け」以降の環境でかなり目にすることになるカードではないでしょうか?

【20-092R】《皇帝》

「悪夢より来たる」で登場した【19-128L】《ウォーリアオブライト》や【19-119L】《ウネ》などに代表されるように、現在の『FFTCG』は強力なアクションアビリティを持つカードが活躍する傾向にあり、アンチカードとして【20-092R】《皇帝》は注目の1枚です。

これまでも【2-147L】《皇帝》や【14-045H】《シン》といったアクションアビリティをとがめるカードは存在したものの、コストが重く採用自体がリスクになることも多く、採用される機会はそれほど多くありませんでした。

【20-092R】《皇帝》はアクションアビリティを完全に封じられるわけではありませんが、それでも追加で2CPという重い制限をかけ、また自身はコスト3と軽く、ブレイクゾーンに置かれたときにもコスト3以下の【カード名(皇帝)】をサーチして出すオートアビリティによりフィールドに維持することも容易なため、扱いやすさという面で優秀なカードと言えます。これまで以上にプレイアブルな性能を持つことになったため、アクションアビリティを主軸に据えたデッキは構築段階から【20-092R】《皇帝》に詰まされない構築を意識しなければなりません。こういったカードはよく「存在するだけで環境に影響する」と言われますが、【20-092R】《皇帝》に関しては実際に使われる機会も少なくないのではないかと思います。

 

【20-009L】《ザックス》 

 「英雄の夜明け」の新カードはどれも強力ですが、なかでも【20-009L】《ザックス》は明確なカードパワーの上昇を感じさせてくれるカードです。その最大の理由が「ザックスがフィールドから離れたとき、コスト4以下の【カテゴリ(VII)】のフォワード1枚をサーチし、フィールドに出してもよい。」というオートアビリティ。 これは「Opus III」で登場した【3-012L】《ザックス》のオートアビリティをリメイクしたものとも思えますが、かつては「ブレイクゾーンに置かれたとき」に誘発していた条件が「フィールドを離れたとき」に変わり、【カード名(クラウド)】のみに限定されていたサーチ対象も【カテゴリ(VII)】のフォワード全体に広がっています。


それに加え、【20-009L】《ザックス》本人のパワーも9000、アタック時の除去能力とスペシャルアビリティまで獲得するなど、『FFVII』でデッキを作ってねという強いメッセージの込められたカードに見えます。もちろん【20-009L】《ザックス》からサーチするカードのバリューも「Opus III」当時に比べると大きく上昇しており、最近「氷雷」で再評価された【11-127L】《クラウド》や、【20-009L】《ザックス》とともに登場した【20-087R】《アンジール》など、【20-009L】《ザックス》を活かすための【ジョブ(ソルジャー)】のカードも充実しています。

既存のデッキに採用するというよりは、このカードを軸に新たなデッキを作り上げるカードという印象なため、【20-009L】《ザックス》をもっとも活かせる相棒をいち早く探し出し、ぜひともデッキを完成させたい1枚です。

【20-084R】《レオ》

 バックアップとフォワードを同時に展開しつつフォワードのパワーアップもできてしまう、とてもお得な1枚です。
【カテゴリ(FFCC)】は優秀なフォワードの多いカテゴリであり、たとえば【18-049R】《ユーリィ》は【カテゴリ(FFCC)】のキャラクターを3体以上コントロールしていると対戦相手のアビリティと召喚獣に選ばれなくなるため、パワー9000で除去耐性を持つ堅固なフォワードになってくれます。

環境全体の除去性能が向上する「英雄の夜明け」環境ではこうしたスペックを持つカードは立ち位置がよいだろうと感じるため、いま改めて評価される強さを持つカードになるのではないかと考えています。

また【20-084R】《レオ》をサーチできる【8-058R】《ノルシュターレン》がいるため安定して出しやすく、サーチ対象のフォワードも「英雄の夜明け」では【20-049R】《チェリンカ》や【20-071C】《キアラン》といったカードが追加されており、とびぬけた派手さはないものの、最近あまり見かけなかったフォワードのパワーで押し切るデッキタイプが復権するのではと期待せずにはいられません。

また【カテゴリ(FFCC)】にはクリスタルにまつわるカードが多く、クリスタルギミックのなかでもこれまであまり日の目を浴びてこなかったカードに焦点が当たるきっかけになるかもしれません。 

 

◆おわりに
今回は「英雄の夜明け」で新たに登場するカードの傾向を考察し、個人的に注目しているカードをレビューしました。
新弾の発売に向けたカードレビューは毎回行なっているものの、「英雄の夜明け」は強さのベクトルが多方面に広がっており、どういったカードが強い環境になるのか予想がつかない評価の難しさがあると感じています。

これから実際にカードを手にしてプレイしていくなかで、実際に環境に適した強さがどういったものになるのかという観点から、こういった価値観をアップデートしていきたいですね。
次回はデッキ紹介のかたちで「英雄の夜明け」の新カードについてさらに発信していきたいと思いますので、ぜひともお楽しみに!

それでは、また次回の記事でお会いしましょう!