いよいよ11月になりましたね! めっきり寒くなりましたし、もう年末という言葉も身近になって来たころかと思いますが、いかがお過ごしでしょうか。
はやく世間が元通りになって、カードゲームの大型大会が思う存分開催されるようになってほしいですよね!
それではさっそく、現在発売中の「カードゲーマーvol.54」掲載の「カードゲーマー的彼女」のメイキング記事をお届けしましょう!
「カードゲーマー的彼女」とは、現在活躍中のイラストレーターの先生方を「カードゲーマー」に毎号お招きし、ご自身の“理想の女の子”を描き下ろしていただく連載企画です。
当ブログでは「カードゲーマー的彼女」特別編として、
掲載イラストのメイキングを先生ご本人の解説付きでご紹介します!
今回は「カードゲーマーvol.54」掲載の第4回で登場いただいたかわく先生!
繊細な描写と優しい色づかいが印象的な、かわく先生のイラストができあがるまでをご本人に解説していただきました!
①ラフ
「カードゲーマー」の発売日に合わせて秋っぽさを意識してアイデアを出します。
「カードゲーマー的彼女」ということで、私はおとなしい感じの女の子が好きなので、読書の秋をメインテーマにしました。
手前に葉っぱのデザインを入れたらおもしろいかなとか、動物も入れたいな、など盛り込んでいきます。
このラフは自分の中で何を描くか固める作業なので、まだ編集部にはラフを提出はしません。
②カラーラフ
全体を紅葉の暖色でまとめて提出用のカラーラフを描きました。
手前の葉っぱデザインに、有名な本のタイトルを書き込みたいと思いましたが、何か問題があるといけないので、判別できない文字にしました。
③下絵
カラーラフを下敷きに線画を描いていくのですが、一発で描けなさそうなところは下絵を描きます。
本など、重なって見えない部分も全体を描くことで大きさや形が把握しやすくなると思います。
結局、顔まわり以外全部下絵を描きました。
④線画
鉛筆のようなガサガサとしたペンで線画を描きます。
ラフから直接線画を描いた方が時間短縮になりますが、このペンだと何度も描き直しをすると汚くなるため、前工程の下絵を描いています。
⑤塗り分け
パーツごとに塗っていくために色分けします。
色をつけると線画ではわからなかった修正すべき点が見えやすくなるため、この段階で気に入らない部分があれば直します。
背景のもみじは、もみじの形のブラシを作って、1ストロークで色も変化するよう設定して量産しました。
⑥キャラ塗り
私の場合、顔→髪→服のようにパーツごとに塗っていきます。
今回は奥の方を明るくするように、やや逆光を意識してエッジが光るように塗りました。
同時に線画も色を変えて、塗った色に馴染むようにしていきます。
メガネは修正することになった場合大変なため、別レイヤーにしています。
⑦チェックの描き込み
チェックのスカートは陰影を描いてから、カーブやシワに沿って線を描き入れ、レイヤーを重ねつつ線を描いていきます。
⑧人物塗り終わり
人物が塗り終わりました。
今回はラフの時点で背景の完成形が見えていたため人物から塗りましたが、場合によって背景を先に塗ったりします。
⑨背景塗り
リスの写真を見て癒されながら、可愛くなるように努力します。
地面の落ち葉を描き足したり、影や葉脈を書き込むことでコピペ感を薄めていきます。
⑩木漏れ日、光の調整
木漏れ日や奥の方の光などを追加して、最初に描きたかったイメージに近づけていきます。
⑪仕上げ
デザイン用の葉っぱを描き、文字っぽいものを書き入れて完成です!
葉っぱに本のタイトルを書きたかったのは、女の子が「次は何を読もうかな」という、くじ引きっぽいイメージを表したかったからです。このように説明しない限り、イラストを見た
だけでは伝わらないかもしれませんが、こういった仕掛けを入れるのが好きです。
自分で「これいいな」というアイデアが出たら描いていて楽しいと思います。
【作業環境】
iMac、Cintiq Pro 24、Photoshop
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以上、かわく先生のイラストメイキング記事でした。
11月30日(月)発売の「カードゲーマーvol.55」でもイラストレーターの先生をお招きし、第5回「カードゲーマー的彼女」を掲載致します。今回はどなたに描いていただけるのか? ぜひご期待ください!
また、これまでにご登場いただいたイラストレーターの先生方のメイキング記事もぜひご覧ください!
■メイキング過去回
第1回:カードゲーマーvol.51「希先生」
第2回:カードゲーマーvol.52「アカバネ先生」
第3回:カードゲーマーvol.53「クロサワテツ先生」