木谷社長が語る「戦略発表会2022」とその後について

9月14日に開催された「ブシロードTCG戦略発表会2022 実りの秋」特設サイトYouTube配信)。

その発表後にブシロード・木谷社長へインタビューを行い、今回の戦略発表会の振り返りや、2023年にむけての目標などを伺った! インタビューの最後には、Twitterで募集した木谷社長への質問も掲載しているので、こちらもチェックしてみてほしい。


◆今年前半のブシロードは?

───今年度の前半(4月~9月)がまもなく終了しますが、各タイトルを振り返ってみていかがでしたか?

木谷:まず『ヴァイスシュヴァルツ』からいきますか。6月がブシロードの決算なんですけど、日本語版英語版を合わせて90億を超えて、日本語版だけでも60億を超えたので、これは良かったですね。大躍進です

───特にどのタイトルが人気だったのでしょうか?

木谷:それは日本語版英語版ともに「ホロライブプロダクション」ですね。あとは英語版だと昔の作品のリピートもけっこうありましたね。ほかにも多くの魅力的なコンテンツに参加していただいて、すごくラインナップが充実してきました。ここに『ヴァイスシュヴァルツブラウ(以下、ブラウ)』も入ってきますからね。今までの『ヴァイスシュヴァルツ』にはないタイトルも入ってくることになるので、これで来年春頃には『ヴァイスシュヴァルツ』ブランドは世界一のキャラクターカードゲームブランドになっていると思っています。

『Reバース for you(以下、Reバース)』は結構おもしろいことをしてますよね。特徴を出して差別化してという話は常にしていて、例えば実写のカードを入れたり中華系メーカーの作品を入れたりしています。

『カードファイト!! ヴァンガード (以下、ヴァンガード)』に関しては5弾と6弾の間が開きすぎてしまいましたね。少し勢いが弱まったのを、アニメとスタートデッキ3種でうまく切り返してきたかなと。今は開発力がアップしたおかげもあって、おもしろいと言っていただけております。アニメもおもしろいという声が届いているので、このままのペースで行きたいですね。この数年間『ヴァンガード』はちょっと下降トレンドにいたのですが、今はちょっとトレンド転換できたかなと思います。キャラクターデザイン原案のCLAMP先生のキャラクターが本当にいいですよね。現在放送しているカードゲームのアニメとしては一番おもしろいんじゃないかと思います。

それから『Shadowverse EVOLVE(以下、EVOLVE)』ですが、上半期ですとこれが目玉になると思います。4月28日にリリースしましたが、 発売1ヶ月半前ぐらいから本当にドキドキしましたよ(笑)。でも、発売日に向かって盛り上げることができたので、カードゲーム業界の中で一定の地位を作ることができたと思っています。これも非常に満足していますね。


◆伝えたいことは全部伝えられた戦略発表会

───今回の戦略発表会に点数をつけるとしたら何点くらいでしょうか?

木谷:95点です。今回の戦略発表会が1時間59分だったんですよ。2時間超えしないように、僕は最後端折りましたからね(笑)。でも、無駄なところはないんですよ。タイトル数も多いし情報量が多いんですよね。『ヴァンガード』『ヴァイスシュヴァルツ』『Reバース』『EVOLVE』さらに『ブラウ』と5タイトルもありますからね。でも伝えきれなかったことはないです。伝えたいことは全部伝えられたと思います。

⇒「ブシロードTCG戦略発表会2022 実りの秋」(特設サイトYouTube配信

あと、『ヴァンガード』パートの同時接続者数が良かったんですよね。5800近くまで伸びてくれたので嬉しかった。今までの『ヴァンガード』は4000台だったのですが、今回は『ヴァイスシュヴァルツ』よりも多くの方が見てくれて、『ヴァンガード』に対して前向きな気持ちのユーザーが増えていると感じました。平日の昼間の配信なので、視聴者の半分くらいはBtoBの方ですから、 それで5800はいいですね。戦略発表会は3か月に一度の感覚で同じ形式でやってきているので、発表会として定着してブランド化してきたような感じがします。

それぞれのタイトルのカードの使用制限も発表会で言うようにしています。最初は使用制限を大会の発表のあとに言いたいとスタッフに反対されたこともありましたが、いいからここで発表しようと言いました。例えば『ヴァイスシュヴァルツ』なら、一番気になるポイントが参戦タイトルと使用制限だと思います。だから戦略発表会ではこの2つを発表しています。

───点数が95点ということですが、あと5点上乗せするには何が必要だったのでしょうか?

木谷:もうちょっと時間を短くできたら良かったです。でも、発表する内容が多くて無理な話なんですよ(笑)。発表会自体は間延びするところがなく、テンポもよかったです。

───それでは、各タイトルごとにお話を聞いていきたいと思います。まずは『EVOLVE』について、『ウマ娘 プリティーダービー』とのコラボ商品が10月1日に発売されましたが、前評判や受注数などはいかがでしょうか?

木谷:数は正確には言えませんが、この価格帯の商品だと過去最大級ですね。「ウマ娘」ファンの方がかなり多い印象です。講習会でも『EVOLVE』未経験の方が多いです。

───11月19日に発売される構築済みデッキが、ブースターパック第1弾・第2弾の再録と12月16日発売のブースターパック第3弾のカードの先行収録というのは少し変わった仕様ですね。

木谷:税込770円なので、まずは値段お求めやすくなっています。11月19日という発売日も年末商戦に合わせたものです。いわゆるライトユーザーも含めた新規ユーザーに入って欲しいということが一番の目的なので、このような仕様になりました。

───『EVOLVE』では競技性の高い「Grand Prix」シリーズが開催中で、次回の横浜は2日制の2000人規模の大会になりますよね。こういう競技性の高い大会というのは、ブシロードの他のタイトルでも開催されたりするのでしょうか?

木谷:2日目に決勝大会を開催するというイベントも過去にやったことはありますが、どちらかというとイベントを楽しんでほしいと思ってイベントを開催しています。『EVOLVE』はブシロードの今までのカードゲームとは差別化できていて良いと思いますね 。

───『EVOLVE』のジャッジ運営はCygamesさんが中心のようですが、ここはほかのタイトルのイベントでも活かせそうなど感じたところはありますか?

木谷:ゲーム性の高いカードゲームのジャッジって本当に大変なんですよ。前の会社で関わっていた『ディメンション・ゼロ』でも結構苦労しましたからね(笑)。ジャッジ経験を多く持つCygamesさんはさすがだと思います。ほかのタイトルに関しては『EVOLVE』の楽しみ方の一つである競技性を必ずしも求めているわけではないので、差別化できているんじゃないでしょうか。

それとCygamesさんで見習いたいと思ったのは、やはり開発力ですね。Cygamesさんの開発力とこだわりはすごいです。Cygamesさんの目線は100%BtoCなんですよ。ブシロードはどうしても8対2くらいでBtoBのこと、ショップさんのことを考えてしまうので、そこは結構違うところです。確かにアプリゲームというのはBtoBがなく、直接メーカーとユーザーの関係なんです。そういう意味では、やっぱりいいものを作ることが大事だなと思わされます。そういう意味で言えば、『ヴァンガード』は昨年末から開発会社の遊宝洞さんのメンバーも弊社に来てもらって一緒に開発しています。それまでは遊宝洞さんと弊社で分かれて仕事をしてましたが、物理的にくっつけるとお互いのいろいろが見えるようになって、『ヴァンガード』の開発環境がかなり良くなってきました。コミュニケーションも密になるから、開発スピードもアップしますよね。

───次は『Reバース』について伺います。「アズールレーン Vol.2」や「ブルーアーカイブ」が再販されますが、ブシロードさんの中で再販の基準などはあるのでしょうか?

木谷:とくに基準というものはありません。マーケットの消化率とお客さんの希望ですね。ただ、ファンの声というよりはショップからのヒアリングが主になるかな。

───再販してほしいタイトルがある場合はショップの人に話してみると、再販の可能性が出てきやすいということでしょうか。

木谷:そうですね。そういった声と同時にマーケット全体の消化率なども重要視しています。

───続いて、12月発売の「ホロライブプロダクション Vol.2」はブースターパックプラスという新しいタイプの商品ですが、今後はこういうリッチな仕様の商品がほかのタイトルでも出てくるのでしょうか?

木谷:今後出てくる可能性はあります。『Reバース』の方針はほかとの差別化ですね。だから小回りをきかせたり、新しいことをいろいろやってねと話しています。

───今後のイベント予定を見ていくと初心者向けの施策が多いように思いますが、今年~来年は初心者へのアプローチを続けていくということでしょうか。

木谷:そうですね。『Reバース』は当社のカードゲームのなかでも一番始めやすいカードゲームですからね。そういうアプローチを続けていくのは大事だと思います。今は中堅以下のカードゲームの売り上げが、どれも前年を割っていて結構団子状態になっています。そんな中での『Reバース』のこのラインナップなので、前年よりもプラスになるのかなと思います。

───今回の発表会ではステージ後方で対戦が行われるなど、『Reバース』の発表はユニークなものが多いと思います。これも先ほどから出てくる差別化の一つなのでしょうか?

木谷:そうなんです。今までの戦略発表会だと、『Reバース』のコーナーになると同時接続者数が下がることが多かったです。なので、とにかく数字を落とさないようなコーナーにしたいと思っていました。今回は5000近くまで数字が上がっていましたし、コーナーを楽しんでいただけていたら嬉しいです。

───木谷社長が発表内容についてアドバイスされたりといったこともあるのでしょうか?

木谷:そうですね。でも『Reバース』の発表は『Reバース』チームが考えてやっています。戦略発表会はあらかじめ各コーナーの時間を割り振っています。『Reバース』は15分の枠を持っていて、15分1本勝負ということでどんどん内容が進化していますよね。先日のコーナーはすごくよかったです。15分のコーナーの間に後ろでやっているゲームがもう2戦目に入っているという(笑)。こんなに短い時間でもゲームができるんだっていうアピールは非常にできたと思います。

───次は『ヴァンガード』についてお聞きします。9月30日発売の「烈火翠嵐」のPVが、カードイラストを動かす、映画のようなPVがすごく印象的でした。今後もこういうPVを見てみたいと思うユーザーも多いんじゃないかと思うのですが。

木谷:そうですね。あのPVは好評でしたので、今後も作ろうという話になりました。

───12月の「女神降臨」でシリアルナンバー入りのカードがパックに封入されるのは、オーバードレスでは初だと思いますが、今後もこのような施策は考えられているのでしょうか?

木谷:好評でしたら今後も続けていくかもしれません。12月の「女神降臨」に関してはまだ発表していない内容もありますが、かなり力を入れている商品です。『ヴァンガード』を明確に復活させる弾にしたいと思っていて、この勢いでアニメのセカンドシーズンへの期待も高まってほしいですね。

───以前の発表会で木谷社長が『ヴァンガード』に直接関わることで人気挽回していくという旨を発言されましたが、アニメ「カードファイト!! ヴァンガード will+Dress」のSeason1を終えて、改めて手応えはいかがでしたでしょうか?

木谷:当初の目的は達成できたと思います。「overDress」Season2の最後はよかったんですけど、カードのバランスやいきなり難しくしてしまったところとか、いろいろと課題がありました。それも体制を変えて、ようやくここまで持ち直せたと思っています。それと、アニメのスタッフもカードゲームアニメに慣れてきましたね。僕もシナリオ打ち合わせには全部参加していましたが、今はもう大丈夫です。監督もカードゲームアニメに慣れて、素晴らしいアイデアを出していただいているので、「overDress」の最初のころと今の「will+Dress」では洗練されて全然違うものになっていると思います。シナリオ打ち合わせに僕自身が参加して、プロデューサー交代をして、開発体制の改善をして。昨年の夏ぐらいからいろいろな改革してきました。今の開発体制でできた商品は7月以降のものなのですが、ここから良くなってきたなと感じます。反響はそれが結びついてきたと感じていますが、売上は徐々にといったところでしょうか。先日発表した8弾の反響がよかったので期待したいですね。11月に発売する「Stride Deckset Chronojet」も前評判が高いようでホッとしてます。

───以前の戦略発表会では、VスタンダードやPスタンダード対応の商品も検討中とありました。ただ、これらは今回情報がありませんでしたがいかがでしょうか?

木谷:これは来年のヴァンガ祭前後になるかなと思いますので、情報はもう少しお待ち下さい。

───次は『ヴァイスシュヴァルツ』『ブラウ』についてお聞きします。まず『ブラウ』ですが、『ヴァイスシュヴァルツ』のルールを使って新しいカードゲームを出す意義について教えてください。

木谷:これは名実ともに『ヴァイスシュヴァルツ』がナンバーワンキャラクターカードゲームとなるための、最後のはまっていなかったピースです。今はほかのカードゲームでも女性ユーザーも増えたと思います。今こそ、カードゲームをもう一つ上の段階に上げられると思います。

そんな中で『ブラウ』『ヴァイスシュヴァルツ』とルールを同じにしたということですが、これは発表会とか見てても特に抵抗がないと思うんですよ。むしろルール同じということで喜ばれてるように感じています。むしろその手があったのかと思われる方もいるのではないでしょうか。『ブラウ』はカードテキストが非常に短いんですよ。スタートデッキの半分がテキストのないカードですし、テキストがあっても短いものが多いので、始めやすいんです。

『ヴァイスシュヴァルツ』の元々のデザインの思想は、「たまに勝つ、もしくは勝てないまでも惜しかったと思えるカードゲーム」です。そこは僕自身が非常にこだわったところでして、『ブラウ』はそれと基本ルールが同じで、覚えやすいし遊びやすい。『ヴァイシュヴァルツ』とも遊べますがカードパワーが違うので、『ヴァイスシュヴァルツ』側のプレイヤーはクライマックスのカードを数枚抜いて、飛車角落ちのようなイメージで対戦してもらえればちょうどいい対戦ができると思います。

───カードとカードイラストが両面に印刷された「ブラウレア」については?

木谷:「ブラウレア」は女性スタッフのアイデアから生まれたものですね。カードを飾る際はこういうタイプのカードもいいですよ。ただ、これを他のタイトルでは採用されるかはわかりません。好評だったら検討するかもしれないです。

───『ヴァンガード』では女性限定イベントが開催されましたけど、『ブラウ』でもこのような限定イベントは開催されるのでしょうか?

木谷:講習会は女性限定の講習会をやってみようと思っています。それと「ヴァイス」「シュヴァルツ」「ブラウ」のトリオ大会も発表しましたけど、これで男性女性の混合チームで出場してもらえるとうれしいですね。「BanG Dream!」のライブだと男女の垣根もあまり関係ないのですが、カードゲームだと圧倒的に男性が多いですね。でも最近はカードショップさんでも女性の店員さんを見かけるようになりましたし、新しいお店ほどきれいなところも多いので、女性も入りやすくなったのかなと思います。

───『ブラウ』発売まで約2か月ですが、カード画像的なものがあまり見えてこないのですが、いつぐらいから公開されるのでしょうか?

木谷:まだカード画像は公開していませんが、講習会が10月中旬ころにははじまりますし、11月の「アニメイトガールズフェスティバル2022」では先行販売もするので、それまでにはお見せできると思います。できあがったカードは確認しましたけど、イラストもいいし出来栄えもきれいですね。ゲームだけではなく、コレクションとしても楽しめるものになっていると思います。

───『ブラウ』は参戦タイトルのジャンルが多岐に渡っていますよね。

木谷:まず「劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEスターリッシュツアーズ」をはじめとした女性向けタイトルですよね。それに「ディズニー」作品、「HOLOSTARS」「すとぷり」「ちいかわ」となっていて、幅広い年齢層が興味を持ってくれるタイトルが集まっていると思います。なので、売り場も従来のカードショップだけではなく、アニメイトやTSUTAYA、ブックオフといった量販店にも多く置かれると思います。

───『ヴァイスシュヴァルツ』についてですが、2023年で『ヴァイスシュヴァルツ』15周年になりますが、今後どのような展開をされる予定なのでしょう?

木谷:まだ全然決めてないですけど(笑)、まずはやっぱりラインナップを強力にすることですね。それから、来年のカードゲーム祭のときは大規模なトリオ大会をやります。15周年に向けて今考えていることですが、展示会とかもやってみたいです。

───先ほど「『ヴァイスシュヴァルツ』をナンバーワンキャラクターカードゲームにする」という話がありましたが、そこも来年の15周年で目指しているところでしょうか?

木谷:そうですね。それにカードゲーム業界の上3つが固定されているので、どうにかそこに食い込むようにはしたいです。カードゲームメーカーとしても、今月(9月)はけっこう良い順位になるのではないでしょうか。

──戦略発表会で発表された「しろくろカプセル」についてもお伺いします。以前に『ヴァイスシュヴァルツ』はアパレルブランドとのコラボをされていましたが、この「しろくろカプセル」も『ヴァイスシュヴァルツ』のブランドを広げる新しい商品ということでしょうか?

木谷:そうですね。カードゲームにはプレイング、デッキビルド、コレクション、トレードという4つの楽しみがあると思いますが、そこからさらに飾るというものが今まで少なかったと思います。人に見せるため、もしくは自分がもっと楽しむために飾るという概念はコレクションとは違う要素だと思います。

───第1弾として「Re:ゼロから始める異世界生活」が発表されましたけど、ほかはどのようなタイトルになるのでしょうか?

木谷:基本的には『ヴァイスシュヴァルツ』に参戦したタイトルからになると思います。もちろん最新タイトルだけじゃなく、過去に参戦したタイトルも「しろくろカプセル」のラインナップになる可能性はあります。カプセルトイと箱入りの2タイプで発売しますが、ガチャガチャを置いていないショップさんでも箱入りタイプを販売することができます

───好きな作品のフィギュアとカードを一緒に飾れるのは非常に嬉しいですね。個人的にはローダーにカードを入れて、それを飾れるといいのですが……。

木谷:スリーブに入れて飾ることになると思いますが、ローダーについても少し考えてみます。


◆読者からの質問回答コーナー!

───それでは最後に、Twitterで募集した質問についていくつかお答えいただければと思います。まずは、戦略発表会で新カードの公開は行わないのでしょうか、という質問です。

木谷:新カードの情報を出しても構わないんですが、そうすると発表会自体の時間が更に長くなってしまうので難しいですね。例えば『ヴァンガード』なら「週刊ヴァンガ情報局D」で毎週出していますし、発表会で出す必要性は薄いと思っています。ゲームにもっとフォーカスをあてたものは、各タイトルごとの配信などを見てもらうのが一番かと思います。

───次の質問です。『Reバース』『ヴァイスシュヴァルツ』『ブラウ』では「ホロライブプロダクション」や「HOLOSTARS」が参戦しますが、『ヴァンガード』にもタイトルブースターという枠があるのに参戦しないのでしょうか?

木谷:そういう声があるのは承知していますが、今すぐには答えるのは難しいですね……。

───続いての質問です。最近は個人戦よりもトリオ戦のイベントが増えているように思います。今後はトリオ戦重視になっていくのでしょうか?

木谷:うちのカードゲームでいうと、仲間と遊ぶということでトリオを増やしたほうがいいのかなと思います。ただ、個人戦を減らすということではありません。

───最後の質問です。他社のゲームなどでは、大型大会の上位入賞者向けの賞品カードが人気ですが、ブシロードでもこういう上位入賞者向けのカードは作らないんでしょうか?

木谷:『EVOLVE』だとGrand Prixの入賞者向けのカードはありますが、基本的にはやるつもりはありません。ただ、年に1回位はそういうカードを出す大会があってもいいのかなと思います。

───それでは最後に、2023年に向けての目標などを教えてください。

木谷:各タイトルごとに特徴がはっきりと出てきたなという印象があります。来年の3~5月くらいにはブシロードカードゲームの存在感がマーケットで非常に増していると思います。どのタイトルもおもしろい展開がはじまりそうです。サブカルでカードゲームショップほど店舗が増えているジャンルはないと思います。カードゲーム自体のマーケットがさらに大きくなりそうですし、カードゲーム業界自体が来年も非常に楽しみです。これにプラスして、来年春にはインバウンドが再開すると思いますし、『ヴァイスシュヴァルツ』も海外の方にかなり売れると予想しています。カードゲームユーザーはもちろんですが、コロナ禍に配信サイトでアニメを楽しんでいる人が世界中に大勢いらっしゃいます。そういう方たちへのファングッズとしても売れると思います。だからこそ、海外で売れるカードゲームはさらに目立ってくると思います。