■いざ体験プレイ!
今回の体験プレイでは、あらかじめ各テーブルにそれぞれ6騎(2人対戦なので、各プレイヤー3騎)のミニフュギュアと、対応したコマンドカードが置かれていました。本来は、それぞれのプレイヤーが好きなミニフィギュアを持ち込んで遊ぶ形式のようです。どのサーヴァントを選ぶかも戦略の一部なので、ゲーム開始までは相手に見せないようにするのが本来のプレイ方法とのこと。基本的には3フィギュアとサーヴァントに対応したカード、そしてプレイシートがあれば遊べるようです。
ひとまず、自分が座った席に置いてあったフィギュアは、マシュ・キリエライト(以下、マシュ)、マーリン、ジル・ド・レェの3騎。『FGO』ユーザーであればピンとくるかもしれませんが、アーツカードが豊富な耐久型編成といった印象です。この時点では『FGO』のサーヴァントの特色が、どの程度『FGO Duel』に反映されているかわからなかったので、あくまでも第一印象ですが……(笑)。ちなみに、対戦相手は、マシュ、スカサハ、エウリュアレの3騎でした。
もう1点、目についたのがプレイシートです。プレイシートには全体のゲームの流れや、出したカードが条件を満たすと発生するチェイン(※詳しくは後述)で増えるパワーの量などが書かれており、「このチェインってどんな効果だっけ?」といってルールを確認する手間がないよう工夫されているのが好印象!
さて、ここからはルール解説を交えつつ、実際のプレイした感触をお届けしていきます。今回は始めからミニフィギュアが用意されているため、最初のセットアップは必要ありませんが、本来であればプレイ前に自分のパーティを編成しておく必要があります。パーティ編成にはいくつかの決まりがあるので、それに従って用意しておきましょう。
▼パーティ編成のルール
・用意するサーヴァントは3騎
・3騎のサーヴァントのコストは合計11以内
・1つのパーティにサーヴァントIDが同じサーヴァントは入れられない
製品1箱にはサーヴァントのミニフィギュアが1騎と、ステータスカード1枚、コマンドカード5枚が固定で付属し、そのサーヴァントに対応したスキルカード1枚もランダムで付属しているので、コスト内に収められつつサーヴァントIDのかぶりがなければ、製品3箱ですぐに準備できるということですね。
ちなみに、編成ルールの3つめが少し気になりませんか? 「同じ名前のサーヴァント」ではなく、わざわざ「サーヴァントIDが同じ」と書いていますよね。『FGO』では同じサーヴァントでも、別のクラスで召喚されるケースがありますが……つまりそういうことでしょうか?
お互いに席に着いたらプレイシートを敷き、ジャンケンなどで先攻後攻を決めます。その後、プレイシートの「STATUS」と書かれた場所に、自分の選んだサーヴァント3騎のステータスカードを裏向きでセットします。お互いにセットしたら同時に裏返し、マップに選んだサーヴァントたちを配置します。このとき、サーヴァントを置く場所はステータスカードを置いた場所に記された番号と一致するようにセット。つまり、初期配置はステータスカードを置く段階で決めておく必要があります。
サーヴァントを最後に置く理由はここにあって、『FGO』準拠で考えると、おそらくサーヴァントごとの相性などが関係してくるのでしょう。つまり、相手のサーヴァントが判明している状況だと有利なサーヴァントを対面に置いたりできてしまうため、ステータスカードのセットアップが終わってからフィギュアを設置する、という順番になっているようです。
最初のプレイでは、まずルールに慣れるために使いませんでしたが、サーヴァントのスキルもステータスカードを置くタイミングで、同じようにステータスカードの手前のエリアに設置しておきます。ただし、こちらはスキル使用時に表向きにするため、オープンにする必要はありません。実際に使うまで、どのスキルを持っているかはわからないというわけです。『FGO』では各サーヴァントにつき3つのスキルを持っているため、ある程度知識を得てからであれば、相手の編成などを見て予想はつくかもしれませんね。
その後、3騎ぶんのコマンドカード計15枚をまとめてシャッフルし、コマンドデッキ(山札)を作ります。そして、そこから5枚を引いて手札にしたら準備完了。実際のプレイの始まりです! プレイは以下の流れで進んでいきます。
▼プレイの流れ
①スタートフェイズ(上級ルールのみ)
②アクションフェイズ
③チャージフェイズ
④エンドフェイズ
スタートフェイズではサーヴァントのスキルを使うことができるのですが、上級ルール使用時にのみ適用されます。スキルについてはあとで触れるとして、ここではスルーして先に進みます。
アクションフェイズは、このゲームでのメインフェイズ。ですが難しく考える必要はありません。やることはひとつです。「手札から“移動させたいサーヴァントのコマンドカード”を1枚トラッシュ(捨て札置き場)に置き、そのサーヴァントを隣接するエリアに移動させる」だけ。移動先のエリアに相手のサーヴァントがいたら戦闘になり、いなければ移動を終了してアクションフェイズが終わります。ちなみに、移動は必ず行なわなければなりませんが、移動できるサーヴァントのカードが手札にない場合は、手札を全部トラッシュに置き、アクションフェイズを終了します。
では、戦闘になった場合はどうなるのか。順序が逆ですが、結果を先に教えておくと、「攻撃側が勝った場合、守備側のサーヴァントは消滅」します。逆に「守備側が勝った場合、もしくは引き分けの場合は攻撃側のサーヴァントは消滅せず、移動ができません」。そう、攻撃側は基本的に損をしないんです! これにより、積極的に攻めたほうがリターンが大きい、というバランスになっており、戦場のコンパクトさも相まってスピーディーな勝負が可能になっています。
戦闘の勝敗の決めかたですが、実際にプレイしてみれば複雑な要素はほぼありません。手札にあるコマンドカードから「3枚を選んで出す」だけ。お互いに3枚ずつ裏向きで場にセットして、いっしょにオープン。コマンドカードの左上に表示されている数値(パワー)の合計が高いほうが勝利です。ね、簡単でしょ?
と、まぁこれだけで片が付いたら、「単純に数値が大きいサーヴァントだけ選べばいいじゃん」となりますよね。実際にはもう少し考える要素があります。『FGO』プレイヤーにはご周知の通り、コマンドカードには3種類あるんです。「Buster(赤)」、「Arts(青)」、「Quick(緑)」と色分けされているので、見ればすぐわかるはず。そしてカードには誰のコマンドカードかがわかるように、サーヴァントの顔が描かれています。
めちゃくちゃシンプルにまとめましょう。「色か顔をそろえて出せば、ボーナスが得られ」ます! この色や顔が揃った状態を「チェイン」と言い、チェインによって得られるボーナスは異なるのですが、単純に数値が高いカードを揃えるよりも、チェインを狙っていくほうが安定して戦える気がしました。
このとき注意したいのは、「次のターン」というのは、今が自分の手番だったとしたら、「次の相手の手番のあいだ」を指すということです。つまり「Arts CHAIN」であれば次の自分の手番までパワー+の効果が発生しますが、「Quick CHAIN」の場合、相手の手番で効果が切れてしまうということ。強力なぶん、使い勝手が難しいのがわかると思います。
なお、こういったターンをまたぐ効果の処理はやや面倒に感じるかもしれませんが、プレイシートにあと何ターン効果が続くかを、チップを置いて管理する「チェインカウンター」があるので安心です。
移動、または戦闘が終わったら「チャージフェイズ」に移ります。ここでは減った手札を5枚になるまでデッキから引いて補充します。これは自分のターンかどうか関係なく、両方のプレイヤーが同時に行ないます。もしデッキがなくなった場合は、トラッシュにあるコマンド―カードをまとめてシャッフルし、再びコマンドデッキにする……のですが、このときトラッシュにあるカードのうち1枚を任意で選んでゲームから除外します。いわゆる“デッキを圧縮”することで、欲しいカードを引きやすくなり、展開が徐々にスピーディーになっていくようになっているのが特徴ですね。
お互いに手札を補充したら「エンドフェイズ」へ。それぞれチェインカウンターがあれば1マス進めて、手番が相手プレイヤーへと移ります。というのがゲームの流れ。これを勝利条件を満たすまで交互に繰り返します。勝利条件は、「相手マスターエリアへのサーヴァントの進入」、「相手サーヴァントの全滅」、そして「相手のデッキや手札、戦闘時のコマンドカード、トラッシュの合計枚数が4枚以下になったとき」です。前者2つはシンプルでわかりやすいですね。
プレイしてみると、1回遊ぶだけで覚えることができ、非常に手軽に遊べるゲームだと感じました。ただし、手軽=底が浅いという意味ではありません。ここからは、プレイして感じた本作の奥深さについて語っていこうと思います。
まず、この1戦目ですが、こちらのパーティはコマンドカードに書かれているパワーの最大値が4で、相手のパーティはスカサハの5。サーヴァント性能では負けているように思えますが、意外と有利に戦える場面が多かった印象です。じつは、マーリンとジル・ド・レェの2騎のキャスターはArtsカードをそれぞれ3枚ずつ持っているんです。加えてマシュもArtsカードを2枚持っている。つまり、15枚のコマンドカードのうち、8枚……約半数がArtsカードなんです。
Arts CHAINは、その戦闘こそボーナスは付きませんが、以後2ターンに+3のボーナスを得られます。単体のパワーは低めなので、最初のArts CHAIN始動のときがもろくなりがちですが、発動後の自分の手番で攻撃を仕掛ければ問題ないんです。攻撃側は負けたところで移動できないだけですから。
ちなみに、相手のデッキを見せてもらうと、各色5枚ずつのバランス構成。すべてのチェインを狙える代わりに、発動させるには手札コントロールが重要になりそうでした。実際にパーティを交換し2戦目を行いましたが、手札と引きしだいで戦略の変更を余儀なくされることも多く、バランス型はやや玄人向けかな、という印象を抱きました。
Buster CHAINの利点は、なんといってもその戦闘で効力を発揮するところ! Arts CHAINやQuick CHAINだと、どうしてもその戦闘を勝ち切ることが難しくなります。なので手札にありさえすればボーナスが確定するBuster CHAINは「ここぞ!」という攻めのときに活躍しそうですね。
Quick CHAINは爆発力こそ段違いですが、有効に活かすにはかなり神経を使います。というのもQuick CHAINのボーナスが有効となる「次のターン」というのは、上でも触れた通り(自分の手番でそろえた場合は)ボーナスがつくのが相手の手番なんですよね。相手からすれば、そのターンは空いているエリアに移動だけすればやり過ごせるわけです。これを回避する手としては、「相手が移動できる場所をなくすように囲い込む」か、「相手が攻撃してきた際に発動させる」かです。前者は事前準備に時間を要するのと、カードの引きにも大きく左右されます。後者は相手からの攻撃を受ける以上、負けたときにサーヴァントを1騎失う、という大きなリスクがあります。そのため、Quick型はかなり繊細な動きが必要になるかもと感じました。
以上のことから、パーティ編成時はなるべくコマンドカードの種類をいずれかに寄せると運用がしやすそうに思えます。イメージとしてはBuster型は自分で攻めやすく、Arts型は守りを固めつつボーナスを持続させて有利を築き、Quick型はサーヴァントの配置やチェインタイミングが重要なテクニカルタイプ、という感じでしょうか。とはいえ、『FGO』といえばやはり魅力的なサーヴァント。自分のお気に入りのサーヴァントでパーティを組むのも楽しみ方のひとつなので、好きなように編成するのが一番の正解かなと思います。
さて、チェインといえば、もう1種類あるのを忘れてはいませんか? そう、Brave CHAINです。同じサーヴァントのカードを3枚同時に出すことで発動できるのですが、なかなか扱いが難しかったです。その理由ですが、「戦闘中のサーヴァントと同じサーヴァントが描かれたコマンドカードを、3枚出さなければいけない」ということです。
つまり、自分で攻める場合は「移動ぶんも含めて4枚の同サーヴァントのカードが手札にある」必要があり、防御側でも「該当するサーヴァントが攻められる」状況でないといけないんです。そしてボーナスが「場に出したコマンドカードの中から一番小さいパワー分」のパワーを追加する、という効果。最低でも3以上でないと、ほかのチェインよりも効果が落ちてしまいます。今回触ることができたサーヴァントでは、なかなか狙いどころが難しいといった印象でした。今後さまざまなサーヴァントが登場するなかで、Brave CHAINを狙うことに特化したサーヴァントやスキルが出てくるのかもしれません。
最後に、上級ルールにて使えるようになるスキルについてご紹介! スキルは各サーヴァントごとに1種類をセットしておけるのは、セットアップの手順で触れた通り。具体的な使い方ですが、スタートフェイズに条件を満たしていた場合、ターンに1つだけ使用可能です。
使用にはNPが必要なものと、必要でないものが存在。NPは『FGO』ではサーヴァントの必殺技ともいえる宝具を使うためのゲージですが、『FGO Duel』ではトラッシュに置かれた縦向きのArtsのカードでそれを表します。例えば【コスト:NP1枚を消費】と書かれていたら、トラッシュにある縦向きのArtsカードを1枚横向きにすることで、NPを消費したとみなされます。つまり、トラッシュにArtsカードがない場合は、NP消費型のスキルは使えないということになります。NP消費型のスキルは強力な効果を持っていることが多いため、使いどころが重要そうですね。
さらにスキルには【常駐型】と呼ばれるものがあり、このタイプは使用後はそのサーヴァントが消滅するまで効果を発揮し続けます。そのため、なるべく早い段階で使っておくのがポイント。ちなみに、スキルを使わないままサーヴァントが消滅した場合は、スキルも使えなくなるため、出し惜しみなく使った方がよさそうでした。
今回のプレイで使用できた中では、マシュの「今は脆き雪花の壁」(【常駐】相手のターンの間、味方全体のパワー+1)と、マーリンの「夢幻のカリスマ A」(【常駐】自分のターンの間、味方全体のパワー+1)が強いなと思いました。
反対にスカサハの「神殺し B」(【常駐】自分のターンの自身の戦闘時、敵がアーチャーかバーサーカーなら、自身のパワー+5)は、当てはまるサーヴァントを相手が使っておらずかわいそうでしたね……。刺さればめちゃくちゃ強そうなんですが。サーヴァントが明らかになるのはセットアップ後のため、こういったスキルを入れるかどうかは賭けみたいなものになりそうです。
一通り流れとシステムを紹介しましたが、いかがでしたでしょうか? 個人的にはルールはシンプルながも考えることがしっかりと用意されている、いいバランスに感じました。「移動するときには、移動させたいサーヴァントのカードを出さなければならない」というのが絶妙なんです。すべてのアクションを手札の5枚のカードで行なうため、「チェインを狙うためには残しておきたい、でもそれだと狙ったサーヴァントを動かせない」とか、「相手のチェインボーナスをさばくために移動をしたいけど、そうすると手札のチェインが崩れる」といったジレンマに悩まされました。
コマンドデッキ再構築の際にどのカードを除外するかもポイント。すでに消滅してしまったサーヴァントのカードって、移動時には意味をなさないため微妙に邪魔になるので、基本はそういったものから除外していったんですが、Arts CHAINを狙っているのに消滅したからといってArtsカードを安易に減らすのはどうなのか、といった考えもあって、なかなか考えることが多いんですよね。
非常に遊びやすいシステムになっているので、『FGO』ユーザーはもちろん『FGO』を知らないボードゲーム好きの方々にもプレイしてみて欲しいです。編集部的には、相手のトラッシュにあるカードの公開情報から、残りの手札と山札を予想し、最善手を探る読み合いが熱く、カードゲーマーにもおすすめですね! そして、何より『FGO』ユーザーにお伝えしたいのは、やはりフィギュアですよ。出来がいい、というのはもちろんですが、イラストではわからない背面のデザインが見れるのはフィギュアならでは! イラストとか描く人は、資料として手元に置いておくのもいいんじゃないでしょうか?
また、先行体験会が7月15日(日)に秋葉原UDX AKIBA_SQUAREで開催予定! 入場は無料のようですが、体験プレイは事前応募制となっています。応募は公式サイトの事前応募受付から申し込むことができるので、興味がある方は応募してみてはいかがでしょうか。
■『FGO Duel』は、8月に第1弾、9月に第2弾が発売決定済み! お気に入りのサーヴァントを召喚できるか!?
すでに発売決定しているサーヴァントは第1弾・第2弾合わせて全13騎。商品にはランダムでミニフィギュア1騎+コマンドカードが5枚とステータスカードが1枚、そしてスキルカードが(ランダム)1枚封入されており、税込1,200円で発売予定。収録されているのは以下のサーヴァントになります。お気に入りのサーヴァントを召喚することができるか、ぜひ試してみましょう!
【第1弾ラインナップ(2018年8月発売予定)】
・セイバー/アルトリア・ペンドラゴン
・アーチャー/ギルガメッシュ
・ランサー/スカサハ
・ライダー/女王メイヴ
・キャスター/マーリン
・アサシン/“山の翁”
・バーサーカー/クー・フーリン〔オルタ〕
・シールダー/マシュ・キリエライト
【第2弾ラインナップ(2018年9月発売予定)】
・ルーラー/ジャンヌ・ダルク
・ランサー/カルナ
・アーチャー/エウリュアレ
・キャスター/ジル・ド・レェ
・バーサーカー/アステリオス
Fate/Grand Order Duel -collection figure-」公式サイト
http://duel.fate-go.jp/
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