『FINAL FANTASY Trading Card Game』の公式記事連載。今週は編集部オススメの火属性デッキを紹介します。
皆さん、こんにちは。カードゲーマー編集部の編集(川)です。
「MASTERS2018」後半戦も佳境に入り、あと1か月ほどの戦いを残すのみとなりました。
9月からは「作品単」や「3人チーム構築戦」といった普段と違うフォーマットでの大会もあり、ここでどういったデッキが活躍するのかも楽しみです。
さて今回は、成熟してきた「Opus VI」環境のなかでまだ大きな活躍を見せられていない火属性の可能性を探るべく、1つのデッキを紹介したいと思います。
うまくはまると結構楽しい動きができるデッキなので、よろしければぜひ試してみてください。
また、これは偶然なのですが本日『FF-TCG』公式サイトのコラムにて、景山プロデューサーがガンスリンガー用に作った火単デッキも公開されています。
こちらも非常にエキサイティングなデッキなので、ぜひご覧ください! → コラム:プロデューサーから 第12回 ~ガンスリンガー~
◆2つのコンセプトを掛け合わせた「火単タッチ雷」デッキ
今回紹介するデッキはこちらです。
●火単タッチ雷:ギルガメッシュ赤魔道士
カードNo. | カード名 | 枚数 |
フォワード(23枚) | ||
【5-002R】 | アヤメ | 3 |
【3-017L】 | ビビ | 3 |
【4-009C】 | 狩人 | 3 |
【6-019L】 | フリオニール | 3 |
【6-012R】 | ゼル | 2 |
【3-103H】 | ギルガメッシュ | 3 |
【2-007L】 | 始皇帝ザンデ | 3 |
【4-147H】 | ケフカ | 1 |
【5-148H】 | カムラナート | 1 |
【6-130L】 | ニーズヘッグ | 1 |
バックアップ(18枚) | ||
【1-003C】 | 赤魔道士 | 3 |
【3-001C】 | 赤魔道士 | 3 |
【4-002C】 | 赤魔道師 | 3 |
【5-001C】 | 赤魔道士 | 3 |
【1-030R】 | レブロ | 2 |
【5-097C】 | 赤魔道師 | 3 |
【1-184H】 | カオス | 1 |
召喚獣(6枚) | ||
【6-017C】 | バハムート | 3 |
【1-124R】 | オーディン | 3 |
モンスター(3枚) | ||
【4-018R】 | ボム | 2 |
【4-019C】 | ボム | 1 |
火単のデッキに雷属性をタッチして【3-103H】《ギルガメッシュ》の2000ダメージを与えるアビリティを活用するデッキは「Opus III」当時からありました。
【3-103H】《ギルガメッシュ》を絡めたギミックをフル活用できなくともほぼ火単として動くことが可能で、安定性こそじゃっかん下がるものの高い爆発力があり、去年の「MASTERS」予選では上位に残ったこともあります。
そしてもう1つ、徐々にカードが追加されてきた火単のコンセプトデッキがあります。それは「赤魔道士」デッキです。
「Opus V」までで【カード名(赤魔道士)】と【カード名(赤魔道師)】は火属性と雷属性で合計6種類登場し、十分にデッキを成立させられるようになりました。
今回のデッキはこの2つの火単デッキのギミックを掛け合わせたものになります。
・このデッキが「Opus VI」で得たものは?
「ギルガメッシュ」も「赤魔道士」も、以前から存在はしていたデッキです。
では、最近のカードでこれらのコンセプトがどう強化されたのかを見ていきたいと思います。
まず「ギルガメッシュ」は【5-148H】《カムラナート》によって【1-184H】《カオス》をサーチできるようになりました。
これにより手札に雷属性がなくて【3-103H】《ギルガメッシュ》が出せないということが減り、デッキのギミックとして運用しやすくなっています。
また、今回のデッキには入っていませんが「ギルガメッシュ」では【6-013R】《セルフィ》の加入も強化点です。
彼女は【ジョブ(SEED候補生)】、つまり各種《サイファー》をサーチできるため、さらに雷属性のカードを手札に加えやすくなりました。
【3-103H】《ギルガメッシュ》に特化した運用をするなら、これらのカードを加えるといいでしょう。
次に「赤魔道士」ですが、こちらは【6-019L】《フリオニール》の加入が大きなポイントです。
従来の「赤魔道士」では、バックアップは5枚しか置けないルールのため【3-001C】《赤魔道士》のアビリティをほぼ2回しか使うことができませんでしたが、バックアップを自由にブレイクゾーンに置ける彼の登場により、3回【3-001C】《赤魔道士》のアビリティを使うことも可能になりました。
以前の「赤魔道士」ではバックアップを減らすため【3-148H】《デスペラードカオス》を入れていましたが、【6-019L】《フリオニール》の方が柔軟にバックアップをコントロールでき、かつ序盤でも出しやすく、いざというときはコストにもあてられるため、より便利と言えるでしょう。
ちなみに、今回のデッキには【1-184H】《カオス》が入っているので共存は難しいですが「赤魔道士」ギミックに寄せる場合は4枚目のバックアップ調整要員として【3-148H】《デスペラードカオス》も投入を検討していいでしょう。【5-062L】《ディアボロス》が天敵ですが、パワー10000でヘイスト・先制攻撃・ブレイブなので運用できれば頼もしいフォワードです。
ここまでデッキのギミックに関わる部分で得たものを紹介しました。
続いてそれ以外の部分を見ていきましょう。
ダメージを受けるリスクはありますが、たいていのフォワードは倒せてEXバーストもついている召喚獣です。
このデッキでは【1-124R】《オーディン》とともに3枚投入してあり、EXバーストしたときは確実に相手の戦力を減らせるようになっています。
また、このダメージを受けるというデメリットも、見方を変えればメリットになります。
もともとパワー7000でブレイブ持ちというバランスのいいフォワードですが【6-017C】《バハムート》によってあえてダメージを受けることで、能動的にパワー10000の状態にできます。
また、ダメージを4点受けている状態でフォワードと戦闘するときに【6-017C】《バハムート》を召喚することで、急にパワー10000になれるので相打ちになるはずだった戦闘で一方的に勝てることもあります。
この2枚は、単体でもカードバリューがあり、かつシナジーを形成するため「Opus VI」で火属性をメインにしたデッキを作る際はぜひ入れておきたいコンビです。
このデッキだけが恩恵を受けているわけではありませんが、ダメージでフォワードを除去することしかできないこのデッキに器用さを与えてくれます。
【5-148H】《カムラナート》+【1-184H】《カオス》のパッケージにすんなり追加できるところも便利です。
・環境の変化も追い風に
「ギルガメッシュ」+「赤魔道士」デッキを推す理由はデッキパワーが高まってきたからだけではありません。
いまの環境の変化も、このデッキにとっては追い風ではないかと考えられるからです。
このデッキには3枚の天敵が存在します。
「ギルガメッシュ」が産声をあげた「Opus III」~「Opus IV」環境では「水単」やそれに順ずるデッキが流行しており、かつ「雷単」「火単」も人気だったため【1-171H】《ミンウ》がよく採用されていました。
そして「Opus V」環境になると「氷単」が隆盛しました。
【2-146H】《フースーヤ》を使うデッキも多かったため、その対策として「氷単」には【2-037R】《ジル・ナバート》が搭載されるようになりました。
つまり、常に環境で流行しているデッキに天敵が自然と投入されていたわけです。
もちろんほかの要因もありますが、こういった天敵の存在によりなかなか「ギルガメッシュ」や「赤魔道士」は活躍できなかったのです。
しかし、ここ最近の「氷単」や「水単」のデッキリストを観てみるとどうでしょう。
【1-171H】《ミンウ》も【2-037R】《ジル・ナバート》もほとんど採用されていません。
アクションアビリティを封じる第三の天敵である【2-147L】《皇帝》も「Opus VI」発売後の「MASTERS」上位入賞デッキをすべて合わせても2枚のみです。
こういった環境の変化もあり、このデッキはギミックのパワーをフル活用しやすくなっているのです。
・このデッキをどうカスタムするか?
今回あげたデッキリストは非常にオーソドックスなものです。
さらにデッキパワーを高めるためには、もう少しカスタマイズが必要になるかもしれません。
いま考えているのは「火単タッチ風・雷」のかたちにすることですが、風属性を加える最大の理由は彼女です。
オートアビリティでバックアップを手札に戻せるため【3-001C】《赤魔道士》の使用回数をさらに増やせます。
風属性を加えるなら【5-062L】《ディアボロス》や、使い終わってブレイクゾーンに置いた【3-001C】《赤魔道士》を回収できる【2-049H】《アスラ》などを入れてみるのもおもしろいかもしれません。
また【5-148H】《カムラナート》を絡めたシステムを捨ててまで採用するかはまだわかりませんが【6-127L】《フレースヴェルグ》も検討の可能性はあります。
ブレイクゾーンの《赤魔道士》たちや、やられてしまった【6-019L】《フリオニール》を回収できますし、ブレイクゾーンを除外するアビリティは、このデッキが苦手とする【5-082C】《採掘師》などのフォワードを回収するカードに耐性を与えてくれます。
◆終わりに
今回は火属性を中心とする2つのコンセプトをハイブリッドしたデッキを紹介しました。
「ギルガメッシュ」も「赤魔道士」も、いずれも1つのコンセプトでも楽しいデッキなので、今回紹介したものをどちらかのコンセプトに寄せてみるのもいいでしょう。
「最近、火属性のデッキ使ってないな、なにかおもしろいデッキないかな」と思われている方には、ぜひ遊んでみてもらえればと思います。
それではまた、次回の記事でお会いしましょう!