『FINAL FANTASY TRADING CARD GAME』の公式記事連載。今回は「MASTERS2018」仙台大会で優勝されたKさんの記事をお届け。「土風」デッキを選ぶまでの過程と実戦レポートをお届けします。
◆ご挨拶
こんにちは、『FF-TCG』プレイヤーのKです。8月19日に宮城県のPARM-CITY 131にて開催された「MASTERS2018」仙台大会で優勝することができましたので、今回はそのレポートをお届けしようと思います。
最初に、今回使用したデッキについて解説し、その後大会の様子をお伝えしていきます。
今回もよろしくお願いいたします。
◆今回使用したデッキについて
以下が使用したデッキリストです。
デッキ名:No fire プレイヤー:Kurosawa
カードNo. | カード名 | 枚数 |
フォワード(20枚) | ||
1-109R | 《セラフィ》 | 1 |
5-068L | 《ヤ・シュトラ》 | 2 |
3-066R | 《バルバリシア》 | 2 |
4-085H | 《ダダルマー》 | 3 |
4-069H | 《モーグリ》 | 1 |
5-075L | 《ウォル》 | 3 |
6-044L | 《ジタン》 | 3 |
5-086L | 《セシル》 | 3 |
5-148H | 《カムラナート》 | 1 |
6-130L | 《ニーズヘッグ》 | 1 |
バックアップ(17枚) | ||
5-059R | 《セミ・ラフィーナ》 | 3 |
6-058R | 《モーグリ[XI]》 | 3 |
1-184H | 《カオス》 | 1 |
5-053R | 《エコー》 | 1 |
5-082C | 《採掘師》 | 2 |
6-064H | 《アジドマルジド》 | 1 |
5-091H | 《星の神子》 | 3 |
6-079L | 《ミンフィリア》 | 1 |
1-107L | 《シャントット》 | 1 |
4-086H | 《タマ》 | 1 |
召喚獣(10枚) | ||
3-071H | 《輪廻王カオス》 | 2 |
1-117R | 《ヘカトンケイル》 | 3 |
6-074C | 《サボテンダー》 | 2 |
5-062L | 《ディアボロス》 | 3 |
モンスター(3枚) | ||
4-058C | 《サボテンダー》 | 3 |
7月13日の「Opus VI」リリースから1ヶ月が経過し、「MASTERS2018」も 広島大会、横浜大会、徳島大会、金沢大会が開催されました。
これらのイベントの結果から、以下に名前を挙げた5つのデッキが環境の中心と考え、これらに対して有利に戦えるように意識しました。
私は大会の準備に際して、どんなデッキと対戦しそうかという事前予想からスタートすることが多いです。
そうすることで使用するデッキタイプの選択から細部の調整まで一貫性を持つことができるからです。
本大会に向けて、私が予想していたのは以下のような環境でした。
「MASTERS2018 仙台」環境事前予想
デッキタイプ | 割合(%) |
氷単 | 20 |
水単 | 20 |
風水 | 10 |
暁の血盟 | 10 |
土風 | 10 |
その他 | 30 |
「Opus V」発売後からいろいろと新カードを試しつつ、デッキ情報収集も行なっていたところ「2017 World Championship」にも出場していたJoshua Freeman-Birchさんのデッキリストを発見しました。
Joshua Freeman-Birch:Earth/Wind v8
カードNo. | カード名 | 枚数 |
フォワード(20枚) | ||
1-192S | 《シド・レインズ》 | 1 |
6-057L | 《マリア》 | 1 |
5-068L | 《ヤ・シュトラ》 | 1 |
3-056H | 《ジタン》 | 1 |
3-066R | 《バルバリシア》 | 2 |
4-085H | 《ダダルマー》 | 3 |
5-075L | 《ウォル》 | 2 |
6-044L | 《ジタン》 | 3 |
5-086L | 《セシル》 | 3 |
6-077R | 《ヒュー=ユルグ》 | 1 |
5-148H | 《カムラナート》 | 1 |
6-130L | 《ニーズヘッグ》 | 1 |
バックアップ(17枚) | ||
6-058R | 《モーグリ[XI]》 | 3 |
5-059R | 《セミ・ラフィーナ》 | 3 |
3-076R | 《仮面の女》 | 1 |
5-082C | 《採掘師》 | 2 |
6-064H | 《アジドマルジド》 | 1 |
5-091H | 《星の神子》 | 3 |
6-079L | 《ミンフィリア》 | 1 |
1-107L | 《シャントット》 | 1 |
4-086H | 《タマ》 | 1 |
1-184H | 《カオス》 | 1 |
召喚獣(10枚) | ||
2-049H | 《アスラ》 | 1 |
3-071H | 《輪廻王カオス》 | 3 |
1-117R | 《ヘカトンケイル》 | 3 |
5-062L | 《ディアボロス》 | 3 |
モンスター(3枚) | ||
4-058C | 《サボテンダー》 | 3 |
今回はこのデッキを参考にして、以前の私の記事の「メソッド2:既存のデッキを環境に合わせて調整する」方法でデッキを構築していますので、よければ合わせて読んでみてください。
最終的になぜこのデッキを手に取ろうと思ったのか。
それを説明するために、まずは「土風」というデッキタイプにフォーカスをあてて解説します。
「土風」というデッキは「Opus V」環境で開花したデッキです。そして、当時から「土風」には大きく分けてコントロール型とミッドレンジ型の2種類がありました。
この2種類の相違点は以下のようなデッキの勝ち筋です。
・ミッドレンジ型:フォワード同士の殴り合いで攻めきって勝利する
・コントロール型:除去等の妨害手段で相手の攻勢をさばききって勝利する
ミッドレンジ型が使用する【5-075L】《ウォル》はフォワード同士の殴り合いでは攻めにも守りにも活躍しますが、お互いに除去をくり返すような戦いになるとカード1枚分の価値しかありません。その一方で、コントロール型が使用する【5-019L】《フェニックス》はフォワードを除去しつつ【5-068L】《ヤ・シュトラ》等を復活させることでカード2枚分の働きをしてくれます。
この理由からリソース合戦になりがちな「土風」ミラーマッチにおいて「Opus V」環境ではコントロール型が有利でした。
しかし、今回使用したデッキはミッドレンジ型でした。これには2つの理由があります。
・「Opus V」環境ほど「土風」のミラーマッチが多くなく、様々なデッキと対戦する可能性があるため、コントロール型で受けきることが難しい
・【6-044L】《ジタン》を【5-075L】《ウォル》で強化する戦略により、不利な相手、想像していないデッキに対しても勝機がある
「土風」は、事前の予想で最大勢力と予想した「氷単」に有利なデッキです。それ以外の有力デッキである「水単」、「風水」や、「土風」のミラーマッチは相手の構築によって有利不利が変動します。
そこで、今回私が注目したのが【6-044L】《ジタン》でした。
彼によって能動的に相手の動きを崩していければ、自分の土俵に持ち込んで戦いやすくなります。今回のような様々なデッキが同じような割合でいると予想される環境では、ある程度「相手に対応を迫る要素」があるほうが、よい結果になりやすいです。
また、細かい調整のポイントとして、【6-126R】《レイラ》からの【4-133C】《バイキング》といった序盤のフォワードに対してのブロッカーを多めに用意しています。
【1-109R】《セラフィ》や【4-069H】《モーグリ》はパワー6000あるので、パーティアタックも止めることができます。中盤以降は【4-058C】《サボテンダー》と【4-085H】《ダダルマー》がそろうため、パワーの低いフォワードが問題になることはありませんが、それらがそろう前、序盤の受けるダメージを減らすという点を意識しました。
◆大会について
対戦の記録は以下のとおりです。
「MASTERS 2018」 仙台大会の戦績
ラウンド | 相手のデッキタイプ | 勝敗 |
1 | 火水パロムポロム | ○ |
2 | 水単フースーヤ | ○ |
3 | 土水ラムザ | ○ |
4 | 暁の血盟 | ○ |
5 | 水単 | ○ |
6 | 氷風チョコボ | × |
SF | 土水ラムザ | ○ |
F | 水単フースーヤ | ○×○ |
一日を通じてもっとも活躍したカードは【1-117R】《ヘカトンケイル》で、2回戦の【2-146H】《フースーヤ》や4回戦の【5-161S】《アリゼー》といった、相手のキーカードをブレイクすることで有利に進めることができました。
今回は【6-044L】《ジタン》とのシナジーを意識した【1-109R】《セラフィ》や【3-071H】《輪廻王カオス》といったカードも採用していました。
それぞれ単体では少し使いづらいため、リスクとリターン両面がある選択ではあったのですが、当日はよく機能してくれました。
「MASTERS」のような世界選手権につながる、優勝することの価値が大きいイベントではこういった振れ幅が大きい要素を仕込んでおくのも戦略の一つだと考えています。
また、この日は土属性を選択しているプレイヤーが多く、長期戦となっている対戦卓が多く見られました。公式サイトのレポートには以下のような記載があります。
「デッキ分布は「土風」の5名が一番人気で、その後は「氷単」「水単」と続く形に。2週前の『MASTERS 金沢』で氷単が優勝していたこともあり、氷単に強いとされている土風を持ち込んだプレイヤーがいたことが予想されます。」
蓋を開けてみれば、実はあまり対戦したくないと思っていた「土風」が20%超の最大勢力だったわけですが、一度も当たらなかったのは、【1-109R】《セラフィ》や【3-071H】《輪廻王カオス》が足を引っ張る展開がなかったことも合わせて、運がよかったのでしょう。
見かけたデッキタイプ自体はおおむね想定内でしたが、もう少し直近のイベント結果を考慮して割合を予想したほうがよかったです。
事前の環境予想はデッキの方向性を決めるための重要な要素なので、私の調整法ではおろそかにすることはできません。
優勝という結果を残すことはできましたが、この点は今後の反省として生かしていきたいと思います。
◆終わりに
「MASTERS2018」仙台大会で「MASTERS FINAL」の参加権利が獲得でき、目標としている「World Champion Ship」への道を一歩前進することができました。
実はこれまで2018年シーズンの「MASTERS」は岡山、京都、横浜と出場して、すべて午前中の3回戦で2敗して目なしという散々な戦績でした。この経緯から一時は心折れそうになっていましたが、なんとか結果を出すことができ一安心しています。
これは私の周りの『FF-TCG』コミュニティの皆さんのおかげで、着実にデッキ構築や練習といった準備ができたからだと考えています。皆さんに感謝です。
今回の記事では大会への参加にまつわる思考のプロセスにも触れましたが、こうした内容が少しでもお役に立てば幸いです。
それでは、また次回の記事でお会いしましょう、
よい『FF-TCG』ライフを!