『FINAL FANTASY TRADING CARD GAME』の公式記事連載。今週は「MASTERS2018」東京大会のチーム構築戦で優勝されたチーム「ミノミノ床GG」のみなさんへのインタビューをお届けします。
みなさん、こんにちは。カードゲーマー編集部の編集(川)です。
9月8日、9日の2日間にわたって東京、有楽町にて「MASTERS2018」東京大会が開催されました。
初日は作品単の個人戦、2日目はチーム構築戦で大会が行なわれ、10月に開かれる「MASTERS2018 FINAL」「MASTERS THE AFTER」の出場権をめぐっての熱い戦いが繰り広げられました。
ここでは2日目のチーム構築戦で見事優勝を果たした、チーム「ミノミノ床GG」のみなさんの優勝インタビューをお届けします。
◆「MASTERS2017」東京大会の悔しさをバネに
――優勝おめでとうございます。
3人:ありがとうございます。
――チーム「ミノミノ床GG」はどういうつながりで組まれたチームなのでしょうか。
カタヒラ:普段から遊んでる仲間ですね。『FF-TCG』に限らず、いろいろなゲームで遊んでいます。
ポ:昨年の「MASTERS2017」東京大会にもまったく同じメンバーで出場しました。
リバップ:でも、去年は予選ラウンドで負けてしまって、それが結構悔しくて「来年もチーム戦があったら組んで出よう」という話をしていたら、今年もチーム戦があって。
――では、今年は見事優勝されたということで、去年のリベンジが成ったわけですね。
カタヒラ:そうですね。特に去年は予選で閣下さんのチームと当たって負けてしまっていたので、今回は決勝戦で勝ててよかったです。
リバップ:ただ、正直優勝できるとは思っていなかったですね。上位に残って「MASTERS THE AFTER」の出場権がもらえればいいな、くらいの気持ちでした。
カタヒラ:今シーズンでは、僕がたまたま抜け駆けするようなかたちで「MASTERS2018」大宮大会で優勝してしまったので、今回みんなで「MASTERS FINAL」の権利を持ててよかったという思いです。
――チーム内の絆の強さを感じられますね。ちなみに、各メンバーの座る順番などはどう決められましたか。カタヒラさんがリーダーということでしょうか?
カタヒラ:僕がEXバーストをめくられて頭を抱えるのを2人が見たいというので、僕が真ん中になっています(笑)。
ポ:あれはエンターテイメントだからね。去年も大事な場面で【1-124R】《オーディン》をめくられて(笑)。
リバップ:カタヒラがEXバーストめくったときは何も思わないけど、めくられて「うわあぁー!」ってなっているのを見ると楽しくなっちゃって、2人で「キャッキャッ」って手を叩いて笑ってます(笑)。
◆「何を倒すか」を明確に意識したデッキ選択とカード調整
――デッキ選択について、お話しをうかがいたいと思います。今回はどういうデッキの組み合わせを選択されましたか?
カタヒラ:水雷(リバップ)、氷単(カタヒラ)、土風(ポ)ですね。
――それらのデッキを選択した理由はなんでしょうか。
ポ:デッキ選択では、まず「土風」は使おうという話になりました。大きく不利がつくデッキがなく、どんなデッキとも戦えるパワーがあるからです。
カタヒラ:それからそれに準じた強さを持ち、またほかのデッキとのカード被りがあまり気にならない「氷単」が候補になり、そして残った属性のなかでベストだと思われたのが「水雷」だったので、最終的にこの3デッキになりました。
――火属性のデッキは検討しませんでしたか。
カタヒラ:もちろんしました。しかし、火属性の特徴といえばダメージによる除去ですが、これは今、ほかの属性でもできてしまうんです。少し雑な物言いになりますが、僕たちは【4-038L】《セリス》のことを「プチザンデ(【2-007L】《始皇帝ザンデ》、)」と呼んでいます。この2枚はフィールドに与えるインパクトが結構近いんです。
リバップ:【2-007L】《始皇帝ザンデ》は火属性を使うなら採用されるであろうカードですが、しかしそれは火属性でなければ実現できない優位性ではないんです。そうなるとほかにも手札破壊やダル、凍結といったアビリティがある氷属性の方が有利ですよね。そういった検討を重ねていって、今回は最終的に火属性を使わないことになりました。
カタヒラ:やっていることやデッキの狙いには通じる部分がありますから、デッキは「氷単」でも心は「火単」のつもりです(笑)。
――土、氷、水の3属性をベースにした構成は、本日出場した多くのチームが採用していたと思います。そのなかで勝つために工夫した点などはありますか。
カタヒラ:認識としてはまず「土風」がトップで、これは先ほどお話ししたように非常にスキの少ないデッキです。なので、これを過度に意識することはやめました。そうするとどんどんデッキがゆがんでいってしまいます。
ポ:代わりに「氷単」には勝てる構成にしようと決めました。いまの環境で3つデッキを組むことになったら、氷属性を使わないチームはあまりいないと思ったので。今回の僕たちのデッキはどれも氷属性を強く意識したものになっています。
――それぞれのデッキで氷属性を意識して採用されたカードを教えていただけますか。
カタヒラ:「土風」はもともと氷属性には有利なデッキなのでそれ以外の2つのデッキについてということになりますが、まず僕の「氷単」には【1-039C】《シヴァ》を3枚投入しています。氷属性のデッキにはブレイブを持つカードがないので、ダル状態のフォワードしか選べないことはほぼデメリットにならず、効率のいい除去になります。
ポ:【1-192S】《シド・レインズ》や【4-038L】《セリス》などと組み合わせて大型フォワードを除去するのも簡単です。「氷単」には複数の《シヴァ》を組み合わせて投入することが多いですが、今回はよく使われている【3-032R】《シヴァ》を採用せず、すべてEXバーストを持つ【1-039C】《シヴァ》、【4-033C】《シヴァ》、【1-038R】《シヴァ》にしてブロッカーを排除しての攻め合いを制することを狙いました。また【1-038R】《シヴァ》とのシナジーと、アビリティへの耐性を持つことから【1-043H】《スノウ》も投入しています。
リバップ:もう1つのデッキである「水雷」には【5-128R】《クレーディ》を採用しています。
彼女でアクティブにできるのは【ジョブ(騎士)】か【ジョブ(王子)】のフォワードだけですが【2-130C】《占星術師》と違ってアビリティを使うのにCPがかかりません。【4-129L】《スタイナー》や【5-118L】《ラムザ》といった主力フォワードはみんな【ジョブ(騎士)】なので、このデッキには【5-128R】《クレーディ》がよく合っていました。
――たしかに氷を意識していたということが採用しているカードの端々から感じられます。リバップさんのデッキは雷属性を採用し、かつ【5-118L】《ラムザ》や【5-126L】《暗闇の雲》が入っているのに展開力にすぐれる【2-097H】《アルシド》が入っていないのが意外に思えます。
リバップ:このデッキではフォワードを展開する役目を【6-126R】《レイラ》と【4-133C】《バイキング》に任せています。【5-126L】《暗闇の雲》や【5-118L】《ラムザ》でブロッカーを排除できるなら、頭数要員となるフォワードのパワーはあまり気になりません。どのフォワードでもアタックが通れば1ダメージですからね。
――フィールドにいてもらうことが大事ということですね。確かに【6-126R】《レイラ》や【4-133C】《バイキング》は相手からすると除去したくはないでしょうし、パワーの低いフォワードであることが奏功する場面もありそうです。
リバップ:手札をあまり減らさずに展開ができて、さらにドローもできるので、そこから【5-099H】《イルーア》、そして「シェイオル」で一気にダメージを与えるということもしばしばあります。そういった諸々の相性から今回は【2-097H】《アルシド》ではなく【6-126R】《レイラ》を採用しました。
◆ネットを見て感じる海外『FF-TCG』コミュニティの成熟
――氷属性対策を施して今回見事優勝という結果を収められましたが、これらのアイデアはすべてチーム内の調整の過程で生まれたものなのでしょうか。
カタヒラ:いや、海外のデッキを参考にした部分も多いです。「水雷」なども海外のプレイヤーが使っているデッキがあって、パッと見では「そんなにうまくいくのか?」と思ったのですが、使ってみるとちゃんと回るんですね。
ポ:「Opus V」環境の中期に現れて、そこからずっと活躍している「土風」も海外でデッキが確立しましたよね。もう少し昔の話で言えば「氷風チョコボ」なども海外で使われて「なんだこのデッキは!?」と皆が思ったはずですが、あれもちゃんと強いデッキでした。
リバップ:海外製のデッキはプレイヤーの想像を超えてくるところがあります。僕たちは普段、ほかのゲームを遊んでいることもあって、大会が近くなってからデッキを探すのですが、そこで海外のデッキを回すと「すごいな」といつも驚かされます。
カタヒラ:今日、僕の「氷単」は「Opus V」環境からあった中速のタイプですが【5-034C】《ゲスパー》を使って手札破壊に特化したものを使っている人も結構いました。これも海外発祥のデッキなので、本当にいまの日本の『FF-TCG』は海外コミュニティの影響を色濃く受けていると感じます。
――どのくらいから海外コミュニティの存在を意識するようになりましたか。
ポ:やはり「Opus V」環境の「土風」からですね。「氷風チョコボ」などは、アイデアの勝利という印象でしたが「土風」に関しては、日本のプレイヤーも「こういうデッキは強そうだ」というところまではいっていたと思います。しかしベストな形を完成させられませんでした。それをあの完成形を提示されて、日本でもすごく流行したわけです。
◆「MASTERS2018 FINAL」「MASTERS2018 THE AFTER」への意気込み
――では最後になりますが、今後の「MASTERS2018 FINAL」や「MASTERS2018 THE AFTER」に向けた意気込みをお話しください。
カタヒラ:個人的には構築戦よりもシールド戦やドラフト戦が好きなので、どちらかというと「MASTERS2018 THE AFTER」に照準を合わせているところはあります。【6-130L】《ニーズヘッグ》の入ったブースターパックが引けるように今からお祈りしておきます(笑)。
ポ:僕はどっちもがんばりたいです。「MASTERS2018 THE AFTER」では【6-130L】《ニーズヘッグ》なんて贅沢は言わないので「Opus V」のブースターパックから【5-075L】《ウォル》と【5-145L】《ヴァン》が出てくれるくらいでいいです(笑)。
リバップ:僕はシールド戦やドラフト戦はサッパリなので「MASTERS FINAL」で構築戦をがんばりたいです。シールド戦やドラフト戦では豆腐(のようにもろいデッキ)ばっかり作っているので……。僕たちのコミュニティには去年「MASTERS2017 THE AFTER」で優勝したサワダさんがいるので、いろいろ教えてもらいたいです。とりあえず【6-130L】《ニーズヘッグ》と【6-041L】《リノア》の入ったブースターパックでシールド戦をさせてください(笑)。
――皆さん強欲ですね(笑)。今日はありがとうございました!
◆終わりに
「MASTERS2018」東京大会優勝のチーム「ミノミノ床GG」のインタビューをお届けしました。
チームの全員が非常にほがらかで、インタビューをしている私もつられて笑ってしまう場面も多く、本当にコミュニティ全体でゲームを、そして『FF-TCG』を楽しんでいるんだなと強く感じました。
これからも『FF-TCG』ではチーム戦の大会が開かれると思いますが、そのときはまたこの3人のチームに注目ですね。
来週はこの「MASTERS 2018」東京大会の初日、作品単フォーマットで優勝されたてるてるさんのインタビューをお届けします。
それでは、また次回の記事でお会いしましょう!