『FINAL FANTASY TRADING CARD GAME』の公式記事連載。今回は「MASTERS2018」地方大会の最後を締めくくる名古屋大会で優勝されたviceさん、しらたまさんへのインタビューを2本立てでお届けします。
◆はじめに
こんにちは!『FF-TCG』プレイヤーのたるほです。
先日開催されました「MASTERS2018」名古屋大会に参加してきました。
「MASTERS2018」名古屋大会は「通常構築戦」「作品単」の2フォーマットで開催され、「MASTERS2018 FINAL」の権利をかけた戦いが行われました。
僕は残念ながら2日とも予選を抜けられず悔しい思いをしましたが、地元名古屋・岐阜の方が優勝し、東海のプレイヤーが底力を見せつけてくれました。
ここでは「MASTERS2018」名古屋大会day1の「作品単」フォーマット優勝のviceさんと、day2構築戦フォーマット優勝のしらたまさんにそれぞれインタビューをしてお話をうかがってきたので、それらを2本立てでみなさんにお届けしたいと思います。
それではさっそく始めていきましょう。
まずは作品単フォーマットで優勝されたviceさんのインタビューからです!
◆名古屋勢の愛されキャラ、viceさんへインタビュー!
名古屋のプレイヤーで、氷属性への愛にあふれる「氷単」使い。
生粋の『FF』ファンで、『FF-TCG』は「Chapter」時代から続けている。
今回は自身初めての大舞台での優勝を名古屋で決め、「MASTERS2018 FINAL」へと駒を進めた。
――優勝おめでとうございます。
vice:ありがとうございます。
――SNSなどのイメージからviceさんといえば氷属性のデッキを使っているイメージがありました。今回も氷属性が多い作品を使っているのかなと思っていましたが、「XIV単」を使っての優勝となりましたね。
vice:僕が氷属性を好きな理由として《スコール》というキャラクターが好きだという点があります。そのため、はじめは氷属性を中心に「VIII単」や「XIII単」などを組もうと思っていたんですが、どうしてもデッキパワーの面で「XIV単」に勝ち越せるイメージがわかず、これらのデッキに命運を託すことはできないなと判断しました。『FINAL FANTASY VIII』に限らず『FF』シリーズは好きな作品が多く、『FINAL FANATSY XIV』は未プレイだったのですが『FINAL FANTSY Record Keeper』で《ヤ・シュトラ》にお世話になっていたので、作品単に限って言えば氷属性に限定しなくても「好きなキャラクターを使いたい」という根幹からは外れないんじゃないかなと思って「XIV単」を使うことにしました。
――どの属性であっても、好きなキャラクターをまず使うというのがコンセプトだったわけですね。先日の「MASTERS2018」東京大会でも「XIV」単は優勝していますが、viceさんの考えるこのデッキは強みはなんでしょうか。
vice:「XIV単」は「Opus VI」から【6-079L】《ミンフィリア》と【6-071L】《クルル[XIV]》という2種類のバックアップが登場したことで、バックアップに4枚以上【ジョブ(暁の血盟)】のキャラクターが置きやすくなり、【5-158S】《イダ》の最大パワーが向上したことが非常に魅力的でした。特に【6-079L】《ミンフィリア》は一度除去されたりコストにしたフォワードを再利用できるため、デッキ全体が長期戦に強くなります。また、作品単というフォーマットでは相手のフォワードを除去する手段をどう確保するのかがやはり重要になるのですが、「XIV単」には強力な除去がいくつもあるのが魅力で、もともといた【5-158S】《イダ》に加え、【6-083H】《ヤ・シュトラ》の登場で攻撃しながら除去ができるというのがほかの作品にはない強みでした。カテゴリを通じて召喚獣がないことがデメリットではなく、逆に除去能力を持ったキャラクターがたくさんいるというメリットになっている印象です。
●「MASTERS2018」名古屋大会優勝:『FFXIV』単
カードNo. | カード名 | 枚数 |
フォワード(26枚) | ||
【1-084H】 | 《ヤ・シュトラ》 | 2 |
【5-068L】 | 《ヤ・シュトラ》 | 3 |
【5-158S】 | 《イダ》 | 3 |
【5-159S】 | 《パパリモ》 | 3 |
【6-083H】 | 《ヤ・シュトラ》 | 3 |
【4-096H】 | 《ラウバーン》 | 3 |
【5-107H】 | 《サンクレッド》 | 3 |
【2-098L】 | 《異才のアモン》 | 2 |
【6-088L】 | 《エスティニアン》 | 3 |
【6-130L】 | 《ニーズヘッグ》 | 1 |
バックアップ(24枚) | ||
【6-071H】 | 《クルル[ⅩⅣ]》 | 3 |
【2-093H】 | 《ラウバーン》 | 3 |
【5-160S】 | 《ミンフィリア》 | 3 |
【6-079L】 | 《ミンフィリア》 | 3 |
【5-162S】 | 《アルフィノ》 | 3 |
【5-120C】 | 《ルイゾワ》 | 3 |
【5-161S】 | 《アリゼー》 | 3 |
【6-108R】 | 《イシュガルド教皇》 | 3 |
――今回、デッキを構築するにあたって意識されたのはどんなところでしょうか?
vice:先ほど言ったように「Opus VI」で『FFXIV』単がもっとも強化された点は、バックアップの【ジョブ(暁の血盟)】が増え【5-158S】《イダ》のアビリティが活用しやすくなったことなので、バックアップの【ジョブ(暁の血盟)】は必ず4枚以上は置きたいと思っていて、そのためにそれ以外のバックアップの枠は気を使って採用しました。
――たしかに召喚獣やモンスターがない【カテゴリ(XIV)】では、バックアップを多く採用しなくてはならない制約がありますね。「MASTERS2018」東京大会優勝のてるてるさんもバックアップ30枚という構成でした。
vice:【ジョブ(暁の血盟)】ではないバックアップで候補になったのが、【5-161S】《アリゼー》【5-162S】《アルフィノ》をサーチできる【5-120C】《ルイゾワ》、EXバーストが強力な【2-055H】《カヌ・エ・センナ》と【2-093H】《ラウバーン》、万能サーチの【6-108R】《イシュガルド教皇》、フォワードを使いまわせる【5-082C】《採掘師》でした。
――【5-082C】《採掘師》は後半はフォワードにも変換できますし、先ほどの【6-079L】《ミンフィリア》のような使い勝手のよさがあるカードだと思いますが、採用されていませんね。
vice:【5-082C】《採掘師》はたしかに便利なのですが、まず一度出して、次のターン以降にまたコストを払って回収して……というのがテンポ的にイマイチで、それであれば最初からフォワードの枚数を増やしたほうがいいと判断しました。特にゲーム終盤はバックアップが5枚出てしまっていることも多く、もう【5-082C】《採掘師》をフィールドに出せないという状況もめずらしくありません。それでフォワードが足りなくなって負けてしまう、そういう敗因にもなりえるカードでもあったので通常の構築戦とは少し使い勝手が異なるという印象でした。
――「XIV単」ではよく採用されている【2-055H】《カヌ・エ・センナ》も、大型フォワードを除去できる強力カードという印象がありますがこのデッキには入っていません。
vice:【2-055H】《カヌ・エ・センナ》は、多くの「XIV単」デッキの使用者が採用していて、確かに強力なカードではあるのですが、やはりバックアップに4枚以上は【ジョブ(暁の血盟)】を置きたいというのがまずあって、残り1枠を【2-055H】《カヌ・エ・センナ》か【6-108R】《イシュガルド教皇》か【2-093H】《ラウバーン》か【5-120C】《ルイゾワ》から選んで置かなければならないんですが、これらをすべて採用してしまうとプレイできないバックアップが過剰になってしまうのが気になりました。
Vice:それなら強力なフォワードを採用した方がデッキが強くなるのではないかということで、フィニッシャーとなる【6-088L】《エスティニアン》を3枚フル投入しました。他のプレイヤーの方を見ると【6-088L】《エスティニアン》は1~2枚の構築が多かったのですが、僕が使った限りでは何枚でも欲しいカードでした。この【6-088L】《エスティニアン》3枚投入は、このデッキの特徴的な要素になったかと思います。ただ【5-158S】《イダ》との相性の面から、フォワードをダルにできる【2-098L】《異才のアモン》を3枚にすべきだったかなという思いもあり、調整しきれなかったという反省もありますね。
――【4-096H】《ラウバーン》は作品単ではフィールドに残すことは難しいカードだと思うのですが、純粋に除去としての採用だったんでしょうか?
vice:今大会では、「MASTERS2018」東京大会で優勝したことから「XIV単」が非常に多いと考えていて、相手側に【5-068L】《ヤ・シュトラ》がいる状況が多いと予想していました。そのときに【4-096H】《ラウバーン》は
・【4-096H】《ラウバーン》のオートアビリティによる除去を許すか
・【5-068L】《ヤ・シュトラ》を失いつつ、【4-096H】《ラウバーン》をフィールドに残すか
という選択を迫れるのが非常に優秀だと感じました。ただ、僕が思っていたよりも「IV単」「XII単」が多く、除去としては【5-158S】《イダ》と【6-083H】《ヤ・シュトラ》だけで足りていたなという思いです。
――強力なフォワードという点では【6-130L】《ニーズヘッグ》も採用されていますが、枚数は1枚に抑えられていますね。
vice:最初は2枚で回していたんですが、いま言ったように除去が多いデッキなので【6-130L】《ニーズヘッグ》以外にも困難な盤面への解決策は豊富にあります。そのため手札であぶれてしまうリスクを避けてお守りのような扱いで1枚採用にとどまりました。準決勝でソエさんと対戦したときに、彼の【5-107H】《サンクレッド》がヘイストですぐにアタックしてくる展開をこのカードが止めてくれたので十分に仕事をしてくれたかなと思います。
――先ほど「XII単」が予想外に多かったとおっしゃっていましたが、環境予想ではあまり想定されなかったんですね。
vice:恥ずかしながら、作品単フォーマットについてはあまりしっかりと情報収集をしていなくて、これまでの大会の結果もこまかくチェックはしていなかったので「使えるカードはたくさんあるけどそこまで強くはないだろう」と見くびっていた部分はあります。しかし、大会中に対戦して痛い目を見ました(笑)。今回はデッキが僕の甘さを補ってくれる強さがあったために優勝できたなと思っています。
◆憧れの海外勢との『FF-TCG』交流へ、viceさんの想いを聞いた
――『FF』シリーズはほとんどやっているとのことでしたが、やっぱり『FINAL FANTASY VIII』がお気に入りなのでしょうか。
vice:実は初めから大好きだったというわけではないんです。『FFVIII』ってそれまでの「FFらしさ」とは少し違いましたよね。はじめてプレイしたころは《スコール》のことも「こいつ、スカしてるな」と思っていたんです(笑)。でも20代になってからあらためてプレイしたら彼の悩みもわかる自分がいて、今は大好きな作品の1つになりました。
――何度もプレイすることでキャラクターの魅力に気付くのも『FF』シリーズの楽しさの一つですね。
vice:他のタイトルも好きなので、今後も作品単は遊びたいなと思いました。せっかくなら全部のタイトルで作品単を組むのも楽しそうです。
――いいですね。普段はあまり作品単では遊んでいないのですか?
vice:そうです。普段は「氷単」でどこまで遊べるかっていうのが『FF-TCG』のモチベーションになっていて、新しいブースターパックが発売されるといつもカートンで買ってるんですが、プレミアムカードや使わないLカードはよく遊んでいるメンバーと氷属性のプレミアムカードのトレードでシェアしたりしています。
――いつもはどの地域で『FF-TCG』をプレイされているのでしょうか。
vice:名古屋を拠点に遊んでいて、アドバンテージ大須二号店さんに集まることが多いですね。あとは東海地域の『FF-TCG』プレイヤーのLINEグループがあるのでそこの人たちとプレイすることもあります。
――大会の調整などもそのメンバーで、ということでしょうか。
vice:実は、これまであまり大会を視野に入れて調整するということをしていなくて、それぞれ自分が楽しいように遊ぶというスタイルのプレイヤーが多いです。今回、僕たちのグループは「XIV単」を使った人が多かったのですが、みんな『FFXIV』が好きな人でしたし、今日になるまでみんなが何を使うか、細かくは知りませんでした。そういう点では、個人的に珍しく「MASTERS2018」名古屋大会は勝ちたいという目標のもとデッキを取捨選択して大会に臨んだので、自分の意識に結果がともなったのはとてもうれしいです。普段は勝ったり負けたりで、サンドバッグなんていじられたりもしているんですが、これでもう誰にもサンドバックとは言わせません(笑)。
――チャンピオンにサンドバッグはおそれ多いですね(笑)。では最後に「MASTERS2018 FINAL」に向けて目標や意気込みを教えてください。
vice:実は「Chapter」シリーズのころから海外で『FF-TCG』を翻訳して遊んでる方たちがいて、そういった方たちとSNSで繋がりがあったんですが、「Opus」に入って色んな国の人が『FF-TCG』で遊べるようになり、その時知り合った方たちもいま『FF-TCG』をやっているようなので、「世界選手権」に出場して海外のプレイヤーと対戦したいなというのが目標です。がんばります!
――素敵な目標ですね! 応援しています!
――――――――――
◆少数精鋭、岐阜勢のしらたまさんへインタビュー!
岐阜のプレイヤーで、『FF』好きな友人のススメで『FF-TCG』を楽しむ地域密着型のプレイヤー。
「Chapter」以来久々の優勝で地元ショップに優勝トロフィーを持って凱旋した。
「MASTERS FINAL」でも地元にトロフィーを持ち帰るべく優勝を狙っている。
――優勝おめでとうございます。
しらたま:ありがとうございます。地元の名古屋で勝つことがでいたのはうれしいです。
――今回「土風」を使っての優勝でしたが、このデッキを選択した経緯からお話しいただけますか。
しらたま:「土風」を選んだ一番の理由は「受けの広さ」です。現在の『FF-TCG』の環境は「氷単」をはじめとする高速~中速のデッキや、「水単」のようなアドバンテージに特化した低速のデッキ、「水風」のように同じ属性の組み合わせでもプレイヤーごとに特徴が異なるデッキなど、実にさまざまなタイプのデッキが存在していて、攻め手の多様さというのが1つのポイントになっている環境だと思います。大会を通してさまざまなデッキと当たるなかでどのデッキにも有利な相手、不利な相手がいると思うのですが「土風」は豊富なサーチとブレイクゾーンからの回収手段があるため、必要に応じて相手のデッキに効果的なカードで対応していくことができます。
●「MASTERS2018」名古屋大会優勝:「土風」
カードNo. | カード名 | 枚数 |
フォワード(20枚) | ||
【5-068L】 | 《ヤ・シュトラ》 | 2 |
【6-044L】 | 《ジタン》 | 3 |
【3-066R】 | 《バルバリシア》 | 2 |
【1-108H】 | 《セシル》 | 1 |
【5-083C】 | 《PSICOM治安兵》 | 1 |
【4-085H】 | 《ダダルマー》 | 3 |
【5-075L】 | 《ウォル》 | 3 |
【5-086L】 | 《セシル》 | 3 |
【2-147L】 | 《皇帝》 | 1 |
【5-148H】 | 《カムラナート》 | 1 |
バックアップ(19枚) | ||
【5-059R】 | 《セミ・ラフィーナ》 | 3 |
【6-058R】 | 《モーグリ[XI]》 | 3 |
【6-047C】 | 《白魔道士》 | 1 |
【5-053R】 | 《エコー》 | 1 |
【5-082C】 | 《採掘師》 | 3 |
【5-091H】 | 《星の神子》 | 3 |
【6-064H】 | 《アジドマルジド》 | 1 |
【6-079L】 | 《ミンフィリア》 | 1 |
【1-107L】 | 《シャントット》 | 1 |
【4-086H】 | 《タマ》 | 1 |
【1-184H】 | 《カオス》 | 1 |
召喚獣(8枚) | ||
【5-062L】 | 《ディアボロス》 | 3 |
【4-093R】 | 《ヘカトンケイル》 | 3 |
【1-117R】 | 《ヘカトンケイル》 | 2 |
モンスター(3枚) | ||
【4-058C】 | 《サボテンダー》 | 3 |
しらたま:もともと氷属性を使った中速のデッキがオールラウンダーな印象があって好きなのですが、今流行っている「氷単」はデッキがかなり前のめりで、少し自分の好みに合っていないこともあって、同じくオールラウンダーな「土風」をチョイスしました。
――混沌とした環境だからこそ、さまざまなデッキに対応できるできるデッキに目を向けたわけですね。
しらたま:はい。合わせて【6-044L】《ジタン》を使いたかったというのが2つ目の理由になります。「土風」はご存知のとおり「Opus V」環境から活躍しているデッキでしたが、ほかのデッキに比べてフォワードのコストが重く、こちらから先に攻めようとすると逆にフォワードを処理されて追い込まれてしまうという弱点がありました。しかし「Opus VI」で除去される心配の少ない【6-044L】《ジタン》が登場したことで攻撃的なゲームプランが取れるようになり、「土風」の戦術がさらに広まったと考えています。
――「土風」という色の性質上、水属性のように相手のフォワードを手札に戻す手段があるわけではないので【6-044L】《ジタン》のアビリティを完全に活かせるわけではなかったかと思いますが、その点は気になりませんでしたか。
しらたま:【6-044L】《ジタン》はフィールドにいるだけで影響力が大きく、相手にブロッカーを2体用意させるなど、大きなアクションを要求できるカードです。そのためフィールドに出たときのオートアビリティを持っているわけではありませんが、出すだけである程度仕事をしていると考えられます。また相手の手札を見たうえで次のプランを立てられるようになるので情報面でのアドバンテージも大きく、手札については運よく捨てられればいいかなくらいで運用していました。
――対応力の高いデッキだからこそ、情報面でのアドバンテージが重要だったわけですね。個人的には【1-108H】《セシル》と【5-086L】《セシル》の併用もこのデッキのポイントに思えます。この狙いはなんでしょうか。
しらたま:【1-108H】《セシル》はブロックできなくても相手のフォワードを減らせるカードで、対「氷単」を意識して採用しました。【5-086L】《セシル》は対「氷単」では手札破壊を受けたあとではコストが払えずフィールドに出すことがあまりないため「氷単」には【1-108H】《セシル》、それ以外のデッキには【5-086L】《セシル》というように使いわけていました。特に今の「氷単」は手札破壊に特化しているぶんフォワードのパワーが低く、除去も少ないためこのカード1枚で完封できるゲームも少なくなかったです。実際、決勝トーナメントはすべて氷属性絡みのデッキとの対戦でしたし、1日通して活躍してくれたカードの1枚です。
――「土風」といえば、【5-148H】《カムラナート》とセットで採用される闇属性のカードのチョイスも個性の出るところですが、【2-147L】《皇帝》を選ばれたのはどういった理由からでしょうか。
しらたま:最近の「土風」では「氷単」に強い【4-148L】《闇の王》が採用されるのをよく見ますが、私のデッキでは「氷単」対策として【1-108H】《セシル》が入っているので、このスロットは「土風」との同型対決を意識して【2-147L】《皇帝》を採用しました。先ほどの【6-044L】《ジタン》や、【4-085H】《ダダルマー》【5-075L】《ウォル》など除去の優先度が高いカードが多く、それらと同時にプレイすることで【2-147L】《皇帝》が生き残りやすく、最終的に【5-082C】《採掘師》などによる立て直しのプランを封じることでアドバンテージ差で勝利するという試合運びができるのが強力でした。予選ラウンドでの「土風」対決では彼が除去されず生き残り、終盤のフォワード回収や【4-085H】《ダダルマー》【4-058C】《サボテンダー》のコンボを封じたことで勝つことができたので、こちらも想定通りの活躍をしてくれました。
――1枚採用のカードには「どの相手に対して使うか」という明確な役割を持たせて大会に臨み、それが功を奏したということですね。
しらたま:はい。ただ【5-083C】《PSICOM治安兵》は活躍の機会が少なかったので、別のカードでもよかったかなと感じました。また水属性のデッキとあまり当たらなかったのはラッキーでした。予選ラウンドでは1位抜けされたMiQさんに負けてしまいました。「土風」はこちらが出すフォワードよりもコストの軽い召喚獣で除去してくるデッキを苦手とするので、もし同じ環境で大会に出場するならもう少し水属性のデッキを意識したカードを増やすと思います。
◆岐阜のプレイヤーを代表する気持ちで戦い続けるしらたまさんの目標は?
――しらたまさんが『FF-TCG』を始めたきっかけなどをお話しいただけますか。
しらたま:もともと僕自身はあまり『FF』シリーズはプレイしていなくて、『FINAL FANTASY X』と『FINAL FANTASY XII』くらいしか遊んだことがなかっのんですが、当時から『FF』シリーズのファンだった友人に誘われて「Chapter III」のころに遊び始めました。
――岐阜県は店舗大会などが少ない地域な印象がありますが、しらたまさんは普段どちらでプレイされてるのですか。
しらたま:今は友人と自宅や近くのショップのフリースペースで遊んでいます。ただ岐阜ではショップ大会がないので、大会に出るときは名古屋の方へ行ったりします。もともと「Chapter」のころはフェイズ大垣店さんで遊んでいたんですが、残念ながら現在は無くなってしまったので。
――遊んでいたショップが無くなるのはとても寂しいですよね。ショップがないと『FF-TCG』を入手するのも一苦労ではないでしょうか?
しらたま:今は発売時期になるとフェイズ岐阜店さんにボックスをお願いして入手しています。友人も結構『FF-TCG』から離れてしまったので、孤軍奮闘でがんばっている感じですね。
――そんな中で「MASTERS2018」名古屋大会での優勝は、喜びもひとしおだと思います。
しらたま:前回優勝したのが「Chapter」時代の京都でのチーム戦だったので、今回地元名古屋でかけたのは本当に嬉しかったです。
――自分のホームでの優勝は本当にテンションが上がりますよね。「MASTERS2018 FINAL」へ向けての意気込みなどあればお聞きしたいです。
しらたま:いつもお世話になっているフェイズ岐阜店さんに優勝盾を持ち帰ることができたので、「MASTERS2018 FINAL」でもトロフィーを持ち帰ってフェイズ岐阜店さんに飾れるように頑張りたいです。いつも大舞台では準備不足になってしまうことが多いですが、しっかり準備して全国の強豪プレイヤーと渡りあえるようにしたいと思います。
――ありがとうございます。ぜひがんばってください!
「MASTERS2018」名古屋大会のday1、day2でそれぞれ優勝したお2方へのインタビューをお送りしました。
2人とも地元愛が強く、名古屋チャンピオンになったことをうれしく思っているというのがお話の随所から感じられ、話を聞いているこちらまで2人が優勝したことがうれしくなってしまうようなインタビューでした。
ついに残す「MASTERS2018」も「MASTERS2018 FINAL」「MASTERS2018 THE AFTER」のみとなりました。
残念ながら、本シーズンは最後まで「MASTERS2018 FINAL」の出場権を獲得することはできませんでしたが、今回こちらのコラムを通してインタビューさせていただいたみなさんの応援に会場へ観戦しに行こうと思っています。
また、僕自身も「MASTERS2018 THE AFTER」の参加権を獲得しているので、シールド戦とブースタードラフトの準備をしっかりとして「世界選手権」出場を目指してがんばりたいと思います。
それではまた、次回の記事でお会いしましょう!