『Shadowverse』の記事連載。今週から何度かにわたって「十禍絶傑」の加わった2Pick環境の考察記事をお届けします。2Pick好きプレイヤーの皆さんの参考になれば幸いです。
皆さん、こんにちは。
カードゲーマー編集部の『Shadowverse』担当、編集(川)です。
この記事が掲載されるときは「OOT アンリミテッド杯」や「Shadowverse World Grand Prix 2018 JCGオンライン予選」で盛り上がっているのではないでしょうか。そんな流れに逆行するようですが、今回からQ&Bさんやねこばたけさん、白悠咲美さんのコラムの合間にカードゲーマー本誌で連載中の2Pickを研究するコラム「2Pick最強への道」の出張版をお届けしていきたいと思います。
各クラスごとに注目のカードなどを紹介しつつ、どういう闘い方をするクラスなのかを解説していくので、皆さんが2Pickを遊ぶうえでの参考にしていただければうれしいです。
◆現在の2Pickの環境
まず現環境の2Pickにおける各クラスの強さですが、大まかにわけるとこのようになります(編集部調べ)。
オススメ度 高:ロイヤル、ネメシス、ビショップ
オススメ度 中:ネクロマンサー、ドラゴン
オススメ度 低:エルフ、ウィッチ、ヴァンパイア
このランキングは「ゴールドレア、レジェンドおよび一部の強力なシルバーレアに左右されないでどのくらい強いデッキが組めるか」という観点での評価になります。
恐らくウィッチなどはカードに恵まれたときはネクロマンサーやドラゴンよりも強力なデッキが組めるのですが、運に左右される側面が多いためこの位置づけとなりました。
こちらのランキングを念頭において各クラスの解説をお読みいただければと思います。
第1回となる今回は現環境最強と目されるロイヤルについて解説していきます。
◆優秀なフォロワーと脇を固めるスペルにより死角なし!
エンハンスの登場以来、フォロワーの性能に優れるクラスでしたが、ここ最近はスペル(特に除去)があまり強くないという悩みがありました。
しかし「十禍絶傑」で《簒奪の従者》をはじめとする「簒奪」の名を持つフォロワーたちが使いやすい財宝スペルを供給してくれるようになり、また非常に強力な除去である《簒奪の蛇剣》を手に入れました。
また2Pickでは《月と太陽》や《プライムアーティファクト》のような無限のリソースに対抗できるか否かということが各クラスを評価する1つのポイントとなりますが《簒奪の絶傑・オクトリス》はこの要件を満たしており、《魔導狙撃士・ワルツ》に続くやっかいなフォロワーへの対策カードとして活躍してくれます。
仮にラストワードを奪う能力を活用できずとも3/2/3のスタッツ、進化時のアドバンテージ、EPなしで進化できるようになるエンハンスなど、全方位にスキのないレジェンドです。
これらのカードがもたらす《黄金の小剣》などの財宝スペルはどれも使いどころがあります。除去である《黄金の小剣》、突進付与の《黄金の靴》、サイズアップの《黄金の首飾り》はもちろん、《黄金の杯》の回復も現環境では《飢餓の使徒》によって攻撃時ダメージを受けるようにされたフォロワーを再び戦闘要員にできるなど、ただの回復以上に役立つ場面があります。
また、これらの財宝スペルを除去に変換できる《簒奪の使徒》はロイヤルのゴールドカードのなかでも最強といえるフォロワーです。
5/4/5というスタッツ、ファンファーレの1ダメージに財宝スペルも引けるアドバンテージ獲得に長けたフォロワーで、これに《黄金の靴》で突進を与えればEPを使わず盤面を制圧することも容易です。5コストのフォロワーですが6~7ターン目に出して財宝スペルを一緒にプレイできるようにするといいでしょう。
このように“簒奪”シリーズのカードにより大きく強化されたロイヤルですが、このクラスが得たカードはそれだけではありません。
《老いたる先導者》はブロンズながら、かつての《海底都市王・乙姫》のような圧倒的な展開力を誇ります。基本はエンハンスでプレイしたいですが3/2/3で出してもコスト相応の働きをしてくれるでしょう。
《アロアダイ》も非常に強力なカードです。《氷撃槍》を使えば単体でも6/5/5突進相当ですし、EPがなくなったあとも《先陣の騎兵》などを進化させることができるようになります。相手を追い詰めているときに《炎撃槍》で守護フォロワーを除去しつつ相手リーダーの体力を削る使い方も有効です。
これまでも強力だったエンハンスを持つカード群に加えて1コストの財宝スペルや《アロアダイ》のカードが加わったことで、あらゆるタイミングでPPが無駄になってしまうことがなくなり、かつカードの性能も優秀というのが現在のロイヤルの強みであり、このクラスを2Pick最強たらしめている要因と言えるでしょう。
2Pickで勝ちたい!というときに最初のリーダー選択で現れたら、間違いなく選ぶべきリーダーです。
◆その他ロイヤルについてのTips
まず「十禍絶傑」より前のカードで評価が少し変わったカードを2枚紹介します。
・《マーチャントガール》はエンハンスのタイミングがちょうど合う《前線の城壁》に加えて、《老いたる先導者》という展開力の高いカードが登場したためもう少し評価がアップ。また、こちらの2ターン目《オースレスナイト》に対して《簒奪の従者》や《侮蔑の従者》を出されたときに相打ちに持っていけるのも優秀です。
・“簒奪”シリーズのカードが登場したことにより手札を確保できるようになったため《大商人》や《シークレットエージェント・デイ》などはわずかに評価ダウン。ただし《大商人》はリソース合戦になるロイヤルのミラーマッチなどでは活躍するので1枚くらいはピックしても問題なさそうです。
続いてロイヤルと戦ううえで意識しておきたいポイントを紹介します。
序盤~中盤:《簒奪の従者》にいいようにされないように戦う
具体的には攻撃力1のフォロワーをあまり出さずに済むようにしましょう。これはエルフやウィッチのランキングを下げている理由にもなりますが、《簒奪の従者》(およびドラゴンの《侮蔑の従者》)は攻撃力0~1のフォロワーと交戦するたびにアドバンテージを稼ぎます。
《ウォーターフェアリー》や《未来視の魔女》、ネクロマンサーの《骸の代弁者》などを1、2ターン目に出して《簒奪の従者》に対抗できない場合、財宝スペルを複数獲得されてしまいます。これを避けられる構築を意識しましょう。ウィッチであれば《マジックミサイル》のような除去の評価を少し上げるといいでしょう。
また《簒奪の従者》は後攻4ターン目に進化する使い方も非常に強力です。これに対してこちらが進化フォロワーで対抗する場合、《簒奪の従者》の攻撃力が5になることには注意が必要です。
さらに、相手は4ターン目に2コスト+2コストの動きを取っていることも多く、たとえば相手のアクションが《簒奪の従者》+《ハッピーピッグ》であった場合、こちらが返すターンに5/4/5のフォロワーを進化させて5/6/7で攻撃したとしても、相手は残った《ハッピーピッグ》でこちらの進化後フォロワーを打ち取り、EPを使わず盤面を返されてしまいます。
こういう状況をなるべく避けられるカード選択を現在の2Pickでは意識しましょう。
《熾天使の剣》や、コスト的には損をしてしまいますが《落とし穴》などのスペルで、交戦せずに対抗するのがオススメです。
《深淵への誘い》+《ゾンビ》進化、エンハンス《ドラゴニュートの威圧》なども後手4ターン目《簒奪の従者》+何かというアクションには有効です。
中盤~終盤:相手の7~8ターン目に合わせて体力5以上のフォロワーを出しておく
《老いたる先導者》は2/3が1体と、2/2が3体出るフォロワーです。EPが残っていたとしてもそのターンの攻撃力は4なので、ロイヤルのミラーマッチであればここに《王城の守衛》+2コストフォロワーといった動きを合わせて、一方的な盤面を作らせないように注意しましょう。
ロイヤルはこの後も《イノセントプリンセス・プリム》や《ドラゴンナイツ》、《白と黒の決闘》など、強力なフォロワーを複数同時に展開してきます。7ターン目以降はロイヤルの物量との戦いになるため、同じくらいの展開力を確保する(ネクロマンサーの《邪魂の流出》、ヴァンパイアのエンハンス《炎蛇の剣士》など)か、そのタイミングでリーダーの体力を削りに行く(ビショップの《聖域の執行者》)など、各リーダーごとに可能な範囲で対策しておくことが重要になります。
◆終わりに
というわけで、今回は現環境の2Pickにおけるロイヤルの立ち位置を解説しました。
優秀なフォロワーで盤面を制圧して相手を押し切るというシンプルなプランを取るリーダーであるゆえに裏目となる行動が少なく、王道ともいえる強さを持っています。
2Pickでルピやレッドエーテル、カードパックを増やしたいという方には間違いなく最適のリーダーで、熟練者はもちろん2Pickをこれから遊ぶプレイヤーにもオススメです。
私は構築フォーマットではロイヤルをあまり使っていなかったのですが、2Pickでのあまりの強さに惚れこんで「ミッドレンジロイヤル」を作ってみたら、こちらも非常に強力で一気に好きなクラスになってしまいました。
今回は強いリーダーを紹介したので、次回はオススメ度の低いクラスでのがんばり方について紹介したいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。