皆さん、こんにちは。
カードゲーマー編集部の編集(川)と申します。
本誌「カードゲーマー」では、毎号『マジック:ザ・ギャザリング』の紹介記事を連載しています。
最新セットの情報や八十岡翔太さん、瀧村和幸さん、松本友樹さんによる「言いたい放題」コラムなど、『マジック』をより楽しめる内容となっておりますので、ぜひチェックしてみてください。
7月31日(水)発売の「カードゲーマーvol.47」では発売直後の「基本セット2020」(M20)を特集する予定です!
さて、まどろっこしい宣伝はここまでにして、さっそく「M20」の新カードを公開したいと思います。
ここで紹介するのは緑のレア《呼応した呼集》です、どうぞ!
《呼応した呼集》は、あなたのライブラリーから名前の異なるクリーチャー・カード最大2枚を手札に加えるというインスタント呪文です。
どんな使い方があるのでしょうか、ちょっと考えてみました。
◆使い方その1:単純にパワフルなカードを持ってくる
《殺戮の暴君》は6マナなので次のターンに土地を置けばそのまま唱えられます。
1ターン目《ラノワールのエルフ》、2ターン目《楽園のドルイド》、3ターン目《呼応した呼集》で《鉄葉のチャンピオン》と《原初の飢え、ガルタ》をサーチ、4ターン目に両方展開なんてことも可能ですね。
この呪文のために5マナを支払うことになるため、そのぶん脅威の展開/相手の脅威への対処という点でテンポ損が発生してしまいます。
なので《原初の飢え、ガルタ》などの特定の条件でマナ・コストが減るものや、《鉄葉のチャンピオン》のようなもともとコストパフォーマンスに優れたものをサーチして失ったテンポを取り戻せる脅威を展開していきたいところです。
ほかには大体3~4マナで唱えられる《門の巨像》や、ちょうど6マナになる《カル・シスマの恐怖、殺し爪》+《クルーグの災い魔、トラクソス》などもおもしろそうです。
また、この使い方をするときは大体パワーの高いクリーチャーとセットになるでしょうから、5マナまでのマナ加速+息切れ防止となる《ビヒモスを招く者、キオーラ》もアリかもしれません。
◆使い方その2:クリーチャーのコンボを狙ってみる
クリーチャー・カードを2枚手札に持ってこられるので、クリーチャーどうしのコンボを狙うこともできます。
たとえば《永遠神オケチラ》と0~1マナのクリーチャーをサーチすれば、《永遠神オケチラ》による4/4トークンの生成までセットで行なえるでしょう。そうなると相手は《永遠神オケチラ》と4/4トークンの両方に対処しなくてはなりません。オマケとして出す1マナクリーチャーも《生皮収集家》のような放っておけないカードにするとより相手にプレッシャーをかけられるでしょう。
ほかにも《豊潤の声、シャライ》とそれを守る《不屈の護衛》を持ってきたり、《祖神の使徒、テシャール》と伝説orアーティファクトクリーチャーで墓地のカードをリアニメイトしてみたりと、クリーチャーによるコンボ・シナジー全般と非常に相性のいいカードです。
これ以外にもいろいろなコンボが狙えるカードなので、ぜひ最強の組み合わせを探してみてくださいね。
◆使い方その3:インスタントであることを活かしてみる
《呼応した呼集》の持つテーマは「インスタント」と「クリーチャー」なので、瞬速クリーチャーを使った「○○フラッシュ」と呼ばれるデッキとは愛称がよさそうです。特に《エリマキ神秘家》とはマナ域も近く、相手が何かしてきたら《エリマキ神秘家》、それを警戒してパスしてきたら相手のターン終了時に《呼応した呼集》を唱えるという戦い方も強力なのではないでしょうか。
また《エリマキ神秘家》との組み合わせでは、合計9マナかかってしまいますが手札に《エリマキ神秘家》がなくても相手の行動に対して《呼応した呼集》でサーチし、唱えて打ち消しというアクションも可能です。
現在のスタンダード環境では《時を解す者、テフェリー》が幅をきかせていることもあってインスタントや瞬速の優位性は薄れていますが、それでも《呼応した呼集》と《エリマキ神秘家》はかなり相性のいい組み合わせといえるでしょう。
また「瞬速」というテーマを追求していくなら《野獣の擁護者、ビビアン》も相方になりうるカードです。
《野獣の擁護者、ビビアン》はクリーチャーに瞬速を与えてくれるだけでなく、このカード自身もクリーチャーカードを引き込めるので、安定して手札にクリーチャーを集めることができるでしょう。
◆おわりに
というわけで今回は「基本セット2020」に収録される新カード、《呼応した呼集》をプレビューさせていただきました。
5マナのダブルシンボル、かつ即座に戦場に影響を及ぼすわけではないということで「緑を含むデッキならまず4枚!」とまではいきませんが、デッキビルダー心をくすぐるナイスなカードではないでしょうか。
文中でも述べましたが、皆さんもぜひいろいろな使い方を考えてみてください。
スタンダード以外のフォーマットではよりマナ・コストが軽く、強力なサーチカードがあるためこのカードの優先順位は高くなさそうですが、統率者戦なら無限コンボのパーツをインスタントタイミングで持ってこれるカードということで採用されそうですね。
わかりやすいところでは《療治の侍臣》+《献身のドルイド》の無限マナコンボや、《鏡割りのキキジキ》とその相方などででしょうか。
何かをサーチするカードは、基本的にカードプールが増えるほど強力になっていきます。
まだ公開されていない「M20」のカードにも、《呼応した呼集》と相性のいいカードがあるかもしれません。
今回の「M20」プレビュー企画は、ここだけでなくさまざまなメディアやカードショップさんのSNSなどで行なわれています。
そちらもぜひチェックしてみてくださいね!