【FFTCG】たるほの隙あらばデッキ語り ~【14-080R】《エクスデス》編~

『FINAL FANTASY TRADING CARD GAME』の公式記事連載。今週はライターのたるほさんが「Opus XIV ~クリスタルの深淵~」環境で注目している1枚のカードについて語ります。

◆はじめに
みなさん、こんにちは!『FFTCG』プレイヤーのたるほです。
「Opus XIV ~クリスタルの深淵~」環境、楽しんでいますでしょうか?

緊急事態宣言の延長に伴う「MASTERS 2021」の開催延期で、もしかしたら少しモチベーションがダウンしているというプレイヤーの方も多いかもしれません。

しかし『FFTCG』の楽しさは何もトーナメントに限ったことではありません。
友人との日ごろのフリープレイや、デッキを考えている時間も『FFTCG』を満喫できる機会だと僕は考えています。
カジュアルに遊ぶ機会が多い今だからこそ、新しいデッキや新しいゲームの楽しみに気づくことも意外と多いものです。

今回の「隙あらばデッキ語り」は普段と趣向を変えまして1枚のカードを掘り下げて、カードの可能性を探っていこうと思います。
「たるほの隙あらばデッキ語り ~From One Card編~」、今回も始めていきましょう。

 

◆今回の「From One Card」
今回注目していくカードは【14-080R】《エクスデス》です。


【14-080R】《エクスデス》は「Opus XIV」で登場したカードで、バックアップとしては「Opus」シリーズ史上最大となるコスト8を誇ります。

「フィールドに出たとき相手のフォワードをブレイクしつつ、こちらはコスト4以下のフォワードを復活させる」というアビリティを持っていて、1枚で戦局をひっくり返せるド派手な効果が、「Opus XIV」発売以降僕の心をつかんで離さない1枚です。

【14-080R】《エクスデス》の魅力は、これ1枚のビッグアクションで戦局をひっくり返せるということだけではありません。
個人的に気に入っているポイントは「大振りな動きに見えて実は妨害を受けにくい」というところにあります。

一般的にブレイクゾーンを活かすカードに対してクリティカルなカードとして【9-068H】《ドラゴン》が挙げられます。
もちろん【14-080R】《エクスデス》の復活効果も例にもれず【9-068H】《ドラゴン》で対策されてしまいます。


現在は「土水【ドーガ】」のような強力な土属性のデッキの活躍もあり、【9-068H】《ドラゴン》を見かけることが多い環境で、一見【14-080R】《エクスデス》には向かい風のように見えますが、【14-080R】《エクスデス》のアビリティにはもう1つ、「フォワードをブレイクする」という効果があります。

仮に、

【14-080R】《エクスデス》を出す
→相手の【9-068H】《ドラゴン》でブレイクゾーンが除外される
→コスト4以下のフォワードが出せなかった

となったとしても、相手のフォワードをブレイクできてさえいればこちらの目的は果たせているので十分な活躍と言えますし、相手は【9-068H】《ドラゴン》のキャストにリソースを割かなければいけないぶん、リソースの交換効率もそこまで悪くありません。

そのため、一般的なブレイクゾーンを活用するカードと比べて対策されにくいという利点があります。
もちろんオートアビリティなので、【12-002H】《アマテラス》にはきっちり止められてしまうのですが、対策カードの1つである【9-068H】《ドラゴン》の影響を受けにくいことは、【11-017H】《マーシュ》など他のカードにはない【14-080R】《エクスデス》の強みと言えるでしょう。

デッキに採用しやすい汎用性の高さもこのカードの魅力です。

一見するとコスト8という数字は非常に重く、復活させられるフォワードにも条件があることでデッキ構築を寄せる必要性を感じるかもしれませんが、偶数コストなのでコストの支払い方で損をするタイミングがほぼなく、【11-023H】《ヴァーサタイル》や【13-120H】《ドーガ》のように特定のコストやカードタイプを参照するカードを多用しないかぎり、コスト4までのフォワードは一定枚数自然に採用できるので、雷属性のデッキであればほとんどのデッキで無理なく運用が可能です。

また、デッキのコンセプトになるカードはできるだけ多くの枚数を採用したいのですが、一般アイコンを持たないバックアップは、一度フィールドに出してしまうと2枚目以降を引いてもうれしくないというジレンマを抱えています。

しかし【14-080R】《エクスデス》はスペシャルアビリティ「ブラックホール」を持っているので2枚目以降も無駄にならず、むしろ引けば引くほどうれしいカードになっており、このジレンマを見事に克服しているのです。
「ブラックホール」自体の効果も相手のフォワードを除外するというシンプルながら強力なものなので、こちらを主眼に置いたデッキ構築を目指すことも可能です。

さて、そんな【14-080R】《エクスデス》ですが、デッキを組むときには「どんなフォワードを復活させるか」がテーマになると思います。

ここからは、実際に【14-080R】《エクスデス》を使用したデッキを紹介していきましょう。

 

◆デッキ案1「氷雷」
まず紹介するのは「氷雷」デッキです。

●サンプルデッキ「氷雷」

カード番号 カード名 枚数
フォワード(28枚)
【14-122L】 《アルシド》 3
【14-124H】 《ゼロムス》 3
【14-123C】 《セフィロス》 2
【13-028L】 《ファイサリス》 3
【13-023R】 《シャルロット》 2
【11-027R】 《カダージュ》 3
【11-040C】 《ヤズー》 3
【11-042C】 《ロッズ》 3
【5-099H】 《イルーア》 3
【13-079L】 《ベヒーモス・K》 2
【11-127L】 《クラウド》 1
バックアップ(16枚)
【6-022R】 《イゼル》 3
【11-030C】 《クロノス》 2
【11-0133S】 《ケットシー》 2
【14-080R】 《エクスデス》 3
【9-098C】 《リーブ》 3
【1-121C】 《赤魔道師》 2
【14-086R】 《ハイデッカー》 1
召喚獣(6枚)
【9-025H】 《ザルエラ》 3
【14-029R】 《シーヴァ》 3

【14-080R】《エクスデス》が収録されている「Opus XIV」は、氷・雷属性の多属性カードが初登場したセットでもあります。

なかでも目玉カードである【14-122L】《アルシド》は、これ自身を【14-080R】《エクスデス》で復活させられるのはもちろん、「フィールドに出たとき手札からコスト4以下の氷属性か雷属性のフォワードを出せる」アビリティを活用しようと思うと自然とデッキに3~4コストのフォワードを多く投入することになるため、【14-080R】《エクスデス》と相性抜群です。


【14-122L】《アルシド》は氷属性か雷属性のフォワードが出ることで擬似的な除去を行なえるカードでもあるので、フォワードを出す機会を増やすだけでなく【14-122L】《アルシド》をフィールドへ定着させやすくするという点でも【14-080R】《エクスデス》とはシナジーがあります。

このデッキでは【14-122L】《アルシド》、【14-080R】《エクスデス》から展開するカードとして同じく氷・雷属性の多属性カードでフィールドに残るほど強い【14-124H】《ゼロムス》や、【ジョブ(思念体)】をサーチしつつ相手のキャラクターを凍結できる【11-027R】《カダージュ》、その後続となる【11-040C】《ヤズー》、【11-042C】《ロッズ》の【ジョブ(思念体)】パッケージを採用しています。


また、光属性のスロットとして【11-127L】《クラウド》を採用しています。
【カテゴリ(VII)】のキャラクターをサーチして展開を連鎖し、さらに除去で追撃できる強力なカードですが、光属性の性質上、複数枚採用すると手札にたまる事故のリスクが高まってしまいます。
しかし【14-080R】《エクスデス》とセットで使うことで、1枚引いてしまえば再利用が可能になり、手札が滞るリスクを減らしつつ運用できるので非常に扱いやすく、個人的にもイチオシの組み合わせです。


今回は氷属性を中心に構築していますが、雷属性を中心に構築するのも非常に強力だと考えています。
このデッキでは採用していませんが、このあと紹介するデッキに登場する【12-080H】《シド・プリヴィア》と【12-087H】《ミド・プリヴィア》のパッケージも強力です。

また「氷雷」デッキは10月に発売される「対戦デッキ スターターセット アバランチ 対 神羅」でも強化されます。
神羅側では【15-140S】《ルーファウス》と【タークス】の面々が登場しますが、特に注目しているのは【15-135S】《ツォン》です。

【15-135S】《ツォン》は、【ジョブ(タークス)】を手札に加えつつ、手札から【ジョブ(タークス)】を出せるので【14-122L】《アルシド》、【14-080R】《エクスデス》と相性がいいカードです。
先ほどイチオシした【11-127L】《クラウド》とも相性がいいので、今後まだまだ伸びしろのあるデッキだと言えるでしょう。


◆「水雷【バイキング】」
続いて紹介するデッキは「水雷【バイキング】」です。

●サンプルデッキ:「水雷【バイキング】」

カード番号 カード名 枚数
フォワード(32枚)
【10-117H】 《ティーダ》 3
【6-126R】 《レイラ》 3
【12-105L】 《ユウナ》 3
【4-133C】 《バイキング》 3
【13-097C】 《バイキング》 3
【1-167C】 《バイキング》 3
【2-132C】 《バイキング》 3
【12-087H】 《ミド・プリヴィア》 3
【12-080H】 《シド・プリヴィア》 3
【14-089C】 《ユエン》 2
【12-124L】 《サンクレッド》 3
バックアップ(15枚)
【4-138R】 《メルウィブ》 3
【12-093C】 《学者》 3
【14-114R】 《ルザフ》 2
【4-134C】 《ブラネ》 3
【14-080R】 《エクスデス》 3
【13-077C】 《ゼムス》 1
召喚獣(3枚)
【13-072R】 《オーディン》 3

『FFTCG』プレイヤーには、もはやおなじみの【6-126R】《レイラ》+【4-133C】《バイキング》のコンボに【14-080R】《エクスデス》を合わせようというシンプルなコンセプトで、デッキに採用するフォワードも自然とコスト4以下に集中するスマートなデッキです。


しかし、実はこのデッキで【14-080R】《エクスデス》を使おうと思った動機となったカードは【6-126R】《レイラ》と【4-133C】《バイキング》ではありません。
今回このデッキで【14-080R】《エクスデス》の相方として注目したカードは【10-117H】《ティーダ》です。


「出たときにバックアップを手札に戻すことで、フォワードを手札に戻す。」というアビリティに注目し、【10-117H】《ティーダ》のアビリティで【14-080R】《エクスデス》を何度も使い回そうというコンセプトでデッキを考えました。

【14-080R】《エクスデス》でフォワードをブレイクしつつ【10-117H】《ティーダ》を出し、【14-080R】《エクスデス》を戻してさらにフォワードを手札に戻すことで、次の除去を構えつつ相手のフォワードを対処できるのはもちろん、【10-117H】《ティーダ》の効果で自身のフォワードを戻すことで、【6-126R】《レイラ》や【12-105L】《ユウナ》などの強力なフォワードをさらに使い回すことができます。


このデッキでは【14-080R】《エクスデス》以外にも【10-117H】《ティーダ》で使い回して強いバックアップが採用されています。
デッキ内のほとんどのフォワードをサーチできる【4-138R】《メルウィブ》や、【6-126R】《レイラ》&【4-133C】《バイキング》と組み合わせて強い【12-093C】《学者》はもちろんですが、なかでも【14-114R】《ルザフ》は強力で、【10-117H】《ティーダ》と組み合わせて使うことで継続して相手のフォワードをブレイクゾーンに置かせることができます。


また【14-114R】《ルザフ》が持つバックアタックのアビリティは【12-105L】《ユウナ》と合わせて使うことで真価を発揮します。

【12-105L】《ユウナ》がパーティーアタックし、アビリティでフォワードを除去
→効果を解決後、バックアタックで【14-114R】《ルザフ》をキャストし【12-105L】《ユウナ》を手札に戻し、さらに1体除去
→パーティーアタックをしているので、次のメインフェイズに【12-105L】《ユウナ》をキャストすれば2ドロー

この動きが強力で、パワーが低い【バイキング】がダメージを通していくうえでも非常に便利です。

もちろん【10-117H】《ティーダ》で回収することでゲーム中何度もこのコンボを狙えるので、もしこのデッキを使うことがあれば積極的に狙ってみてください。


◆「風雷サボテンダー」
最後に紹介するのは「風雷サボテンダー」です。

●サンプルデッキ:「風雷サボテンダー」

カード番号 カード名 枚数
フォワード(26枚)
【14-056R】 《嵐神ガルーダ》 2
【14-042L】 《雲神ビスマルク》 3
【3-066R】 《バルバリシア》 3
【4-060R】 《シャアラ》 1
【12-087H】 《ミド・プリヴィア》 3
【11-137S】 《アスール》 3
【10-092C】 《サクラ》 3
【12-075R】 《アルバ》 1
【5-163S】 《ウリエンジェ》 1
【14-089C】 《ユエン》 3
【12-080H】 《シド・プリヴィア》 1
【13-115L】 《ゴルベーザ》 2
バックアップ(18枚)
【8-058R】 《ノルシュターレン》 3
【12-038H】 《アルテア》 2
【13-043C】 《スティルツキン》 2
【5-067R】 《ミューヌ》 2
【14-080R】 《エクスデス》 3
【11-098C】 《パック》 2
【10-086C】 《アルド》 1
【13-077C】 《ゼムス》 1
【12-082R】 《ディアナ》 1
【12-079C】 《シド[FFCC]》 1
召喚獣(3枚)
【8-046R】 《アレキサンダー》 3
モンスター(3枚)
【4-058C】 《サボテンダー》 3

このデッキにおける【14-080R】《エクスデス》の役割は、これまで紹介した2つのデッキに比べ、より補助的な意味合いが強くなっています。
主役は名前のとおり【4-058C】《サボテンダー》で、相手のフォワードにダメージを与えつつ、【10-092C】《サクラ》でドローしたり、【14-089C】《ユエン》でブレイクしたりと小回りのきくコンボで盤面をコントロールしていくことをコンセプトとしています。


それを【14-080R】《エクスデス》でどのように補助していくかと考えたときにキーカードとなるのが、【11-137S】《アスール》、【3-066R】《バルバリシア》、【12-087H】《ミド・プリヴィア》です。


【11-137S】《アスール》は自身がダメージを受けたとき、相手のフォワードにダメージを与えるアビリティを3つ持っていて、【4-058C】《サボテンダー》で【11-137S】《アスール》にダメージを与えることで、これらのアビリティを能動的に誘発させられます。こちらがダメージを受けるほど【11-137S】《アスール》はダメージをばらまけるようになるので、ゲーム中盤以降はこのカードでフィールドを制圧していくのがこのデッキの目的となります。

しかし、逆に言うとゲーム序盤の【11-137S】《アスール》にはあまり仕事がなく、コストにしてしまうことも多いはずです。そこで役立つのが【14-080R】《エクスデス》で、序盤コストにしてしまった【11-137S】《アスール》を必要になったときに復活させられます。

【3-066R】《バルバリシア》は【14-089C】《ユエン》同様、【4-058C】《サボテンダー》と組み合わせてフォワードのブレイクを狙うカードとして採用されています。

このデッキが苦手とする【1-171H】《ミンウ》のような、自身のパワー未満のダメージをシャットアウトするカードに対しても有効なのでデッキの弱点をカバーしてくれますし、【4-058C】《サボテンダー》と【14-080R】《エクスデス》と組み合わせればこちらはバックアップとフォワードを1体ずつ出しながら、相手のフォワード2体をブレイクできます。

最後の【12-087H】《ミド・プリヴィア》は言わずもがな【14-089C】《ユエン》を復活させるためのカードです。【14-080R】《エクスデス》→【12-087H】《ミド・プリヴィア》→【14-089C】《ユエン》と3枚もカードを展開しつつ、【4-058C】《サボテンダー》での除去も狙えます。

これらの除去性能が高いカードを復活させてこちらの戦線を広げつつ相手のフォワードを2体以上対処してしまおうというのが、このデッキにおける【14-080R】《エクスデス》の採用の狙いとなります。

これまで紹介した「氷雷」や「水雷」デッキのなかにもフォワードを複数体対処するコンボがなかったわけではないのですが、風属性と組み合わせてこそのメリットとして【12-038H】《アルテア》や【5-067R】《ミューヌ》による【14-080R】《エクスデス》の再利用がしやすいというメリットが挙げられます。


【14-042L】《雲神ビスマルク》のアビリティもあわせて能動的に自分のバックアップを手札に戻す手段が多いため、毎ターン無理なく【14-080R】《エクスデス》を狙えるのは「風雷」ならではの動きと言えるでしょう。


◆おわりに
【14-080R】《エクスデス》に注目したデッキを3つピックアップして紹介してきました。
今回紹介した構築のほかにも【12-097H】《シルドラ》(【14-080R】《エクスデス》をサーチできます!)や【12-106R】《リルム》と組み合わせてスペシャルアビリティの「ブラックホール」を積極的に狙っていく構築、

【7-095H】《シド・プリヴィア》+【11-089C】《カラクリ士》で【14-080R】《エクスデス》自体を踏み倒すコンボ、


などもあるため、まだまだ可能性を感じるカードとなっています。

新たなコスト4以下のフォワードが登場するたび強化されるカードなので、今後もお気に入りの1枚としていろいろなデッキを模索していきたいですね。

【14-080R】《エクスデス》を使ったオススメのアイディアやデッキがあれば、ぜひぜひ教えていただけるとうれしいです。

それでは、また次回の記事でお会いしましょう!