【ウィクロス:オールスター】WIXOSS CEREMONY「わくわく杯」上位入賞デッキ解説

今回は、大会の主催なども手掛けるプレイヤー・わっくさんによるWIXOSS CEREMONY「わくわく杯」の上位デッキ解説をお届けします! 「ユートピア」発売以降の環境に適応し結果を残したルリグと採用意図など、プレイに役立つ情報が満載です!!

はじめまして、秋葉原を中心に活動をしてるわっくです。
初代世界王者のmasterさんからの誘いを受け、今回から当サイトで『ウィクロス』記事を書かせていただくことになりました。どうぞよろしくお願いします。秋葉原のWIXOSS PARTYに参加される方とは、対戦する機会があるかもしれませんね。

主な『ウィクロス』での実績としては、「WIXOSS TEAM WORLD CHAMPIONSHIP 2017」チーム優勝、WIXOSS CEREMONY優勝2回。また10月5日にカードショップ シャカシャカトレカさんにて開催されたWIXOSS CEREMONY「わくわく杯」(オールスターフォーマット)の主催をしていたりします。ということで、今回はこの「わくわく杯」で結果を残したグズ子とタマのデッキ解説をお届けします。


■わくわく杯準優勝:ウルシハ選手「悲願の駄姫 グズ子デッキ」解説

「わくわく杯」の参加者32名のうちグズ子の使用者は5名。その多くが《燐廻転生》を採用した構築になっていました。この構築の特徴は《応援の駄姫 グズ子》のダイレクトと組み合わせることでライフクロス6枚からの一撃必殺を狙いつつ、万が一《燐廻転生》《アイスフレイム・シュート》などで止められても《悲願の駄姫 グズ子》のコイン能力+《期之遊姫王 †ブラジャック†》で対戦相手にトドメを刺すまでアタックし続けるといった戦術がとれること。「ユートピア」に収録され環境を激変させた《レイラ=クレジット》の影響をほぼ受けない攻撃性能も評価され、一躍人気のルリグとなっています。

カードNo.カード名レベル枚数
WX22-001悲願の駄姫 グズ子51
WXK01-004応援の駄姫 グズ子41
WX18-023来夢の駄姫 グズ子31
WX18-024残悔の駄姫 グズ子21
WX18-025一途の駄姫 グズ子11
WDK04-005グズ子01
WXK02-029ビカム・ユーアーツ1
WD22-011-Gフーリッシュ・マイアズマアーツ1
PR-256燐廻転生アーツ1
SP01-009スピリット・サルベージアーツ1

カードNo.カード名レベルLB枚数
WX22-024期之遊姫王 †ブラジャック†53
WX15-039死之遊姫 †ニホニンギョ†44
WX19-029死之遊姫 †超体感†41
WD22-029-G死之遊 †マージャン†41
WX13-098サーバント T232
WX18-083惨之遊 †ウズラグ†31
WX21-044惨之遊 †シャテキ†34
WX02-078サーバント D221
WX18-085似之遊 †ウルシルマ†21
WX20-039-CB丹乃遊 ≡ハッカドール2号≡22
WX20-049似之遊 †オキクドール†23
WX08-085サーバント O214
WX15-063異血之遊 †ワラニン†13
WX18-088異血之遊 †アカベコ†12
WX19-076異血之遊 †キノ†11
WX20-034-CB偉智の遊 *ハッカドール1号*14
WD22-036-Gペイン・バイ・ペインスペル3

グロウで得られるコイン5枚に対し、使用するコインはダイレクト(2枚)+レベル5でのコイン技(2枚)の計4枚。1ターン目の手札が芳しくなければ《一途の駄姫 グズ子》の出現時能力を使用し、不足分を《来夢の駄姫 グズ子》で回収するといった運用もできるでしょう。

・《一途の駄姫 グズ子》《来夢の駄姫 グズ子》
《アロス・ピルルク N》やグズ子同士のミラー戦など、序盤のアタックをひかえる選択肢があるルリグを相手にするときは、《一途の駄姫 グズ子》の能力を使用しないことでエナの消費を抑えるなど臨機応変な対応が可能になっています。

 

《燐廻転生》《応援の駄姫 グズ子》
レベル4にグロウしたターンにダイレクト+《燐廻転生》で一気に勝負を決めることができます。ダイレクト+《燐廻転生》は、古きよき《轟砲 ウルバン》や現役の《アイヤイ★ディール》《落華流粋》《先駆の大天使 アークゲイン》などによるショットデッキと異なり、《燐廻転生》によるガード制限下でガードされなければ、ライフバーストが発動するタイミングを与えずに3点のダメージが3回はいります。《レイラ=クレジット》により採用率が上昇した《音階の右律 トオン》がライフクロスに埋まっていたとしても、その影響を受けずにゲームを決めることができるという点も評価できるため、グズ子デッキでの採用率が上がっているのだと推測できます。

 

《悲願の駄姫 グズ子》
《悲願の駄姫 グズ子》は出現時能力で盤面、手札を整え、起動能力で出現時能力を使い終えたシグニをどかし、コイン技で《期之遊姫王 †ブラジャック†》《死之遊姫 †ニホニンギョ†》などによるショット盤面をより確実にするといった、至れり尽くせりの性能を持っています。最強シグニ《†ブラジャック†》を使うという意味も含めて、グズ子デッキではレベル5に上がることが一般的であるでしょう。

 

《ビカム・ユー》
「フルスクラッチ」にて収録され、これまた環境に激震をもたらした先攻後攻入れ換えアーツ。《燐廻転生》型のグズ子デッキのミラー戦や《アイヤイ★ディール》+《落華流粋》+《アークゲイン》のタマデッキなど、先にレベル4にグロウしたほうが勝負を決めるデッキや、《アロス ・ピルルク N》などレベル4にグロウすることで防御性能が格段に向上するデッキに対して、有利に立ち回ることができます。
しかし、ここで立ちはだかるのが「お互いに《ビカム・ユー》を採用していた場合どうするのか?」という問題です。《ビカム・ユー》の加速グロウの効果は自分のルリグのレベルが対戦相手のルリグのレベル以下であることが条件になっています。つまり、自分が先にレベル3にグロウしてしまった場合、そのターンは《ビカム・ユー》でレベル4にグロウできず、次のターンに相手はお互いのルリグがレベル3であるため加速グロウが可能になります。
先にレベル4にグロウされてしまっては、その後は好き放題されて負けてしまうので、そうならないためにもレベル3へのグロウをなるべく我慢し、レベル2で戦う必要があります。グズ子はレベル2以下でも戦えるシグニが多いため、その点は有利に戦えるのでしょう。

 

《フーリッシュ・マイアズマ》
このカードは①効果によって自分の場にシグニが出るたびに対戦相手のシグニ1体に-7000、②自分のシグニを2体バニッシュして2枚ドロー、③自分の手札以下のレベルのシグニ1体をバニッシュ、④トラッシュからレベル3以下のシグニを1体蘇生、以上の効果から3つを選べます。強い以外の言葉が出ませんね。①を発動させながら②でエナを増やしつつ自分の盤面を開け、④で《異血之遊 †ワラニン†》《偉智の遊 ハッカドール1号《惨之遊 †シャテキ†》と出すと消費エナが実質1で-7000を3回飛ばすことができます。つまり《羅星 リンゼ》を3体倒すことができるのです。ハナレなどのデッキが後攻3ターン目に《リンゼ》を3面立ててくることがたまにあるので、その対処法として覚えておくといいでしょう。

 

《スピリット・サルベージ》
おおむね《フーリッシュ・マイアズマ》の回収に使うのだと思います。4ターン目の《燐廻転生》が止められてしまったとき、レベル5にグロウしたあとに再利用し、詰めの一助としても使えそうです。この枠は、ルリグアタックも止められる《クトゥル・アビス》や、あらゆる理不尽を止められる《アイドル・ディフェンス》などとの選択になりそうな枠ですね。

 

《期之遊姫王 †ブラジャック†》
《ダーク・コグネイト》などで対戦相手のシグニを手札以外から出現させない常時能力、出現時にトラッシュからレベル4以下の遊具のシグニを蘇生する効果、アタック時に自分のほかのシグニをすべてバニッシュし、その数だけトラッシュからレベル4以下の遊具シグニを蘇生する効果を持ち、さらに防御手段の制限、リソースの回復などをやってのけるエースとして申しぶんない性能を誇ります。強いカードは4枚!と偉い方がおっしゃっていましたが、レベル5にグロウするまでは不要のシグニで、トラッシュから釣り上げる方法も多いためこの枚数となっているのでしょう。

 

《死之遊姫 †ニホニンギョ†》似之遊 †オキクドール†》
4ターン目にアタック時に-4000を与えるアタッカーとして機能するほか、《†ニホニンギョ†》のアタック時能力でトラッシュからシグニを蘇生させるためのセットです。なんとレベル5も蘇生できてしまいます。
《悲願の駄姫 グズ子》のコイン技や《†ブラジャック†》のアタック時能力ではレベル4以下のシグニしか場に出せませんが、レベル2のシグニとして《†オキクドール†》を出し相手のシグニのパワーを4000にし、《†ニホニンギョ†》に変身してパワー4000のシグニをパワー0にすることで《†ブラジャック†》をおかわりできます。

 

《惨之遊 †ウズラグ†》
序盤の面開けアタッカーとしての役割のほか、《悲願の駄姫 グズ子》のコイン効果適用時にアタック済みのほかのシグニをトラッシュに置くことで、手札から別のシグニを出し、アタック回数を増やすといったことが可能です。

 

《惨之遊 †シャテキ†》《偉智之遊 ハッカドール1号
この2枚が手札にあるだけで手札が1枚、エナが2枚増えます。世界王者のねへほもんさんが3止めアイヤイで多用していた動きです。盤面の遊具シグニをレゾナの素材として使わないグズ子でも十分にその力を発揮します。このほかにもハッカドール1号《フーリッシュ・マイアズマ》の蘇生対象として、《†シャテキ†》はトラッシュの《†ブラジャック†》などの回収手段として用いられることもあります。

 

《サーバント T2》《サーバント D2》《サーバント O2》
《燐廻転生》グズ子のミラー戦は先にダイレクト《燐廻転生》を決めれば勝ち、という部分もありますが、宣言されなかったレベルのサーバントを持っていればこっちのものです。
シグニによる要求を《フーリッシュ・マイアズマ》で止め、ダイレクト《燐廻転生》のルリグアタックを1回ガードできれば生存できるので、「次はお前の番だ……」と言ってダイレクト《燐廻転生》をやり返してしまいましょう。

 

このようなグズ子デッキは《レイラ=クレジット》《トオン》の影響を受けない攻め手を持つことが評価され、使用者の増加が著しいデッキタイプの一つとなっています。そのため、大型の大会で勝ち残るためには対策が必須となることが考えられます。ルリグデッキで対策するには、ダイレクト《燐廻転生》には《アイスフレイム・シュート》《ゴールド・ディフェンス》《ブルー・サジェスト》などが、レベル5での《†ブラジャック†》などによる突撃に対しては《アンチ・アビリティ》《アイドル・ディフェンス》(※8コスト)、《ドント・アクト》などが考えられます。

以上、WIXOSS CEREMONY準優勝のウルシハ選手のグズ子デッキの解説でした。
続いては見事優勝された、たつ選手のタマデッキの解説に移ります。


■わくわく杯優勝:たつ選手「白滅の巫女 タマヨリヒメデッキ」解説

カードNo.カード名レベル枚数
WXK02-001白滅の巫女 タマヨリヒメ41
WX19-008金紅の巫女 タマヨリヒメ31
WD10-003轟轟 タマヨリヒメ之弐21
WDK05-T04初月の巫女 タマヨリヒメ11
PR-009新月の巫女 タマヨリヒメ01
WXK02-010ゼノ・カインドアーツ1
WXK02-029ビカム・ユーアーツ1
WXK03-004落華流粋アーツ1
WDK05-T08イレイズ・ルフランアーツ1
WXK02-023アイヤイ★ディールキー1

カードNo.カード名レベルLB枚数
WX05-032弩砲 アヴェンジャー42
SP32-008幻竜姫 ムシュフシュ42
WX11-037運命の左糸 クロト33
WX21-032禁忌の焔 ≡プロメウス≡33
PR-457コードイート 八重31
WX02-021先駆の大天使 アークゲイン22
WX19-056爆砲 十四年式23
WX20-060幻竜 シルシュ22
PR-427羅星 リンゼ23
WX01-072小砲 ドラグノフ11
WXK03-051偉智の遊 オシャブ13
WD23-043-EAサーバント O211
PR-213小剣 ミカムネ13
PR-288小砲 アルマイル13
WX07-026大火の轢断スペル1
WX08-067PEEPING DECIDEスペル1
WX09-Re09ゲット・インデックススペル4
PR-053列情の割裂スペル2

《先駆の大天使 アークゲイン》《アイヤイ★ディール》を採用したこのデッキのゴールは単純明快です。先に《白滅の巫女 タマヨリヒメ》へとグロウし、《アークゲイン》《禁忌の焔 ≡プロメウス≡》《禁忌の焔 ≡プロメウス≡》と並べ、《アークゲイン》《アイヤイ★ディール》《落華流粋》の効果を付与。そしてライフクロス5枚の上からトドメを刺す、といったものです。さらに、このデッキにはそれを達成するためにさまざまな工夫が施されています。

《初月の巫女 タマヨリヒメ》《轟轟 タマヨリヒメ之弐》《金紅の巫女 タマヨリヒメ》
メインデッキの赤カードの割合が多いため、グロウコストは赤2白1となっています。また、ゲーム中に必要なコイン数は《イレイズ・ルフラン》《アイヤイ★ディール》、コイン技のイノセンスの3枚ですが、レベル2の段階で対戦相手の3面《リンゼ》を止める必要がある場合もあるので、レベル1でもコインが獲得可能な構築となっています。仮にコインが余ってしまってもブラフになります。特にコインの残り枚数は残りアーツ・キーの推測によくもちいられ、対戦相手の思考のミスリードにもつなげることが可能です。

 

《白滅の巫女 タマヨリヒメ》
《火銃舞 タマヨリヒメ之参》から《黄金の巫女 タマヨリヒメ》にグロウしていた(参考:「ウィクロスマガジンvol.9」7ページ左下)老人の身からすると、合計グロウコストが1軽いうえにコインが4枚多く得られる《白滅の巫女 タマヨリヒメ》は非常に画期的なルリグです。さらに、《白滅の巫女 タマヨリヒメ》はユニークかつショットデッキにとってはもってこいの能力、イノセンスを有しています。マルチエナやキーのエクシード能力を1ターン限りで解除できるのですが、この「キーの能力の解除」というところが大きな役目を果たします。
《アークゲイン》『ウィクロス』の黎明期からその圧倒的な効果耐性でタマデッキを支えていますが、ルリグ効果だけは受けてしまうという弱点があります。一般的なルリグ効果による防御はレベル4にグロウしてからでしか得られないので、そちらは《ビカム・ユー》による先行グロウで対処できますが、《コード・ピルルク KEY》などによるエクシード能力の付与はレベル2から可能となってしまいます。しかし、その効果はキーの常時能力によってルリグに付与されているものなので、イノセンスで打ち消すことができ、《アークゲイン》のアタックを通しやすくすることが可能になりました。さらに、イノセンスは《エニグマ・オーラ》《燐廻転生》などの効果も無効にできるため、場合によっては防御として利用できるということも覚えておいて損はないかもしれません。また、イノセンスは《水流の打落 マーライ《不可解な誇張 コンテンポラ》などの「ルリグの効果に対する耐性を持つ」効果でさえも解除できます。こちらも覚えておきましょう。

 

《アイヤイ★ディール》《落華流粋》
《落華流粋》《アークゲイン》にダブルクラッシュ+アサシンを付与し、《アイヤイ★ディール》で2回攻撃を付与するこのデッキの要の部分です。このデッキレシピでは緑のカードが1枚、マルチエナが1枚しか投入されていないため、《落華流粋》の緑エナは基本的に《アイヤイ★ディール》の常時効果でまかなうことになります。

 

《イレイズ・ルフラン》
コイン1枚と白エナで対戦相手のシグニすべての能力を無効にします。基本的にはアタックフェイズに発動する《アンチ・アビリティ》と同じ運用ですが、こちらはダブルクラッシュやアサシンも消すことができ、エナコストが白であるため簡単にコストを支払える点で優れているでしょう。とにかく《リンゼ》のアタック時能力を防ぐということが重要となるので、この1枚を選んだのでしょう。

 

《ゼノ・カインド》
個人的にすごいと思ったカードの1枚です。無色でないシグニをデッキから3枚手札に加えるといった単純な効果なのですが、このデッキではレベル4にグロウしてアタックするまでに必要なカードが数多くあります。《アークゲイン》《禁忌の焔 ≡プロメウス≡》はもちろん、場合によっては《弩砲 アヴェンジャー》やその効果に使用するウェポンも必要となることがあります。そういったデッキの中核のカードを臨機応変にデッキからサーチできるという点で評価が高いです。

 

《ビカム・ユー》
基本的な使い方についてはグズ子デッキのほうで紹介したので割愛します。このデッキレシピでは《リンゼ》が3枚採用されており、《ゲット・インデックス》《運命の左糸 クロト》など《リンゼ》にアクセスするカードも多いため、3ターン目に《リンゼ》を3体揃えることが比較的容易にできます。そのため、《ビカム・ユー》を持つ者同士のゲームですぐにレベル3にグロウし、《リンゼ》3面を押し付けることでシグニ3体のアタックを防ぐ防御の要求、もしくは《ビカム・ユー》による加速グロウを諦めさせることができます。その点においては《ビカム・ユー》のミラー戦においても若干の優位に立てているのではないでしょうか。

 

《先駆の大天使 アークゲイン》《禁忌の焔 ≡プロメウス≡》
《アークゲイン》の能力によりルリグ効果以外に対する効果耐性を持ちます。第2弾から存在していたとは思えない能力を持っている《アークゲイン》ですが、その存在があったせいか、アタック時の除去効果を持った天使シグニが登場しませんでした。
第21弾でようやく《≡プロメウス≡》が登場しましたが、その頃には防御能力を持ったレベル4のルリグが跋扈していて、《アークゲイン》はあまり日の目を見ない存在になってしまっていました。しかし、《ビカム・ユー》が登場したことにより、相手がレベル4にグロウするまでに《アークゲイン》の耐性を最大限までに利用することが可能になり、《アークゲイン》《白滅の巫女 タマヨリヒメ》デッキが登場するに至りました。

 

《弩砲 アヴェンジャー》&ウェポンシグニ
《アヴェンジャー》およびその弾です。《アヴェンジャー》のウェポンを3枚捨てる能力は、ライフバーストを発動させずにライフクロスをクラッシュすることができます。ライフクロスがショット圏外まで残ってしまったり、《仁の遊 スプリング》《生生流転》などであからさまに《トオン》らしきものをライフクロスに埋められてしまったときに有効です。そのほかのウェポンシグニは、レベルが低いながらも点数が要求できるシグニが採用されています。《小剣 ミカムネ》はパワー5000となるので、場持ちが良く1-2ターン目に重宝します。

 

《羅星 リンゼ》
アタックが通ったときに、次の相手のターン中、相手がスペルとアーツを使用できなくなる能力を持ちます。スペルを多用するアロス・ピルルクやミルルンなどの青デッキに対するフタや、《ビカム・ユー》を採用したデッキ同士のミラー戦、2止めアンなどの攻めにスペル・アーツを使用するデッキに対して大きな圧力となります。また、ターン終了時に手札を1枚増やしながら入れ替える能力もあり、次のターンに必要なカードがそろってなく、ターン終了時までに《リンゼ》が生存していれば使用することも考えましょう。

 

《コードイート 八重》
出現時にエナを増やす能力は、ルリグと同じ色でなければならないため白と赤を持つ《金紅の巫女 タマヨリヒメ》のときに使用します。シグニのサーチ能力はエナの余裕がある時に使用しましょう。

 

《偉智の遊 オシャブ》
このカードも個人的にすごいなと思いました(2度目)。タマは《アークゲイン》《アイヤイ★ディール》でショットしてくるかもしれないと警戒されがちで、しばしば序盤のアタックを敬遠されがちです。そうなるとエナが足りなくなってしまいますが、《偉智の遊 オシャブ》でエナチャージをすることで、さらに次のターンのドローで《偉智の遊 オシャブ》を引くことができ、毎ターンエナチャージを行なえるようになります。安定してエナが供給できるため、《ゼノ・カインド》による手札の質の向上も狙えるのです。

 

《運命の左糸 クロト》
任意のカード名を宣言し、そのカードがデッキの上から5枚の中にあれば手札に加えられるといった効果を持っています。運に左右される部分もありますが、見たカードはすべてデッキの1番下に送られるため、デッキをシャッフルせずに繰り返し使用することでデッキの枚数次第では確定サーチに変わります。スペルも対象にできるため、状況に応じて欲しくなる《烈情の割裂》《PEEPING DECIDE》《大火の轢断》などが欲しいときに使用しましょう。

 

《幻竜 シルシュ》《幻竜姫 ムシュフシュ》
このカードも個人的に(3度目)。相手のエナを2枚まで破壊し、その枚数分デッキの上のカードをエナチャージさせるという効果を持っています。アロス・ピルルクやミルルン、ハナレなどのデッキでは《アイドル・ディフェンス》による防御が脅威となり得ます。しかし、《白滅の巫女 タマヨリヒメ》の最強のコイン技、イノセンスにより、マルチエナを白コストに使用することができません。つまり、相手のエナゾーンの白のカードさえなんとかしてしまえば、《アイドル・ディフェンス》は使用できなくなってしまうわけです。エナの数こそ減らねど、デッキの上から白のカードがめくれなければ《アイドル・ディフェンス》を考慮しなくてもよくなるので、メインデッキの4枠を割く価値のあるカードだと思いました。

 

《大火の轢断》
2止めアンに対して《アークゲイン》《アイヤイ★ディール》《落華流粋》では、シグニをどかすことができないため《アークゲイン》のダブルクラッシュ+アサシン+2回攻撃でしかダメージを与えられず、2点からしか詰めることができません。そのため、複数のライフクロスをクラッシュする手段として採用されているのだと思われます。

 

《烈情の割裂》
単純に大量に貯まった相手のエナを破壊するために使用できるほか、5エナを要するアーツを封じることができます。《フラクタル・ケージ》はシグニゾーンを消すため、せっかく強化した《アークゲイン》がいとも簡単にやられてしまいます。《フラクタル・ケージ》がほぼ確実に投入されている2止めアンなどに対し、《大火の轢断》でライフクロスをクラッシュしたあとにエナをまとめて焼き払うことで意表をつきましょう。スペルであるため《アイドル・ディフェンス》が0コストになるので、状況によっては使わないという判断も必要です。

 

《PEEPING DECIDE》
《アヴェンジャー》の力を持ってしても防げない《トオン》があります。
それがエルドラやあやで採用されている《クリティカル・ショット》《トオン》のコンボです。手札に《トオン》をあらかじめ持ってきておいて、こちらのアタックフェイズに《クリティカル・ショット》で埋められてしまってはどうしようもありません。《PEEPING DECIDE》で手札の《トオン》を捨てさせることで《トオン》のライフバーストを防ぐことができます。《クリティカル・ショット》の2枚で《トオン》を引かれた場合はあきらめましょう。


いかがだったでしょうか?
ウルシハ選手の《燐廻転生》グズ子デッキも、たつ選手の《白滅の巫女 タマヨリヒメ》デッキも現状ではシェアの小さくないデッキで、WIXOSS CEREMONYなどの大型大会で勝ち進むためには対策は不可欠です。また、どちらも環境に適した強さを備えており、むしろ自分が使う側に回るのも選択肢のひとつとしてアリかもしれません。こういった戦う前の駆け引きもまた、『ウィクロス』の楽しみと言えるでしょう。

それではまた!