【バトルスピリッツ】しゅくりの『バトスピ』回想録 第5回【連載コラム】

『バトルスピリッツ』のエキスパート、しゅくりによる『バトスピ』コラム連載
数ある歴戦のなかで出会ったカードのエピソードを中心に、ざっくばらんなテーマで語っていきます!

しゅくり……バトスピチャンピオンシップ2013【聖剣大戦】ヒーローカップマスタークラス優勝者で、現在は『バトスピ』のカードを日々世に送り出す開発チームORG に所属。また、『バトスピ』公式YouTubeチャンネルの配信番組「バトスピ エクストリームゲーム」では、挑戦者を迎え撃つ白のガーディアンとしても活躍中。

 


 

来年で15周年を迎える『バトルスピリッツ』。
カードプールが日々増え続け、変化していく環境のなかで、禁止・制限カードも更新されていくわけだけど、最近では強すぎて絶対に復帰は無理だろうと思われていた《大天使ミカファール》が禁止カードから制限カードへ緩和されました。
(とはいえ要監視対象であることに変わりはないけれど)

そのうえで、あらためてほかの禁止カードを眺めていると、露骨にヤバそうなあのカードも「実は復帰できるんじゃないか……?」とか「もし出てきたらどうなるのだろう……?」とか考えたりするワケです。

そこで見つけた1枚の禁止カードからさらに浮かんでくる、さまざまな関連カードたち。今回はそんな思い出を語っていこうと思います。

 

■勝敗を左右する3ターン

BS10-108《ルナティックシール》

昔からある禁止カードのなかでも異彩を放つこのカード!
通称《ルナシー》。要するに相手に3ターン待ってもらうという効果だ。
星座編と言えばコレ! というほどではないにしろ、当時の「なんにもできねえ……」と「これでしのげる……!」という悲喜こもごもな記憶が呼び起こされる。

このカードがリリースされてしばらくは「木星北斗」「赤速攻」「強襲ガンディノス」などなど、活躍するデッキがとても速い環境だったので、こういった止めるカードがあってもある程度は許容できた印象だ。
止まっている恩恵を受けるのはお互いで、《ルナシー》を使用した側は3ターン動けないとか、手札を1枚消費しているとかね。

そんな《ルナシー》だが《アンフィスバエナー》みたいな対策カードでお茶を濁しつつ、しばらくすると先に紹介した速いデッキの衰退もあって環境が移り変わり、使用されたときの印象が変わってきたのを覚えている。特に2枚3枚と継続して使用されたときの「勘弁してくれえええええええ!!!!」感はとてつもないものだったので、制限を経て禁止となっていった。

現代においても1ターンの重みはかなり増してきている関係上、復帰はなかなか難しそうだなあ。
ちなみに最近フリーになった《灼熱の谷》は《ルナティックシール》と同時に制限されていた! 結構驚きである。

 

■《ルナシー》対策の雄

PX08《甲蟲武神ギラファ・ランドウ》

《ルナシー》を意識するといえばこの裏Xレア!
対策も兼ねて白いデッキを組むと確実に入れていた時期があった。史上二番目に発揮された「氷壁」だろうと思う(おれ調べ)。ちなみに最も使用した「氷壁」は《ザン・トライ》のはず!

《ギラファ・ランドウ》は緑で疲労ブロッカーという貴重な役割を持ち、白では相手のチャンプブロックをさほど気にせずにアタック行けるそれなりに強かったスピリット。というか色関係なく大型の疲労ブロッカーが強かった。

《フェンリルキャノンType-B》などの【装甲】持ちブレイヴを合体させるとより強い。
《獅龍王レオン・ハウル》以外の裏Xレアもそろそろリバイバルされないかなー。

 

■流れ星となった速攻デッキ

BS10-029《木星神龍ノブナガード・ゼウシス》
X00SE《北斗七星龍ジーク・アポロドラゴン》
SD03-012《牙皇ケルベロード》

星座編で一世を風靡したデッキといえば、先にも紹介した「木星北斗」である。
誰でもその日から最強! と豪語できるほどシンプルに勝てるデッキだ。

基本的な動きとしては1ターン目にまず《メイパロット》などの3コスト1コアブーストするスピリットを召喚し、2ターン目「木星」の《ノブナガード・ゼウシス》か「北斗」の《ジーク・アポロドラゴン》の緑を召喚。その効果でブレイヴならなんでも踏み倒して合体スピリットでガンガンアタックしていく。このときのブレイヴが《牙皇ケルベロード》なら最強で、もうそのゲームは実質終わったといっても過言ではなかった。

星座編後半には《ウィッグバインド》が追加されて後半の決定力まで増していたが、そうしたことから来るデッキパーツの度重なる制限によって姿を消したデッキでもある。
現代においてもほぼ同じデッキは作ることができ強力な挙動ではあるものの、バースト1枚伏せられているだけでかなり決定力が削がれるのは難点かな。

 

あの頃はちゃめちゃに流行ったあのデッキ、言われてみれば最近見てないな? というのもよくよく思い出すと新たな発見があるかもしれない。
なんだったらデッキまるごとストレージから発掘されたりもする。案外今の環境でもなんとかなるデッキもあるかも?

たまには思い出して、あらためて回してみるのもいいだろう。
それでは、まっ種~

 

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