【FFTCG】対戦デッキ「魔法対剣」をカスタムしてデッキ作りのセオリーを知ろう

『FINAL FANTASY TRADING CARD GAME』の公式記事連載。今回は対戦デッキ「魔法対剣」のごく簡単なカスタム案を通じて、デッキを改造するときのセオリーを紹介します。

◆はじめに

皆さん、こんにちは。カードゲーマー編集部の編集(川)です。

9月13日に対戦デッキ「魔法対剣」が発売されました。
それぞれ違ったテーマで組まれた構築済みのデッキが2つセットになっていて、買ってすぐに対戦して遊べる、『FFTCG』入門にぴったりのアイテムです。

公式記事連載でも、封入されているカードや各デッキの戦略を紹介した記事がありますので「魔法対剣」を購入された方はぜひチェックしてみてください。

また、9月30日(月)発売の雑誌「カードゲーマーvol.48」では、この「魔法対剣」の各デッキを開発課スタッフがさらにチューンナップしたカスタム案を掲載しています。「魔法対剣」でひと通り遊んでみて、次はショップ大会などにも行ってみたいという方には間違いなく参考になる記事だと思いますので、こちらもお読みいただければ幸いです。

さらに「カードゲーマーvol.48」では11月8日(金)発売の「Opus X Ancient Champions」収録のカードも6枚掲載されています。新規描き下ろしのカードやレジェンドのカードも載っていますのでお楽しみに!

さて、カードゲーマー誌では「魔法対剣」の本格的なカスタム案を掲載していますが、ここではもっと簡単なカスタマイズの例を紹介します。同時に『FFTCG』のデッキ作りでよく用いられるセオリーを紹介しますので、デッキをちょっと改造してみたいという方は参考にしてみてください。

 

◆「魔法」デッキをちょっとだけカスタムしてみよう

まずは「魔法」デッキです。火土の2属性で組まれているデッキですね。

デッキリストは以下の通りです。

カードNo. カード名 枚数
フォワード(24枚)
10-132S ティナ 3
5-002R アヤメ 3
7-004C イフチー 3
10-135S ケフカ 3
10-136S シャントット 3
5-086L セシル 3
9-062H ヴィンセント 3
10-140S 暗闇の雲 3
バックアップ(17枚)
10-131S エース 3
2-009R セルフィ 2
8-007C 黒魔道士 3
3-096R リディア 2
5-082C 採掘師 2
5-094R モモディ 2
7-079C 風水士 3
召喚獣(9枚)
2-002C イフリート 2
5-019L フェニックス 3
7-005C イフリート 2
5-077H カーバンクル 2

「魔法」デッキの主な戦略は以下の2点です。

・召喚獣を召喚することでボーナスを得る
・自分のキャラクターを破壊することで除去したり手札を引き増す

この2つの戦略とあまり関係のないカードが入れかえる候補ということになりますね。
そういった視点であらためてデッキリストを見てみると【5-002R】《アヤメ》imageが入れかえる候補になりそうです。

 

ここでまず、1つ目の『FFTCG』デッキ作りのセオリーを紹介します。

それは、構築済みのデッキや大会で好成績を残したデッキを改造するとき、慣れないうちは「50枚のうち火属性のカードが○枚、土属性のカードが○枚」といったデッキ内の各属性のカード枚数や、「2コストのカードが○枚、3コストのカードが○枚……」といったコストごとのカード枚数はなるべくいじらないということです。

元のデッキを作った人は「このデッキならこういうバランスがいいだろう」とじっくり考えて作ったわけですから、まずはそのスタイルを踏襲するのがオススメです。

では【5-003R】《アヤメ》を入れかえるなら火属性の3コストのフォワードということになりますが、ここで『FFTCG』公式サイトのカード検索機能を使ってみましょう。

ここで「火属性」「フォワード」「3コスト」と条件を入れて検索すれば、それに合致するカードが表示されます。

候補のなかでは【8-021R】《レイン》image、【8-004R】《イロハ》imageなどがよさそうです。レアリティの高い人気カードですが持っている方は【3-017L】《ビビ》imageもいいでしょう。

【8-021R】《レイン》imageはフィールドに出たりアタックしたりするたびに火属性のCPを払えばダメージを与えられます。パワーが7000なので【5-077H】《カーバンクル》imageとの相性もよく、追加のアタッカーとしての働きが期待できます。

【8-004R】《イロハ》imageは火属性のキャラクターが与えるダメージを増やしてくれます。このカードがいれば【10-132S】《ティナ》は召喚獣1回で3000ダメージを与えられるようになり、【10-131S】《エース》でパワー10000のフォワードも倒せるようになります。

【3-017L】《ビビ》imageはフィールドに出たときに与えられる強力なダメージが特徴のカードです。【5-019L】《フェニックス》imageでブレイクゾーンから出すことで、一度に2体のフォワードを除去することもできるでしょう。

これらをどう【5-002R】《アヤメ》imageと入れかえるかですが、ここで『FFTCG』のデッキ作りのセオリーその2です。
それは、デッキにカードを入れるとき、スペシャルアビリティを持っておらず、一般兵アイコンもないカードは2枚までにした方がいい、というものです。

『FFTCG』では一般兵アイコンを持たない同名のカードを複数フィールドに出すことができません。そのため、同名のカードをたくさん入れると同じカードばかり引いたときになかなかカードを出すことができない、という状況になってしまうことがあります。それを避けるために同名のカードを入れるときは注意しましょう。

もちろん、デッキのエースでいつでもフィールドに出しておきたいものや、同名カードをスペシャルアビリティで消費できるものは別です。このデッキで言えば【10-132S】《ティナ》や【10-140S】《暗闇の雲》などがそれに該当しますね。

なので、ここではカードを3枚同じものと入れかえるのではなく、たとえば【8-021R】《レイン》imageを2枚と【8-004R】《イロハ》imageを1枚入れるとか、【8-021R】《レイン》imageと【8-004R】《イロハ》imageと【5-002R】《アヤメ》imageを全部1枚ずつ入れるなどするのがいいでしょう。

デッキを安定させたいという方は前者のパターンを、いろいろなカードを使ってみたいという方は後者のパターンを試してみてください。

デッキ作りのセオリーまとめ
・デッキをカスタムするときは、元となったデッキの各属性の枚数やコストといったバランスを崩さないようにカードを入れかえる
・デッキにカードを入れるときは、同名のカードが多くなりすぎないようカードを分散させて採用する。ただしエース級のカードはしっかり3枚入れよう

 

◆「剣」デッキを少しだけカスタムしてみよう

続いては「剣」デッキです。風雷の2属性で組まれています。
デッキリストはこちらです。

カードNo. カード名 枚数
フォワード(29枚)
10-133S ヴァン 3
10-134S カイン 3
4-054L オニオンナイト 3
5-050H アデル 2
7-062R ホープ 3
10-137S ライトニング 3
1-125R オニオンナイト 3
4-115L ライトニング 3
5-099H イルーア 3
10-139S オニオンナイト 3
バックアップ(17枚)
1-079R ノラ 2
5-066R パンネロ 2
6-058R モーグリ [XI] 3
7-060R バルトロメイ 2
10-138S ラムザ 3
1-121C 赤魔道士 2
5-114C 砲撃士 3
召喚獣(4枚)
5-062L ディアボロス 2
7-103C ラムウ 2

「剣」デッキの主な戦略は

・スペシャルアビリティを持った優秀な低コストフォワードによる攻勢

です。「魔法」デッキに比べると戦略はシンプルですがスペシャルアビリティを多用するので、どのカードを手札に残しておくかが大事になります。

《オニオンナイト》が3種9枚も入っていますが、これはデッキのエースであり、それぞれスペシャルアビリティも持っているので先ほど紹介したセオリーをしっかり守っています。カードを分散させるのが有効なときもあれば、同名カードをたくさん入れるのがいいときもある。このようにデッキ構築に幅があるのも『FFTCG』のおもしろいところですね。

 

さて、このデッキから入れかえる候補ですが【10-138S】《ラムザ》になります。「えっ、対戦デッキの限定収録カードを入れかえちゃうの?」と思われるかもしれませんが、ここで『FFTCG』のデッキ作りのセオリーその3です。それは,実質的にコストが軽いからといってサーチや手札を入れかえるカードを入れすぎないというものです。

「剣」デッキには【10-138S】《ラムザ》をはじめ【1-079R】《ノラ》image、【5-066R】《パンネロ》imageなど、デッキからカードを引く、あるいはサーチするカードが多く入っています。

 

【1-079R】《ノラ》imageを例にとると、このカードは3CPで出せて、出たときに《ホープ》をサーチできる(=カードが1枚手に入る)ので、実質1CPでプレイできます。これ自体は大変お得でいいことなのですが、もし仮に手札から《ホープ》をコストにして【1-079R】《ノラ》imageを出していたら、ただ手札を入れかえているだけですよね。つまり、すぐに補てんされるとはいえ【1-079R】《ノラ》imageなどを出すときは、それなりに重いコストを支払っているわけです。

その視点で【10-138S】《ラムザ》を見てみると、このカードは出すときに5CPかかります。フィールドに出れば1~3枚のカードをもたらしてくれるので、ほとんどの場合は実質1コスト、運がよければタダでプレイできると言えます。

しかし、このデッキのテーマはスペシャルアビリティです。

たとえば手札に【5-099H】《イルーア》imageがあって、フィールドにも【5-099H】《イルーア》imageがいます。相手もフォワードを出していてにらみ合っている状態で、もう少ししたらスペシャルアビリティ「シェイオル」が活躍しそうなシチュエーションだとします。

このとき、手札が【5-099H】《イルーア》imageと【10-137S】《ライトニング》、【10-138S】《ラムザ》で、バックアップが3体という状況だとどうなるでしょう?

【10-138S】《ラムザ》を出すためにはスペシャルアビリティの弾となる【5-099H】《イルーア》imageを捨てるか、せっかくバックアップが4体になるのに4コストの【10-137S】《ライトニング》を捨てなくてはなりません。

【10-138S】《ラムザ》を出せば新たなカードが手に入りますが、それが状況に即したものである保証はありません。こういったリスクがあるため「サーチや手札を入れかえるカードは入れすぎない」方がよく、ここでは【10-138S】《ラムザ》を入れかえるのがオススメというわけです。

もちろん、こういう状況はよく発生するわけではありません。大体の場合【10-138S】《ラムザ》は不要なカードをスペシャルアビリティに使えるフォワードに交換してくれる頼もしい存在です。ただ、スペシャルアビリティを活用する以上、上記のようなリスクもあるため1枚くらいほかのカードに入れかえるのがいいでしょう。

そして、入れかえるカードですがセオリーその1「デッキのバランスを崩さない」を守るため、手札を調整する能力を持ったカードが望ましいですね。【1-133C】《賢者》imageや【8-105H】《リド》imageなどがいいのではないでしょうか。

前者はキャラクターなら何でも、後者は雷属性のキャラクターをそれぞれブレイクゾーンから手札に戻すことができます。

さらに【8-105H】《リド》imageは余った手札を除去に使えるので、どんどん攻めていくこのデッキに合ったカードです。2枚投入してもいいでしょう。その場合は【10-138S】《ラムザ》を1枚、【5-114C】《砲撃士》imageを1枚入れかえるのがよさそうです。

デッキ作りのセオリーまとめ
・カードを引いたりサーチする能力は便利だが、それを使うために重要なカードを捨てては意味がない。特にバックアップの構成がそういったカードばかりにならないよう意識しよう

◆終わりに

対戦デッキ「魔法対剣」のデッキを題材に、簡単なカスタマイズ案と『FFTCG』におけるデッキ作りのセオリーを紹介しました。
ここで紹介したのは本当に初歩的なものなので、『FFTCG』に慣れてきたらどんどん自分なりのカスタムを試してみてください。

ショップ大会でほかのプレイヤーにアドバイスをもらってもいいですし、公式大会では開発課のスタッフによるティーチングなども実施されています。

ルールの質問などは『FFTCG』公式Twitterアカウント(@fftcg_sqexにリプライを送れば回答してもらえるので、わからないことがあればどんどん聞いてみてください。

記事の最初にも書きましたが、9月30日(月)発売の「カードゲーマーvol.48」では、対戦デッキ「魔法対剣」のさらに実戦的なカスタム案が載っています。「Opus X」の先行レビューとあわせて、ぜひお読みください。

それではまた、次回の記事でお会いしましょう!