『FINAL FANTASY TRADING CARD GAME』の公式記事連載。今週は、現在の「オールスタードラフト」のカードプールから、全体の概要を紹介するとともに、火・氷・風の3属性の特徴について解説します。
◆はじめに
皆さん、こんにちは。カードゲーマー編集部の編集(川)です。
先週は新フォーマット「L3構築」のお話をお届けしましたが、今週は、先日カードリストが更新された「オールスタードラフト」について考察していきたいと思います。
『FFTCG』のブースタードラフトは通常1種類のブースターパックを1人5つ使用して行ないますが、オールスタードラフトはあらかじめ決められたカードプールのなかからランダムに選んだ12枚のカードを1パックぶんとしてこれを5パック取り、ドラフトを行ないます。
2020年1月現在のカードプールには「Opus I」から「Opus X」までの選りすぐった各属性の強力なカードがそろっており、通常のドラフトよりもパワフルでエキサイティングなゲームが楽しめるのがポイントです。
ブースタードラフトの詳細なルールについてはこちら
現在のオールスタードラフトのカードプールについてはこちら
普段の大会などではフォーマットとして採用されることの少ないオールスタードラフトですが、友達と一緒に遊ぶと非常に楽しい遊び方です。公式サイトに掲載されているカードプールをそのまま使ってもいいですし、好みでアレンジしてもいいのでぜひ遊んでみてください。
ここでは、公式のカードプールから、各属性の特徴やピック方針などについてお話ししていきます。
◆オールスタードラフトのカードプールを見てみよう
公式のカードプールは500枚のカードで構成されており、属性ごとに見ると火、氷、風、土、雷、水がそれぞれ81種類、光と闇があわせて14種類となっています。
フォワードは全体の半分弱をしめる248枚で、バックアップが156枚、召喚獣が63枚、モンスターが33枚という内訳です。
ちなみに、通常のブースタードラフトと比較するために「Opus X」を見てみると、カード種類は140枚でフォワードが78枚、バックアップが44枚、召喚獣が12枚、モンスターが6枚という構成になっています。
なので、オールスタードラフトは「Opus X」に比べてプール全体にしめるフォワードの割合が約6%少なく、そのぶんモンスターと召喚獣がやや多めになっています。バックアップについてはほぼ変わらない割合ですね。
このあたりの数字も覚えておくと、ピックを進める際に「あとどれくらいフォワードが取れそうか?」などの指針になるかもしれません。
続いては、それぞれの属性にスポットを当てて見てみましょう。
◆火属性
火属性は81枚のカードのうち、フォワードが38枚、バックアップが24枚、召喚獣が13枚、モンスターが6枚という配分になっています。
特定のジョブによるシナジーは見当たりませんが、【2-007L】《始皇帝ザンデ》や【10-001H】《イグニシオ》、【10-007H】《ザックス》などの火属性のCPやカードを参照するものが強力なので、デッキの2属性目、3属性目として使うよりもなるべくメインの属性にするのがよさそうです。
収録されているカードにはバックアップでもフォワードでもアビリティでダメージを与えられるものが多く、火属性の王道であるダメージによる除去での制圧がじゅうぶんに狙えそうです。
また、召喚獣を介したシナジーもそこそこあり、火属性をピックする際は召喚獣にも意識を払っておくとより強力なデッキを組むことができそうです。
全体的に使いやすく、またカードパワーもしっかり高いものがそろっており、オールスタードラフトでも人気の属性になりそうです。
また、こまかいポイントですが【9-121L】《ウォル》と【9-123L】《カオス [MOBIUS]》の両方で参照されるので、潜在的なカード枚数がほかの属性よりも実質わずかに多いというのも火属性の特徴ですね。
◆氷属性
氷属性は81枚のカードのうち、フォワードが39枚、バックアップが27枚、モンスターが3枚、召喚獣が12枚となっています。
【カテゴリ(VI)】を参照する【4-026H】《ガストラ帝国のシド》や【8-036C】《セッツァー》、氷属性には3枚しかないモンスターをサーチする【10-039C】《ナグモラーダ》があるあたりから、ほかの属性とうまく組みあわせて使うことでよりデッキパワーを高められそうです。
フォワードにも【7-042H】《ラスウェル》がいるので「火氷」はアーキタイプの1つとして想定されているのかもしれません。また【4-025H】《ウーマロ》も、氷属性のモンスターがほとんどいない今回のカードプールでは、ほかの属性との組み合わせがある程度前提になってくるカードと言えそうです。
それ以外のフォワードを見ても、オートアビリティでのダルや凍結、手札破壊などを備えた氷属性らしい優秀なフォワードがそろっています。
しかし、パワー9000のフォワードがやや少なく、そのなかに前述の【4-025H】《ウーマロ》や【3-036H】《シド・オールスタイン》など、単体ではなかなか真価を発揮しにくいものが含まれているのが気になりました。
これは全属性に共通することですが、【1-057R】《ラーグ公》のような属性強化のバックアップが存在しないため、もとのパワーが低めな属性やパワーを上げる手段を持たない属性はそれを補う工夫が必要になりそうです。全体的に、火属性に比べるとややテクニカルな属性という印象を受けました。
◆風属性
風属性は81枚のカードのうち、フォワードが41枚、バックアップが28枚、モンスターが6枚、召喚獣が6枚となっています。
特筆すべきは、フォワードとバックアップの1割強にあたる9枚を《チョコボ》もしくは《チョコボ》関連のカードがしめていることです。
《チョコボ》戦略がこのカードプールにおいてどこまで有効かはまだわかりませんが、関連するカードを独占できればすごいことになるかもしれません。そのときは【3-065L】《バッツ》も【ジョブ(チョコボ)】なので見逃さずにピックしたいところです。
それ以外の部分で見てみると、通常のブースタードラフトにおける風属性の特徴がそのまま現れている印象です。大型のフォワードが少なく、3~4コストのフォワードのスペックが優秀、というものですね。
ただし、オールスタードラフトということでほかの属性の3~4コストのフォワードも非常に粒ぞろいです。相手がしっかり低コストから高コストまでの優秀なフォワードを並べてきた場合、風属性が得意とする「高コスト/高パワーのフォワードにはブロックされない」能力なども活用しにくくなることが想定されます。
風属性でできる除去などの対応手段はやはり大型フォワードを狙うものが多いため、相手の低~中コストへの対策という点では、ほかの属性の力を借りるのがよさそうです。
逆に、大型フォワードへの対策手段はスタンダードでも活躍しているレベルのものが豊富にそろっているので、火属性のような大型フォワードを除去しにくい属性に力を貸してあげるのもいいでしょう。
風属性をメインにするなら各種《チョコボ》や【10-133S】《ヴァン》を中心にしたテンポと展開力重視の速攻デッキに、そうでない場合は【5-068L】《ヤ・シュトラ》や【8-049L】《エアリス》、【8-060L】《フィーナ》などの優秀なカードを助っ人として投入する形がいいのかなと感じました。
◆後編は再来週にお届けします!
駆け足でしたが、最新のカードプールにおけるオールスタードラフトの概要と火、氷、風の3属性の特徴について解説しました。残る土、雷、水と光、闇属性については再来週にまた解説したいと思います。
来週は、先日の「2019 名人戦」東京予選を制したらっちょさんのインタビューをお届けします。いよいよ「名人位決定戦」も近づいてきましたが、ここで最新のデッキテクを語っていただく予定です。
また、1月31日(金)発売のカードゲーマーvol.50では、レジェンドと描きおろしカードを含む「Opus XI ~ソルジャーの帰還~」のカードを6枚と、対戦デッキ「クラウド 対 セフィロス」の限定カードをすべて紹介します!
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それではまた、次回の記事でお会いしましょう。