『FINAL FANTASY TRADING CARD GAME』の公式記事連載。今回は先週出題した、『FFTCG』の次の一手を考える問題の回答編をお届けします。
◆はじめに
皆さん、こんにちは。カードゲーマー編集部の編集(川)です。
先日、ホビージャパンの「ゲーム開発課Blog」にて、世界選手権をはじめとする『FFTCG』の今後のイベント開催予定と、ブースターパック「Opus XII ~クリスタルの目覚め~」、「Opus XIII ~光の女神たち~」の発売予定が発表されました。
次のセット「Opus XII」の発売日は11月6日(金)ということで、まだまだ新型コロナウィルスの影響は予断を許さない状況ではありますが、ひとまずうれしいニュースですね。この日を楽しみにしていたいと思います。
さて、今回は先週お届けした「この局面、あなたならどうする?」問題の回答編をお届けします。
出題編はこちら
まずこのたびはたくさんのRTや考察を寄せていただき、ありがとうございました。
そして、問題に「【10-017R】《ラァン》がアタックしてダルになっていない」、「ブレイクゾーンに何があるか、相手の手札が残り何枚かなどの判断材料が足りない」などの不備があり、申し訳ありませんでした。
次回以降にこういった企画を行なう際は、明らかにできる情報はしっかりと開示するなど、出題のブラッシュアップに努めていきますので、今後もお付き合いいただければと思います。
それでは回答編にまいりましょう。
◆問題の選択肢をおさらい
今回の問題は火風『FFTA』のあなた vs 火土『WOFF』のゲーム中の1シーンを取り上げたものでした。
この状況での選択肢を大別すると、
1:【11-017H】《マーシュ》をプレイしブレイクゾーンの【11-063L】《リッツ》を復活させる
2:【11-015L】《ブラスカの究極召喚獣》をプレイする
3:それ以外
というものでした。
ではこの状況でどういう選択を取るのが正しいのでしょうか。寄せられた考察を見ていきたいと思います。
◆いろいろな人に「どうする?」と聞いてみました!
まずは、この問題の製作に協力していただいた、プレイヤーへのインタビュー記事などでもおなじみのたるほさんの回答から。たるほさんも実際にこれに似たシチュエーションに遭遇したことがあるそうです。
・たるほさんの回答:バックアップからCPを出して【8-007C】《黒魔道士》をプレイ、【11-015L】《ブラスカの究極召喚獣》をコストに【11-017H】《マーシュ》をプレイして【11-063L】《リッツ》を復活させてアタック、アクティブになったバックアップから【3-056H】《ジタン》をプレイする
相手の【10-020L】《レェン》が残るため返すターンで【11-063L】《リッツ》を倒されてしまいますが、それでもフォワードを並べてダメージレースを仕掛けていくという答えでした。
【11-015L】《ブラスカの究極召喚獣》をコストにしてしまうのは痛いものの、もし相手に【8-136L】《常闇のヴェリアス》を持たれていたら負けに直結してしまうので【11-015L】《ブラスカの究極召喚獣》を出す選択肢は避けるそうです。
また、手札に残る【11-140S】《カダージュ》によるブレイクゾーン除外も対『WOFF』では有効であるため、このターンでお互いほぼ手札を使い切って、毎ターン引いてきたカードで勝負することになるならバックアップを4枚展開しているこちら側に分があるだろうということでした。
続いては昨年の「World Championship 2019」で準優勝に輝いたダンカンさんの回答。
・ダンカンさんの回答:【11-017H】《マーシュ》と【8-007C】《黒魔道士》をコストに【11-015L】《ブラスカの究極召喚獣》をプレイする
もちろん【8-136L】《常闇のヴェリアス》などによるリスクの高さは受け入れつつも、【10-020L】《レェン》による制圧は許さないというもの。
ダンカンさんは火土『WOFF』が一大勢力となっていた「World Championship 2019」で、【11-015L】《ブラスカの究極召喚獣》と同様に【10-020L】《レェン》のダメージ能力を逆手に取れる【4-083L】《シャントット》を採用したデッキを使っていたこともあり、【10-020L】《レェン》に好き放題させないことが『WOFF』戦では重要と考えているようです。
次は、ゲーム開発課の愛澤さんの回答。
・愛澤さんの回答:【8-007C】《黒魔道士》をプレイしてターン終了
今回与えられている情報では、返しのターンにフォワードを追加されても受けるダメージは3点となりそうなので、ここは一度力を溜めるターンになっても大丈夫だろうという判断。
火土『WOFF』はEXバーストの採用率も高いデッキなので、ダメージレースを仕掛けて【10-127H】《シトラ》や【9-063L】《ガブラス》といったカードがめくれてしまうと今あるリソース差を失ってしまうことが考えられるため、【11-017H】《マーシュ》のプランは避けるとのこと。
次のターンは【3-056H】《ジタン》で手札を確認してから【11-015L】《ブラスカの究極召喚獣》。さらにその次のターンに【11-140S】《カダージュ》で【11-015L】《ブラスカの究極召喚獣》にブレイブを付与してアタック、これで【10-020L】《レェン》を倒せたなら、さらにそれを【11-140S】《カダージュ》で除外するかどうか考えていくそうです。
【11-017H】《マーシュ》、【11-015L】《ブラスカの究極召喚獣》ともにリスクがあるため、ダメージを受けてでも、しっかり【11-015L】《ブラスカの究極召喚獣》をフィールドに残せそうなプランを選択するわけですね。
続いては『FFTCG』を愛好するYouTuberにして、先日ご結婚を発表されたカブキンさんにもお話をうかがう機会があったので「どうしますか?」とたずねてみました。
・カブキンさんの回答:【3-056H】《ジタン》と【11-017H】《マーシュ》をコストに【11-015L】《ブラスカの究極召喚獣》をプレイ
「相手のフィールドを見て、バックアップの数や展開してきているフォワードから推測するに『WOFF』デッキとしてそこまで理想的なスタートとは言えなさそうだと感じました。展開がよくないからこそ攻撃的に仕掛けてきているのかなと。
なので、【11-015L】《ブラスカの究極召喚獣》で相手の攻勢を押し止めつつ、こちらはバックアップを展開してゲームの主導権を握りたいと考えました」
カブキンさんは【11-015L】《ブラスカの究極召喚獣》をプレイする選択。
2ターン目までに【10-017R】《ラァン》と【10-020L】《レェン》を並べてきた相手を分析し勝負を急いでいると判断、相手の仕掛けに対して強固な防壁となる【11-015L】《ブラスカの究極召喚獣》でそれを食い止めるという考えでした。
ちなみにカブキンさんには今後、カードゲーマー本誌とこの『FFTCG』公式記事連載に登場していただくことになりました。
カブキン
『FFTCG』を愛するYouTuber。YouTubeでの配信のほか、音楽活動や役者としても活躍しているマルチクリエイター。
2019年の「第三期名人戦」では、全国をめぐってすべての予選大会に皆勤賞で出場という熱意の高さを見せた。。
好きな『FF』シリーズは『FFVI』。
カブキンさんの『FFTCG』熱を活かした企画なども現在進行中です。こちらもお楽しみに!
◆ほかにもたくさんの意見をお寄せいただきました!
このほかにもtwitterでの引用RTなどでたくさんの回答をいただきました。お名前を挙げて個別には紹介しませんが、【11-017H】《マーシュ》をプレイする、【11-015L】《ブラスカの究極召喚獣》のどちらの意見も同じくらいの数が集まっていました。
そして、多くの方が自分の展開だけでなく「さらなる相手の対応」を意識した考察をしているのが印象的でした。
・【11-017H】《マーシュ》と【11-063L】《リッツ》でダメージレースを挑むのにはリスクがあるという考察
相手の手札が2枚は残っているはずなので、【9-017C】《ベリアス》を持っている可能性がある。そうなれば【11-063L】《リッツ》がブロックで一方的に打ち取られてしまうため、この展開は得策ではないというもの。
・このターンは【8-007C】《黒魔道士》のみ。次のターンに【11-017H】《マーシュ》&【11-063L】《リッツ》、【11-015L】《ブラスカの究極召喚獣》をプレイする
愛澤さんの回答と似たアプローチですが、こちらは力を溜めたのちに脅威を一斉展開する選択。
【11-015L】《ブラスカの究極召喚獣》だけでは【8-136L】《常闇のヴェリアス》がリスクとなるため、複数のフォワードを並べて相手が対処しきれない盤面を作るという狙いでしょうか。
・【3-056H】《ジタン》をコストに【11-017H】《マーシュ》をプレイする
こちらはたるほさんと似た攻め方ですが、二の矢三の矢として【11-015L】《ブラスカの究極召喚獣》、【11-140S】《カダージュ》という強力なカード2枚を残すという選択。
【3-056H】《ジタン》での手札確認は強力ですが、相手も毎ターンドローしていくため、確実に脅威となるカードを残していくという考え方もありそうです。
「その他の展開」としていた【8-007C】《黒魔道士》を出して様子見、という回答もそこそこあり、また【11-017H】《マーシュ》をプレイするにせよ【11-015L】《ブラスカの究極召喚獣》をプレイするにせよ「手札に何を残すか?」という点にもプレイヤーの皆さんそれぞれ意見があって、『FFTCG』の選択肢の豊富さを感じました。
これらのフィードバックは、次回以降に問題を作成する際にも参考にさせていただきます。
あらためて今回コメントを寄せていただいた皆さん、ありがとうございました!
◆おわりに
火風『FFTA』と火土『WOFF』のゲームの一場面から「あなたならどうする?」の回答編をお届けしました。
7月末発売の「カードゲーマーvol.53」でも、今回お届けした「あなたならどうする?」問題を出題する予定です。よろしければ、こちらにも挑戦してみてくださいね。
それでは最後に、昨年の世界チャンピオンであり、先日も公式記事にカードの価値を数値化して正しい判断を行なうための材料とする「バリュエーション」について寄稿していただいたKurosawaさんの回答を紹介したいと思います。
チャンピオンはこの状況でどうするのでしょうか?
まずバックアップ3枚を寝かせながら手札2枚を脇に置くことで7cp払いそうな雰囲気を出し、相手の顔色を伺います。 https://t.co/YcdMDdwZr1
— Kurosawa (@Kurosawa_FFTCG) July 2, 2020
……それでいいのか、チャンピオン!!
(ツイートは許可を得て掲載させていただいています。)
ではまた、次回の記事でお会いしましょう!