『FINAL FANTASY TRADING CARD GAME』の公式記事連載。今週は各属性ごとのオススメデッキを紹介する「たるほ的デッキ名鑑」の水属性編をお届けします。
◆はじめに
こんにちは! 『FFTCG』プレイヤーのたるほです。
長かった「Opus XI」環境も残すところあと3週間となりましたね。
プレイヤーのみなさんは「Opus XII ~クリスタルの目覚め~」の発売日である11月6日(金)を首を長くして待っているころかと思います。
もちろん僕も発売日を心待ちにしている1人ですが、半年以上続いたこの「Opus XI」環境をまだまだ新鮮に楽しめている自分もいて、それに少し驚いています。
新型コロナウィルスの流行で普段のように遊べなかったり、イベントが延期になったりと暗い話題も多いシーズンではありましたが、やっぱり『FFTCG』が好きなんだなぁとしみじみ感じるシーズンでもありました。
「Opus XII」環境からはまたワイワイ遊べるシーズンになるといいですね。
それでは今回も「たるほ的デッキ名鑑」を始めていきましょう。
6回にわたってお送りしてきた本シリーズも今回でラスト。
最後は水属性編です。
本シリーズの記事一覧はこちら!
たるほ的デッキ名鑑?火属性編?
たるほ的デッキ名鑑?氷属性編?
たるほ的デッキ名鑑?風属性編?
たるほ的デッキ名鑑?土属性編?
たるほ的デッキ名鑑?雷属性編?
それでは、さっそく始めていきましょう!
◆水属性ってこんな属性
『FFTCG』には8つの属性があり、それぞれによって得意不得意があります。
水属性は主に手札に関するアドバンテージを獲得する手段が多く、デッキからカードを引いたり、キャラクターを手札に戻して攻撃をかわすテクニカルな戦い方が得意な属性です。
フォワードのパワーは全体的に高くないもののダメージを軽減する手段が多く、同じパワーどうしのフォワードによる戦闘やダメージによるブレイクに強く、防御力の高い属性でもあります。
また、フォワードにはコストパフォーマンスに優れるものが多く、1体キャストすればおまけがついてくる【6-126R】《レイラ》や【3-144】《レナ》のようなフォワードが多いことも特徴の1つです。
力押しは不得意ですが、稼いだアドバンテージを物量に換えて手数の多さで勝負できます。
「Opus XI ?ソルジャーの帰還?」ではフィールドに出るだけでモンスターを2体も展開できてしまう【11-124H】《リルム》が登場し、展開力はさらに上のステージに上がりました。
水属性にはフォワードを対処する手段が大きくわけて3つあり、ほかの属性の除去とは少し方向性が異なります。
もっとも代表的なのがフィールドにいるフォワードを手札に戻すもので、いわゆる“バウンス”と呼ばれる効果です。
ブレイクやダメージによる除去と比べて手札に戻す効果はコストが低く済むことが多いので、手札に戻したフォワードのコストが大きければ大きいほど相手に損を強いることができます。
反面、手札に戻したカードは再度キャストすることもできるので、フィールドに出たときにアビリティを発動するようなカードを手札に戻す際には注意が必要です。
この効果は自分のキャラクターを手札に戻せるものも多く、相手がこちらのフォワードを狙ってきたときや、自分のキャラクターのオートアビリティをもう一度使いたいときに活用することができます。
2つ目はフォワードのパワーをマイナスする方法です。
これは前回紹介した雷属性も持つ方法ですが、1枚でマイナスできる数値が決まっている雷属性に対して、水属性は自分のフィールドにいるキャラクターの数などを参照してマイナスの数値が増えていくのが特徴的です。
代表的なのが【3-130R】《カイナッツォ》で、フィールドに出たとき相手のフォワード全員のパワーを自分のコントロールする水属性のキャラクター2体につき?1000するアビリティは、先ほどのキャラクターを手札に戻すカードと組み合わせて相手のフォワードを全滅させる水属性の必殺技として「水単」などに採用されています。
そのほかに、フィールドに出たときとアタックしたときの両方でパワーをマイナスできる【5-126L】《暗闇の雲》や、EXバーストを持ち戦闘でも使いやすい【2-133R】《不浄王キュクレイン》など種類も豊富なので、これらを組み合わせて使うことでパワーの高いカードにも対抗することができます。
また【5-133H】《ビスマルク》は、フォワードのパワーを半分にするという特殊な効果を持っています。厳密にはパワーをマイナスする効果ではありませんが、こちらも相性がよい効果なので覚えておくとよいでしょう。
3つ目は相手に自分のキャラクターを選択させて、それをブレイクゾーンに置かせる方法です。
相手に選択させるのでアビリティや召喚獣によって選ばれないフォワードも対処でき、“ブレイクゾーンに置く”効果なので「ブレイクされない」というアビリティを持っているフォワードも除去することができます。
【3-123R】《暗黒の雲ファムフリート》は自分のフォワードも同時にブレイクゾーンに置くことができるので、キャラクターを手札に戻す効果と同じように、こちらのフォワードを狙ってきたときに使うことでこちらだけ損がないように使えたり、ブレイクゾーンに置かれたときに発動するオートアビリティを狙うために使うといったテクニックも存在します。
アドバンテージを稼ぎ、あまりある手札をふんだんに使いたいプレイヤーや、相手の出方をうかがってカウンターを狙うテクニカルな戦い方が好きなプレイヤーにおすすめの属性です。
◆「水単」
最初に紹介するデッキは「水単」です。
サンプルデッキ:「水単」(タッチ火属性ver)
カード番号 | カード名 | 枚数 |
フォワード(25枚) | ||
【3-130R】 | 《カイナッツォ》 | 2 |
【4-133C】 | 《バイキング》 | 3 |
【11-126R】 | 《ローザ》 | 3 |
【6-126R】 | 《レイラ》 | 3 |
【9-109H】 | 《セシル》 | 3 |
【10-106L】 | 《アーシェ》 | 2 |
【11-117R】 | 《セオドア》 | 3 |
【5-126L】 | 《暗闇の雲》 | 2 |
【11-124H】 | 《リルム》 | 2 |
【11-015L】 | 《ブラスカの究極召喚獣》 | 2 |
バックアップ(17枚) | ||
【1-157C】 | 《学者》 | 2 |
【10-121C】 | 《モーグリ-4組-》 | 2 |
【11-121C】 | 《ポロム》 | 2 |
【11-125C】 | 《錬金術師》 | 2 |
【1-180R】 | 《ワッカ》 | 3 |
【3-143C】 | 《レオノーラ》 | 2 |
【4-134C】 | 《ブラネ》 | 1 |
【4-138R】 | 《メルウィブ》 | 3 |
召喚獣(2枚) | ||
【9-114C】 | 《不浄王キュクレイン》 | 2 |
モンスター(6枚) | ||
【4-012C】 | 《ゴブリン》 | 2 |
【4-121C】 | 《アダマンタイマイ》 | 1 |
【11-114R】 | 《サハギンチーフ》 | 3 |
●デッキのキーカード
「水単」といえば、まさに水属性を代表するデッキです。
個人的にですが、「水単」はデッキのカード全員で戦う“全員野球”の性質が特に強いデッキだと感じています。
なので、今回はキーカードの紹介というよりは「Opus XI」で新たに追加された要素に焦点を当ててデッキを紹介していきたいと思います。
「Opus XI」の新要素で特に大きいのが【カテゴリ(IV)】のカードが増えたことです。
【11-117R】《セオドア》は自分の《セシル》と《ローザ》をダルにすることでブレイクゾーンからフィールドに出せるという風変わりなアビリティを持っています。
このアビリティは《セシル》と《ローザ》がヘイストを持っていなくても使うことができるため、フォワードの《セシル》と《ローザ》と組み合わせることで、1ターンに簡単に3体のフォワードを展開することができます。
今回採用している【9-109H】《セシル》は【カテゴリ(IV)】のフォワードを2体以上コントロールしているとパワーが+2000され、ブレイブを得ることができるので【11-117R】《セオドア》が登場したことによって格段に使い勝手がよくなりました。
バックアップの【11-121C】《ポロム》は【3-143C】《レオノーラ》をサーチできるため、今までの「水単」にはなかったバックアップからバックアップをサーチしてくる動きが取れるようになり、序盤から安定したゲーム展開ができるようになりました。
また自然と【カテゴリ(Ⅳ)】のカードを採用できるので、フィールドに出たときのアビリティも活かしやすくなっています。
もちろん冒頭に紹介した【3-130R】《カイナッツォ》も【カテゴリ(Ⅳ)】のカードなので、これまでのカードとシナジーを持つことができるうえ、展開力が向上したことで彼自身のアビリティが使いやすくなったのは言うまでもありません。
また【11-124H】《リルム》と【11-114R】《サハギンチーフ》が登場したことも「Opus XI」における水属性の大きな収穫です。
【11-124H】《リルム》はフィールドに出たときデッキからコスト1と2のモンスターをフィールドに出すことができ、このアビリティを使えば一度に3体のキャラクターを展開することができます。
【11-114R】《サハギンチーフ》はフォワードを手札に戻すことができるので、あとで【3-130R】《カイナッツォ》を手札に戻すコンボの下準備ができます。これにより【3-130R】《カイナッツォ》による全体除去がさらに狙いやすくなりました。
また、小ネタになりますが【11-124H】《リルム》のアビリティで【11-114R】《サハギンチーフ》と同時に【4-121C】《アダマンタイマイ》を出せば、【11-114R】《サハギンチーフ》にモンスターカウンターが乗ることは覚えておくと役に立つテクニックです。
このデッキは「水単」と言っていますが【11-015L】《ブラスカの究極召喚獣》を採用しています。
【11-124H】《リルム》の登場で【4-012C】《ゴブリン》が採用できたことと、【10-121C】《モーグリ-4組-》でほとんど水属性であるこのデッキでも火属性のCPを生み出せるので、今回のデッキにも採用しました。水属性の対処方法では倒しにくいカードをなんとかしてくれる頼もしい助っ人です。
●プレイのコツ
冒頭でも紹介した【3-130R】《カイナッツォ》を1ターンに2回出し相手のフィールドを全滅させるコンボは「水単」の代名詞とも言える動きで、【3-130R】《カイナッツォ》が登場した「Opus III」以降多くのトーナメントシーンで活躍しています。
なので、このコンボを決めることをゲームの1つのゴールと考えてプレイしていくといいでしょう。
そのためにはフィールドにできるだけキャラクターを残していくプレイが大切です。
特にゲームを始めて間もないころは、ダメージを通さないためにチャンプブロック(戦闘で負けてしまう前提でブロックすること)をしてしまいがちですが、『FFTCG』では6点までダメージを受けてもゲームに負けないので、無駄な戦闘は避けてこちらのキャラクターを生き残らせるプレイを意識しましょう。
とはいえ、ときには戦闘をしなければならないシーンもあります。
そういったときはなるべく相打ちを狙ったり、【9-109H】《セシル》でダメージを減らしつつ相手にだけ得をさせないような戦闘を心がけることが重要です。
また、【11-117R】《セオドア》はブレイクゾーンからフィールドに戻ってくることができるので、彼を使いこなすことが逆転の鍵となるでしょう。
●カスタマイズ案
「Opus XII ~クリスタルの目覚め~」で登場する【12-105L】《ユウナ》は、今回の「水単」とも非常に相性のよいカードです。
【12-105L】《ユウナ》は自分がパーティーアタックしたターンにフィールドに出すことでカードを2枚ドローできますが、【6-126R】《レイラ》に【4-133C】&《バイキング》や【9-109H】《セシル》、【11-126R】《ローザ》、【11-117R】、《セオドア》といった面々は簡単にパーティーアタックができるので【12-105L】《ユウナ》でカードを引くことは難しくないでしょう。
もちろん【12-105L】《ユウナ》がフィールドに出た後は一緒にパーティーを組み、脅威となるブロッカーを対処しながら攻撃できるので、これまでの「水単」にはない攻撃力を手に入れられること間違いなしです。
今回は採用していませんが【3-144L】《レナ》からも同じように展開できるので【カテゴリ(IV)】のパッケージではなく、こちらを採用するビルドもいいかもしれません。
◆「火水」
次に紹介するのは「火水」デッキです。
サンプルデッキ:「火水」(「Opus XI」ver)
カード番号 | カード名 | 枚数 |
フォワード(31枚) | ||
【10-111H】 | 《ギルガメッシュ[XI]》 | 3 |
【11-118L】 | 《セリス》 | 3 |
【2-139C】 | 《ラーサー》 | 2 |
【7-118C】 | 《忍者》 | 1 |
【8-113C】 | 《ガーネット》 | 1 |
【8-115L】 | 《ジタン》 | 3 |
【9-115R】 | 《ポロム》 | 2 |
【9-014L】 | 《ネール》 | 2 |
【5-005R】 | 《ガドー》 | 3 |
【7-002R】 | 《アイギス》 | 3 |
【3-149S】 | 《ビビ》 | 1 |
【5-014C】 | 《戦士》 | 1 |
【7-012H】 | 《ソール》 | 3 |
【7-131S】 | 《ウォーリアオブライト》 | 3 |
バックアップ(12枚) | ||
【4-138R】 | 《メルウィブ》 | 3 |
【3-127R】 | 《エーコ》 | 1 |
【4-134C】 | 《ブラネ》 | 1 |
【10-108R】 | 《エリア》 | 1 |
【2-005C】 | 《賢者》 | 3 |
【7-017H】 | 《ミース》 | 1 |
【10-131S】 | 《エース》 | 1 |
【5-017C】 | 《忍者》 | 1 |
召喚獣(6枚) | ||
【2-019R】 | 《魔人ベリアス》 | 3 |
【3-134R】 | 《暗黒の雲ファムフリート》 | 3 |
モンスター(1枚) | ||
【8-022R】 | 《ロールスパイダー》 | 1 |
●デッキのキーカード
この「火水」は水属性のカードの中では珍しい攻めに特化したカードを中心に、相性のよい火属性と組み合わせてビルドしたデッキとなります。
攻めの水属性ということでこのデッキのキーカードはこちらの3枚。
それぞれ、アタックしたときやダメージを与えたときに発動するオートアビリティを持つとてもアグレッシブなデザインのカードです。
【8-115L】《ジタン》は2CPでパワー3000という控えめなサイズのフォワードですが、対戦相手にダメージを与えたときにカードを2枚引けるというアビリティを持っています。
『FFTCG』は手札のカード1枚が2CPぶんのコストになるので、【8-115L】《ジタン》はたった1回ダメージを与えるだけで、手札の【8-115L】《ジタン》と自身のキャストに使った2CPを取り返すことができる破格のスペックを持ったフォワードです。
さらに【8-115L】《ジタン》は自分の手札が6枚以上ある場合はブロックされないというアビリティも持っています。
手札が6枚の状態で【8-115L】《ジタン》がダメージを与えてカードを2枚引けば、それから手札を4枚使っても次のターンにはまた自分の手札が6枚になるので、再び【8-115L】《ジタン》がブロックされなくなるという展開も可能です。
1ターン目に【8-115L】《ジタン》をキャストする場合は、ヘイストを与えられる【2-005C】《賢者》と【2-019R】《魔人ベリアス》以外はキャストせず、2ターン目に確実にダメージを与えられるプレイを狙っていきましょう。
【10-111H】《ギルガメッシュ[XI]》はアタックしたときにブレイクゾーンからコスト2以下のフォワードをフィールドに出すというアビリティを持っています。
「火水」デッキでは先ほどの【8-115L】《ジタン》をはじめ、【10-111H】《ギルガメッシュ[XI]》から展開できるコスト2のフォワードをたくさん採用しているので、高いパワーを活かしつつ毎ターンフォワードを展開していきましょう。
【3-149S】《ビビ》を自身のアビリティでブレイクゾーンに置いたり、【3-134R】《暗黒の雲ファムフリート》で任意のフォワードをブレイクゾーンに置くことで【10-111H】《ギルガメッシュ[XI]》から出し直して使うというテクニックもあります。
ヘイストを持つカードを出し直すことで、相手の想像を超えるダメージを与えることもできるので覚えておくといいでしょう。
【11-118L】《セリス》は「Opus XI」で新たに加わったキーカードです。
このカードのすごいところは、アタックしたときにパワーを+2000するか、ダメージを与えたときカードを1枚引くか、自分のバックアップと相手のフォワードを手札に戻すという3つの効果から選んでアビリティを発動できるところです。
カードを引く効果は【8-115L】《ジタン》の2枚引くアビリティと比べたら少し控えめなものの、3CPでパワー7000というスペックを見ればアタックのしやすさは格段に高いですし、パワーの高いブロッカーがいても自身のパワーを上げることでそれを超えてダメージを与えることができます。
また、自分のバックアップと相手のフォワードを手札に戻す効果は、脅威となるフォワードを対処できるだけでなく、自分のバックアップが持つオートアビリティを使い回せたり、手札が増えることで瞬間的に使えるCPの量が増えたりと、テキストに書かれていること以上の活躍の可能性がある効果です。
さらに【11-118L】《セリス》はダメージを3点以上受けているなら先ほどの効果を2つ選択できるので、相手のフォワードを手札に戻しつつダメージを与えることができたり、カードを引くかパワーが上がった【11-118L】《セリス》をブロックするか選ばせたりと、状況に応じてさまざまな選択肢を相手に迫ることができるカードです。
これら3枚のキーカードを活かして、毎ターンアタックしながら継続的にアドバンテージを稼ぐことが「火水」のコンセプトです。
●プレイのコツ
【8-115L】《ジタン》、【10-111H】《ギルガメッシュ[XI]》、【11-118L】《セリス》たちが持つアタックしたときやダメージを通したときに発動するオートアビリティは、フィールドに出たときに発動するオートアビリティと比べると使うまでにタイムラグがあり、発動させる前に除去されると損をしてしまうという側面があります。
反面、可能なら何度でも発動するので、フォワードが生き残れば残るだけ継続したアドバンテージにつながります。【2-005C】《賢者》や【2-019R】《魔人ベリアス》でヘイストを与えてタイムラグなくアビリティを使ったり、妨害される手段の少ないゲーム序盤から積極的に展開して、1枚のカードでアビリティを何度も使えるようなプレイングを心がけていきましょう。
特に、対戦相手にデッキがバレていない1ターン目の動きは重要です。
今まで紹介してきたデッキの多くは、まずバックアップを展開して動く準備を整えてからフォワードを展開していくというデッキがほとんどでしたが、こちらが「火水」を使う以上、対戦相手はこちらのキーカードに対してクリティカルなカードを用意しておけるように動くでしょう。
例えば【11-118L】《セリス》。
このカードはコストが3CPなので、一般的にバックアップを使い奇数コストが払える状態でキャストします。しかし、バックアップを準備してから【11-118L】《セリス》をキャストしアタックに行くとなると、ヘイストを与えないかぎり3ターンもかかってしまいます。
ですが、1ターン目に手札を2枚コストにして展開すれば2ターン目からアタックを仕掛けることができます。もちろんヘイストを与えられればなおよしです。
【11-118L】《セリス》のアビリティでしっかりカードを引くことができればキャストまでに無茶したぶんのリソースも取り戻せるので、こういった動き方もあるというのは覚えておくといいでしょう。
もちろん返しのターンに除去されてしまうと超過した1CPぶん多く損してしまうので、その点はご注意ください。
アクセルとブレーキを見極め、先手先手で動いてこちらがゲームの主導権を握れるような展開に持ち込みましょう。
●カスタマイズ案
「Opus XII」では光属性のフォワードをサーチできる【12-008R】《ゴブリンプリンセス》が登場します。光属性のフォワードがフィールドに出るとブレイクゾーンに置かれてしまうデメリットがあるものの、2CPでカードをサーチできるので手札を減らさずにバックアップを伸ばせるだけでなく、【ジョブ(ゴブリン)】を持っているので【10-119R】《フェレーナ》からサーチしてくることができます。
光属性の中には【ジョブ(光の戦士)】のカードと相性がいい【5-146H】《ウォル》や【10-128L】《レフィア》、自分のフォワード全員にヘイストを与えるスペシャルアビリティを持つ【8-134L】《レイン》といった「火水」と親和性の高いカードも多いです。
【10-119R】《フェレーナ》からサーチできる【ジョブ(ゴブリン)】には、ヘイストを与えられる【4-012C】《ゴブリン》や、フォワードになれる【6-008C】《ゴブリン》などもいるので、デッキの選択肢がさらに広がるでしょう。
バックアップのスロットを削ってフォワードを多く採用している今回のような「火水」デッキでは、デッキの安定性を高めるために最良のバックアップと言える存在になってくれるかもしれません。
◆「水氷モンスター」
最後に紹介するデッキは「水氷モンスター」です。
サンプルデッキ:「水氷モンスター」
カード番号 | カード名 | 枚数 |
フォワード(9枚) | ||
【11-124H】 | 《リルム》 | 3 |
【4-123H】 | 《ガウ》 | 3 |
【4-048L】 | 《ロック》 | 3 |
バックアップ(17枚) | ||
【1-183H】 | 《コスモス》 | 1 |
【8-119C】 | 《ストラゴス》 | 3 |
【4-138R】 | 《メルウィブ》 | 3 |
【4-026H】 | 《ガストラ帝国のシド》 | 3 |
【7-033R】 | 《スノウ》 | 1 |
【8-036C】 | 《セッツァー》 | 3 |
【1-107L】 | 《シャントット》 | 3 |
召喚獣(3枚) | ||
【5-133H】 | 《ビスマルク》 | 3 |
モンスター(21枚) | ||
【4-102C】 | 《ゴブリン》 | 2 |
【4-124C】 | 《グリーンドラゴン》 | 3 |
【11-114R】 | 《サハギンチーフ》 | 2 |
【4-043C】 | 《プリン》 | 3 |
【4-041R】 | 《ヌマニュウドウ》 | 3 |
【6-030C】 | 《軍用クァール》 | 3 |
【7-081C】 | 《プリン》 | 3 |
【8-080C】 | 《プーマ夜光》 | 2 |
●デッキのキーカード
「Opus XI」の全カードが明らかになったとき、あなたが「このカードは何かすごいことができるのでは……?」と思ったカードは何でしたか?
僕は【11-124H】《リルム》でした。(もちろん【11-017H】《マーシュ》は同率1位です。)
先ほどの「水単」でも紹介しましたが、【11-124H】《リルム》のアビリティはフィールドに出たときデッキからコスト1と2のモンスターをサーチしフィールドに出すというもの。
仮に手札からそれらのモンスターをキャストしようとすれば手札2枚と3CPがかかるアクションですが、【11-124H】《リルム》なら【11-124H】《リルム》1枚と5CPで行なえるので、フィールドに出るだけで【11-124H】《リルム》に使ったリソースが還元されてしまうという脅威のテキストです。
一体どれだけ得をすれば気が済むんだというアビリティです。
というわけで、この「水氷」はそんな【11-124H】《リルム》にフォーカスしています。
【11-124H】《リルム》を使うにあたって特に注目したのが、【カテゴリ(VI)】のキャラクターであるという点です。
【11-124H】《リルム》をサーチできる【4-026H】《ガストラ帝国のシド》は氷属性のバックアップということで、自然と【4-048L】《ロック》が採用の候補に挙がります。
1ターン目にバックアップを2枚置きつつ、2ターン目に【11-124H】《リルム》と【4-048L】《ロック》をキャスト、【11-124H】《リルム》で【4-102C】《ゴブリン》とフォワード化できるモンスターをフィールドに出しつつ、【4-102C】《ゴブリン》で【4-048L】《ロック》にヘイストを与えてアタックすることで、相手には手札を合計2枚捨てさせつつこちらはフォワードを3体並べようというのがこの「水氷モンスター」の狙いです。
●プレイのコツ
【4-124C】《グリーンドラゴン》や【4-041R】《ヌマニュウドウ》などのモンスターはアビリティを起動するまでフォワードではないため、【1-107L】《シャントット》のようなリセットカードと合わせて使うことで、自分の被害は抑えつつ盤面を逆転できます。
また【4-043C】《プリン》は土属性の【7-081C】《プリン》をサーチできるので、土属性のCPを確保しやすく「水氷」というカラーリングながら【1-107L】《シャントット》にまで手を伸ばすことができます。
なので【11-124H】《リルム》+【4-048L】《ロック》が狙えないゲームでは、モンスター+【1-107L】《シャントット》でじっくり戦っていくプランを選ぶのもいいでしょう。
【5-133H】《ビスマルク》は一度フィールドに出した【1-107L】《シャントット》を手札に戻し、再度出し直すことでフィールドを複数回リセットすることができます。
【1-107L】《シャントット》を出す前に自分のフォワードを回収しておくこともできるので、有効に使って有利なフィールドを作り上げましょう。
●カスタマイズ案
今回は【11-124H】《リルム》の展開力を重視してモンスターが多いビルドになりましたが、より【カテゴリ(VI)】のシナジーに注目して【11-118L】《セリス》などを採用するのもおもしろそうです。
【11-124H】《リルム》からサーチしてきた【4-102C】《ゴブリン》でヘイストをつけて攻撃に回るのももちろん強力ですし、【11-118L】《セリス》のおかげで【4-048L】《ロック》はさらにダメージが通しやすくなります。
水属性なら【4-140H】《モグ[VI]》も採用できるので、【11-024L】《ウーマロ》を5CPでキャストするのを狙うのも強力そうですね。
◆おわりに
今回は水属性編ということで「水単」、「火水」、「水氷モンスター」の3デッキを紹介しました。
実は水属性は僕自身がこれまであまりプレイしてこなかったこともあり、どんなデッキを紹介しようかとても悩んだのですが、どれもテクニカルで使い込むほど新しい発見がある属性なので、デッキのビルドも含めて僕自身とても楽しめました。
皆さんも普段なかなか使わない属性があるかと思いますが、たまには趣向を変えていろいろな属性に触れてみると新しい発見があるので、ぜひいろいろな属性に触れて楽しんでみてください。
さて、今回まで6回にわたりお送りしてきた「たるほ的デッキ名鑑」ですが、今回でシリーズはひと区切りとなります。
今回紹介できなかったデッキや僕がまだまだ研究不足なデッキもあったので、また機会があれば「Opus XII ~クリスタルの目覚め~」でのアップデートにも対応しながらデッキを紹介していきたいなと思っています。
その際はぜひまたお付き合いください。
それではまた次回の記事でお会いしましょう!