【FFTCG】「秘められた試練」の新カードを使ったL3構築のデッキを紹介!

『FINAL FANTASY TRADING CARD GAME』の公式記事連載。今週は「秘められた試練」のカードを中心にしたL3構築の新デッキを紹介します。

はじめに
皆さん、こんにちは!
『FFTCG』公式記事ライターのたるほです。

前回のL3構築考察記事はお楽しみいただけたでしょうか?
今回も、先週に引き続き「秘められた試練」のカードを使用したL3構築のデッキを紹介していこうと思います。

今週末、8月18日(日)には「秘められた試練」環境で初となるL3構築の公式トーナメント「MASTERS 2024 3rd season」さいたま大会も開催されるので、大会前の予習としてチェックしていってください。

それでは、さっそく始めていきましょう。

 


◆「秘められた試練」環境で活躍? L3構築の新デッキを紹介
今回はL3構築の新デッキとして、

「水単クリスタル」
「火風【DFF】」

2つのデッキを紹介していこうと思います。 

●サンプルデッキ:「水単」 

カード番号 カード名 枚数
メインデッキ
フォワード(24枚) 
【23-100L】 《エグセニミル[少年時代]》 3
【23-109C】 《ポーシャ》 3
【22-105H】 《ミワ》 2
【22-107C】 《ユニ》 1
【23-104H】 《湿地の魔女》 3
【23-112H】 《ラーアル[少年時代]》 3
【23-114R】 《リリゼット》 3
【22-095H】 《ウォーリアオブライト》 3
【21-103R】 《クラーケン》 1
【23-115L】 《ヴェーネス》 2
バックアップ(14枚) 
【23-111C/15-123C】 《予言士》 3
【23-101C】 《踊り子》 3
【21-109C】 《占星術師》 3
【21-111C】 《ナイト》 3
【21-115C】 《ラーサー》 2
召喚獣(3枚) 
【22-093R】 《アニマ [X]》 3
モンスター(9枚) 
【21-105C】 《サハギン》 3
【22-102C】 《ピラニア》 3
【23-096C】 《アプカルル》 3
LBデッキ 
フォワード(8枚) 
【22-122L】 《ティーダ》 2
【22-123R】 《レオ》 3
【23-130H】 《ルッソ》 2
【22-124H】 《リレルリラ》 1

はじめに紹介するデッキは「水単」です。
「秘められた試練」では水属性に構築の指標となるいくつかのテーマが用意されています。今回はその中から「クリスタル」「モンスター」「踊り子」の3つのテーマに焦点を当てた「水単」を作成しました。

デッキの中心となるのは「クリスタル」のテーマの軸でありつつ3つのテーマの懸け橋にもなる【23-100L】《エグセニミル[少年時代]》です。このカードはクリスタルを支払うことで使用できる2つのアクションアビリティを持っています。

ひとつが「:エグセニミル[少年時代]のパワーは9000になり、「エグセニミル[少年時代]は対戦相手のアビリティによっては選ばれない。」を得る(この効果はターン終了時に終わらない)。」というもの。
この効果により【23-100L】《エグセニミル[少年時代]》はコスト2ながらパワー9000かつアビリティ耐性を持つ強力なフォワードへと成長します。
そしてもうひとつが「◇水:コスト3の水属性のフォワード1枚をサーチし、フィールドに出す。このアビリティは1ターンに1度しか使えない。」というもの。このアビリティで【23-104H】《湿地の魔女》や【23-114R】《リリゼット》などの各テーマの要となるフォワードをサーチし展開していくことがこのデッキの動きの基本となります。 

「モンスター」テーマの【23-104H】《湿地の魔女》は自身がアドバンテージを生み出すだけでなく、「モンスター1体をブレイクゾーンに置く:フォワード1体を選ぶ。ターン終了時までそれのパワーを-7000する。」というアクションアビリティによって、フィールドに置かれているモンスターを除去に変換できるカードです。役目を終えた【23-096C】《アプカルル》をコストにして除去したり、【22-102C】《ピラニア》と組み合わせることでパワー9000までのフォワードを除去できるなど応用力の高い効果を持っています。 

【23-114R】《リリゼット》は「踊り子」テーマの潤滑油的な存在で、このカードを起点に「踊り子」をサーチしていきます。
「踊り子」はジョブを参照したテーマであり、歴代のジョブテーマである「侍」「モンク」などと同様、フィールドに指定のジョブやカード名を持つカードをそろえていくことで高いバリューを生み出すテーマとなっています。

テーマのゴールとなるのは、【23-109C】《ポーシャ》と【23-101C】《踊り子》です。 

【23-109C】《ポーシャ》は「ポーシャがフィールドに出たとき、あなたが【ジョブ(踊り子)】 か【カード名(踊り子)】を合わせて2体以上コントロールしている場合、カードを1枚引く。」「ポーシャがフィールドに出たとき、対戦相手のコントロールするフォワード1体を選ぶ。あなたが【ジョブ(踊り子)】か【カード名(踊り子)】を合わせて4体以上コントロールしている場合、それをデッキの1番下に置く。」という2つのオートアビリティを持っているため、これを狙ってフィールドに「踊り子」を並べていきます。 

【23-101C】《踊り子》の持つ「踊り子がフィールドに出たとき、フォワード1体を選ぶ。ターン終了時までそれのパワーを-2000する。あなたがバックアップを5体以上コントロールしている場合、代わりにターン終了時まで対戦相手のコントロールするすべてのフォワードのパワーを4000する。」というアビリティは単体では活躍させにくい効果ですが、【23-111C/15-123C】《予言士》など能動的にフィールドから退場できるバックアップと組み合わせれば、全体除去として機能させることができます。現在のL3構築では全体除去が貴重なため、狙うだけの価値は十分にあるコンボと言えるでしょう。

これらの3つのテーマとは別に「水単」の強みとなる点として、バックアップへのアクセス手段の豊富さが挙げられます。優秀なLBカードとしてすでにさまざまなデッキに採用されている【23-130H】《ルッソ》はもちろん、先述の「踊り子」テーマの【23-114R】《リリゼット》や、【ジョブ(一般兵)】をサーチできる【22-095H】《ウォーリアオブライト》、さらには汎用性が高いサーチ効果を持つ【23-115L】《ヴェーネス》など「水単」は採用されているサーチカードが優秀なデッキです。 


加えて【23-100L】《エグセニミル[少年時代]》や【21-115C】《ラーサー》でそれらのサーチ効果を持つカードへのサーチも可能なため、現在のL3構築においてこれ以上のバックアップへの安定感を持つデッキはないといっても過言ではないでしょう。

「水単」の戦い方ですが、基本的には【23-100L】《エグセニミル[少年時代]》を軸に戦っていくことになります。特に環境の仮想敵となる「氷雷【VIII】」に対しては、アビリティによって選ばれなくなった【23-100L】《エグセニミル[少年時代]》が大きな脅威となるので、このカードの有無を基準にマリガンしていくことをおすすめしています。 

最終的なゴールは「踊り子」をそろえて【23-109C】《ポーシャ》や【23-101C】《踊り子》でフィールドを制圧するほか、キャラクターを並べて【22-122L】《ティーダ》でゲームを締める水属性らしいフィニッシュも可能です。

 


●サンプルデッキ:「火風【DFF】」 

カード番号 カード名 枚数
メインデッキ
フォワード(29枚) 
【21-134S】 《バッツ》 3
【21-126S】 《クラウド》 3
【23-002L】 《カイアス》 3
【23-011L】 《ティナ》 3
【21-004L】 《カイエン》 3
【21-127S】 《フリオニール》 3
【23-057H】 《レオ将軍》 1
【21-133S】 《ティーダ》 3
【22-047L】 《ドルガン》 2
【23-042C】 《ヴァン》 3
【21-131S】 《ウォーリアオブライト》 2
バックアップ(15枚) 
【22-001R】 《アーロン》 2
【23-007C/15-007C】 《侍》 3
【21-006C】 《侍》 3
【23-055C/15-058C】 《竜騎士》 3
【21-059C】 《竜騎士》 3
【21-043C】 《ヴィエラ族》 1
召喚獣(6枚) 
【21-012H】 《バハムート》 3
【23-016R】 《バハムート》 3
LBデッキ 
フォワード(8枚)
【22-112R】 《ザックス》 2
【23-118H】 《アーデン》 3
【23-119R】 《ヴィンセント》 2
【23-130H】 《ルッソ》 1

次に紹介するデッキは「火風【DFF】」です。
このデッキのテーマはずばり「全体除去」です。

前回の環境考察記事でも触れていますが、「秘められた試練」環境のL3構築は全体除去の手段がかなり限られたカードプールになっています
それでありながらメタゲームの中心には依然として「氷雷【VIII】」や「闇の戦士」といったフォワードの展開力に優れたデッキが存在しており、これらをいかに対処するかがこの環境を戦うデッキに求められるひとつの課題と言えます。

この課題に、真っ向から取り組もうというのが「火風【DFF】」のコンセプトです。

そのためのアプローチとしてこのデッキでは【21-004L】《カイエン》と【23-042C】《ヴァン》の、2種類の全体除去効果を持つカードを採用しています。


これら2枚はどちらも「クリスタルを獲得する効果」と「クリスタルを消費することで除去を行う効果」を持つため、引く順番によってはアビリティを使うことが難しくなるというクリスタルギミックの弱点を補いつつ運用することができる、補完に優れたカードです。

採用している枚数は合計6枚ですが、どちらもゲーム中に複数回使用できるアビリティであるため、見た目以上に繰り返し全体除去ができるのもこのデッキの強みです。

クリスタルを獲得するためのアプローチとして、このデッキには「DISSIDIA FINAL FANTASY コレクションセット 2023」で登場した【カテゴリ(DFF)】のギミックを採用していますが、これらのカードはL3環境で活躍する「氷雷【VIII】」や「闇の戦士」デッキに対しても有効です。

これらのデッキは初手の展開に【22-031H】《スコール》+【18-007C】《セルフィ》や【22-067L】《ナハト》+【22-081R】《ディアナ》といった形で、パワー8000以上のフォワード+パワー7000以下のフォワードという構成で展開するパターンが多いのですが、これに対し【21-127S】《フリオニール》+【21-126S】《クラウド》+【21-134S】《バッツ》or【21-131S】《ウォーリアオブライト》とそろえることで、こちらはフォワードを3体展開しつつ相手のフォワードをすべて除去するというカウンターを決めることができるのです。一見するとなかなか要求値が高くも見えますが、【21-134S】《バッツ》が絡む展開であれば【21-134S】《バッツ》+【21-127S】《フリオニール》or【21-126S】《クラウド》で成立するので積極的に狙っていきたい動きです。

また対「氷雷【VIII】」や対「闇の戦士」デッキに対して有効な動きとして、【23-002L】《カイアス》からのカウンターも有効です。これは前述の動きと違い【23-002L】《カイアス》単体でも回答になりえるほか、【22-001R】《アーロン》をバックアタックでキャストできれば、後攻スタートした場合でも消費する手札を1枚少なく動くことができます

L3構築はカードプールの都合上EXバーストの数をそろえにくいデッキも多いのですが、「火風【DFF】」には【21-133S】《ティーダ》、【21-126S】《クラウド》【23-011L】《ティナ》といった強力なEXバーストも多く採用できます。 


「L3 Championship 2024」のような長丁場のトーナメントでは、こういった運の要素に影響を受ける機会もより多くなります。なかでもフィールドに直接干渉できるEXバーストはかなり数が限られるため、逆転要素が多いことはデッキの明確な強みと言えるでしょう。

また、デッキのバリエーションとして実はこの「火風【DFF】」の強みの多くは「火水」の組み合わせにも流用できるのではないかと考えています。
そこで最後におまけとして、「火水【DFF】」のデッキリストも紹介しておこうと思います。 

 


●サンプルデッキ:「火水【DFF】」 

カード番号 カード名 枚数
メインデッキ
フォワード(26枚) 
【21-134S】 《バッツ》 2
【21-126S】 《クラウド》 3
【23-002L】 《カイアス》 3
【23-011L】 《ティナ》 3
【21-004L】 《カイエン》 3
【21-127S】 《フリオニール》 3
【22-095H】 《ウォーリアオブライト》 3
【21-118H】 《レイラ》 3
【22-094C】 《ヴァン》 3
バックアップ(17枚) 
【21-006C】 《侍》 3
【22-001R】 《アーロン》 2
【23-001C】 《ガーランド》 3
【21-115C】 《ラーサー》 3
【21-109C】 《占星術師》 3
【22-103C】 《ファリス》 3
召喚獣(7枚) 
【21-012H】 《バハムート》 3
【23-016R】 《バハムート》 2
【22-093R】 《アニマ [X]》  2
LBデッキ 
フォワード(8枚) 
【22-112R】 《ザックス》 2
【23-119R】 《ヴィンセント》 2
【22-123R】 《レオ》 2
【22-122L】 《ティーダ》 1
【23-130H】 《ルッソ》 1

基本的な考え方は「火風【DFF】」同様に【21-134S】《バッツ》、【21-127S】《フリオニール》、【21-126S】《クラウド》によるカウンター展開を狙うデッキですが、全体除去を前面に狙うのではなく、代わりに【ジョブ(海賊)】ギミックを採用した構築となっています。
速度の速いデッキに対しては【21-118H】《レイラ》から【22-103C】《ファリス》をサーチすることで対処が狙えるほか、【22-103C】《ファリス》が置かれている状況から【21-118H】《レイラ》で【22-094C】《ヴァン》をサーチし、強力な除去を仕掛けることができます。


また「火水」の組み合わせならではのメリットとして、【23-001C】《ガーランド》+【22-103C】《ファリス》のコンボが狙えるのもデッキの特徴です。


相手のフォワードのコントロールを【23-001C】《ガーランド》で奪い、奪ったフォワードと相手のフォワードを【22-103C】《ファリス》で除去するこのコンボはコスト2のバックアップ2枚で行えるため、一度決めればゲーム展開を一気に傾けることができます。

こちらのデッキはまだまだ思いつき段階で詳細を詰められていないのですが、【21-113R】《ビッケ》を採用して【ジョブ(海賊)】方面のシナジーを狙いやすくしたり、【23-100L】《エグセニミル[少年時代]》を採用してクリスタルギミックを強化したりと、今後も研究のしがいがありそうだなということで、おまけに紹介させていただきました。 

 


◆おわりに
今回は前回に引き続き「秘められた試練」環境のL3構築についてお話してきました。
紹介したデッキがどれほどトーナメントレベルで通用するのか自信がないのが正直なところですが、どのデッキにも光るものを感じているので、「L3 Championship 2024」に向けて研究を進めていければと思っています。

まずは今週末の「MASTERS 2024」さいたま大会でどんなデッキが活躍するのか、見定めていきたいですね。

次回はそんな「MASTERS 2024」さいたま大会の優勝者インタビューをお届けしようと思いますのでお楽しみに!

それではまた次回の記事でお会いしましょう!