【FF-TCG】開発課・愛澤の「Opus VII」デッキ紹介:風単ユーリィ&チェリンカ

『FINAL FANTASY TRADING CARD GAME』の公式記事連載。今週は開発課・愛澤による「Opus VII」の注目カード【7-128H】《ユーリィ》を使ったデッキを紹介します。

 

◆はじめに

『FF-TCG公式記事連載をご覧の皆さん、こんにちは!
ホビージャパンゲーム開発課、愛澤です。

今週末は、「Opus VII」発売後初となる公式大会「名人戦」が横浜からスタートします。「名人戦」は全国で開催されますので、開催日程をチェックしてぜひお近くの会場に足を運んでみてください。

さて、今回は直前にせまった新シーズンの大会に合わせて「Opus VII」で発売された新カードのなかでも特に注目度の高いカードを使ったデッキを紹介します。
「名人戦」参加を考えている方だけでなく、最近『FF-TCGを始めた人、これからデッキを組んでみようかなと考えている人にも見てもらえればうれしいです。

 

風単「ユーリィ&チェリンカ」デッキを紹介!

今回紹介するのは【7-128H】《ユーリィ》を使ったデッキです。
デッキリストはこちらです。

カードNo. カード名 枚数
フォワード(22枚)
【1-080H】 バッツ 3
【3-066R】 バルバリシア 2
【4-055H】 カヌ・エ・センナ 3
【4-069H】 モーグリ 2
【5-068L】 ヤ・シュトラ 2
【7-046R】 ヴァータ 3
【7-054L】 チェリンカ 3
【7-133S】 セシル 1
【7-128H】 ユーリィ 3
バックアップ(20枚)
【1-083H】 マリア 3
【1-088C】 弓使い 2
【4-050R】 ア・ルン・センナ 3
【4-071R】 ラヤ・オ・センナ 2
【6-047C】 白魔道士 2
【6-058C】 モーグリ[XI] 3
【7-043C】 アーチェス 2
【7-044H】 アルハナーレム 2
【7-051C】 サボテン車掌 1
召喚獣(3枚)
【5-062L】 ディアボロス 3
モンスター(5枚)
【4-058C】 サボテンダー 3
【7-050R】 コンドル 2

まずデッキの主役である【7-128H】《ユーリィ》を見てみましょう。
このカードは、同じ属性のバックアップをコストにすることでダメージ、ドロー、ダルと凍結、能力の消去といったさまざまな効果を発揮できます。

アビリティを使うには同じ属性のバックアップが複数必要になるので、単属性のデッキで使うのがもっともこのカードの性能を引き出しやすくなります。そのなかでも属性の特徴として「バックアップをアクティブにする」カードが多い風属性との相性は抜群といえるでしょう。

デッキを単属性にして、さらにバックアップをアクティブにする手段をたくさん搭載することで【7-128H】《ユーリィ》のアビリティを徹底的に活用していくというのがこのデッキのコンセプトです。

 

◆弱点のカバーと、シナジー強化の両方をこなしてくれる

単属性デッキは、フォワードに関して言えば2属性以上のデッキとくらべて「パーティーを組んでのアタックがしやすい」、「属性を強化するカードの恩恵を全員が受けられる」という2点が長所です。

▲デッキのフォワードが全員一回り強化されます、デッキを単属性にする大きなメリットの1つですね。

 

▲バックアップだけでなく、フォワードにもこのようなアビリティを持ったカードが存在します。

その反面、1つの属性のカードしか採用できないので、弱点となるカードや動きへの対策が難しいという弱みもあります。そういった弱点をカバーしてくれるのが、「光」と「闇」属性のカードです。

▲ブレイクやダメージで倒せないフォワードへの対処として使われることも多い【6-130L】《ニーズヘッグ》image

選んだ属性が対処できないカードに対応してくれる「光」と「闇」のカードは、単属性デッキにかぎらずほとんどのデッキで採用されています。

もちろん、弱点のカバーだけでなくそのデッキの動きにあった強化手段として採用する戦略も有効です。ですが「光」と「闇」のフォワードは上で述べた単属性デッキの強みからは外れてしまいます。「光」、「闇」のフォワードは特定の属性のフォワードを強化するバックアップの恩恵は受けられませんし、基本的にパーティーを組んでのアタックもできません。

しかし【7-128H】《ユーリィ》は「闇」以外のすべての属性を持つため、バックアップによる強化やパーティーでのアタックが可能になると言った単属性デッキの恩恵と強みをしっかり共有できます。そして、柔軟性の高いアビリティによってデッキの戦略の補強をどちらもこなしてくれるカードです。

少し大げさな言いかたになるかもしれませんが、【7-128H】《ユーリィ》を使うことで、デッキを単属性のまま、まるで複数属性のデッキのようにできるのです。

たとえば「火単」や「雷単」デッキなのに「水単」のようにドローができたり、「氷単」でアクティブ状態のフォワードにダメージを与えたり、能力でダルにならないフォワードのアビリティを失わせたりと、これまでできなかったことができるようになり、苦手としていたカードやデッキに対して勝機が見いだせるようになることもあるでしょう。
また「氷単」のデッキでダル凍結のアビリティを使ってダル状態のフォワードをブレイクする戦略とあわせれば、今まで以上にフォワードを対処できるようになりますし、「火単」などで繰り返し使えるダメージ能力として、ほかのカードとの合わせ技による除去もやりやすくなります。

単属性デッキに【7-128H】《ユーリィ》を加えることで起こる変化についてお話ししたところで、今回の「風単」デッキの使い方を見ていきましょう。

◆ゲームプラン解説

序盤はバックアップの展開に全力をそそぎましょう。このデッキでは【4-050R】《ア・ルン・センナ》imageが採用されていますが、バックアップからバックアップをサーチできるこのカードは序盤の動きで最重要といっていいでしょう。可能なら初手からプレイしたいカードです。

そのあとも、相手から積極的に攻勢をしかけられないかぎりはバックアップのプレイを重視してゲームをすすめましょう。ただし、パワーの低いフォワードが複数枚ならび、3点以上のダメージを受けそうだという場面で【4-069H】《モーグリ》imageが手札にあるなら、ブロックするためにプレイしていくのも有効です。

中盤は相手のフォワードを減らせるように【4-058C】《サボテンダー》imageと【3-066R】《バルバリシア》image【5-062L】《ディアボロス》image、ブロックによる相討ちを行なって消耗を狙いましょう。当然自分側も消耗していきますが、除去や相討ちによる消耗がお互いに大きくなればなるほど、後々【7-128H】《ユーリィ》がフィールドに残りやすくなります。

そのために、1枚目の【7-128H】《ユーリィ》は無理にかかえず早々にフィールドに出す方がいいでしょう。相手も【7-128H】《ユーリィ》を見たら、一度展開を止めてこれを除去しなくてはならないので、その間にまたバックアップを並べていきましょう。

また【7-054L】《チェリンカ》の使いかたも重要です。相手のブロッカーに対して、倒されても構わない【4-069H】《モーグリ》imageや【3-066R】《バルバリシア》imageでアタックをしつつ、その後に【7-054L】《チェリンカ》のオートアビリティで追加ダメージでのブレイクを狙い、さらに【7-054L】《チェリンカ》自身を実質パワー8000のブロッカーとして相手のフォワードに立ち向かわせる、といった使い方をしていくといいでしょう。

 

◆ユーリィの活用法を考える

バックアップが5枚そろったら、いよいよこのデッキが真価を発揮するときがきます。
これ以降は【7-128H】《ユーリィ》のアビリティを状況に応じて使い分けることになりますが、ここのプレイングが1番のポイントなので、1つだけ例をあげて解説していきます。

この状況では、

  1. 手札をコストにせず、バックアップを4枚ダルにしてプレイ
  2. 手札を1枚コストにバックアップを2枚ダルにしてプレイ
  3. 手札を2枚コストにバックアップをダルにせずプレイ

という3つの選択肢があります。

まず、この状況でもっとも避けたいプレイは1番です。手札にすでにフィールドに出ているバックアップがあるので、最低でもこのカードをコストにして、相手の出方を見たあとにドローするアビリティを使うだけで、手札の質を向上させることができます。

では、2番と3番の違いはどこにあるでしょうか。
どちらが「効率的なプレイ」につながるでしょうか。

キーとなるのは「バックアップのアビリティ」です。

3番を選択すると、【7-128H】《ユーリィ》のアビリティを2回使うことができるので、一見とても強力です。ダメージを与える効果を2回選べばパワー8000以下のフォワードならブレイクできますし、ダル凍結なら2体までフォワードを無力化できます。何もなければカードを2枚引くこともできます。ここで本当にドローのアビリティを2回使った場合、バックアップと【7-128H】《ユーリィ》は全てダル状態になり、手札が2枚になります。

2番を選択した場合、8000ダメージを与えることも2体のフォワードを凍結することはできませんが、ドローのアビリティを使った場面で手札は2枚、【7-128H】《ユーリィ》かバックアップ1枚はアクティブな状態になります。

そう、ここでキャラクター1枚分のアクティブ状態の差ができています。

対戦相手がダメージを与える手段に長けている場合は【7-051C】《サボテン車掌》imageをアクティブにしていることで大きく変わりますし、凍結できるデッキなら【7-128H】《ユーリィ》が凍結されることでアタックできないだけでなく次のターンのアビリティ回数も減っています。

というわけで、明確に対処しなければいけないフォワードがいない場合は2番のプレイが効率的、といえるのではないでしょうか。

受けているダメージや、ヘイストを持つフォワードが予測できていたりする場合でもこまかく変わってきますが、ポイントは「コストの支払い方で違いがうまれる」ということです。

【7-128H】《ユーリィ》はアビリティの使い方や手札の残し方ひとつで結構勝敗も変わるので、対戦のなかでいろいろためしてみてください。

◆終わりに

【7-128H】《ユーリィ》を使った「風単」デッキについて、序盤から終盤までの展開方法や戦闘の仕方、そしてゲーム中でよく発生する【7-128H】《ユーリィ》の出し方、アビリティの使い方について解説しました。

【7-128H】《ユーリィ》は非常に器用なカードですが、正しい選択肢を取ることでさらにパワーを発揮することができます。皆さんもこのパワフルなカードをぜひ使ってみてください。

「名人戦」各地区会場では『FF-TCG』体験会も開催されておりますので、初めての方や始めたばかりの方は大会参加だけでなくルールやデッキについて公式スタッフにたずねてみるのもいいでしょう。

スタッフ一同会場で皆様のご来場を心よりお待ちしております。

それではまた、次回の記事でお会いしましょう!