【FFTCG】「第四期 名人戦」近畿大会・関東大会を制した「風単【デブチョコボ】」の使い手二人にインタビュー!

『FINAL FANTASY TRADING CARD GAME』の公式記事連載。今週は「第四期 名人戦」近畿大会・関東大会で優勝した「風単」について。それぞれのプレイヤーにインタビューを行ない、その強さに迫ります。

◆はじめに
皆さん、こんにちは! 『FFTCG』公式記事ライターのたるほです。
新たな公式トーナメント「第四期 名人戦」の火ぶたが切って落とされました。

「名人戦」とは全国10か所で行なわれる予選大会と、それを通過したプレイヤーが出場できる「名人位決定戦」からなる『FFTCG』の一大タイトル「名人」の称号を懸けた大会です。
この「第四期 名人位」の栄誉を勝ち取るプレイヤーは誰になるのか、長き熱き戦いのもようを公式記事でもインタビューを通じてお伝えしていきたいと思います。
そんな「第四期 名人戦」の初週に開催された近畿、関東での地区予選では両大会ともに「風単【デブチョコボ】」が首位に立つという結果になりました。

「光の使者」環境も始まったばかりということもあり、地域を越えての「風単【デブチョコボ】」の活躍は多くのプレイヤーの注目を集める結果となったのではないでしょうか?
今回は両大会でそれぞれ優勝されたしーゆーさんeurekaさんにインタビューを行ない「光の使者」の初期環境を制した「風単【デブチョコボ】」の強さに迫っていこうと思います。

それでは、さっそく始めていきましょう。

 

◆岡山大会:しーゆーさん改良による“攻め”の意識の「風単【デブチョコボ】」
――「第四期 名人戦」近畿地区予選での優勝おめでとうございます。
しーゆー:ありがとうございます。
――しーゆーさんは「第四期 名人戦」の開幕となった大会で、全勝で優勝を収められたわけですが、今回「風単【デブチョコボ】」を選択されたのはどういった経緯があったのでしょうか?

しーゆー:実は私はしばらく『FFTCG』に触れられていなかったこともあり、今回の大会は個人的にかなりブランクが空いた状態での参加となりました。
なので、まずは参加するためのデッキの情報を集めるところから準備を始めていったのですが、そんななかヨーロッパの大会で「風単【デブチョコボ】」が優勝しているのを見つけました。それに関心を持ち、自分なりにアレンジをしてみようと考えたのが、今回このデッキを使うきっかけでした。

●デッキリスト「風単【デブチョコボ】」(「第四期 名人戦」近畿地区予選優勝 フォーマット:スタンダード)

カード番号 カード名 枚数
フォワード(30枚)
【16-056R】 《デブチョコボ》 3
【1-080H】 《バッツ》 2
【3-049C】 《イザナ》 3
【3-056H】 《ジタン》 2
【5-058L】 《ヤ・シュトラ》 1
【8-049L】 《エアリス》 1
【9-057L】 《ヤズマット》 2
【14-042L】 《雲神ビスマルク》 3
【14-039R】 《アデル》 2
【14-045H】 《シン》 2
【15-045H】 《エッジ》 2
【16-048H】 《ジタン》 1
【16-051L】 《セシル》 1
【16-054C】 《チョコボ》 3
【16-058R】 《フィーナ》 2
バックアップ(17枚)
【16-055C】 《チョコボ・サム》 3
【2-071R】 《リュック》 2
【4-067C】 《風水師》 3
【6-047C】 《白魔道士》 3
【7-051C】 《サボテン車掌》 1
【11-056R】 《フィオナ》 1
【12-048R】 《チョコラッテ》 1
【15-052C】 《チョコボ》 1
【15-062C】 《レム》 1
【16-052C】 《セルキー》 1
モンスター(3枚)
【14-049H】 《テュポーン》 3

――「風単」は『FFTCG』でも根強い人気のあるアーキタイプですが、この【16-056R】《デブチョコボ》image型の風単はどういうデッキなのでしょうか。
しーゆー:このデッキは一言でいうと【16-056R】《デブチョコボ》imageで相手とボードアドバンテージ差をつけて勝つデッキです。


【16-056R】《デブチョコボ》imageが持つ1ターンに一度、自身をダルにすることで手札からコスト2以下の風属性のバックアップをフィールドに出すアクションアビリティが想像以上に強くて、【4-067C】《風水師》imageのような【16-056R】《デブチョコボ》imageをアクティブにできるカードと組み合わせて対戦相手のターンにもアビリティを使うことで、これまでのデッキと比べてより早くバックアップを並べてCP面でのアドバンテージを得ることができます。

旧来の「風単」でもまずはバックアップを並べることが重要とされていましたが、このデッキはたいていの相手より先にバックアップを並べられるため、こちらの強い盤面ができあがったときに相手の準備ができていなかったり、重要なカードを引き込めていなかったりという状況を作れるこのスピードこそが強みだと思います。また、手札破壊などでリソースをさらに早く攻めてくる相手に対しても【16-056R】《デブチョコボ》imageが毎ターン追加のカードをもたらしてくれるため耐性が上がっています

また、このアビリティの強い点として、コスト2のバックアップのオートアビリティを相手ターン中にも使えるという点が挙げられます。

特に今回の大会ではブレイクゾーンのカードを除外する【6-047C】《白魔道士》imageが活躍してくれたのですが、【16-056R】《デブチョコボ》imageがアクティブでいるだけで、相手はこちらのアクションを考慮して動かなければならないというのが強力でした。今回採用したなかでは、ほかに【7-051C】《サボテン車掌》imageもいい働きをしてくれます。


最終的に目指す盤面はコストの軽いフォワードを並べつつ【16-056R】《デブチョコボ》image+【14-042L】《雲神ビスマルク》image+【2-071R】《リュック》imageをそろえて、【14-042L】《雲神ビスマルク》imageで手札に戻した【2-071R】《リュック》imageを相手ターンに【16-056R】《デブチョコボ》imageで出すことで【14-042L】《雲神ビスマルク》imageのアクションアビリティをたくさん起動し、フィールドを制圧することです。


――採用されているカードについてもお聞きしていきたいと思います。個人的に【9-057L】《ヤズマット》imageの採用は痺れるカードチョイスでした。
しーゆー:【9-057L】《ヤズマット》imageは参考にしたデッキリストにも採用されていたのですが、「風単【デブチョコボ】」は展開速度に優れるぶん、バックアップしか引かないときにやることがなくなってしまうこともしばしばあり、そういったとき手札にあふれたバックアップの還元先として優秀でした。基本的にバックアップの展開にリソースを割かないので手札に余裕が生まれやすく、見た目よりも軽いコストで運用できました。

「光の使者」では強力なモンスターが増えたことで、モンスター除去の役割を担うことも多く、EXバーストでモンスターを処理できるのも強力なポイントでした。

今日の試合の中では、相手の【12-124L】《サンクレッド》imageをブレイクしつつ生き残り、次のターンに【16-117H】《トロス》imageをブレイクしたときがもっとも輝いていましたね。

――【16-054C】《チョコボ》imageの採用もかなりアグレッシブですね。
しーゆー:【16-054C】《チョコボ》imageは【16-055C】《チョコボ・サム》imageでパワー9000になるので、先陣を切って出しやすいアタッカーとして採用しました。ブレイクされてもコスト2以下のキャラクターを回収できるので【7-051C】《サボテン車掌》imageを使いまわすなど、風属性には限られているブレイクゾーンの回収手段として使い勝手がよかったです。

【16-054C】《チョコボ》imageからの回収先としては【14-039R】《アデル》imageも強力で、条件付きですがコスト2でパワー8000、相手に選ばれないアタッカーは環境的にもマッチしていました。


バックアップに関しては先ほど話したとおりなのですが、加えて言うなら自分でフィールドを離れられるカードを意識して採用しました。
最終的に【2-071R】《リュック》imageを出す都合上、フィールドのバックアップが埋まってしまってはまずいので、その点は意識しながら採用しています。

――元のレシピからしーゆーさんがアレンジしたポイントはどういったところなのでしょうか?
しーゆー:参考元のデッキリストに入っていなかったカードを挙げると、【14-045H】《シン》imageは非常に強力でした。

相手ターンに【15-083L】《リディア》imageや【14-116H】《マシュリー》imageのアクションアビリティが使えなくなるので、相手の妨害を受けることなく【16-056R】《デブチョコボ》image+【14-042L】《雲神ビスマルク》image+【2-071R】《リュック》imageを決めることが可能になります。【1-107L】《シャントット》imageをけん制できるのも優秀で、フォワードの展開を後押ししてくれるので、バックアップを引けないゲームでも無理やり押し込みに行けるのが便利です。


――このデッキでは召喚獣を採用されていませんが、これは【16-056R】《デブチョコボ》imageの成功率を意識してのことでしょうか?
しーゆー:召喚獣は、できるだけ考えることを減らしたくて採用を見送りました(笑)。採用してデッキの動きを難しくするよりは、前のめりに動きたかったので、その枠を展開しやすいフォワードに譲ったという感じです。
先ほどの【16-056R】《デブチョコボ》imageや【16-058R】《フィーナ》imageなど相手ターンに動けるカードも多いので、召喚獣が少ないことの弊害はさほど感じなかったです。

――では、最後にしーゆーさんの考える「風単【デブチョコボ】」の初手のベストハンドを教えてください。
しーゆー:初手から【16-056R】《デブチョコボ》imageを出すために【16-056R】《デブチョコボ》imageか【3-049C】《イザナ》image、あるいは【16-055C】《チョコボ・サム》imageのいずれかがあればいいのでキープ基準になるカードが9枚あり、この安定性もデッキの強みだと考えています。
理想を言えば【16-056R】《デブチョコボ》imageをアクティブにできるバックアップを合わせて引いておきたいところですが、どういった初手が100点になるのかは、正直相手次第といったところもあるので、自分の動きをしっかりできる初手が来ていれば十分だと思います。

――ありがとうございました。


◆関東大会:eurekaさん印、“汎用性”重視の「風単【デブチョコボ】」
――「第四期 名人戦」関東地区予選優勝おめでとうございます。
eureka:ありがとうございます。
――「光の使者」環境でも勢いは衰えることなく快勝となりましたが、今回eurekaさんが「風単【デブチョコボ】」を使うに至った経緯を教えてください。
eureka:私が「風単【デブチョコボ】」を初めて知ったのは、友人がDiscordで主催しているイベントで、ぱっつぁんさん(※第2期『FFTCG』名人)が使っているのを見たときです。そのとき初めて【16-056R】《デブチョコボ》imageの動きを知ったのですが、【14-042L】《雲神ビスマルク》imageと【2-071R】《リュック》imageと組み合わせることで、【14-042L】《雲神ビスマルク》imageの除去性能が倍近いものになることを知り、そろえば強いなという認識を持ちました。

そして後日「MASTERS2021」東京大会の会場で、今度はしどさん(※「World Championship 2018」日本代表、第3期『FFTCG』名人)がフリー対戦で使っているのを目にします。そこであらためて強さを認識して自分でも構築を模索するようになり、ヨーロッパの大会でも活躍していたこともあって、今回の使用候補に挙がりました。

最終的に「風単【デブチョコボ】」、「風水【空賊】」、「土単【モンク】」の3つで悩んでいたのですが、前日の近畿地区予選でしーゆーさんが優勝されたこともあり、自分でも使ったほうがいいだろうという判断から今回使用に至りました。


●デッキリスト「風単【デブチョコボ】」
(「第四期 名人戦」関東地区予選優勝 フォーマット:スタンダード)

カード番号 カード名 枚数
フォワード(28枚)
【16-056R】 《デブチョコボ》 3
【3-049C】 《イザナ》 3
【3-056H】 《ジタン》 2
【5-058L】 《ヤ・シュトラ》 1
【8-060L】 《フィーナ》 2
【11-054R】 《謎の男》 2
【14-042L】 《雲神ビスマルク》 3
【14-045H】 《シン》 2
【15-045H】 《エッジ》 3
【16-050H】 《セオドア》 2
【16-051L】 《セシル》 3
【16-058R】 《フィーナ》 2
バックアップ(17枚)
【16-055C】 《チョコボ・サム》 3
【2-071R】 《リュック》 3
【4-067C】 《風水師》 3
【6-047C】 《白魔道士》 2
【7-051C】 《サボテン車掌》 1
【11-056R】 《フィオナ》 2
【12-048R】 《チョコラッテ》 1
【15-062C】 《レム》 2
召喚獣(2枚)
【10-055H】 《チョコボ》 2
モンスター(3枚)
【14-049H】 《テュポーン》 3

――同じ「風単【デブチョコボ】」ですが、しーゆーさんの構築とは採用されているカードに結構違いがありますね。eurekaさんの構築はより【カテゴリ(IV)】にフォーカスした形という印象です。
eureka:【16-051L】《セシル》imageは対「風水【空賊】」に対して有効で、【15-045H】《エッジ》imageは火属性のデッキと対峙した際に【16-056R】《デブチョコボ》imageを守るために採用していました。

どちらも3枚ずつ採用したことで【カテゴリ(IV)】のカードが多くなったため、それらと相性のいい【16-050H】《セオドア》imageや【11-054R】《謎の男》imageも自然と採用されていったという流れになります。この2枚に関しては【14-042L】《雲神ビスマルク》imageと相性がいい点もデッキと合っていますね。

――【8-060L】《フィーナ》imageの採用もしーゆーさんの構築には見られなかった点です。
eureka:【8-060L】《フィーナ》imageは【1-080H】《バッツ》imageと枠を争う形で採用したカードですが、正直このスロットに関してはプレイヤーの好みが別れるところかなと思います。

環境初期はどういったデッキと対戦するかわからないというリスクが大きいので、相手のフォワードに5000ダメージを与えるという選択肢を持てる点が大きなメリットだと考えました。特に明確な仮想敵としていたわけではないですが、【16-042R】《ラスウェル》imageをはじめとする【ジョブ(騎士)】のデッキにはパワー5000のカードが多く採用されるので、そういったデッキに対しては刺さるんじゃないかという思惑もありました。もちろん【14-042L】《雲神ビスマルク》imageと合わせたり9CP支払って使っても強く、汎用性という面でデッキに大きく貢献してくれるカードです。【16-058R】《フィーナ》imageと名前が被ってしまいますが、基本的にこちらはフィールドに出すことはないので、その点は問題になりません。


対して【1-080H】《バッツ》imageは、コスト5なので手札を消費せず展開できるというメリットもあります。

またEXバーストを持つため、たとえば相手からダメージを受けるとき【11-056R】《フィオナ》imageのアクションアビリティを使っておくなど、EXバーストしたときに追加のアドバンテージを得られますし、こうした立ち回りをすること自体が相手に対して【1-080H】《バッツ》imageがあるぞというアピールになるので、採用せずともプレイング次第で相手に警戒させられるという点で、カードプールでの存在自体が強いとも言えるカードでしたね。

――【16-056R】《デブチョコボ》imageを使ううえで、召喚獣の採用はリスクになりやすいですが、eurekaさんの構築では【10-055H】《チョコボ》imageを2枚採用されていますね。
eureka:もちろん【16-056R】《デブチョコボ》imageでめくったときのハズレになってしまう裏目はありますが、このデッキには【3-049C】《イザナ》imageや【16-055C】《チョコボ・サム》imageといったサーチ手段があり、むしろサーチするカードがないとこれらのカードのバリューを落としてしまうため、召喚獣であっても【10-055H】《チョコボ》imageは採用すべきだと考えました。【15-045H】《エッジ》image同様、【16-056R】《デブチョコボ》imageを守れるカードという点でも採用することへのメリットは大きいです。

――バックアップの採用に関しては、しーゆーさんの構築と比較すると、より【16-056R】《デブチョコボ》imageをアクティブにすることを重視したラインナップになっています。
eureka:そうですね。やはり【16-056R】《デブチョコボ》imageのアビリティを積極的に使いたいので、アクティブにできるカードはなるべく多く採用しています。

また【16-056R】《デブチョコボ》image、【14-042L】《雲神ビスマルク》image、【2-071R】《リュック》imageのコンボがそろう確率を高めたいと思ったので【2-071R】《リュック》imageを2枚ではなく3枚採用しています。

それと「風単」では【14-042L】《雲神ビスマルク》imageをサーチする手段が【11-056R】《フィオナ》imageしか存在しないため、通常1枚のことが多いのですが2枚に増やしました。なお、3枚採用することも視野に入ると考えていて、構築段階でもかなり悩んだポイントです。

――eurekaさんが考える初手のベストハンドがあれば教えていただきたいです。
eureka:マリガンの基準となるのは【16-056R】《デブチョコボ》imageか、それをサーチできる【3-049C】《イザナ》imageか【16-055C】《チョコボ・サム》imageが手札にあるかどうかだけなので、そういう意味では非常に明快だと思います。

ただ、そのなかでも序列はあって、【16-056R】《デブチョコボ》image>【3-049C】《イザナ》image>【16-055C】《チョコボ・サム》imageの順で初手の強さが変わると考えています。

これは単純に【16-056R】《デブチョコボ》imageをキャストした後で手札に残るカードの枚数が変わるからなのですが、手札が多いほど【16-056R】《デブチョコボ》imageで出すカードや【16-056R】《デブチョコボ》imageを守るカードを残せるようになります。

なので、ベストハンドを答えるのであれば、【16-056R】《デブチョコボ》imageと【15-045H】《エッジ》imageがセットである手札というのが回答になるでしょう。
――ありがとうございました。


◆「風単【デブチョコボ】」の対抗馬を考える!
ということで、しーゆーさんとeurekaさんにインタビューを行ない、「風単【デブチョコボ】」のお話をうかがってきました。
一言に「風単【デブチョコボ】」といってもプレイヤーの嗜好や、構築の微妙な違いでデッキが持てる戦術に大きく差が出てくる、個性の出しやすいデッキと言えそうですね。

では、ここからは「風単【デブチョコボ】」に対してどのようなデッキや戦術が有効なのか、僕なりに考察していきたいと思います。
おふたりのインタビューを通じて、構築やプレイに差はあれど、「風単【デブチョコボ】」には共通点があることがわかりました。それは、

・初手から【16-056R】《デブチョコボ》imageのキャストを目指すこと
・最終的に【16-056R】《デブチョコボ》image、【14-042L】《雲神ビスマルク》image、【2-071R】《リュック》imageをそろえて盤面の制圧を狙うこと

この2点です。
ゲーム序盤から最終局面まで【16-056R】《デブチョコボ》imageを必要とするこのデッキは、ほかのデッキに比べて特定のカードへの依存度が高いと言えます。

裏を返せば【16-056R】《デブチョコボ》imageさえ適切に対処できてしまえば、デッキのポテンシャルを発揮させずに勝つことができると考えられます。

基本的に「風単【デブチョコボ】」側は【16-056R】《デブチョコボ》imageを1ターン目にキャストしたいと考えていて、フィールドに長く居座るほどアドバンテージを伸ばしていくため、これを除去するベストタイミングは先攻であれば2ターン目、後攻であれば2ターン目と考えられます。

もちろん、どんなデッキであっても【16-056R】《デブチョコボ》imageを除去するためのカードを採用することはそれほど難しくありませんが、確実に処理するならばデッキ単位で除去する手段があるデッキが有効です。

そこでまず考えられるのが、「火単」のような除去を満載したデッキです。
特に【16-133S】《ブラスカ》imageはスペシャルアビリティ「召喚」で【16-056R】《デブチョコボ》imageに対処できる7000ダメージを与えることができます。


相手がスペシャルアビリティ「ギサールのやさい」で回避しようとしても、その解決にスタックしてダメージを与えるため、スタックの積みあいに強いのも特徴です。
またスペシャルアビリティによる除去なので【14-045H】《シン》imageで対策できない点も強力です。
実際に近畿、関東地区予選のどちらでも【16-133S】《ブラスカ》imageを採用したデッキが活躍し、予選を突破していることもあり、今後の予選大会でも見かけることは少なくないでしょう。

次に、個人的に注目しているカードが【16-138S】《ワッカ》imageです。
こちらはスペシャルアビリティ「オーラカスピリッツ」による確定除去なので、【16-133S】《ブラスカ》image同様【14-045H】《シン》imageで止められないだけでなく、「ギザールのやさい」で対策できないという点が優秀です。

リールカウンターを貯める際に隙を見せてしまいがちな【16-138S】《ワッカ》imageですが、対「風単【デブチョコボ】」に限っては、相手側の干渉手段もほとんどないため心おきなく展開することができます。
そのままフォワードを展開してイニシアチブを握れる点は、召喚獣を主体とした【16-133S】《ブラスカ》imageにはない魅力です。


これ以外にも【14-080R】《エクスデス》imageや【13-075R】《サクラ》imageといった、除去性能が高い雷属性は対「風単【チョコボ】」での適性が高いデッキを生み出す可能性が高そうです。

また【16-056R】《デブチョコボ》imageを守るために採用されている【16-051L】《セシル》imageや【15-045H】《エッジ》imageに対しては、【14-102L】《海神リヴァイアサン》imageのような1つのアビリティで複数のキャラクターを同時に選ぶカードも有効です。

【16-051L】《セシル》imageや【15-045H】《エッジ》imageがそろった場合、除去に対してまず【16-051L】《セシル》imageのアビリティで追加の2CPを要求したあとに【15-045H】《エッジ》imageを選びなおさせることでさらに2CP要求するというコンボで、一見盤石なように見えますが、【16-051L】《セシル》imageは2体以上のキャラクターを同時に対象に取られた場合でも2CPしか要求できないうえ、複数体選んでいる効果に対しては対象を【15-045H】《エッジ》imageに選びなおさせることはできません

【14-102L】《海神リヴァイアサン》imageは、コストこそかかってしまいますが、こうした盤面を覆せる可能性があるので、今環境ではこれまで以上に活躍の可能性を秘めているカードだと考えています。


◆おわりに
今回は「第四期 名人戦」近畿、関東地区予選の優勝者へのインタビューを行ない、それをもとに対「風単【デブチョコボ】」の考察をしてきました。
しーゆーさん、eurekaさんともに環境初期から非常に完成度の高い「風単【デブチョコボ】」を持ち込んでおり、デッキとして2大会連続で優勝したのも納得のいく結果でした。

とはいえ「風単【デブチョコボ】」以外にもさまざまなデッキが予選を突破しているため、このまま天下が続くメタゲームにはならないでしょう。

次回の予選大会は、5月28日(土)の東海地区予選です。
次に頭角を現すのはどんなデッキなのか、注目して待ちたいところですね。

それでは、また次回の記事でお会いしましょう!