『FINAL FANTASY TRADING CARD GAME』の公式記事連載。今週は「MASTERS2021 FINAL」で優勝したひーとさんのインタビューをお届けします。
◆はじめに
みなさんこんにちは!『FFTCG』公式記事ライターのたるほです。
6月25日、26日の2日間にわたって「MASTERS2021 FINAL」、「MASTERS2021 THE AFTER」が開催されました。
2021年6月の横浜大会を皮切りに始まった「MASTERS2021」は新型コロナウィルス感染症の影響もあり、実に1年におよぶ過去最長の開催期間となりました。
25日にワンデートーナメントで行なわれた「MASTERS2021 FINAL」では、全国の予選大会を勝ち抜いた強豪たちが一堂に会して、熱い戦いを繰り広げました。
僕もそんなプレイヤーの1人として、前回の記事で紹介した「水風【FFX】」を引っ提げて参戦し、予選ラウンド6回戦をなんと全勝で突破することができました。
しかし決勝ラウンドでは現『FFTCG』名人のしど選手との戦いに完敗し、ベスト8という結果で舞台を降りることとなりました。
頂点を目指して挑んだ以上、いちプレイヤーとしては“悔しい”という気持ち以上の感想はありませんが、それでも最高の舞台でトッププレイヤーと戦えた経験は今後へ向けた大きな糧になったのではないかと思います。
今回は、熱戦が繰り広げられた「MASTERS 2021 FINAL」で優勝を果たし、日本一の座に輝いたひーと選手へのインタビューをお届けしたいと思います。
チャンピオンは何を考えてこのデッキにたどり着いたのか、すべての『FFTCG』プレイヤー必読です。
それではさっそく始めていきましょう!
ひーと
秋葉原を拠点に活動する関東のプレイヤーにして、「MASTERS2021 FINAL」チャンピオン。
デッキ構築・プレイの実力もさることながら、情報を活かした戦いで強者が集う「MASTERS2021 FINAL」を制した。
今シーズンの『FFTCG』日本一の座にふさわしい実力のプレイヤーだ。
◆ひらめきと、情報戦の果てに生まれた「火土水【ティーダ】コントロール」
――あらためまして、「MASTERS 2021 FINAL」優勝おめでとうございます。
ひーと:ありがとうございます。
――「MASTERS2021 FINAL」は予選大会のスタートから数えて約1年と、長い環境の変遷を経ての大会でした。そんななかで、ひーとさんが選択されたデッキは「光の使者」で登場した新テーマ【モールズの夜会】デッキです。ひとくちに【モールズの夜会】デッキといっても、さまざまなバリエーションが存在しますが、このデッキを使うに至った経緯について教えてください。
●デッキリスト「火土水【ティーダ】コントロール」(「MASTERS 2021 FINAL」優勝 フォーマット:スタンダード)
カード番号 | カード名 | 枚数 |
フォワード(21枚) | ||
【10-117H】 | 《ティーダ》 | 2 |
【16-080H】 | 《マダム・エーデル》 | 3 |
【16-022R】 | 《アウィン[FFBE]》 | 2 |
【16-099C】 | 《メラルド》 | 2 |
【15-121R】 | 《ベスビア》 | 3 |
【13-002L】 | 《アクスター》 | 2 |
【14-011H】 | 《豪神スサノオ》 | 1 |
【16-119H】 | 《フースーヤ》 | 2 |
【16-048H】 | 《ジタン》 | 2 |
【12-118C】 | 《プリッシュ》 | 1 |
【11-140S】 | 《カダージュ》 | 1 |
バックアップ(17枚) | ||
【16-065C】 | 《アンバー》 | 3 |
【16-075R】 | 《シンジュ》 | 3 |
【16-003C】 | 《エルビス》 | 3 |
【16-062C】 | 《レキサ》 | 2 |
【11-072R】 | 《デシ》 | 3 |
【1-107L】 | 《シャントット》 | 2 |
【6-108R】 | 《イシュガルド教皇》 | 1 |
召喚獣(12枚) | ||
【9-068H】 | 《ドラゴン》 | 3 |
【10-068C】 | 《クーシー》 | 2 |
【10-125H】 | 《リヴァイアサン》 | 2 |
【12-108C】 | 《レモラ》 | 3 |
【4-073C】 | 《アトモス》 | 1 |
【15-075R/6-075R】 | 《タイタン》 | 1 |
ひーと:今回、構築のポイントになったのは【10-117H】《ティーダ》です。
【10-117H】《ティーダ》はもともと「第3期名人位決定戦」のとき、当時使用していた「水土デッキデス」に採用していたカードでした。
【1-107L】《シャントット》を手札に戻して何度も盤面をリセットしたり、【6-064H】《アジドマルジド》を手札に戻して繰り返し召喚獣を回収したりなど、バックアップを再利用するために採用していたカードで、バックアップを回収しながら自身を選んで手札に戻すことでループを形成できます。
ただ、この「水土デッキデス」は当時流行していた「風水【空賊】」との相性が悪かったため、思うような結果を残すことはできませんでした。しかし「光の使者」環境になって「風水【空賊】」が数を減らしたことで活躍のチャンスがあるのではないかと考え、再度調整を進めていました。
結果として「光の使者」環境でも「風単【デブチョコボ】」や「火単【ブラスカ】」といった流行のデッキに対して相性が悪かったため、「水土デッキデス」自体はあきらめざるをえなかったのでが、メインギミックであった【10-117H】《ティーダ》自体はそのポテンシャルの高さから強さを確信していたので、どうにかこのギミックを盛り込めるデッキはないかと模索していくなかでたどり着いたのが【モールズの夜会】でした。
【モールズの夜会】デッキ自体は自分でも調整をしていたのですが、「第四期 名人戦」中国地区予選で結果を残した「火土水【モールズの夜会】」がEXバーストを持つ召喚獣を厚く採用している構築であるのを見て、これに【10-117H】《ティーダ》のギミックを盛り込めないかと考えてデッキを組んでいきました。
【10-117H】《ティーダ》と【ジョブ(モールズの夜会)】を組み合わせたとき、もっとも強力なのが【16-003C】《エルビス》とのコンボです。
この【モールズの夜会】デッキではバックアップが十分並んでいれば【16-003C】《エルビス》は大体のシーンで9000ダメージ以上を与えることができるので、【10-117H】《ティーダ》のアビリティで【10-117H】《ティーダ》と【16-003C】《エルビス》を手札に戻すことで【16-003C】《エルビス》を使いまわし、リソースを失うことなく毎ターン継続して除去を行なうことができます。
これによりコストが重い【1-107L】《シャントット》に頼らなくても、デッキに十分な除去性能を持たせられるようになりました。
こういう継続した除去ギミックの存在は、相手にそれ以上にフォワードを展開するか、あるいは攻めの手を止めてバックアップを展開するかの二択を迫れます。
焦って攻め込んでくるプレイヤーに対しては【1-107L】《シャントット》による一掃やEXバーストで、バックアップを展開しじっくり構えてくる相手に対しては【16-119H】《フースーヤ》でバックアップを手札に戻しつつ【9-068H】《ドラゴン》を回収し、カウンターを構えて戦うというのがこのデッキの基本方針となります。
――前環境から注目していた【10-117H】《ティーダ》を、「光の使者」の新ギミックに反映させた構築というわけですね。デッキに投入されているカードでは【10-117H】《ティーダ》以外にもこれまでの【モールズの夜会】デッキではあまり採用されていなかったカードが見られます。特に目を引くのが【16-048H】《ジタン》です。
ひーと:【16-048H】《ジタン》はこのデッキのもう1つのキーカードです。
このカードの主な役割は、相手のデッキを除外し、山札の枚数を減らすことにあります。
――それは【16-048H】《ジタン》によるデッキ切れを狙うという意味でしょうか?
ひーと:正確にはデッキ切れのリスクを相手に意識させることで、アタックせざるをえない状況に誘導することが、このカードを採用した狙いです。
【モールズの夜会】デッキに強力なEXバーストが採用されていることはすべてのプレイヤーの共通認識であり、今環境はEXバーストのケアを意識したプレイが必須です。
しかし【16-048H】《ジタン》が山札からカードを奪いデッキ枚数に差がつくと、相手はどこかで攻めに転じなければデッキ切れで負けてしまうという状況になり、リスクを冒してでもアタックせざるをえなくなります。
そういった状況を意図的に作ってアタックを促し、能動的にダメージを受けることでEXバーストを狙ったり、【13-002L】《アクスター》のDamage効果を発動させることができるのが【16-048H】《ジタン》の持つ大きな役割になります。
また、【16-048H】《ジタン》によって除外されたカードはこちらがキャストしないかぎり、フィールドに戻ったりブレイクゾーンに置かれたりしないので、相手のキーカードを封印できる点も強力です。
特に決勝ラウンドでは相手のデッキリストを把握したうえでゲームができるため、除外したカードが何枚採用されているかなど知りつつ運用できるという点もこのカードの強さを引き立ててくれました。
さらに【16-119H】《フースーヤ》と組み合わせてデッキの一番上に置いたカードを奪うことで、相手のフィールドにいる好きなフォワードのコントロールを得ることもできます。
対【モールズの夜会】デッキのコントロール対決で相手の【16-080H】《マダム・エーデル》を奪いこちらが再利用できるのはもちろん、準々決勝のひれひれ(∵)さんとの試合ではこちらが採用していない【14-116H】《マシュリー》を奪い、デッキに本来ない恩恵を受けることもできました。
――【14-116H】《マシュリー》が採用されていないのは、このデッキの特徴的だと感じたポイントでした。非常に相性がいいカードに思えますが、採用を見送った理由はなんでしょう?
ひーと:これについては「召喚獣の採用枚数を減らしたかったから」というのが大きな理由になります。
今回流行していたEXバーストを軸に戦う【モールズの夜会】デッキの構築は召喚獣にスロットを多く割いていますが、キャストしてフィールドにとどまるキャラクターと違って、召喚獣は盤面でアドバンテージを稼ぐことができません。相手がアタックしてこなければリソース勝負で負けてしまう構築は相手に依存するリスクが伴うので、デッキ全体を召喚獣に寄せなければならない【14-116H】《マシュリー》は採用しませんでした。
また、このデッキでは光、闇属性のフォワードとして【11-140S】《カダージュ》を採用しています。
ブレイクゾーンを除外する手段としてすでに【9-068H】《ドラゴン》を3枚採用しているため、一見すると過剰にも思えますが、主な使い道がブレイブ付与でアタックを通すことにあり、ブレイクゾーンを除外することはあまりありませんでした。
前環境に比べ【14-113R】《リヴァイアサン》を使うデッキが減り、採用すること自体のリスクが低くなったこともあり、非常に使い勝手のいいフォワードでした。
――採用が見送られているカードとしては【12-002H】《アマテラス》の不採用も意外でした。
ひーと:【12-002H】《アマテラス》は構築の初期段階では採用していたのですが、このデッキは初動で【16-065C】《アンバー》からスタートするための土属性のスロットがシビアかつ、【12-002H】《アマテラス》の抜けた枠は【16-119H】《フースーヤ》+【9-068H】《ドラゴン》で補えると判断をして採用を見送りました。
――【12-002H】《アマテラス》と【9-068H】《ドラゴン》はかなり性質の異なる効果に感じますが、具体的にどういったことから補えるんでしょうか?
ひーと:【9-068H】《ドラゴン》は【14-116H】《マシュリー》のようなブレイクゾーンをリソースにするカードや、ブレイクゾーンから回収を行なうカードに対してリソースを奪えるため、ブレイクゾーンを活用するデッキに本来しなくていいプレイを強要できます。
決勝戦で、riruさんが【3-020H】《フェニックス》を持っていることを読んで【9-068H】《ドラゴン》をキャストし【15-119L】《ポロム》を回収させたのがまさにそれで、【16-119H】《フースーヤ》で回収しつつ定期的に【9-068H】《ドラゴン》をキャストして相手のリソースを締め上げ、アクションを迫っていくことで【12-002H】《アマテラス》なしでもリソースを奪う手段を確立できると考えました。
――土属性の枚数がシビアということですが、これについて構築で意識して採用したカードなどはありますか?
ひーと:【12-118C】《プリッシュ》は海外の対戦動画で風/土属性の【12-119L】《ヤ・シュトラ》が採用されている【モールズの夜会】デッキを見て着想を得たカードです。
【12-119L】《ヤ・シュトラ》自体は、EXバーストが多く採用される現環境には逆風のカードだと感じたものの、コストにする際に風/土属性のCPを選んで生み出せる柔軟性はデッキとマッチしており、そこで別の候補はないかと検討するなかで見つけたのが【12-118C】《プリッシュ》でした。
環境的に「火単【ブラスカ】」の【16-010H】《ジン》、「水単【ティーダ】」の【16-117H】《トロス》や【15-118C】《ブルードラゴン》など仮想敵となるデッキにモンスターが採用されており、モンスターを除去できる選択肢があることがデッキにとって大きなプラスになるだろうと想定して採用しました。
ちなみにその動画のデッキにも【10-117H】《ティーダ》と【16-048H】《ジタン》が採用されており、着眼点がシャープだと感じた一方で、【10-117H】ティーダ》ギミックが知れわたってしまうのではないかと内心ヒヤヒヤしました。(笑)
また、土属性の召喚獣として【4-073C】《アトモス》と【15-075R/6-075R】《タイタン》を1枚ずつ採用しました。
【4-073C】《アトモス》は4枚目の【12-108C】《レモラ》として、サイズを無視して除去できるカードとして採用しています。
【15-075R/6-075R】《タイタン》は相手の【16-080H】《マダム・エーデル》がいる状態でも【ジョブ(モールズの夜会)】のフォワードを対処できる点も買って採用しています。
EXバーストの優秀さだけで見ると【4-073C】《アトモス》を2枚採用したいところでしたが、ある程度は普通にキャストすることを視野に入れ、それぞれ1枚ずつの採用となりました。
――実際にデッキをプレイするにあたって意識したポイントなどはありますか?
ひーと:【16-048H】《ジタン》を使うにあたってデッキ切れのリスクを相手に意識させるという話をしましたが、これを成立させるため、こちらは除去にのみリソースを使って攻めに回らず、徹底的なスローゲームを目指し、要所で山札の残り枚数確認を行なって、相手にデッキ切れによる負けを意識するようコントロールしていました。
ただし。山札の枚数に差がないと相手も焦らないので、こちらも【15-121R】《ベスビア》のキャストを控えるなどデッキ枚数の管理も意識して行なうようにしていました。
意識してプレイすると大体5枚程度差が開くので、こちらの山札の残りが20枚程度のタイミングで山札の枚数を確認するというのが、プレイするうえで1つのセオリーとなっていました。
また、この段階でデッキに残ったEXバーストの枚数に応じて、EXバーストを引きすぎていたら【16-119H】《フースーヤ》でアドバンテージ勝負を仕掛け、デッキに残っているようであれば【16-099C】《メラルド》でのヘイストを活かして強気にアタックするプランをとるなど、ゲーム終盤の詰め手段を切り替えてプレイしていました。
――「MASTERS 2021 FINAL」参加にあたって、どういった環境になると考えられていましたか?
ひーと:今大会では以下のデッキを仮想敵と定め、相性を判断していました。
VS「風単【デブチョコボ】」
引き次第ではあるが、序盤から展開される【16-056R】《デブチョコボ》を【16-003C】《エルビス》で対処できれば有利な試合展開ができる。
【3-056H】《ジタン》で手札から【10-117H】《ティーダ》を捨てられてしまうのは痛いが、序盤から【16-080H】《マダム・エーデル》を展開しアグロプランで攻めたり、【16-056R】《デブチョコボ》など使用にタイムラグがあるカードが多いため、その隙にアタッカーを並べてプレッシャーをかけるなど複数の勝ち筋がある。
VS「火単【ブラスカ】」
【10-117H】《ティーダ》+【16-003C】《エルビス》のコンボで継続して除去ができるのに加え、こちらのEXバーストが刺さりやすい。
【10-117H】《ティーダ》に対して【12-002H】《アマテラス》を合わせられると隙ができてしまうが、それ以外の要素からおおよそ不利にならない相手。
VS「水単【ティーダ】」
【10-117H】《ティーダ》で【1-107L】《シャントット》を使いまわすことで、ほとんどのアタッカーをシャットアウトできるので非常に有利な相手。
【1-107L】《シャントット》が効かない【15-118C】《ブルードラゴン》に対しては【12-118C】《プリッシュ》が有効で、【10-117H】《ティーダ》で使いまわして2体以上除去できればほぼ完封できる。
VS「火土水【モールズの夜会】」
【10-117H】《ティーダ》に加えて【16-048H】《ジタン》によるデッキ枚数へのプレッシャーが重要になる対戦。
【16-048H】《ジタン》で奪える相手のフォワードのバリューが高いので【16-119H】《フースーヤ》でデッキの1番上を固定して【16-080H】《マダム・エーデル》や【14-116H】《マシュリー》を奪って戦うことも可能。
ただし、こちらも相手に対してEXバーストのリスクを負うので、【16-048H】《ジタン》ほどのメリットがなければアタックのリスクに釣り合いが取れない点は注意。
VS「火水」
【10-117H】《ティーダ》+【16-003C】《エルビス》もしくは【1-107L】《シャントット》で対処するのが基本。
【15-015L】《パロム》と【15-119L】《ポロム》がフィールドに残り続け、パワーが高くなりすぎると対処できなくなるので、これらに対しては【10-125H】《リヴァイアサン》を経由した【4-073C】《アトモス》などでサイズを無視できる対処方法が必要になる。
VS「風氷」
【3-056H】《ジタン》や【12-116L】《ロック》で手札に干渉されるため、【10-117H】《ティーダ》のコンボを維持できない点がかなり不利。
フォワードを展開して攻め込もうにも【12-114R】《バラライ》に処理されてしまううえ、【12-038H】《アルテア》のアビリティを使える状態になると対処自体が困難になる。環境にいるデッキのなかでもっとも苦手な相手。
基本的にデッキの軸が【10-117H】《ティーダ》となるため、【3-056H】《ジタン》などで手札に干渉してくる風属性のデッキが苦手となってきます。
ただ、こうしたデッキは「火単【ブラスカ】」を苦手とする傾向にあり、「火単【ブラスカ】」が活躍している現環境では選択するプレイヤーは少ないと読んでいました。
結果的に予選ラウンドでai_fftcgさんの「風氷」とたるほさんの「水風【FFX】」と当たった試合は負けてしまいましたが、それも含め大きな視点ではメタ読みに間違いはなかったと思っています。
――以前リバップさん(※ひーとさんと親交のある東京のプレイヤー)へのインタビューをしたとき、一緒に調整しているとお話しされていましたが、今回も普段のメンバーで調整を進められたのでしょうか?
ひーと:今回に関しては【10-117H】《ティーダ》のギミックを大会当日まで隠し通したいという思いがあり、リバップくんと2人きりで調整を進めていました。
そのかいもあってか、当日は【10-117H】《ティーダ》がシークレットテクとして有効に働き、ほとんどの試合を思惑どおりに進めることができました。
特にバックアップを埋めきったあと、相手がここぞとばかりにフォワードを展開した盤面で【10-117H】《ティーダ》でバックアップを戻してスペースを空け【1-107L】《シャントット》で一掃するなど、デッキ独自の強みを存分に発揮できた試合も多かったですね。
――デッキの強みを最大限生かすために、情報管理にも気を配られたということですね。お話、ありがとうございました。
◆おわりに
今回は「MASTERS2021 FINAL」を「火土水【ティーダ】コントロール」で優勝されたひーとさんへインタビューを行ない、頂点に至るまでのお話をお聞きしました。
デッキとしての強さやプランの豊富さだけでなく、情報を武器に勝利を勝ち取る姿勢は、王者にふさわしい実力につながっていると思います。
見事、日本一の座についたひーとさんに心からの賛辞を送り、今回のインタビューの締めくくりとさせていただきます。
ひーとさん、おめでとうございます。
次回は、そんな激闘の翌日に行なわれた「MASTERS 2021 THE AFTER」(フォーマット:L6構築)で優勝されたひれひれ(∵)さんへのインタビューをお届けしますので、そちらもぜひお楽しみに!
それでは、また次回の記事でお会いしましょう!