『FINAL FANTASY TRADING CARD GAME』の公式記事連載。今週は「World Championships 2023」で優勝したAlexander hancoxさんのインタビューをお届けします。
◆はじめに
皆さん、こんにちは。
『FFTCG』公式ライターのゆばです。
12月2日、3日の2日間にわたって東京・新宿のスクウェア・エニックス本社で「World Championships 2023」が開催されました。
フォーマットは2デッキ制スタンダードで、1日目に16名による予選ラウンドが8回戦、2日目に上位6名による決勝ラウンド3回戦が行なわれ、「火氷水【ウォーリアオブライト】」と「風単」を使用したイギリス代表のAlexander Hancox(以下、Alex)選手が、自身二度目となる優勝を飾り、世界チャンピオンの座に就きました。
ここでは、優勝したAlex選手へのインタビューをお届けします。
世界選手権の生放送のなかでも、Alexさんへのインタビューが行なわれていますので、ぜひこちらもあわせてご覧ください。
◆再び、競技的な視点で取り組める環境が戻ってきた『FFTCG』。
――優勝おめでとうございます。
Alex:ありがとうございます。
――優勝した今の実感などは、先ほど(生放送)のインタビューで語られていましたので、ここではそれ以外の部分にについてお話しをうかがいたいと思います。
【21-121L】《ウォーリアオブライト》の強さには、カードが発表されたときから注目されていたとお話しされていましたが、採用するコスト3のカードの選択など、構築が難しいデッキだと思います。デッキ構築のアイデアはどのようにまとめられたのでしょうか。
Alex:今回、日本には大会の2週間ほど前から滞在していたのですが、そのなかで日本のプレイヤーと交流する機会がありました。そこに【21-121L】《ウォーリアオブライト》を使ったデッキを持ってきた方がいて、そのデッキが魅力的に見えたので、それを再現しようと試みました。
「運命を超えて」の発売当初ということもあって『FFTCG』のデッキリストが載っているサイトなどにも参考になるものがなく、また早めに日本入りしたこともあってカードも持っていなかったので、その日の思い出をベースに試行錯誤し、デッキリスト提出期限のギリギリにようやくかたちになりました。
(編注:同じく交流会に参加していた閣下(Kakka)さんによると、【21-121L】《ウォーリアオブライト》のデッキを持ってきたのは、関東の強豪として知られるはらさんだったそうです)
――今回使用した2つのデッキ以外に試したデッキにはどんなものがありましたか。
Alex:友人の意見をもらいつつ「土単」、「雷単」といった単属性のデッキはいろいろと試しました。「土単」はテストをしていた友人が「おすすめはできない」ということで脱落し、「雷単」も悪くはなかったのですが、想定される環境の速度に対して遅く、ついていけていないというのが共通認識でした。そうやって有力な候補デッキがないときに【21-121L】《ウォーリアオブライト》のデッキを知ることができて、このカードをうまく使えるデッキがあるならぜひ使いたいと考えていたので、助かったという思いでした。
――Alexさんといえば《エクスデス》というイメージがありました。「運命を超えて」には【21-074L】《ネオエクスデス》が収録されていますが、こちらのカードの評価はいかがですか。
Alex:初見での印象は「そこまで強くないかな」というものでした。ですが、実際に使ってみるとメタゲームに応じて活躍できるだけのスペックはあると感じました。コントロールデッキなど重いデッキどうしのマッチが発生するような環境になれば、これを採用したデッキが出てくると思います。
ただ、少し残念だと思うポイントは【13-054C】《いにしえの淑女》のような【ジョブ(イミテーション)】のカードとシナジーしないことです。コストを軽くしてキャストできたらなぁ~と思ってしまいます(笑)。
――コストを減らせるのは雷属性の《エクスデス》だけですからね(笑)。
――今回、二度目の「World Championships」優勝という結果を残されましたが、Alexさんは普段どのくらい『FFTCG』をプレイされているのでしょうか。
Alex:金曜日の夜にカードショップで開かれる大会などに参加してプレイしています。あとは、週末に友人と一緒に遊ぶこともありますね。普段のプレイ頻度はそのくらいです。
――これは『FFTCG』に限った話ではありませんが、2020年ごろから新型コロナウィルス感染症の影響で、多くのプレイヤーが集まるイベントの開催などが困難な状況が続きました。その間のプレイやモチベーションの維持はどのようにされていましたか。
Alex:その間はオンラインでのリモート対戦などはしていましたが、どうしてもプレイの頻度は下がってしまっていましたね。大変な時期だったと思います。
カジュアルなプレイにおける一緒に遊ぶ友達についても言えることですが、競技的な視点での調整ではチームメイトが同じ視点、モチベーションを持って取り組むことが大事なので、こうして再び皆で集まって目標に向かってプレイできる環境が戻ってきたことは、とてもうれしいですね。
――最後に、今回の「World Championships」を終えての感想を一言いただけますか。
Alex:今回「World Championships 2023」で再び日本に来て日本のプレイヤーと交流できたこと、世界中で同じゲームをやっているんだなとあらためて感じられたことをうれしく思っています。日本に来られてよかったです。
また、日本の方の考えるデッキは、今回の「火氷水【ウォーリアオブライト】」もそうですが、興味深いものが多く自分にとって刺激になりますね。
ただ唯一、今回の「World Championships」で心残りがあるとすれば、2018年の「World Championships」でも対戦したハリガイさんと戦う機会がなかったことです。いずれまたマッチの機会があればと楽しみにしています。
――ありがとうございました。
◆おわりに
「World Championships 2023」で優勝したAlex Hancox選手のインタビューをお届けしました。
試合中に見せる真剣な表情とは異なり、思慮深くも柔和な雰囲気でお話しされていて、とても楽しく『FFTCG』に取り組まれていると感じられました。
公式生放送のインタビューでは2つのデッキをチョイスした理由や、今回のMVPカードなどについてもお話をされていますので、ぜひこちらもご覧いただければと思います。
次回以降も「World Championships 2023」の振り返りとして、日本代表として出場したプレイヤーの方のお話しなどをお伝えしていきます。
多くのプレイヤーよりも一足先に「運命を超えて」環境に取り組んだ日本代表選手たちの見る「第五期 名人戦」に向けたコメントなどもいただいているので、お楽しみに。
それでは、次の記事でお会いしましょう。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。