【FFTCG】「13周年ファンフェア」直前! イベントで行なわれる「作品単構築」ってどんなフォーマット?

『FINAL FANTASY TRADING CARD GAME』の公式記事連載。今週は「13周年記念ファンフェア」でトーナメントが開催される「作品単構築」について解説します。

◆はじめに
みなさんこんにちは!
FFTCG』公式記事ライターのたるほです!

今週末、2月24日(土)には今シーズンの“FFTCG名人”を決める「第五期名人位決定戦」、25日(日)には『FFTCG』(前身の『Chapter』シリーズからの)発売13周年を祝う「13周年記念ファンフェア」が開催されます。

どちらもとてもワクワクするイベントですが、特に「13周年記念ファンフェア」は新型コロナウイルス感染症の影響により、数年ぶりにリアルイベントでの開催ということもあり、楽しみにしている人も多いのではないでしょうか?

13周年記念ファンフェア」では、構築ルールがリニューアルされて久しぶりの開催となる「作品単トーナメント」や、イラストレーター・山下美樹氏によるサイン会、スタッフガンスリンガーやオールスタードラフトなどのサイドイベントや初心者でも楽しめる体験会など、さまざまな催しが行なわれます。

当日は僕もめいっぱいカジュアルな『FFTCG』を満喫するつもりで参加しますので、会場でお会いした方は一緒に楽しみましょう!

今回はそんな「13周年記念ファンフェア」内で行われる「作品単トーナメント」に向けて、作品単構築戦というフォーマットについてお話ししていこうと思います。

今回が初の作品単でのイベント参加という方もいると思いますので、そういった方の参考になれば幸いです。 


◆作品単構築戦ってどういうフォーマット?

作品単はFFTCG』における構築フォーマットのひとつで、特定のカテゴリのカードを中心にデッキを構築する特殊なルールです。 

 

<作品単の構築ルール>
1.特定の「カテゴリ」を指定し、そのカテゴリを持つカードと以下の2、3に当てはまるカードでデッキを構築します。
※「MOBIUS・VII」など複数のカテゴリを持つカードは、「MOBIUS」と「VII」いずれのデッキにも使用できます。

■以下のカテゴリは特定の作品としてデッキ構築ができません。(2024年2月1日現在)
Special
Anniversary
FFRK
MQ

2.【ジョブ(一般兵)】のバックアップは、特例としてあらゆるカテゴリのデッキに各3枚まで入れることができます。
3.【カテゴリ(Special)】のカードは、特例としてあらゆるカテゴリのデッキに各3枚まで入れることができます。
4.指定したカテゴリを持つカードは、デッキに30枚以上入れる必要があります。
5.作品単構築戦における禁止カードは、スタンダードとは別に制定されます。

以下のカードを作品単構築戦における禁止カードに制定します(2024年2月1日現在)。
・【4-082C】ジェシー/Jessie(カテゴリ:VII)
・【10-098L】フォルサノス/Feolthanos(カテゴリ:XII)
・【12-110L】ネオエクスデス/Neo Exdeath(カテゴリ:MOBIUS・V)
・【15-042R】ロック/Locke(カテゴリ:DFF・VI)
・【17-002L】エドガー/Edgar(カテゴリ:VI)
・【20-031R】セリス/Celes(カテゴリ:VI)

また、カードのプレイについても通常のルールと異なる点があります。 

1.すべてのキャラクターや召喚獣は、支払ったコストに同じ属性のCPが含まれていなくてもキャストできます。ただし、【2-007L】始皇帝ザンデなど、カードのアビリティによってコストの支払いが特定のCPに制限されている場合は、それに従います。この特殊ルールはカードのキャストのみに適用され、アクションアビリティやスペシャルアビリティの起動に必要なCPや、カードの効果として支払う際のCPは、通常通り指定された属性である必要があります。

2.一般アイコンを持たない同名のキャラクターを2体以上フィールドに出すことが可能です。フォワードとバックアップの両方に存在してもかまいません。ただし、一般アイコンを持たずカードナンバーが同一のカードは1枚しか出すことができません。何らかの効果によって2枚以上コントロールする状態になった場合、2枚ともブレイクゾーンに置かれます。

すごくざっくりと説明すると、

「カード名も属性も無視して、自分の好きな作品のオールスターで闘おう!」

ってことですね!

こうしたルールの違いにより、作品単フォーマットでは通常の構築フォーマットとは違ったカードが活躍します。
たとえば「FINAL FANTASY IV」の主人公【17-139S】《セシル》は【カテゴリ(IV)】のキャラクターの数に応じて【カテゴリ(IV)】のフォワードをパワーアップしてくれるカードですが、通常の構築戦においては同名のカードを複数フィールドに出せないため、ほかの《セシル》たちはこのカードの恩恵を受けることができません。


しかし作品単フォーマットであればほかの《セシル》であっても【17-139S】《セシル》の恩恵を受けることが可能です。

また【20-075L】《セシル》は【ジョブ(暗黒騎士)】から【ジョブ(パラディン)】へジョブチェンジする原作さながらの動きができるカードですが、通常の構築戦で《セシル》を多く採用しすぎるとフィールドに出せるフォワードが少なくなってしまうというリスクを抱えているカードでした。しかし作品単であればその心配は無用です。それどころかカード名《セシル》を多く採用することで、ジョブチェンジ後の選択肢の幅が広がり、さらにスペシャルアビリティ「イビルブラスト」も使いやすくなるなどいいことずくめとなります。

このように、同名カードでデッキをまとめることでむしろバリューを発揮しやすくなるのが作品単におけるデッキ構築のポイントのひとつです。

また作品単フォーマットにおいては、「すべてのキャラクターや召喚獣は、支払ったコストに同じ属性のCPが含まれていなくてもキャストできる。」というルールがありますが、これによる恩恵を受けるカードも数多くあります。

その代表と言えるのが多属性カードです。本来であればカードが持つ属性のCPを最低1ずつは支払わなければならないのですが、作品単では支払ったCPの属性を問わずカードをキャストできるため、たとえば【19-108L】《ジタン》のコストを手札1枚で支払うということも可能です。


そのため、本来4属性のCPが必要な【19-128L】《ウォーリアオブライト》でも、属性を問わず
4CP支払えばキャストできてしまうということです(ただし「ウォーリアオブライトをキャストするためのコストはバックアップから生み出されるCPでしか支払えない。」というアビリティは無視できないのでご注意を!)。通常の構築戦では、【19-128L】《ウォーリアオブライト》をキャストするためにいかにしてバックアップをそろえるか? というのが課題ですが、作品単ではそんな心配をする必要がないのです。

ほかにも属性を気にせずコストを支払える恩恵として、通常の構築戦と比べカテゴリやジョブ、カード名などを参照できる幅が広がったことが挙げられるでしょう/

カテゴリを参照する【カテゴリ(VI)】や【カテゴリ(WOFF)】、ジョブを参照するギミックを持つ【カテゴリ(VII)】や【カテゴリ(XIV)】などはスタンダードにおいても一線級の活躍をしたことがあるデッキですが、作品単フォーマットではこれまで以上に自由な構築が可能になるため、さらなる活躍が期待できます。


◆どの作品を使おうか?
ここまで作品単フォーマットと通常の構築フォーマットとの違いについてお話してきました。
基本的にデッキ構築やカードのキャストの自由度が高い作品単フォーマットは、通常の構築戦よりデッキのポテンシャルが高くなる傾向にあります。

ですが、すべての作品がポテンシャルを発揮しきれるわけではありません。

たとえば【カテゴリ(I)】は登場人物の少ない作品ということもあり、カテゴリやジョブを参照したシナジーやキーカードのサーチ手段がほとんどありません。
とは言え、せっかく作品単フォーマットで遊ぶわけですから、自分の好きな作品を使いたいという方も多いはず。そこで大切なのが、どのカードに注目してデッキ作りをするかということです。

【カテゴリ(I)】を例に挙げるなら、先述のとおりバックアップの構成を気にせず【19-128L】《ウォーリアオブライト》が使えるというのは大きな長所なので、ここに一点特化した構築を目指してみるのがいいでしょう。また作品単フォーマットはデッキに採用される属性が多くなりやすいフォーマットなので、【16-129L】《カオス》も活躍してくれそうです。

すべてのデッキに勝つことは難しくても、デッキの強みを明確にすることで、このマッチアップは勝てるぞ! という相手を絞っていくのが重要な戦略になります。

これは一案ではありますが、「【ジョブ(一般兵)】のバックアップは、特例としてあらゆるカテゴリのデッキに各3枚まで入れることができます。」というルールを活かし、バックアップを土属性に寄せてみるというのもいいかもしれません。

土属性の【ジョブ(一般兵)】のバックアップにはフォワードへのアクセス手段の少なさを解消する【21-068C】《キキルン》や、ブレイクゾーンから【19-128L】《ウォーリアオブライト》を回収できる【9-071C】《バンガ族》、バックアップ展開の爆発力を上げる【20-070C】《革細工師》といった役者がそろっています。強力な全体除去ができる【17-076H】《マトーヤ [I]》も土属性のCPが必要なアビリティを持っているので、その意味でも相性はよさそうです。

デッキ構築を工夫して、最適なデッキを模索していく過程も作品単フォーマットならではの楽しさです。ただ作品単を遊ぶうえで、汎用的なカードのタイトル間での有無などの差はないにこしたことはないので、この点は今後の『FFTCG』に期待していきたいところですね!

 


◆作品単フォーマットのデッキ紹介
それでは最後に作品単のデッキをいくつか紹介していこうと思います。

●サンプルデッキ:【カテゴリ(IV)】 

カード番号 カード名 枚数
フォワード(37枚)
【2-129L】 《セシル》 2
【5-086L】 《セシル》 3
【16-051L】 《セシル》 3
【17-139S】 《セシル》 2
【20-075L】 《セシル》 3
【20-109H】 《セシル》 3
【5-142H】 《ローザ》 3
【20-125R】 《ローザ》 3
【17-135S】 《エッジ》 3
【11-054R】 《謎の男》 3
【15-119L】 《ポロム》 3
【11-117R】 《セオドア》 3
【16-050H】 《セオドア》 3
バックアップ(10枚)
【10-115C】 《セシル》 3
【16-063R】 《ローザ》 1
【17-049C】 《シド・ポレンディーナ》 3
【21-068C】 《キキルン》 3
召喚獣(3枚)
【9-068H】 《ドラゴン》 3

【20-125R】《ローザ》を主軸に《セシル》を展開する【カテゴリ(IV)】デッキ。
【20-125R】《ローザ》から【20-075L】《セシル》への展開が強力で、さらに【16-051L】《セシル》につながりキャラクターを展開できます。

デッキ全体で除去耐性が非常に高く、単体除去に対しては【16-051L】《セシル》と【20-109H】《セシル》、全体除去に対しては【2-129L】《セシル》が刺さり、さらに【17-139S】《セシル》によるパワー増強でフォワード同士の戦闘に強いのも特徴です。

相手のフォワードへの対処手段も豊富で、【5-086L】《セシル》・【20-075L】《セシル》・【20-109H】《セシル》はそれぞれ除去効果を持つスペシャルアビリティを持っており、【17-139S】《セシル》によるダルも可能。また【17-135S】《エッジ》も作品単の恩恵を大きく受ける、かなり使い勝手のよいカードとなっています。

全カテゴリ通しても、最大限にルールの恩恵を受けている作品単フォーマットならではのデッキと言えるでしょう。 

 

●サンプルデッキ:【カテゴリ(XIV)】

カード番号 カード名 枚数
フォワード(34枚)
【16-100L】 《ヤ・シュトラ》 3
【21-036H】 《ヤ・シュトラ》 1
【19-124L】 《ヤ・シュトラ》 3
【7-136S】 《ヤ・シュトラ》 3
【6-083H】 《ヤ・シュトラ》 1
【5-068L】 《ヤ・シュトラ》 1
【13-135S】 《ウリエンジェ》 3
【20-090H】 《グ・ラハ・ティア》 3
【12-004R】 《アルフィノ》 2
【17-107R】 《アルフィノ》 1
【20-086H】 《アリゼー》 3
【17-088R】 《アリゼー》 2
【20-088L】 《エスティニアン》 3
【14-015R】 《ゼノス》 3
【17-016L】 《ヒエン》 2
バックアップ(16枚)
【5-162S】 《アルフィノ》 2
【5-161S】 《アリゼー》 1
【8-090C】 《アリゼー》 2
【8-146S】 《サンクレッド》 2
【5-160S】 《ミンフィリア》 3
【5-120C】 《ルイゾワ》 3
【20-095C】 《裁縫師》 3

スタンダードでも活躍している【ジョブ(暁の血盟)】ギミックを主軸とした【カテゴリ(XIV)】ですが、作品単でもその強さは健在です。

最近の【ジョブ(暁の血盟)】は強化の方向性としてフィールドの【ジョブ(暁の血盟)】を参照にしつつ、以前よりも多くの枚数を必要としない方向に進化してきました。そのためゲーム序盤の【ジョブ(暁の血盟)】が出そろう前のタイミングから高いパフォーマンスを発揮できるようになり、結果的に【ジョブ(暁の血盟)】の枚数を多く必要とする旧来のカードも強化されています。

さらに【カテゴリ(XIV)】全体を底上げする【17-016L】《ヒエン》や【14-015R】《ゼノス》が追加されたことで、フィニッシュ力が向上しています。純正の【ジョブ(暁の血盟)】シナジーを活かすのか、ほかのギミックを採用しデッキを強化するのか、プレイヤーによって個性が出るポイントです。

スタンダード級のデッキが作品単のルールによってさらに強力さを増す、作品単の強みが出たデッキと言えるでしょう。 

 

●サンプルデッキ:【カテゴリ(FFTA)】

カード番号 カード名 枚数
フォワード(26枚)
【11-017H】 《マーシュ》 3
【16-122R】 《マーシュ》 3
【11-063L】 《リッツ》 3
【20-062R】 《リッツ》 3
【4-060R】 《シャアラ》 3
【13-040L】 《シャアラ》 3
【4-024R】 《レドナ》 1
【8-039C】 《時魔道士》 2
【16-008C】 《黒魔道士》 3
【14-115L】 《神竜》 2
バックアップ(17枚)
【4-022R】 《モンブラン》 3
【20-020C】 《モンブラン》 3
【8-007C】 《黒魔道士》 3
【6-011C】 《朱雀兵》 3
【13-005C】 《黒魔道士》 2
【20-013C】 《調理師》 3
召喚獣(6枚)
【20-003H】 《イフリート》 3
【20-103H】 《ラムウ》 3
モンスター(1枚)
【11-021C】 《レッドキャップ》 1

僕が愛してやまない「FINAL FANTASY TACTICS ADVANCE」のデッキも紹介します。

ルール変更で【ジョブ(一般兵)】のバックアップを広く使用できるようになったため、バックアップを火属性にまとめた構築が可能になり、【20-003H】《イフリート》・【20-020C】《モンブラン》を高いバリューで使用できます。


【20-062R】《リッツ》や【4-060R】《シャアラ》、【16-008C】《黒魔道士》といった細かいダメージ除去も多いので、これらを組み合わせて除去を狙っていきたいところです。

【カテゴリ(FFTA)】はややカードパワーが低いので、それを補強できる【14-115L】《神竜》を採用しています。【カテゴリ(Special)】のカードは作品の枠組みにとらわれず採用できるので、いまひとつカードが足りないと感じたら積極的に採用していきたいですね。

また裏を返せば、何をしてくるかわからないカテゴリのデッキは【14-115L】《神竜》を採用している可能性が高いので警戒しておくとよいでしょう。 


◆おわりに
今回は「13周年記念ファンフェア」で行われる作品単トーナメントに向けて、作品単構築戦についてお話してきました。
真剣に勝利を追求するのか、自分の好きな作品を極めるのか、プレイヤーによって据えるべき目標を決めて楽しめるというのもこのフォーマットの大きな魅力だと思いますので、ぜひ自分なりの楽しみ方で当日は参加してみてください。

今週末は1年で一番『FFTCG』に熱くなれる2日間だと思いますので、どちらのイベントでも参加される方は一緒に全力で楽しみましょう!

それでは、また次回の記事でお会いしましょう!