『FINAL FANTASY TRADING CARD GAME』の公式記事連載。今週は「第四期名人戦」東海予選でワンツーフィニッシュを飾った「火単【ブラスカ】」について、デッキ製作者のケンタッキーさんにお話をうかがいました。
◆はじめに
みなさんこんにちは! 『FFTCG』公式記事ライターのたるほです。
「第四期 名人戦」の地区予選が全国で開催されていますね。
僕は先々週の近畿地区予選、関東地区予選に引き続き、5月28日(土)に名古屋で開催された東海地区予選に参加してきました。
東海地区予選では熱戦の末、プレーオフでなんとか勝利し、「第四期名人位決定戦」への出場権を手にすることができました。
今後も可能なかぎり各会場を訪れ、腕試しを続けていこうと思っているので、会場でお会いした方はよろしくお願いいたします!
さて今回は、東海地区予選にて優勝されたケンタッキーさんにインタビューを行ない、本大会で優勝・準優勝のワンツーフィニッシュを決めた「火単【ブラスカ】」についてお話をうかがいました。
ケンタッキー
東京のプレイヤー。これまで当インタビュー記事でも、てるてる、アレックスなど多くの名を使って登場している。
「第四期 名人戦」では持ち前のデッキビルド力を発揮した「火単【ブラスカ】」を開発し、
「光の使者」環境を席巻している強豪プレイヤー。
◆「火単」の新たな可能性「火単【ブラスカ】」
――「第四期 名人戦」東海地区予選優勝おめでとうございます。
ケンタッキー:ありがとうございます。
――今回ケンタッキーさんは「火単【ブラスカ】」で全勝優勝。50枚すべて同じ「火単【ブラスカ】」を使用したひれひれ(∵)さんも2位で予選を突破され、この日はワンツーフィニッシュという圧巻の成績でした。
先日行なわれた関東地区予選でも活躍していた「火単【ブラスカ】」ですが、このデッキはどういった経緯で生み出されたのでしょうか?
ケンタッキー:このデッキを思いついたのは、1か月ほど前のことです。
「光の使者」発売当初から「MASTERS 2021」や「第四期 名人戦」に向け調整を行なっていたのですが、今環境は風属性や氷属性が強く、私の周りでもどちらかの属性を軸とするデッキが流行していました。
風属性・氷属性と対抗できるデッキを考えるうえで、注目したのがこの2属性に共通する “除去手段が少ない”という弱点です。
除去が少ないデッキが流行している環境ということは、フォワードが生き残りやすい環境と言い換えることができます。
こういった環境では、フィールドに出たときに役目を終えるコスト効率がいいフォワード以上に、アクションアビリティやスペシャルアビリティを持ちフィールドに生き残ることで真価を発揮するいわゆる“システム”や“置きもの”と呼ばれるフォワードが活躍するようになります。
――【14-116H】《マシュリー》や【16-133S】《ブラスカ》、【15-083L】《リディア》や【15-119L】《ポロム》などですね。
ケンタッキー:この視点から、自分でシステムフォワードを使いつつ、相手のシステムフォワードを対処できるデッキを組みたいと考え、そのなかでアイデアとして生まれたのがこの「火単【ブラスカ】」でした。
●デッキリスト「火単【ブラスカ】」(「第四期 名人戦」東海地区予選優勝 フォーマット:スタンダード)
カード番号 | カード名 | 枚数 |
フォワード(14枚) | ||
【16-133S】 | 《ブラスカ》 | 3 |
【12-017H】 | 《マギサ》 | 3 |
【12-004R】 | 《アルフィノ》 | 2 |
【14-010H】 | 《グツコー》 | 1 |
【12-015H】 | 《フォルツァ》 | 1 |
【16-015H】 | 《トゥモロ》 | 1 |
【14-116H】 | 《マシュリー》 | 3 |
バックアップ(8枚) | ||
【7-017H】 | 《ミース》 | 3 |
【13-006C】 | 《ザンデ》 | 2 |
【13-013C】 | 《パロム》 | 1 |
【11-004C】 | 《クー・チャスペル》 | 1 |
【13-014R】 | 《ラーケイクス》 | 1 |
召喚獣(28枚) | ||
【12-002H】 | 《アマテラス》 | 3 |
【15-014H】 | 《ブリュンヒルデ》 | 3 |
【13-012R】 | 《バハムート》 | 3 |
【2-019R】 | 《魔人ベリアス》 | 3 |
【3-020H】 | 《フェニックス》 | 3 |
【2-002C】 | 《イフリート》 | 3 |
【7-005C】 | 《イフリート》 | 3 |
【12-005C】 | 《イフリート》 | 3 |
【14-002R】 | 《イフリータ》 | 3 |
【9-002H】 | 《イフリータ》 | 1 |
――環境的に強いシステムフォワードを採用しつつ、さらに相手のシステムフォワードへの対策も進めたデッキを目指したということですね。
「火単」というアーキタイプながら、これまでのものとは一線を画す特徴的な構築ですが、どういったかたちでデッキを作っていったのでしょうか?
ケンタッキー:システムフォワード対策ができるシステムフォワードである【16-133S】《ブラスカ》を中心にカードを加えていきました。
召喚獣が軸になるので【14-116H】《マシュリー》を投入することまではすぐに決まったのですが、課題となったのが「このデッキはどう攻めるのか?」ということでした。
火属性自体はもともとアドバンテージを獲得することを特徴とした属性ではなく【14-116H】《マシュリー》によるドローはあるものの、デッキの構造上バックアップを展開してから戦うデッキではないため、優位な時間が序盤に集中してしまいます。
ロングゲームになるとデッキの優位性が薄れてしまうので、短いターンでいかに攻め切るかがデッキの課題となったのですが、そこで【12-017H】《マギサ》がいいのではないかと思いあたりました。
【12-017H】《マギサ》は生き残ると毎ターンフォワードをフィールドに出せるシステムフォワードなので環境にマッチしており、アビリティの条件も【16-133S】《ブラスカ》や召喚獣で満たすことができます。
【12-017H】《マギサ》から【12-004R】《アルフィノ》を出すことで【16-133S】《ブラスカ》や【14-116H】《マシュリー》をサーチできるなどキーカードへのアクセスも可能で、これらのアイディアが固まったことで、実際にデッキを組むというステップに進みました。
デッキを仮組みした段階では「ほんとにこれでいけるのか?」という不安もあったものの、実際に回してみるとちゃんと回ってくれて、特に「風水【空賊】」や「風氷」などのデッキに対しては無双状態といえる勝率を誇りました。
反面、バックアップを展開しないデッキなのでEXバーストへの弱さから、水属性のデッキは苦手な印象がありました。特に【14-113R】《リヴァイアサン》は一度でもEXバーストを発動されるとかなり厳しいなと感じつつ調整を重ねていきました。
――「光の使者」環境では「水単【ティーダ】」をはじめ、【14-113R】《リヴァイアサン》を採用するデッキは一定数存在する印象ですが、最終的に何か攻略の糸口はつかめたのでしょうか?
ケンタッキー:いえ、結局【14-113R】《リヴァイアサン》をケアするのは無理だという結論に至りました。
ただ、水属性だけが活躍する環境というわけでもないため、関東地区予選は当日の当たり運がよければ勝てるだろうと割り切って大会に持ち込みました。
――ケンタッキーさんは関東地区予選でも「火単【ブラスカ】」でプレーオフに進出する成績(5勝1敗)をおさめていましたが、東海地区予選でも引き続き使用したのは、関東地区予選の結果から手応えを感じたからということですか?
ケンタッキー:そうですね。関東地区予選を通じてデッキのポテンシャルに確信が持てたというのは1つの理由です。
また、この2つの予選は間の期間が短く、この短期間ではそこまで深くデッキのポテンシャルを見極めて対策されることはないだろういう考えもありました。
そして、これはとても個人的な読みだったのですが、身近で東海地区予選に遠征を予定していた「水単【ティーダ】」を使う(はずの)プレイヤーが関東地区予選で権利を獲得していたことで遠征を取りやめたので、「水単【ティーダ】」の使用者が少ないのではないかとも思っていました。
――なるほど。それでは、ここからは採用されているカードについてもお話をいただきたいと思います。システムフォワードである【16-133S】《ブラスカ》、【14-116H】《マシュリー》、【12-017H】《マギサ》はそれぞれ3枚ずつ採用されていますが、それ以外の【12-017H】《マギサ》から展開するコスト3のフォワードにはどういった採用意図があるのでしょうか?
ケンタッキー:まず先ほども少しお話しした【12-004R】《アルフィノ》です。これは前述のとおりキーカードである【16-133S】《ブラスカ》と【14-116H】《マシュリー》の、そのとき必要なほうをサーチしてくるのが主な役割になります。
また、手札に召喚獣がない状況でもスペシャルアビリティ「召喚」のコストになる【16-133S】《ブラスカ》をサーチできたり、【15-083L】《リディア》のような対処が難しいカードに対して【11-004C】《クー・チャスペル》や【13-014R】《ラーケイクス》を探せる点も評価しています。
このデッキは大半が召喚獣なので、キャラクターカードを採用できるスロットは限られています。そんななか、数少ないスロットでデッキの対応力を高められるのが【12-004R】《アルフィノ》の器用なところです。
――【12-017H】《マギサ》から出すフォワードのなかで【12-004R】《アルフィノ》だけ2枚採用されているところからも、このカードの重要性がうかがえますね。
ケンタッキー:ちなみに調整段階では【12-004R】《アルフィノ》は2枚ではなく、【12-003R】《アリゼー》とセットでそれぞれ1枚ずつ採用していました。
こうすることで、【12-017H】《マギサ》でフィールドに出した【12-004R】《アルフィノ》を【14-116H】《マシュリー》で手札に戻し、【12-003R】《アリゼー》で再度出しなおして【12-004R】《アルフィノ》のアビリティを再び狙うというテクニックを使えるようになります。
私自身はこの構築を気に入っていたのですが、大会参加にあたり人にデッキを共有するうえで、プレイを簡単にしたほうがいいだろうと考え、現在の【12-004R】《アルフィノ》2枚採用の構築にしました。
プレイ難度の高いデッキは、その日のコンディションなどで自分がポテンシャルを引き出せるかが変わってしまうので、構築を単純にするという選択もデッキ構築の際は重要かと思います。
次に【14-010H】《グツコー》ですが、これは中長期戦になりやすいマッチでアドバンテージを稼いでもらうカードで、除外したカードを加える条件が「フィールドを離れたとき」なので、バウンスで除去をしてくる水属性のデッキに対しても強力です。
【12-015H】《フォルツァ》は【12-017H】《マギサ》からしか出すことができませんが、除去しつつパワーの高いフォワードを展開できるため、アグレッシブなデッキへの切り返しとして優秀なカードです。
【16-015H】《トゥモロ》はアドバンテージの獲得要員であるだけでなく、引き過ぎてしまった【14-116H】《マシュリー》を捨てたり、ヘイストで最後の1ダメージを詰めたりと役割が多いです。
相手に直接ダメージを与えるDamage 5のアビリティは、意外と発動する機会も多く、すべてのアビリティを無駄なく使えるカードでした。
――召喚獣はどういった基準で選定されたのでしょうか?
ケンタッキー:召喚獣に関しては、EXバーストしたときに相手を除去できることを意識して【13-012R】《バハムート》、【7-005C】《イフリート》、【12-005C】《イフリート》、【14-002R】《イフリータ》はすべて3枚ずつ採用しています。
【2-002C】《イフリート》はミラー対決をはじめとした対面で、相手の【14-116H】《マシュリー》に対してキャストし除去することを意識し採用しています。
ほかにコスト2の召喚獣として【15-014H】《ブリュンヒルデ》、【2-019R】《魔人ベリアス》を採用していますが、このデッキはバックアップ1枚で戦うことも多く、これらのカードは【14-116H】《マシュリー》がいればコスト1にできるので、手札を消費せずキャストできてドローも狙えるためコストパフォーマンスが大きく向上します。
また【2-019R】《魔人ベリアス》はEXバーストでリソースが増えることはもちろん、ヘイストを与える能力は攻めを意識したデッキの方向性とも合うっているため、序盤から展開したフォワードに【2-019R】《魔人ベリアス》でヘイストを与えて攻めるプランを取ることも少なくありません。
【15-014H】《ブリュンヒルデ》や【2-002C】《イフリート》は1枚で除去できる範囲が限られているため、EXバーストしたときはハズレになってしまう可能性があるのですが、【12-017H】《マギサ》を採用していることで、これらのカードで【12-017H】《マギサ》のアビリティの起動の条件を満たすことができます。
EXバーストは解決に際して相手が対応することができないため、対応して【12-017H】《マギサ》を処理されるというリスクを負わずにアビリティを起動できる点が強力です。
これは【13-006C】《ザンデ》で能動的にダメージを受けることでも狙える動きなので、重要度を考慮し【13-006C】《ザンデ》は2枚採用としています。
――【カード名(イフリート)】が大量に採用されていることで【15-001R/9-002H】《イフリータ》が採用されているのも特徴的ですね。
ケンタッキー:【15-001R/9-002H】《イフリータ》は火属性には対処しにくい、モンスターを除去できる貴重なカードで、1枚採用ながら【14-002R】《イフリータ》からサーチしてくることが可能です。
対処したいモンスターの最たるカードが「水単【ティーダ】」に採用されている【16-117H】《トロス》などですが、【14-002R】《イフリータ》のEXバーストで【16-116L】《ティーダ》を除去しつつ、サーチしてきた【15-001R/9-002H】《イフリータ》で【16-117H】《トロス》を除去するといった動きが可能で、活躍の幅も広いです。
また、まれなケースですが【15-001R/9-002H】《イフリータ》で全体に3000ダメージを与え、【16-133S】《ブラスカ》の「召喚」で追加ダメージを与えることで、対処しにくいパワー8000以上のフォワードを一掃することもできます。
――【3-020H】《フェニックス》は珍しいカードが採用されている印象ですが、「Chapter」シリーズから『FFTCG』を続けているプレイヤーにとってはケンタッキーさんが【3-020H】《フェニックス》を使っていることに懐かしさを感じる人も少なくないかと思います(※「Chapter」シリーズでの《フェニックス》は同様の効果を持つ召喚獣で、ケンタッキーさんは当時このカードを使ったデッキを開発し、環境に大きな影響を与えていました)。
ケンタッキー:私も再び【3-020H】《フェニックス》を使う日が来るとは思ってもいませんでした(笑)。
デッキの軸となる【14-116H】《マシュリー》と【16-133S】《ブラスカ》はどうしても除去の的になりやすく、特に【16-133S】《ブラスカ》はサイズ的にも簡単に除去されてしまうため、これらを復活させられる【3-020H】《フェニックス》は実質的なフォワードとして活躍してくれます。
また、先ほどの【9-002H】《イフリータ》同様、相手のフォワード全体にダメージを与えられるので、復活した【16-133S】《ブラスカ》のアビリティで相手のフォワードを一掃するコンボを狙うことができます。
最後に、今さら強さを語るべくもない【12-002H】《アマテラス》についてですが、実はこのカードこそ、このデッキが「火単」である恩恵をもっとも受けるカードです。
【12-002H】《アマテラス》は【14-116H】《マシュリー》のコスト軽減によって手札1枚でキャストできますが、このデッキは【14-116H】《マシュリー》からドローするカードが(【14-116H】《マシュリー》を除いて)すべて【12-002H】《アマテラス》のコストになるカードなので、手札に【12-002H】《アマテラス》1枚しかない状況でもほぼ確実に【12-002H】《アマテラス》をキャストすることが可能です。
2属性以上のデッキではこういった状況で【12-002H】《アマテラス》のコストが引けないとうリスクがありますが、単属性デッキであるため必ずコストになるカードを引けるというのは【12-002H】《アマテラス》に限らず手札をコストに戦うデッキでは大きなメリットになります。
――今回の結果から、今後は非常に注目されるデッキとなっていくかと思いますが、実際このデッキはどういったデッキなのでしょうか? プレイングなど含めてお聞きしたいです。
ケンタッキー:まずこのデッキの目指すところとして【14-116H】《マシュリー》をフィールドに出すことを第一に目指したプレイを心がけていました。
【14-116H】《マシュリー》さえ出せてしまえば、とりあえずドローをして、そこからフォワードの展開や除去といった後続の動きにつながります。
――ということは【14-116H】《マシュリー》のアビリティはカードを引くために使うのが主ということになるのでしょうか?
ケンタッキー:そうですね。もちろん状況に応じてキャラクターを手札に戻す選択肢を取ることもありましたが、手札に召喚獣しかないという状況を除いて積極的にドローしていくというのが基本方針でした。
またプレイ面で重要なのが、【12-017H】《マギサ》絡みでいかにプレイミスをしないかという点です。
【12-017H】《マギサ》はハマったときの展開力がすさまじく、【14-116H】《マシュリー》と【16-133S】《ブラスカ》をそろえただけで勝てたりする試合もあったりと、うまくいけばどんなデッキ相手にも簡単に勝てる反面、【12-017H】《マギサ》の扱いを誤るとそれが原因で負けに直結してしまうゲームもあるため、相当な練習が必要なデッキだと考えています。
最悪なシチュエーションが、こちらが【12-017H】《マギサ》を使うためにダメージを与えようとしたところで相手に除去をあわせられてしまい、アビリティを使うことなく【12-017H】《マギサ》が対処されてしまうというケースで、相手の除去1枚でこちらのフォワードと手札を失う展開となってしまいます。
とはいえ、リスクばかりを気にして委縮してしまっては勝ち切ることはできないので、リスクリターンを考えて、行くときは行くことが重要です。
そこで練習のなかで、やってはいけないプレイとこれならアリというプレイの線引きを自分の中に設け、シチュエーションごとにプレイの取捨選択を明確にすることを意識していました。
また、相手のデッキにどういったリスクがあるかを正しく理解する必要があるので、対戦するデッキごとにどんなカードがリスクになるのか考えながらプレイすることが重要です。
――具体的に意識したプレイはどういったものがあるのでしょうか?
ケンタッキー:【12-017H】《マギサ》からスタートする試合では、初手の《マギサ》からどこまで展開するかを先手後手によって切り分けて考えていました。
先手後手で生まれる手札1枚の差は大きく、全力で展開しきったあとに【1-107L】《シャントット》などで対処されてしまうとこちらのフィールドには何も残すことができません。
またリスクを少なく動けるプランとしては、【12-017H】《マギサ》へのダメージをバックアップで与えていくルートが考えられます。
これであれば仮に【12-017H】《マギサ》を除去されてしまっても、こちらはバックアップを残してゲームを続けることができます。この点は【13-006C】《ザンデ》の2枚採用とも通底するところですね。
――相手に応じたリスクリターンを理解し展開をしていくことが重要ということですね。ちなみにケンタッキーさんが想定している、このデッキの初手のベストハンドはどういったものを想定されているのでしょうか?
ケンタッキー:それこそ先手後手で異なりますが、どちらにも共通して言えることは【14-116H】《マシュリー》と【12-002H】《アマテラス》をセットでキープできると非常に盤石だということです。
特に先手でこの組み合わせを引けたときはかなり安全に試合を進めることができます。
【14-116H】《マシュリー》絡みの初手で覚えておきたいのは、【7-017H】《ミース》からスタートする試合で、召喚獣をコストに【7-017H】《ミース》をキャスト、【7-017H】《ミース》の効果で召喚獣を捨て【14-116H】《マシュリー》をサーチ、召喚獣をコストに【14-116H】《マシュリー》をキャストすることで即座に【14-116H】《マシュリー》のドローを狙うことができるという展開です。
とはいえ、サーチ手段が乏しいデッキなので、ゲームの立ち上がりに関しては引いたもので戦わなければならないということが多く、ベストハンドがなにかを考えるより、その初手でのベストの動きを想定する練習を行なったほうがいいでしょう。
――ありがとうございました。
◆おわりに
今回は「第四期 名人戦」東海地区予選で優勝を果たしたケンタッキーさんにインタビューを行ない、新たなメタゲームの一角となった「火単【ブラスカ】」について解説していただきました。
構築やプレイの難易度は非常に高そうですが、高度な環境考察とその活躍から、今後のメタゲームにおいても中心に君臨することは間違いなさそうです。
今週末以降の「第四期 名人戦」では、「火単【ブラスカ】」が台風の目として居座るのか?
それとも「火単【ブラスカ】」を駆逐する新たなデッキが登場するのかも気になるところです。
次回の大会は6月4日(土)の九州地区予選と6月5日(日)の中国地区予選となります。
それでは、また次回の記事でお会いしましょう。