『FINAL FANTASY TARDING CARD GAME』の公式記事連載。今週は「第四期名人戦」中国予選大会で優勝したまっすー@あそくまさんのインタビューをお届けします。
◆はじめに
みなさん、こんにちは!?『FFTCG』公式記事ライターのたるほです。
激戦の「第四期?名人戦」予選大会は早くも折り返しを過ぎ、毎週各地で熱き戦いが繰り広げられています。
九州地区予選から連日の開催となった、6月5日の「第四期 名人戦」中国地区予選では、前日に続き福岡のプレイヤーが優勝を果たし、その勢いを見せつける結果となりました。
今回は「第四期?名人戦」中国地区予選で優勝した、まっすー@あそくまさんにインタビューを行ない、九州で勢力を広げるあそくま勢の開発した「火土水【モールズの夜会】」についてお話をうかがいました。
まっすー@あそくま(写真中央、他はチーム「あそくま」のメンバー)
近ごろ、九州で勢いを広げる福岡のチーム「あそくま」のプレイヤー。
経験の短さも高いチーム力で補う新進気鋭の一大勢力・あそくま勢は「第四期?名人戦」九州地区予選・中国地区予選でも、
チームで開発した「火土水【モールズの夜会】」デッキをシェアし、二日間で実に4名ものプレイヤーが「名人位決定戦」への切符を手にした。
◆大躍進!?あそくま式「火土水【モールズの夜会】」
――「第四期?名人戦」中国地区予選、優勝おめでとうございます!
まっすー:ありがとうございます。
――今回使用されたデッキは「火土水【モールズの夜会】」ですが、これは一般的な火・土・風属性を軸にした【モールズの夜会】デッキとはかなり毛色の異なる構築となっています。
今回、このような構築の【モールズの夜会】デッキが生み出された経緯をお聞きしたいと思います。
●あそくま式「火土水【モールズの夜会】」(「第四期?名人戦」中国地区予選優勝 フォーマット:スタンダード)
カード番号 | カード名 | 枚数 |
フォワード(17枚) | ||
【16-080H】 | 《マダム・エーデル》 | 2 |
【16-022R】 | 《アウィン[FFBE]》 | 2 |
【16-099C】 | 《メラルド》 | 2 |
【15-121R】 | 《ベスビア》 | 3 |
【13-002L】 | 《アクスター》 | 3 |
【14-011H】 | 《豪神スサノオ》 | 1 |
【9-115R】 | 《ポロム》 | 1 |
【14-112L】 | 《ラーサー》 | 1 |
【14-116H】 | 《マシュリー》 | 1 |
【11-140S】 | 《カダージュ》 | 1 |
バックアップ(17枚) | ||
【16-065C】 | 《アンバー》 | 3 |
【16-075R】 | 《シンジュ》 | 3 |
【16-003C】 | 《エルビス》 | 3 |
【11-072R】 | 《デシ》 | 3 |
【1-107L】 | 《シャントット》 | 1 |
【6-108R】 | 《イシュガルド教皇》 | 3 |
【13-101R】 | 《ルルカ》 | 1 |
召喚獣(16枚) | ||
【12-002H】 | 《アマテラス》 | 2 |
【12-005C】 | 《イフリート》 | 2 |
【3-087H】 | 《断罪の暴君ゼロムス》 | 3 |
【9-068H】 | 《ドラゴン》 | 2 |
【10-068C】 | 《クーシー》 | 2 |
【10-125H】 | 《リヴァイアサン》 | 2 |
【12-108C】 | 《レモラ》 | 3 |
まっすー:今回「第四期?名人戦」参加にあたって何を使おうか考えていたとき、「光の使者」環境で新しく出てきたデッキとして気になっていたのが【モールズの夜会】デッキでした。
僕自身、『FFTCG』をプレイし始めてまだまだ歴が浅く、知識の面でも未熟ということもあり、できるだけプレイが簡単なデッキが望ましいと考えていたのですが、【モールズの夜会】デッキは明確なテーマを持つデッキで、目指すゴールがわかりやすいこともあり自分にも扱いやすいだろうということで、まずはスタンダードな火・土・風属性を軸にした【モールズの夜会】デッキを使ってみることにしました。
ですが、実際に使ってみても思うような勝率は得られませんでした。
「なぜ勝てないのか?」とあそくま勢で掘り下げていくなかで、「光の使者」環境は速いテンポで攻めてくるアグレッシブなデッキが活躍している前提があり、それに対して【ジョブ(モールズの夜会)】をそろえるため序盤にバックアップを展開する従来の構築は環境の主要なデッキに対して隙を見せてしまい、それが大きな弱点になっているという結論にいたります。
そこで目を付けたのがEXバーストです。
以前「土水【ドーガ】」を使っていたときに、バックアップを並べている間の相手の攻勢に対してEXバーストを多めにすることで対策していた経験があり、今回も同じように序盤はEXバーストで切り返しつつ、そこで生まれた時間を使って【ジョブ(モールズの夜会)】を展開していくのがかなり強いのではという着想を得ました。【ジョブ(モールズの夜会)】自体にEXバーストを持つカードが多いことも、今回EXバーストを増量する後押しとなり、現在の構築の原型となりました。
また、現在環境で見かける機会が多い【14-116H】《マシュリー》に対して、解決に際し優先権のやり取りを挟まないEXバーストが有効だったというのも注目した大きな要因です。
デッキの第一段階では採用すべきEXバーストが定まっておらず、僕が以前愛用していた「土水【ドーガ】」のカードを下敷きにしていたのですが違和感がぬぐえず、そこからさらに試行錯誤していくことになります。
そうしていろいろ模索していくうちに出会ったのが【3-087H】《断罪の暴君ゼロムス》でした。
除去とフォワードの回収を兼ねそろえた非常に強力なEXバーストを持つ【3-087H】《断罪の暴君ゼロムス》は、【13-002L】《アクスター》との相性がすさまじく、4点ダメージを受けたあとは【13-002L】《アクスター》が実質手札1枚消費でキャストできて、除去と展開を両立する強力なフォワードになります。
チーム内でも「これはかなり強いぞ」という話になり、そこから【13-002L】《アクスター》+【3-087H】《断罪の暴君ゼロムス》のコンボにフォーカスしたデッキの研究が進んでいきました。
デッキの課題としてキーカードである【13-002L】《アクスター》を手札に加える手段が乏しいこともあり、そこで採用されたのが【6-108R】《イシュガルド教皇》です。
どんなカードでもサーチできるので、必要に応じて【12-002H】《アマテラス》や【9-068H】《ドラゴン》といったカードにアクセスできる点も強力で、構築の自由度を高めつつEXバーストの比重を高めることにも貢献してくれました。
――結果として風属性が採用されなくなったことで、【ジョブ(モールズの夜会)】の枚数は大幅に減ってしまっていますが、これによる弊害はなかったのでしょうか?
まっすー:構築の初期段階で、【16-059C】《ペツォッタ》が目指しているデッキと異なるベクトルのカードだと感じており、早い段階から不採用にして風属性は【16-062C】《レキサ》のみを採用していました。
ですが、風属性のカードを【ジョブ(モールズの夜会)】という理由だけで採用してもデッキのポテンシャルを下げているのではないかということで、結局風属性自体を採用しない構築へ移行していきました。
実際【16-062C】《レキサ》を採用しなくなったことで、【15-121R】《ベスビア》で引けるカードが1枚減ったり、【16-022R】《アウィン[FFBE]》で手札を捨てさせる際に任意のカードが選べなかったりといった場面は大会中もよくありましたが、究極的に言ってしまえば【16-099C】《メラルド》以外は【ジョブ(モールズの夜会)】を4枚そろえなくても最低限の働きをしてくれるので、デッキのポテンシャルを著しく損なうということはなかったです。
そもそものゲームプランが、こちらがダメージを受けてめくったEXバースト+αのリソースをもって中長期的にアドバンテージを獲得していくという展開を想定しているので、序盤で【ジョブ(モールズの夜会)】をそろえるのはそこまで重要視していなかったというのも理由のひとつです。
従来の【モールズの夜会】デッキは、こちらから勝負をしかけるために序盤から【モールズの夜会】を並べていく必要がありますが、「火土水【モールズの夜会】」はゲームをスローにしつつEXバーストでリソースを稼げる構造なので、EXバーストをめくるたびに発生する時間を含めたリソースを使うことで自然と【モールズの夜会】をそろえていけるだろうという算段がありました。
――【16-080H】《マダム・エーデル》、【16-022R】《アウィン[FFBE]》、【16-099C】《メラルド》といった、従来の【モールズの夜会】デッキでは3枚採用されていたカードが2枚になっているのも、EXバーストに焦点を当てているという理由からなのでしょうか。
まっすー:そうですね。EXバーストを増量する過程で、EXバーストを持たないカードを削らざるをえなかったというのは理由のひとつではあります。
ただ、このデッキは【13-002L】《アクスター》+【3-087H】《断罪の暴君ゼロムス》のコンボが実現するとデッキとブレイクゾーンの両方にアクセスできるので、少ない採用枚数でも問題なくキーカードを運用できます。
そのため結果的にこれらのカードが2枚でも困らないことがわかったので、2枚に留めたという感じです。
この「すべての領域にアプローチする手段があるので、キーカードであっても3枚採用する必要がなく、デッキスロットに余裕を持たせられる」というのは、このデッキの構築上の強みだと考えています。
それを実現してくれるのが【13-002L】《アクスター》+【3-087H】《断罪の暴君ゼロムス》であり、そしてこの「EXバーストによる逆転要素・アグロデッキへの耐性と中長期戦を見すえたアドバンテージ源になる」エンジンともっとも好相性でシナジーがあるのが「EXバーストを持つカードが多い【カテゴリ(FFBE)】のキャラクターたち=【モールズの夜会】」だったというイメージです。
――構築のスタートは【モールズの夜会】デッキだったけれど、途中で【13-002L】《アクスター》軸に方針転換し、これを活かすデッキを模索した結果、最終的にちょっとかたちは変わったけれど再び【モールズの夜会】に落ち着いた、というわけですね。
では、続いて【モールズの夜会】以外の要素で採用されているカードについてもお話を聞いていきたいと思います。まずフォワードですが、それぞれ1枚ずつ採用されています。これらはどういった採用意図があるのでしょうか?
まっすー:まず【14-112L】《ラーサー》はデッキの終着点である【13-002L】《アクスター》+【3-087H】《断罪の暴君ゼロムス》のコンボを目指すうえで、確実にダメージゾーンに【3-087H】《断罪の暴君ゼロムス》を置くために採用しています。
ダメージゾーンのEXバーストの枚数に応じてフォワードのパワーを+2000するアビリティも強く、ゲーム終盤の詰めの場面で重要な働きをしてくれます。
【14-116H】《マシュリー》は【13-002L】《アクスター》によるサーチの選択肢となるカードで、キャストした【13-002L】《アクスター》からサーチし、その【14-116H】《マシュリー》で【13-002L】《アクスター》を手札に戻し再度キャストすることで、除去と展開を1ターンに複数回行なうことが可能になります。
とはいえ、【14-116H】《マシュリー》自体がデッキの軸というわけではなく、あくまで【13-002L】《アクスター》のコンボパーツという位置づけなので、採用枚数自体は1枚に留めています。召喚獣もこのカードに特化できるほどの枚数は取っていないので。
【11-140S】《カダージュ》は、実は前日の九州地区予選の段階では採用しておらず、九州地区予選の結果を踏まえて急きょ採用したカードです。
九州地区予選での試合を振り返り感じたのが、序盤にダメージを受けすぎた結果、相手のフォワードをすべて除去するまで攻勢に出られない試合が非常に多かったということです。
結果として相手にターンを渡す回数が多くなってしまったことは反省点で、こうした試合展開を避けるために、【11-140S】《カダージュ》でブレイブを付与してアタックしていくのが有効なのではと考えました。
また、九州地区予選に参加されていた243さんが同じコンセプトの【モールズの夜会】デッキを使っていて、自分たちしか使わないと思っていたデッキを他コミュニティのプレイヤーも使っているのであれば、ミラー対決を強く意識しなければならないと感じたことも、このカードの採用に至った理由です。
このデッキにはすでに光属性の【14-116H】《マシュリー》が採用されており、いくらスローゲームを許容しているとはいえ、両方引いてしまうとリソース管理の面からも非常に厳しいのですが、最終的にこのカードにはリスクを抱えてもそれを上回るバリューがあるだろうということで、中国地区予選で「火土水【モールズの夜会】」を使用したあそくま勢は全員【11-140S】《カダージュ》を採用して参加しました。
【14-011H】《豪神スサノオ》は全体除去かつ【6-108R】《イシュガルド教皇》との相性のよさを加味して採用されたカードです。
結構ノリというか好みで採用した部分もあるのですが、ヘイストを持つカードの選択肢が欲しいと感じたことと、全体除去の【1-107L】《シャントット》が基本的に一回限りのカードなので、同じ役目のカードを複数枚採用せず散らしたかったというのも採用の理由です。
個人的には全体除去をせず、ヘイスト持ちのアタッカーとして運用する場面も多く、そのおかげで勝つ試合もあったため採用してよかったと感じるカードでした。
【9-115R】《ポロム》は、あそくま勢のなかでは自由枠に位置付けられているスロットに採用したカードで、九州地区予選であとらさんが使用した構築では【15-119L】《ポロム》を採用していたり、クララさんの構築ではそもそも採用されていなかったりと、メンバーによって好みで構築が分かれています。
【14-112L】《ラーサー》を使う関係で、普通ならコストにしたい【3-087H】《断罪の暴君ゼロムス》を手札に残しながらプレイする必要があるのですが、僕はこうした展開の組み立てが苦手だったので、召喚獣の回収手段を設けて【3-087H】《断罪の暴君ゼロムス》をコストにできるようにしたいという理由でチョイスしました。
これ自身がEXバーストを持っていることや、序盤でEXバーストした【3-087H】《断罪の暴君ゼロムス》で回収できる選択肢にもなる点も加味しています。
――バックアップは【ジョブ(モールズの夜会)】+EXバースト持ち2種+【1-107L】《シャントット》はみなさん共通していますが、【13-101R】《ルルカ》の採用に関してはあそくま勢のなかでも構築が分かれていますね。
まっすー:【13-101R】《ルルカ》を採用するにあたって、もっとも意識したのが「火単【ブラスカ】」です。
あそくま勢のなかでは【16-010H】《ジン》を採用した「火単【ブラスカ】」が研究されていて、【16-010H】《ジン》採用型の「火単【ブラスカ】」とのマッチアップでは除去の基準値が8000ダメージになり、パワー8000のフォワードを並べていても盤面を簡単に返されてしまいます。
また「火単」はアタッカーのパワーの上限がおおむね8000なので、こちらのパワーを上げることでアタック自体をかなりけん制できるのではという狙いもあり採用しています。
――続いて召喚獣について、デッキのコンセプトである【3-087H】《断罪の暴君ゼロムス》が3枚採用されているのはもちろんですが、それ以外の召喚獣の採用枚数は結構独特だなという印象です。
まっすー:召喚獣の採用枚数に関しては、実は僕はあまり携わっていなくて、中国地区大会でともに権利を獲得したあそくま勢のクララくんがこのデッキの最終形を作っていて、召喚獣の枚数は彼の意図どおりに採用しているというのが正直なところです(笑)。
そのためわかる範囲での説明になってしまうのですが、召喚獣に関しても【6-108R】《イシュガルド教皇》で任意のカードをサーチできるというのが大きくて、【12-002H】《アマテラス》や【9-068H】《ドラゴン》といったカードは多く採用しなくても運用できるため、2枚に抑えて採用しています。
また、それ以外の召喚獣は手札からキャストするよりもEXバーストの期待値を上げるために採用しているカードが多く、枚数を増やしすぎても手札に来たとき有効牌になりにくいため、種類ごとの採用枚数を抑えたというのもひとつの理由です。
全部で16枚というのは多く見えるかもしれませんが、採用枚数としてはかなり枠を削った構成となっています。
採用枚数に関して言えば、コンセプトである【3-087H】《断罪の暴君ゼロムス》と、EXバーストしたときのバリューがもっとも高い【12-108C】《レモラ》は3枚採用し、それ以外の召喚獣を2枚ずつ採用したというバランスになりますね。
――最初のデッキ選択のお話のなかで、【モールズの夜会】デッキの扱いやすさが選択の理由になったとうかがいましたが、いわゆる受け寄りの構築になったことで、従来の仕掛けていくタイプの【モールズの夜会】デッキのプレイングの指標とはかなり違いが生まれたと思います。プレイングの面で意識されたポイントなどはありますか?
まっすー:【モールズの夜会】デッキを使う際に一番いいスタートとなるのが、【16-065C】《アンバー》からバックアップを展開していく立ち上がりになります。
なので、マリガン基準としては【16-065C】《アンバー》と、欲を言えば【16-080H】《マダム・エーデル》まであるとかなり余裕があるゲームをできると考えています。
通常の【モールズの夜会】デッキとは異なり、奇数コストのバックアップをかなり採用しているので、初手からシビアにバックアップを展開する必要がないのはこの構築のメリットなのかなと思います。
――【16-065C】《アンバー》を引けない流れというのもそれなりにあるとは思うのですが、こうした展開ではどういった立ち回りを意識されましたか?
まっすー:あくまでほかのバックアップを引けている前提にはなりますが、このデッキでは【6-108R】《イシュガルド教皇》や【11-072R】《デシ》から動き始めなければならない展開もあり、こうなるとかなりコスト面でロスした状態から試合を進めなければなりません。
【6-108R】《イシュガルド教皇》であれば【16-065C】《アンバー》をサーチできますが、【11-072R】《デシ》スタートになった場合が結構問題で、このときはEXバーストを持たないフォワードを優先してサーチし、デッキ内のEXバーストの比率をなるべく高められるように意識してゲームを進めていました。
このとき【13-002L】《アクスター》をサーチしておくのが効果的で、相手に【13-002L】《アクスター》を見せておくことでダメージを与えるのをためらわせ、スローゲームへ持ち込むこともできます。
これにより得たターンでバックアップの展開へつながることも多々あったので、あえて情報を与えてけん制するのはプレイするうえでよく使うテクニックのひとつでした。
また、相手が遅いデッキだとわかっていれば【11-140S】《カダージュ》をサーチするなど、状況にあわせて相手にプレッシャーをかけるカード選択を心がけていました。
多属性デッキである以上、初手に来たカードの属性がバラバラすぎて、1ターン目にキャストできるバックアップがないということもありましたが、こういった試合は1ターン目のアクションを諦めてディスカードでターンを返すということもありました。
構築段階でもチームでデッキ内の属性のバランスについてはかなり議論したのですが、構築上どうしても付きまとうリスクとしてこうした試合は発生するものと割り切りました。
ただ、こうした試合でもEXバーストから稼いだアドバンテージでゲームを巻き返すこともできたので、スローゲームに寄せ切ったデッキの強みが出ていると感じました。
――環境をかなり意識したデッキ選択と構築をされたようですが、苦手とするデッキについても教えていただきたいです。
まっすー:基本的に序盤はひたすら準備することに注力したデッキなので、同じく序盤を準備にあてる「風単【デブチョコボ】」には十分な時間を与えてしまうため、最終的な盤面の差もあってかなり苦戦を強いられます。
こちらの強みである除去に関しても【15-045H】《エッジ》などでかわされてしまうシーンも多く、全体除去をしようにも【14-045H】《シン》や【16-058R】《フィーナ》に止められるなど、こちらのデッキに対するすべての回答が採用されているという点で非常に相性の悪い相手だと思います。ですが、それ以外のデッキに対して特に苦手意識はなく、幅広く戦えるデッキだと感じています。
今回の九州地区予選・中国地区予選はメタゲームの中心に「火単【ブラスカ】」がいることが想定され、「風単【デブチョコボ】」を選択するのはみんな避けるだろうという読みがあり、それであればこのデッキは活躍できるだろうということで使用に至った部分もあります。
仮に「風単【デブチョコボ】」中心の環境であったなら、ほかのデッキを使っていたかもしれませんね。
◆福岡一大勢力“あそくま勢”に迫る!
――「第四期 名人戦」九州地区予選・中国地区予選を通じて福岡勢の活躍が目立つ結果となりましたが、そのなかでも“あそくま勢”は4名が権利獲得と、まさに破竹の勢いで活躍を見せています。あそくま勢の名前は全国の『FFTCG』プレイヤーの知るところとなったかと思いますので、あそくま勢についてもぜひ教えていきたいと思います。
まっすー:あそくまは“遊びたがりクマさん”を縮めたものです。
これはチームのリーダー的な立ち位置であるあとらさんが、とてもクマっぽい見た目をしていることと、彼が多趣味で自分がおもしろそうだと思ったものを何でもかんでも触る遊びたがりな性格なことから、自然と“遊びたがりクマさん”というワードが出てきました。
ただ、もともとこの名前ありきで活躍していたわけではなく、僕とあとらさんとクララくんの3人でいろいろなカードゲームをしていて、そのなかで『FFTCG』の大会にも出てみようという話になり、チームの活動というよりは友人どうしで遊んでいる感覚の集まりでした。
そうして遊んでいるうちに「なんかおもしろそうなことやってるじゃん?」と周りが興味を持ってくれるようになり、遊ぶメンバーが増えて、「これ、全員でチーム名を付けて大会参加するのおもしろそうじゃない?」となったのがチームとして活動を始めたきっかけです。
実際、チームというほど大それたものではなく、遊びの延長として続いているコミュニティという感じです。
――僕も友人と“チーム愛甲石田”を名乗って遊ぶこともあるので、その団結感が楽しいという感覚はすごくわかります。連帯感というか、みんなでひとつのものに取り組む活動はやっぱり楽しいですよね。今回デッキを組まれたのはクララさんというお話でしたが、チームのなかでの役割分担などもあるんでしょうか?
まっすー:そうですね。ここは割りとはっきりしていて、まずチームに新しいデッキを持ち込んでくるのはクララくんです。独自の発想力のあるプレイヤーで、なかなか見ないデッキを作っては持って来てくれます。
それをもとにチーム内で回してブラッシュアップしていくんですが、そうするとコミュニティ内のデッキが奇抜なものになりやすいので、その流れをセーブするのも兼ねて環境に存在するデッキをあとらさんが回してくれて環境の理解が深まっていくという、いいサイクルが生まれているのかなと思います。
チームも全員が社会人なので、役割を持って活動できるのは時間的な面での効率もいいですし、ビルダーとチューナーとバランサーがいることでチームとして活動が成り立っているのかなと。
このような形になったのは本当にたまたまなんですが、結果としてすごくいいチームになったと思います。
みんな多趣味なので『FFTCG』に限らずなんでも手を出していて、僕は結構それについていくタイプなんですが、みんなに引っ張られていろいろな遊びができるのは楽しいですね。
――そんなチームあそくま勢で臨むことになる「第四期名人位決定戦」ですが、ここで意気込みなどをうかがってもよろしいでしょうか?
まっすー:『FFTCG』でもすごく友だちが欲しいと思っていて、「第四期名人位決定戦」の前に「MASTERS?2021 THE AFTER」で東京にお邪魔するので、ぜひみなさん仲よくしていただけるとうれしいです。よろしくお願いします!
――ありがとうございました。
◆おわりに
今回は「第四期?名人戦」中国地区予選で優勝されたまっすー@あそくまさんへのインタビューでした。
まっすーさん自身の実力はもちろん、チームとしての強さと、そしてなにより活動自体の楽しさを感じさせるお話を聞かせていただけたインタビューでした。
「第四期名人位決定戦」では、あそくま勢がどういった活躍を見せてくれるのかも注目ですね。
次回の記事では、「光の使者」環境で僕が愛用してきた「風水【FFX】」デッキを紹介したいと思います。
それでは。また次回の記事でお会いしましょう!