【FFTCG】「英雄の夜明け」登場でL3構築のカード採用基準はどう変わる?

『FINAL FANTASY TRADING CARD GAME』の公式記事連載。今週は「英雄の夜明け」の登場によって、L3構築におけるフォワードの評価基準の変化を考察します。

はじめに
みなさん、こんにちは!
FFTCG』公式記事ライターのたるほです。

ブースターパック「英雄の夜明け」が発売されて1週間が経ちました。プレイヤーのみなさんも新カードを使ったデッキ構築の日々を過ごしていることかと思います。特に「英雄の夜明け」環境では、92~3日に開催のL3 Championship 2023」(現在、事前受付中)を控えており、それに向けた調整に注力しているというプレイヤーも多いのではないでしょうか?もちろん僕もそんなプレイヤーの1人ですので、今シーズンはまず「L3 Championship 2023」に向けた記事を中心にお届けしていきたいと思います。

今回は「英雄の夜明け」がL3構築の環境に与える影響を、主に除去の面から考察していきます。
それではさっそく始めていきましょう!

◆「英雄の夜明け」の登場でL3は何が変わった?

1:全体除去を前提とした環境へ 
「悪夢より来たる」環境でのL3構築は「火雷【XIII】」や「火風土水WoL」、「火氷雷【VI】」などフォワードの大量展開に秀でたデッキの活躍を軸にメタゲームが発展していました。このうち、「火雷【XIII】」や「火風土水WoL」は「英雄の夜明け」環境においてもローテーションの影響が少なく、前環境とほぼ変わらない構築が可能です。しかし「英雄の夜明け」の初期環境において、これらのデッキは以前ほどシェアを伸ばさないのではないか、というのが現在のL3構築のカードプールを見て僕が最初に感じた印象でした。

その背景として「英雄の夜明け」では優れた除去カードが数多く登場したことが挙げられます。なかでも【20-127L】《神竜》や【20-007L】《鬼神》といった全体除去はとりわけ強力で、相手の一方的なフォワード展開を防ぎつつ、こちらは高パワーのフォワードでの切り返しが可能です。以前までは一度天秤が傾くと逆転が難しかった「火雷【XIII】」や「火風土水WoL」に対する明確な回答になりえるため、これらのデッキも上記のパッケージを意識したゲーム展開を行なわざるをえません。20-127L】《神竜》は【19-104H】《マディーン》との組み合わせで、【20-007L】《鬼神》はブレイクゾーン対策を行ないつつの単体除去も可能なため、ワントップで戦うデッキに対しても役割を果たせるうえ、生き残ることが次の除去につながるため一度フィールドに出た後も放置することを許しません。これらのカードの存在は除去の必要性をデッキに求める要因となります

 

②フォワードに求められる資質の変化
環境における除去の重要度が高まることで、フォワードに求められるスペックも変わります。「英雄の夜明け」環境において個人的に重要となると考えているのが、アンタッチャブル(アビリティや召喚獣によって選ばれない)・高パワー・ヘイストのいずれかの要素を満たすフォワードです。

それぞれの要素について触れていきましょう。

まずアンタッチャブルの要素についてですが、単純に除去が強い環境ということでアビリティや召喚獣に選ばれないアビリティはそれだけで非常に価値があるものになります。フォワード化できるモンスターも全体除去に巻き込まれないため、単純にアンタッチャブル効果を持つフォワードと同様の働きが期待できます。また、【20-084R】《レオ》の登場でダメージによる全体除去に巻き込まれにくくなった【18-049R】《ユーリィ》や、相手の行動に合わせてアンタッチャブル効果の付与とパワーアップが行なえる【20-109H】《セシル》も今環境においては頼もしいフォワードと言えるでしょう。

一方でこうしたカードの台頭は、ダル・凍結などでフィールドにフォワードを縛り付けて戦う氷属性にとって向かい風となると予想しています。前環境では「氷雷」デッキが活躍し、「英雄の夜明け」では【20-040L】《ルーファウス》をはじめとした強力な新戦力を得た氷属性ですが、今環境のアンタッチャブルフォワードの存在は高い壁となりそうです。

次に高パワーの要素についてですが、前述のとおり「英雄の夜明け」環境の除去カードで注目が集まる【20-007L】《鬼神》はフィールドに出たときとアタックしたときに3つのモードから選んでダメージを与えるオートアビリティを持っており、なかでも指定した【ジョブ】全体にダメージを与えるモードは8000ダメージの高火力を複数のフォワードに与えてきます。 

他にも条件を満たすことで登場時に8000ダメージを与えてくるコスト2の【20-020C】《モンブラン》のような除去も登場し、パワー8000以下のフォワードはリスクを背負いやすい環境になったと考えられます

そのため「英雄の夜明け」環境では除去カード1枚で対処されにくいパワー9000以上のフォワードの価値が相対的に高くなっていると言えるでしょう。単純な除去されにくさという点ではアンタッチャブル効果を持つカードに軍配が上がりますが、これらのフォワードに対して盤面が拮抗した状況でもアタックに行けるという点でもパワーという要素は重要です。

最後はヘイストについてです。
除去の本質は、リソースを割いて展開したフォワードが何らかの仕事を果たす前に対処し、手数やコストの面で優位に立てるという点にあります。逆に言えば除去される前に仕事を果たしさえすれば、除去がいかに強力なものであっても小さい損害で済ませられます。そのため、フィールドに出たターンからアタックしてダメージを与えるという仕事を果たせるヘイストは、現環境でより重要度の高くなっている要素と言えるでしょう。ただし前述のようにフォワードに求められるパワーラインも高くなっているため、簡単にブロッカーに防がれてしまっては意味がありません。アグロ展開でダメージレースを押し進めるためのヘイストではなく、拮抗した展開でテンポ負けしないためのタフなヘイストフォワードが求められるのではないかと予想しています。

 

◆「英雄の夜明け」L3構築の注目カードは?
ここまでの考察を軽くまとめると、

1:「英雄の夜明け」で【20-127L】《神竜》・【20-007L】《鬼神》といったカードが登場し、除去カード、特に全体除去が強くなった
2:全体除去が増えたことで、前環境に見られたフォワード展開で圧倒するデッキに対して向かい風の環境になった
3:除去が強い環境になったことで、除去されにくい、あるいは除去される前に役割が果たせるフォワードの重要度が増した

というのが、環境初期段階における僕の所感です。それではここからは、この考察を元にカード単位で注目のカードに触れていこうと思います。 

 

【18-049R】《ユーリィ》(+【20-084R】《レオ》)

 【カテゴリ(FFCC)】を3体以上コントロールしていることでアビリティと召喚獣に対するアンタッチャブル効果を得られる【18-049R】《ユーリィ》は以前から活躍の機会の多いカードでしたが、20-084R】《レオ》が登場したことで安定したサーチ手段とパワー9000という安定したサイズを得て、全体除去による対処も難しくなったため、「英雄の夜明け」環境において無類の強さを発揮するカードになったと言えるでしょう。

通常、アンタッチャブル効果を持つカードはリソースを得る手段に乏しく、コスト効率のよいカードにリソース負けしてしまうものが多いなか、フィールドに出たときとアタックしたときに【カテゴリ(FFCC)】のキャラクターを2体アクティブにできる【18-049R】《ユーリィ》は、そういった隙も見せません。自身をアクティブにすることで疑似的なブレイブのような立ち回りもできるため、1枚で非常に堅牢な盤面を作り出せるカードです。「英雄の夜明け」環境において【18-049R】《ユーリィ》に詰まされないかということはデッキの構築段階で見据えるべき1つの課題になると考えています。

 

【20-109H】《セシル》 

18-049R】《ユーリィ》と同じく、高パワーかつアンタッチャブル効果を持てるフォワードです。クリスタルというリソースが必要になりますが【カテゴリ(IV)】のキャラクターがフィールドに出るたびに得られるため、条件を満たすのはさほど難しくないと考えています。また【20-044L】《エッジ》との相性のよさも見逃せません。 

この2枚でクリスタルの獲得、消費を循環させられます。バックアップをアクティブにすることで疑似的にCPを増やせる【18-049R】《ユーリィ》と違いクリスタルの還元先は多少限定されますが、その一方で単体で完結しているだけでなく【カテゴリ(IV)】全体にシナジーがあり、自身も除去につながるスペシャルアビリティを備えている点も強力です。 

 

【20-088L】《エスティニアン》 


アタック時にパワー18000という数値に達するため、あらゆるブロッカーの上からアタックを通せることは、盤面が拮抗する展開を打破するうえで非常に重要になることが予想されます。ヘイストを持ちつつ、デジョンでフィールドに出たターンは2回アタックできるため、デジョンの弱点であるテンポの悪さを解消できている点も優秀で、アドバンテージこそ獲得しないものの唯一無二のアタック性能で活躍してくれるのではと期待しています。 

 

【20-130L】《ゼノス》 

高パワーかつ除去能力を持ち、さらにヘイストも獲得できるため、現環境で重要度が高いと予想しているフォワードの要素を同時に複数満たせる強力な1です。
コスト3以下のフォワードを除去できるため、これまで活躍していた【19-138S】《ライトニング》をはじめとする【カテゴリ(XIII)】のパッケージや、【19-108L】《ジタン》などのアタッカ―を咎められる点が強力で、また【18-120H】《ティファ》のような除去耐性を持つフォワードも突破できるなど、存在するだけでも環境に与える影響は少なくありません。
ブレイクゾーンからキャストできるので疑似的に除去耐性を持っているという見方もできるうえ【20-069H】《カオス》というサーチ手段もあるため、今環境では使われる機会の多いカードとなるでしょう。闇属性なのであらゆるデッキに助っ人として投入できる点も優秀です。


19-035R】《アレキサンダー》 

ここまで新カードばかりに注目してきましたが、環境が変わることで評価が改まるカードも存在します。【19-035R】《アレキサンダー》は、「英雄の夜明け」環境で評価が見直されるべきカードでしょう。先ほどの考察のなかでも述べたとおり、20-127L】《神竜》や【20-007L】《鬼神》といったカードはフィールドに残り続けることで相手のフォワード展開の抑止力となるフォワードで、これらのカードを対処することは非常に重要な要素となります。また除去に対して有効なフォワード化できるモンスターに対しても【19-035R】《アレキサンダー》は有効であることから、「英雄の夜明け」環境における【19-035R】《アレキサンダー》の活躍の余地は非常に広くなることが予想されます。【18-049R】《ユーリィ》や【20-044L】《エッジ》など風属性のフォワードの質が向上したことで、【19-035R】《アレキサンダー》自体がキャストしやすくなることもこのカードの強さを後押ししてくれています。 

 

◆おわりに
今回は「英雄の夜明け」環境でのL3構築のメタゲームについて、環境の変化と個別の注目カードの視点から考察を進めてきました。個人的な印象では注目度の高いカードが風属性に集中している傾向があり、また【18-049R】《ユーリィ》+20-084R】《レオ》という明確なパッケージが存在する「風土」などは今環境の中心となるポテンシャルがあるのではないかと感じています。

前環境でトップメタに位置したデッキが残りつつも、新カードの登場で環境がガラリと変わることが予想されるL3構築はどんな進化を遂げていくのかまだまだ未知数ですが、みなさんの調整の一助になれば幸いです。

今回の考察の答え合わせは、まず今週末に開催される「日本選手権 2023 Autumn」大津大会と福島大会で答え合わせをしたいところです。
それでは、また次回の記事でお会いしましょう!