【FFTCG】決戦前夜!「秘められた試練」2デッキスタンダードを考える!~後編~

『FINAL FANTASY TRADING CARD GAME』の公式記事連載。今週もライターのたるほさんが「秘められた試練」環境の2デッキスタンダードを考察します。

◆はじめに
皆さん、こんにちは!
『FFTCG』公式ライターのたるほです。

今回は前回の記事に引き続き、今週末に開催される「MASTERS 2024 FINAL」のフォーマット「2デッキスタンダード」について考えていこうと思います。

前回は「MASTERS 2024 FINAL」の大会ルールのおさらいと、デッキ選択のポイントについてお話ししました。 
今回はより具体的なデッキリストをもとに、実際に使用されるであろうデッキの組み合わせを考察していきたいと思います。

それでは、さっそく始めていきましょう!

  


◆2デッキ制スタンダードの候補デッキをチェック
2デッキ制スタンダードは「同じカード番号のカードはいずれか一方のデッキにしか入れることができない」という特殊な構築ルールを持つフォーマットですが、使用できるカードについてはスタンダードのカードプールに準拠するため、メタゲーム上で想定されるデッキも基本的にはスタンダードで活躍しているデッキが候補に挙がってきます。

そのため多くのプレイヤーは環境の有力デッキから戦略の軸となるデッキを1つ選択し、それとカードプールが重複しにくいデッキをもう1つ選択するという流れでデッキを決めていくのが王道のデッキ選択となるでしょう。

では実際に「MASTERS 2024 FINAL」で使用率を伸ばしそうなデッキを考察していきたいと思います。

●デッキ候補1「カオスコンボ」

カード番号 カード名 枚数
【メインデッキ】
フォワード(30枚)
【23-117L】 《カオス》 3
【16-129L】 《カオス》 3
【20-069H】 《カオス》 3
【20-088L】 《エスティニアン》 3
【22-079L】 《サイファー》 3
【22-084R】 《風神》 3
【22-087R】 《雷神》 3
【14-095H】 《ローチェ》 3
【13-118C】 《セーラ [MOBIUS]》 3
【18-126L】 《ライトニング》 3
バックアップ(9枚)
【11-129H】 《カオス》 3
【21-115C】 《ラーサー》 3
【16-107R】 《エゼル》 3
召喚獣(3枚)
【15-090H】 《オーディン》 3
モンスター(8枚)
【4-125C】 《クリオネ》 2
【15-118C】 《ブルードラゴン》 3
【19-097C】 《トンベリ》 3
LBデッキ】
フォワード(8枚)
【22-123R】 《レオ》 3
【23-128R】 《ベアトリクス》 1
【22-120H】 《クラウド》 2
【23-127R】 《ニックス》 1
【23-126L】 《エッジ》 1

「秘められた試練」で登場した【23-117L】《カオス》による手札破壊、その副産物によるデッキをブレイクゾーンに送る効果と【22-084R】《風神》・【22-087R】《雷神》のシナジーによるフォワード展開によって高速のアグロムーブを可能にしたコンボデッキ。

先攻1ターン目に最大5ダメージを与えられる圧倒的速度を持ち、2~3ターン以内に勝利できる決定力の高いデッキで、ゲームスピードの観点から環境を定義する存在と言えるうえ、手札破壊で相手にカウンターの隙を与えないなど、過去活躍した「火雷【XIII】」や「火氷水コスト3WoL」、「火氷水【騎士】」といったアグロデッキとも異質の強さを持っています。  

ブレイクゾーンに依存するギミックでありながら、【23-117L】《カオス》のスペシャルアビリティ「フレアー」によって繰り返しブレイクゾーンにカードを送り込めるため【9-068H】《ドラゴン》が完全な回答にならないという点も非常に強力なポイントです。

構築のパターンは【14-023L】《ギルガメッシュ [FFBE]》を採用した「氷水」型と【18-126L】《ライトニング》を採用した「水雷」型がメジャーですが、2デッキ制スタンダードではデッキパーツに【19-128L】《ウォーリアオブライト》を要求しない「水雷」型のほうがさまざまなデッキと共存しやすいです。

デッキに使用するカードは専用パーツが多めなものの、LBデッキの【22-123R】《レオ》の有無によってデッキの動きの柔軟性に大きく差が出やすいため、「火風土水【光の戦士】」などとは同居しづらいです。

2デッキ制スタンダードではアグロデッキへの対策カードが散りやすいため、「アグロデッキ2つ」を使う戦略も有効とされています。ですが昨今活躍している「火氷水【騎士】」は先述の【22-123R】《レオ》に加え、【21-115C】《ラーサー》など被ってくるパーツが意外に多いことと、ダブルエリミネーションのルーザーズトーナメント(1本勝負で、使用するデッキを選択できる)では相手側にアグロ対策に比重を置いたデッキが1つでもある場合リスクが大きくなるため、「MASTERS 2024 FINAL」ではこれまでの2デッキ制スタンダードに比べ慎重なデッキ選択が必要になるかもしれません。

相方として選択しやすいデッキのとしては「土単」「風単」あたりが候補になるでしょう。実際海外のトーナメントでは「土単」+「カオスコンボ」の組み合わせで上位に入賞しているプレイヤーが多く見られました。

LBデッキである程度の妥協を飲めるのであれば「火風土水【光の戦士】」との組み合わせも考えられます。この場合は重複パーツとなる【22-123R】《レオ》はスタートプランに影響度が大きい「カオスコンボ」側に譲っておきたいところです。

逆に「カオスコンボ」と絶対に重複しない候補となるのが、「水単モンスター」や「土水カオスアーク」などの【23-117L】《カオス》に絡むカードが重複するデッキです。 

 


●デッキ候補2「火氷水【騎士】」

カード番号 カード名 枚数
【メインデッキ】
フォワード(36枚)
【18-015R】 《ラムザ》 3
【22-006H】 《ガーランド》 2
【22-017C】 《リリシュ》 3
【6-041L】 《リノア》 2
【13-022H】 《シド・ランデル》 2
【13-023R】 《シャルロット》 3
【16-042R】 《ラスウェル》 3
【18-030H】 《ファイサリス》 2
【22-097L】 《クリルラ》 3
【12-103H】 《ベアトリクス》 2
【22-092C】 《アグリアス》 2
【12-126R】 《ガウェイン》 3
【12-127C】 《スタイナー》 3
【13-111C】 《ディリータ》 3
バックアップ(8枚)
【6-022R】 《イゼル》 1
【4-138R】 《メルウィブ》 1
【21-115C】 《ラーサー》 3
【21-119H】 《レナ》 3
召喚獣(6枚)
【12-002H】 《アマテラス》 3
【9-114C】 《不浄王キュクレイン》 3
【LBデッキ】
フォワード(8枚)
【22-112R】 《ザックス》 1
【22-115R】 《サージェス》 1
【22-114H】 《ヴィクトラ》 1
【22-123R】 《レオ》 1
【23-120R】 《クジャ》 2
【23-128R】 《ベアトリクス》 2

 前環境から有力な「火氷水【騎士】」は「カオスコンボ」と別軸のアグロデッキとして依然活躍を続けるデッキです。
「秘められた試練」ではLBカードで新たに【23-128R】《ベアトリクス》が追加され、【16-042R】《ラスウェル》の取り回しがより強力になりました。

スピードでは「カオスコンボ」に及ばないものの、事故要素になりやすい闇属性のカードの採用がなく、プレイの介入度合いも高いため、人によってはこちらを好むというプレイヤーもいるのではないかと予想されます。

アグロデッキながら【21-119H】《レナ》が採用されているなど、相手のEXバーストに対して抗う手段がある点や、全体除去を受けてもリカバリーしやすいといった強みがある反面、ダルや凍結で無力化できず、継続的に除去を行なってくる「土単」の【23-062H】《エメトセルク》が苦手なため、「土単」の使用率が勝率に大きく影響してきそうな点は気がかりです。

【12-002H】《アマテラス》や【9-114C】《不浄王キュクレイン》、LBカードの【22-123R】《レオ》・【22-112R】《ザックス》・【22-115R】《サージェス》などほかの有力デッキと重複パーツが多いため、相棒として選ぶデッキの自由度は意外にも高くありません。

 


●デッキ候補3「火風土水【光の戦士】」

カード番号 カード名 枚数
【メインデッキ】
フォワード(15枚)
【19-128L】 《ウォーリアオブライト》 3
【19-108L】 《ジタン》 2
【19-119L】 《ウネ》 1
【23-011L】 《ティナ》 2
【18-012L】 《ファリス》 2
【13-035C】 《アルクゥ》 2
【19-102L】 《レフィア》 3
バックアップ(21枚)
【13-015C】 《ルーネス》 3
【3-059H】 《タイクーン王》 3
【13-055C】 《イングズ》 2
【18-055R】 《クルル》 3
【11-072R】 《デシ》 3
【1-107L】 《シャントット》 1
【12-099R】 《セーラ [FFL]》 3
【21-119H】 《レナ》 3
召喚獣(14枚)
【12-002H】 《アマテラス》 3
【10-068C】 《クーシー》 3
【9-068H】 《ドラゴン》 3
【9-114C】 《不浄王キュクレイン》 3
【14-113R】 《リヴァイアサン》 2
【LBデッキ】
フォワード(8枚)
【22-112R】 《ザックス》 1
【22-118H】 《シャントット》 1
【23-125R】 《ノクティス》 1
【22-122L】 《ティーダ》 1
【22-123R】 《レオ》 2
【23-129H】 《ルナフレーナ》 2

【19-128L】《ウォーリアオブライト》と【19-102L】《レフィア》という環境トップクラスのフィニッシャーに加え、カウンターカード三種の神器【12-002H】《アマテラス》・【9-068H】《ドラゴン》・【9-114C】《不浄王キュクレイン》を擁し、さらにはリセットカードの代表格である【1-107L】《シャントット》、現環境で重要度が高いEXバーストである【14-113R】《リヴァイアサン》といった、現在の『FFTCG』オールスターが集結したデッキ。

「カオスコンボ」と「土単」が活躍する環境の影響から、対抗馬となる氷属性デッキの身動きがとりにくいことも追い風の要因と考えられます。

構築のパターンとして【23-011L】《ティナ》や【19-108L】《ジタン》など各属性からパワーカードを取り入れた構築をベースとしつつ、デッキバリエーションとして【22-049H】《バッツ》による安定性を重視した「バッツ型」なども存在し、プレイヤーの趣向に合わせたチューニングが可能になっています。

採用されているカードパワーが圧倒的に高く、スタンダード環境においては最強の一角を担うデッキですが、火/土/水属性の重要カードの大半を使用しなければならず、またLBデッキにはLBカードのなかでも特に採用率の高い【22-123R】《レオ》が入るため、相棒となるデッキの選択肢を著しく狭めてしまうことがネックになります。

海外のトーナメントでは「カオスコンボ」や「火氷【DFF】」と組み合わせているケースが多いものの【12-002H】《アマテラス》や【22-123R】《レオ》といった何かしらの要素を妥協する形での採用となるため、従来のスタンダードほどの最大出力が発揮されることはないかもしれません。

個人的には共通パーツが少ない「火風土水【光の戦士】」+「風単キャスト」は注目の組み合わせの1つだと考えています。

 


●デッキ候補4「土単」  

カード番号 カード名 枚数
【メインデッキ】
フォワード(21枚)
【6-084L】 《レオ》 3
【21-064L】 《イングズ》 3
【23-062H】 《エメトセルク》 3
【19-058R】 《ジェノバ・SYNTHESIS》 2
【17-079L】 《闇の王》 1
【21-074L】 《ネオエクスデス》 1
【14-075H】 《モント・リオニス》 2
【19-128L】 《ウォーリアオブライト》 3
【19-119L】 《ウネ》 3
バックアップ(18枚)
【20-070C】 《革細工師》 3
【20-074C】 《採掘師》 3
【6-067R】 《エピタフ》 1
【3-096R】 《リディア》 1
【11-068R】 《クレイラス》 3
【18-057C】 《コルカ》 1
【11-072R】 《デシ》 2
【8-069R】 《アプルル》 1
【6-079L】 《ミンフィリア》 1
【1-107L】 《シャントット》 2
召喚獣(11枚)
【10-068C】 《クーシー》 3
【9-068H】 《ドラゴン》 3
【21-071H】 《タイタン》 2
【14-113R】 《リヴァイアサン》 3
【LBデッキ】
フォワード(8枚)
【22-118H】 《シャントット》 1
【22-119R】 《マート》 1
【23-125R】 《ノクティス》 1
【22-122L】 《ティーダ》 2
【23-129H】 《ルナフレーナ》 2
【23-130H】 《ルッソ》 1

単属性デッキの特権である実質0CPバックアップ【20-070C】《革細工師》が支える足回りと【6-084L】《レオ》+【19-128L】《ウォーリアオブライト》によるフォワード展開の爆発力を兼ね備えたデッキ。

「秘められた試練」では新たに【23-062H】《エメトセルク》が登場したことで、5枚目のバックアップとしてキャストした場合に実質0CPとして運用できる【8-069R】《アプルル》が採用されるようになったり、【6-084L】《レオ》+【19-128L】《ウォーリアオブライト》の展開後のバックアップを4CP+1CPの動きで使い切れる【23-062H】《エメトセルク》+【21-064L】《イングズ》が可能になるなど、さらなる展開力を手にしました。

これに加え【23-062H】《エメトセルク》の持つ除去性能により、除去の少ないアグロデッキ全般や氷属性のデッキに対しての耐性が高くなり、「秘められた試練」環境で注目を集めているデッキの1つであると言えます。

構築のパターンとしては【14-113R】《リヴァイアサン》など水属性を濃く採用しEXバーストによるカウンター性能を高めた構築と、【23-011L】《ティナ》・【12-002H】《アマテラス》を採用し召喚獣によるコントロール性能を意識した構築が見られ、環境への適応力も高いデッキです。

また【22-122L】《ティーダ》を採用するデッキでありながら、メインデッキに【6-084L】《レオ》を採用する都合上LBデッキに【22-123R】《レオ》を要求しないため、「カオスコンボ」や「火氷水【騎士】」などの水属性を採用するアグロデッキともLBデッキのスロットを食い合わない点は2デッキ制スタンダードでは大きな強みになると言えるでしょう。

このほかにも「水単モンスター」「火単マギサ」「風単キャスト」など各種単属性デッキとも相性がよく、「秘められた試練」環境の2デッキ制スタンダードにおいて、さまざまなデッキの相棒になれる柔軟性の高いデッキであると考えられます。  

 


●デッキ候補5「水単モンスター」

カード番号 カード名 枚数
【メインデッキ】
フォワード(16枚)
【18-100L】 《レナ》 2
【16-124H】 《ライトニング》 3
【23-104H】 《湿地の魔女》 2
【11-124H】 《リルム》 2
【21-102L】 《ガウ》 2
【18-086H】 《アーシェ》 3
【14-102L】 《海神リヴァイアサン》 2
バックアップ(13枚)
【6-108R】 《イシュガルド教皇》 3
【19-117H】 《ヒルダ》 1
【13-093H】 《サラ》 3
【4-138R】 《メルウィブ》 1
【21-109C】 《占星術師》 1
【18-102C】 《ワッカ》 1
【20-124C】 《錬金術師》 2
【17-116C】 《ゴードン》 1
召喚獣(8枚)
【9-114C】 《不浄王キュクレイン》 3
【18-096C】 《リヴァイアサン》 2
【14-113R】 《リヴァイアサン》 3
モンスター(13枚)
【22-102C】 《ピラニア》 2
【23-096C】 《アプカルル》 3
【11-114R】 《サハギンチーフ》 2
【15-118C】 《ブルードラゴン》 3
【16-117H】 《トロス》 1
【18-089H】 《エキドナ》 1
【19-097C】 《トンベリ》 1
【LBデッキ】
フォワード(8枚)
【22-122L】 《ティーダ》 2
【22-123R】 《レオ》 2
【23-129H】 《ルナフレーナ》 2
【22-124H】 《リレルリラ》 1
【23-130H】 《ルッソ》 1

 コントロールデッキを代表する「水単」は「秘められた試練」で新たに【23-104H】《湿地の魔女》を獲得し、これまで以上にモンスターを中心とした構築に移行しました。

【23-104H】《湿地の魔女》が登場しブレイクゾーンを肥やす手段が増えた影響からか【18-100L】《レナ》+【14-102L】《海神リヴァイアサン》も再び採用されるようになっています。

EXバーストの評価が高い「秘められた試練」環境における水属性は、【14-113R】《リヴァイアサン》と【9-114C】《不浄王キュクレイン》が自然に採用でき、バックアップ周りにも優秀なEXバースト持ちのカードが多いので、自然と15枚近くEXバーストを採用できるもの強力なポイントとなっています。「火風土水【光の戦士】」のように高い除去性能を持つデッキに対してモンスターの除去耐性が生きる機会が多いため、環境的には追い風な印象があるデッキです。反面、土属性が絡むデッキには【22-118H】《シャントット》が標準で搭載されており、「土単」には【21-074L】《ネオエクスデス》も採用されるため、一定のリスクが伴うデッキとも言えます。

単属性デッキの中では【9-114C】《不浄王キュクレイン》・【14-113R】《リヴァイアサン》・【22-123R】《レオ》・【22-122L】《ティーダ》など重要の高いカードを取り合ってしまうため、相方に据えるデッキの選択肢は火属性をタッチした「土単」、「火単マギサ」などやや狭くなる印象を受けますが、前述のとおり環境内でのポジションはかなりいいため期待の持てるデッキと言えるでしょう。

 


●デッキ候補6「火単マギサ」  

カード番号 カード名 枚数
【メインデッキ】
フォワード(23枚)
【22-009H】 《ジェクト》 1
【21-010H】 《タイヴァス》 3
【12-017H】 《マギサ》 3
【17-016L】 《ヒエン》 1
【PR-108】 《スコール》 1
【12-004R】 《アルフィノ》 2
【21-001R】 《ウォード》 1
【22-016H】 《ミンウ [FFBE]》 1
【13-125R】 《ユウヅキ》 2
【18-111L】 《バッシュ》 2
【18-107L】 《アクスター》 3
【19-124L】 《ヤ・シュトラ》 2
【18-130L】 《フリオニール》 1
バックアップ(15枚)
【18-131S】 《イドラ》 1
【11-012C】 《タツノコ》 1
【11-010C】 《戦士》 1
【13-006C】 《ザンデ》 1
【13-013C】 《パロム》 1
【17-021C】 《レッドXIII》 1
【18-014R】 《ミース》 3
【20-013C】 《調理師》 2
【20-020C】 《モンブラン》 1
【23-019C】 《モンク》 3
召喚獣(8枚)
【20-003H】 《イフリート》 3
【12-002H】 《アマテラス》 3
【19-001R】 《イフリート》 2
モンスター(4枚)
【20-019C】 《ヘッジホッグパイ》 3
【11-016R】 《ボム》 1
【LBデッキ】
フォワード(8枚)
【22-112R】 《ザックス》 1
【22-113L】 《モント・リオニス》 2
【23-119R】 《ヴィンセント》 1
【22-114H】 《ヴィクトラ》 1
【22-115R】 《サージェス》 1
【22-123R】 《レオ》 1
【23-130H】 《ルッソ》 1

アグロデッキに対する耐性が高く、単属性デッキゆえの重複カードパーツの少なさから2デッキ制スタンダードでの需要が高まっているのが「火単マギサ」です。

特に重要になるのが【12-017H】《マギサ》と【21-010H】《タイヴァス》の両方からフィールドに出せる【18-107L】《アクスター》であり、「火風土水【光の戦士】」「カオスコンボ」「土単」「火氷水【騎士】」などの主要なフォワードを単体で無力化することができます。

やや線の細い印象のあるデッキですが、「秘められた試練」では【12-017H】《マギサ》の新たな起爆剤として【23-019C】《モンク》やそれをサーチできる【23-130H】《ルッソ》が登場しており、バックアップを伸ばすプランがとりやすくなっています。また、それに付随して【22-113L】《モント・リオニス》によるロングレンジでの戦いもしやすくなっています。

構築における大きな差異は生まれにくいものの、【17-016L】《ヒエン》の有無など1枚単位で取れる戦略に幅が出るため、対応する側としては動きが難しくなるデッキと言えます。

ほかのデッキと重複する可能性があるのがほぼ【12-002H】《アマテラス》のみでLBデッキの自由度も高いため、相棒するデッキの制限は緩いですが、デッキ自体がアグロ、コントロールのどちらにも偏っていない中速であるがゆえに、2デッキ制の利点を活かした組み合わせになりにくい点はありそうです。

 


●デッキ候補7「風単キャスト」  

カード番号 カード名 枚数
【メインデッキ】
フォワード(21枚)
【17-063R】 《ルッソ》 3
【14-127H】 《ジタン》 3
【14-057H】 《ローザ》 3
【16-135S】 《ルールー》 3
【21-060R】 《リュック》 3
【16-058R】 《フィーナ》 3
【5-068L】 《ヤ・シュトラ》 1
【21-042H】 《ヴァン》 1
【22-110L】 《シトラ》 1
バックアップ(13枚)
【10-061C】 《モーグリ-8組-》 1
【12-048R】 《チョコラッテ》 1
【20-059C】 《木工師》 2
【20-048R】 《スティルツキン》 1
【13-051R】 《モーグリ [FFBE]》 1
【5-053R】 《エコー》 1
【8-058R】 《ノルシュターレン》 2
【16-055C】 《チョコボ・サム》 2
【16-060C】 《マダム・マム》 1
【4-064L】 《デブチョコボ》 1
召喚獣(13枚)
【2-049H】 《アスラ》 3
【6-051C】 《チョコボ&モーグリ》 1
【12-039C】 《アレキサンダー》 3
【17-053R】 《チョコボ》 1
【10-055H】 《チョコボ》 3
【14-047R】 《チョコボ&モーグリ》 2
モンスター(3枚)
【13-037C】 《オチュー》 1
【16-043H】 《アトモス》 2
【LBデッキ】
フォワード(8枚)
【22-116L】 《エース》 2
【23-122R】 《シド・ハイウインド》 2
【23-125R】 《ノクティス》 2
【23-130H】 《ルッソ》 2

カードプールがほかのデッキとほとんど重複することなく、かつ非常に高いデッキのポテンシャルを維持できるのが「風単」です。
大きな課題としてアグロデッキへの耐性の低さがあり、ここ最近までメタゲームの中心になることは少ないデッキでしたが、アグロデッキの使用率が相対的に低くなる2デッキ制スタンダードではデッキ選択のリスクを下げつつ、メリットを享受しやすくなります。

特に「MASTERS 2024 FINAL」は環境初期から「カオスコンボ」に注目が集まっていたことで対策する側のデッキも非常に多いため、「風単キャスト」にとって戦いやすいメタゲームに傾く可能性が高いと言えるでしょう。

キャスト系のデッキとして「風氷キャスト」や「風水キャスト」など亜種も考えられるため、相棒デッキのカード次第でいくつかのバリエーションが考えられるのもポイントです。

先述のとおり相棒となるデッキとの重複パーツがほとんどないため、これまで挙げてきた候補デッキのすべてと組み合わせられるほど自由度が高く、全体の使用数こそ多くなさそうなものの一定の使用率が予想されます。  

 


●デッキ候補8「土水カオスアーク」  

カード番号 カード名 枚数
【メインデッキ】
フォワード(8枚)
【16-129L】 《カオス》 3
【19-119L】 《ウネ》 3
【19-120C】 《ガーネット》 1
【22-098H】 《セイレーン [V]》 1
バックアップ(18枚)
【1-107L】 《シャントット》 1
【11-072R】 《デシ》 3
【19-068R】 《リディア》 3
【18-055R】 《クルル》 1
【22-066C】 《召喚士》 2
【6-108R】 《イシュガルド教皇》 3
【21-109C】 《占星術師》 3
【1-177R】 《ユウナ》 1
【14-099C】 《エーコ》 1
召喚獣(24枚)
【19-105H】 《アーク》 3
【10-068C】 《クーシー》 3
【9-068H】 《ドラゴン》 3
【8-083C】 《ヘカトンケイル》 2
【9-114C】 《不浄王キュクレイン》 3
【18-096C】 《リヴァイアサン》 2
【22-093R】 《アニマ [X]》 2
【12-108C】 《レモラ》 3
【14-113R】 《リヴァイアサン》 3
【LBデッキ】
フォワード(8枚)
【22-118H】 《シャントット》 1
【23-125R】 《ノクティス》 1
【23-124L】 《エーコ》 1
【22-122L】 《ティーダ》 1
【22-123R】 《レオ》 1
【23-129H】 《ルナフレーナ》 2
【22-124H】 《リレルリラ》 1

「土水カオスアーク」は「火風土水【光の戦士】」に対して唯一明確な有利を築けているデッキであり、「秘められた試練」のスタンダード環境においても人気を集めるデッキです。

実際に直近で行われた「MASTERS 2024」浜松大会と大阪大会では優勝という結果も残しています。しかし海外で行われている2デッキ制スタンダードではあまり上位には入賞しておらず、「MASTERS 2024 FINAL」でもデッキポテンシャルに対して2デッキ制スタンダードでは使用率がやや低くなるかと予想しているデッキです。

その最大の理由はデッキパーツの大幅な重複にあります。「火風土水【光の戦士】」や「土単」の中核となる土属性、強力なLBカードを擁する水属性、「カオスコンボ」の重要パーツである【16-129L】《カオス》を内包している構成上、「土水カオスアーク」を使ってしまうと今回候補に挙げたデッキの大半とぶつかり合ってしまうことになります。

組み合わせの考えられる範囲では「火単マギサ」か「風単キャスト」が候補に挙がるでしょう。特に「風単」と組み合わせた場合、アグロデッキとマッチアップさえしなければもっとも強力になるのではないかと予想されます。

 


◆人気となるデッキの組み合わせ方のパターンは?
ここまで大会での候補となるデッキを紹介してきました。

それでは実際どういったデッキの組み合わせが大会のメインストリームとなっていくのでしょう?

まず前提となる環境理解についてですが「秘められた試練」のスタンダード環境の基準になるのは、ゲームスピードを定義している「カオスコンボ」という認識です。

自分は「カオスコンボ」を使うのか? 対策するのか? それとも「カオスコンボ」を対策したデッキを対策するのか?

いずれの選択をとるにせよ、メタゲーム考察の中心には常に「カオスコンボ」がいると考えるのが自然です。

そのうえで個人的にデッキ選択の軸となるパターンは、

A.「カオスコンボ」+α
B.「土単」+α  

の2パターンが主流になっていくことになると思います。

Aのパターンは自らが「カオスコンボ」を使用する選択肢です。

デッキのレンジを前倒しにすることで対策できるコントロール環境と違い、アグロ環境はEXバーストや全体除去といった特定のメタカードでデッキを対策することがセオリーになりがちですが、カードプールを共有してデッキを作る必要がある2デッキ制スタンダードでは2デッキとも対アグロ仕様のデッキにすることは難しいため、よほどマッチアップが偏らない限り、ある程度有利な対面で対戦することができます。

特に今年の「MASTERS 2024 FINAL」はルーザーズトーナメントがある都合でWアグロは作戦的にリスクがあることを見越して、アグロの総数が減ると予想し対策を最小限にしてくるプレイヤーも多いでしょう。

そういったプレイヤーの思考を読み取り、順当に「カオスコンボ」を選択するというのは至極まっとうなデッキ選択と言えます。

これに対しても相棒に何を据えるかという選択になりますが、もっともベタなデッキ選択は「土単」「火単マギサ」「風単キャスト」といった単属性系のデッキ選択になるでしょう。

特に「土単」は土属性に加えて各属性からカードを出張させて使えるため、もっともアベレージを高く組み合わせられるデッキ選択になると思われます。

次にBのパターンですが、先述のとおり「土単」は各属性のカードからおいしいとこどりできるため、相棒となるデッキを比較的自由に決められるというメリットがあります。

「土単」自体がEXバーストが豊富かつ全体除去もあり、【9-068H】《ドラゴン》によってブレイクゾーンも対策できるため「カオスコンボ」に対してある程度耐性があるというのも魅力的なポイントです。

「MASTERS 2024 FINAL」においても「土単」を軸としつつ、先述の「カオスコンボ」を合わせるパターンや、アグロ対策として「火単マギサ」を合わせるパターン、コントロールミラーを見越して「水単モンスター」や「風単キャスト」を合わせるパターンなどさまざま想定されるため、大会中もっとも見かける機会が多いのがこのBパターンになるだろうというのが個人的な予想です。

 


◆おわりに
今回は「MASTERS 2024 FINAL」に向け、候補デッキのサンプルリストを挙げつつ2デッキ制スタンダードのデッキ選択について考察してきました。

もちろん今回考察したデッキ以外にも可能性が残されているため、どんなデッキの組み合わせが結果を残すかは当日ふたを開けてみるまでわかりませんが、ひとつの指標として参考にしていただければ幸いです。

いったい誰がどんなデッキで優勝を果たすのか、「秘められた試練」環境の、そして2024年シーズンのクライマックスとなる戦いを最大限楽しんでいきたいですね。

さて、決戦は明日に迫りました。

もちろん僕自身も全力で臨みたいと思いますが、参加される皆さんにとっても悔いの残らない最高の結果が残せるよう祈っております。

来週、こちらの記事でよい結果をご報告できればと思いますので、ぜひお楽しみに!

それでは、また次回の記事でお会いしましょう!