『FINAL FANTASY TRADING CARD GAME』の公式記事連載。今週も「MASTERS2024 FINAL」の決勝ラウンドのテキストカバレージをお届けします。
◆はじめに
皆さん、こんにちは。
『FFTCG』プレイヤーで公式記事の編集を担当している、ゆばと申します。
今回も、先日開催された「MASTERS 2024 FINAL」の決勝ラウンドのテキストカバレージをお届けします。
熱戦の模様を先週の記事やYoutubeのアーカイブ、『FFTCG』公式サイトでのレポートと合わせてお楽しみいただければ幸いです。
『FFTCG』公式サイトでのレポートはこちら。
今回ピックアップしたのは、決勝ラウンドウィナーズトーナメントの第2回戦から、予選ラウンド12位通過のヒチウ@あそくま選手と13位通過しーゆー選手のマッチアップ。共に勝てば日本代表決定という重要な一戦です。
◆決勝ラウンド第2回戦:ヒチウ@あそくま 対 しーゆー
決勝ラウンドウィナーズトーナメントの1卓で、関西勢どうしがマッチアップ。
ここで勝てば日本代表決定という一戦だが、2人は調整仲間ということもあり、真剣ながらも朗らかな雰囲気。「お互い手の内はわかってるからねー」と言いつつ迷いなくそれぞれの使用デッキを選択する。
第1ゲームは先手のヒチウ@あそくま(以下、ヒチウ)が「光の戦士」、しーゆーが「水単」をチョイス。双方マリガンはなし。
先手のヒチウは【13-015C】《ルーネス》、対してしーゆーは【13-093H】《サラ》から【17-116C】《ゴードン》と静かな立ち上がり。続くターンヒチウは【3-059H】《タイクーン王》から【21-119H】《レナ》と展開し、バックアップ基盤を整えていく。しーゆーも【17-116C】《ゴードン》、【15-116C】《ヒルダ》とバックアップを並べ、開戦のときを静かに待つ。
戦いの口火を切ったのはヒチウ。【19-108L】《ジタン》でしーゆーの手札に干渉する。公開されたのは【6-108R】《イシュガルド教皇》2枚と【11-124H】《リルム》、【14-102L】《海神リヴァイアサン》。ここから次ターンのアクションでありデッキのキーである【11-124H】《リルム》を除外。さらにアタックして再度手札を崩しに行く。先ほどの手札に【15-118C】《ブルードラゴン》が加わったなかから【14-102L】《海神リヴァイアサン》を抜き取りつつ1ダメージ。
さらにヒチウは【11-072R】《デシ》で4属性のバックアップをそろえつつ【19-128L】《ウォーリアオブライト》を手札に加え、重ねて攻める姿勢を見せる。
【11-124H】《リルム》を失ったしーゆーは【6-108R】《イシュガルド教皇》で【20-124C】《錬金術師》。これを0コストでキャストしバックアップ5枚。さらに【18-086H】《アーシェ》で【19-108L】《ジタン》を退ける。
続くターン、ヒチウはまず【19-128L】《ウォーリアオブライト》。そして悠々と2枚目の【19-108L】《ジタン》をキャスト。フィールドに出たときに【21-119H】《レナ》、そしてアタック時に【23-104H】《湿地の魔女》と、しーゆーの手札から戦力を削いでいく。しかし、ここで代わりにしーゆーの手札に入ったのが【9-114C】《不浄王キュクレイン》。【19-108L】《ジタン》の高コストフォワードにブロックされないアビリティを失わせ、【18-086H】《アーシェ》で打ち取る。
ヒチウは続けて【19-128L】《ウォーリアオブライト》でアタック。アクションアビリティでダメージを受けていた【18-086H】《アーシェ》を除去しつつ、2ダメージ目を与える。ここで【2-137H】《メルウィブ》がEXバースト。しーゆーが手札を整える機会を得るとともにヒチウも【21-119H】《レナ》でドロー。
ターンをもらったしーゆーはここで【11-124H】《リルム》。【23-096C】《アプカルル》と【15-118C】《ブルードラゴン》。【16-117H】《トロス》も候補にあったようだ。そして【23-104H】《湿地の魔女》でさらにカードを引きつつ2枚目の【18-086H】《アーシェ》。【19-128L】《ウォーリアオブライト》を除去してターン終了を宣言するが、これに対応してヒチウは【21-119H】《レナ》のスペシャルアビリティを使用。【19-108L】《ジタン》を蘇生させる。手札をかく乱させられながらも再びメインフェイズに戻ったしーゆーは【18-089H】《エキドナ》を追加。
ヒチウは続くターン、【19-128L】《ウォーリアオブライト》を追加し、さらに【19-108L】《ジタン》でアタックするが、ここには再度【9-114C】《不浄王キュクレイン》が当てられ打ち取られる。【19-128L】《ウォーリアオブライト》も【23-104H】《湿地の魔女》で退場させられるが、【11-124H】《リルム》を道連れにしていく。
ようやくヒチウの攻め手を一掃したしーゆーは【18-086H】《アーシェ》で反撃し、1ダメージ目を与える。
フォワードが全滅してしまったヒチウはここで【1-107L】《シャントット》。盤面を1回リセットする。しーゆーは自身の【23-104H】《湿地の魔女》をアクションアビリティで除去し、除外から免れる。
返すターンのしーゆーのアクションは【20-114L】《魔神》と【21-105C】《サハギン》。【20-114L】《魔神》はDamage 3のアビリティが発動しており除去耐性が加わっている。
フォワードを引き込めなかったヒチウは【10-068C】《クーシー》で戦力を補充しようとするが、【20-114L】《魔神》の召喚獣を無効にするアビリティを失念してしまっていた。手痛いプレイミスで戦力補充は叶わずターンを渡す。
しーゆーは【15-118C】《ブルードラゴン》と【21-102L】《ガウ》を追加、【20-114L】《魔神》とフォワード化させた【21-105C】《サハギン》でアタック。ヒチウの受けているダメージは3に。
ここでヒチウは再び【21-119H】《レナ》のスペシャルアビリティ。【19-108L】《ジタン》を蘇生させる。オートアビリティは【18-096C】《リヴァイアサン》で無効化するものの、気づけばしーゆーのデッキは残り数枚。元々モンスターや【23-104H】《湿地の魔女》、EXバーストによるドローが豊富なデッキなうえに、度重なる【19-108L】《ジタン》による強制ドローによってデッキがすり減っていたのだ。
そしてヒチウは【18-012L】《ファリス》。ダメージを与える効果は【20-114L】《魔神》へ。これは無効にされるが。Damage 3によるサーチにより【19-102L】《レフィア》にアクセスしてキャスト。【19-102L】《レフィア》が【20-114L】《魔神》を除去し、【19-108L】《ジタン》がアタックし4ダメージ目。デッキは残り4枚だ。「ギリギリやね」としーゆーはつぶやく。
返すターン、しーゆーはまず【9-114C】《不浄王キュクレイン》で【19-102L】《レフィア》を無力化しつつ【18-086H】《アーシェ》で【18-012L】《ファリス》を除去しようとするが、ここには【12-002H】《アマテラス》が介入し、不発に。しーゆーは【11-114R】《サハギンチーフ》で【18-086H】《アーシェ》を出し直すものの、デッキ切れを免れ得ないことを悟り、投了。第1ゲームはデッキ切れ戦略が見事に刺さり、ヒチウの勝利となった。
第2ゲームはヒチウが「カオスコンボ」、しーゆーが「土単」にチェンジ。
初手をキープした両名、しーゆーが【11-068R】《クレイラス》から【6-067R】《エピタフ》をグッドスタートを切れば、ヒチウも0コストの【14-095H】《ローチェ》から早々に対決姿勢をあらわにしていく展開。【14-095H】《ローチェ》のアタックで【11-072R】《デシ》がEXバーストし、しーゆーは【21-121L】《ウォーリアオブライト》をサーチ。ヒチウは【15-118C】《ブルードラゴン》、そして【20-088L】《エスティニアン》をデジョン。
早くもクライマックスの到来を感じさせるが、しーゆーは落ち着いて【20-074C】《採掘師》。続いて【19-054C】《ヴィンセント》で【14-095H】《ローチェ》を除去しつつ、0コストになった【20-070C】《革細工師》。バックアップ基盤を整えていく。
攻めるヒチウは返すターン、まず【20-088L】《エスティニアン》で2回アタック。うち1回で【10-068C】《クーシー》がEXバーストししーゆーに手札をもたらす。ヒチウは次のターンにしーゆーが大量展開してくるのを見越して【15-118C】《ブルードラゴン》でもアタック。ダメージを4まで積み重ねる。ヒチウのデッキはまだ40枚近くあり、ここから【23-117L】《カオス》のスペシャルアビリティを連打すれば早くもゲームエンドだが、そこまではカードがそろっていない様子。
生きてターンを迎えたしーゆーは【6-067R】《エピタフ》でバックアップを5枚そろえつつ【6-084L】《レオ》をサーチ。これで好きな属性のCPを得られるようになり、まずは【21-121L】《ウォーリアオブライト》。そして【21-064L】《イングズ》から【16-082H】《モント・リオニス》をサーチし、これが【19-058R】《ジェノバ・SYNTHESIS》を蘇生させて全体8000ダメージ。ヒチウの戦力を一掃する。そこを【19-128L】《ウォーリアオブライト》が駆けて1ダメージ。
盤面に何もなくなってしまったヒチウだが、ここで【16-107R】《エゼル》からの【23-117L】《カオス》サーチ。ここから勝利するには相手のフォワード軍団を飛び越えて直接ダメージを与えるしかないだろう。
フィールドを完全に制圧したしーゆー。それでも「カオスコンボ」の爆発力を警戒し、ここではブレイブを持つ【19-128L】《ウォーリアオブライト》とほか1体だけでアタック。計3ダメージを与え、次か、その次のターンで押し切ろうという算段か。
ほぼラストターンとなったヒチウ。デッキは残り32枚。まずLBデッキから【22-123R】《レオ》。そして【23-117L】《カオス》をキャストし1発目の「フレアー」。しーゆーに1ダメージを与える。ここで【22-084R】《風神》、【22-087R】《雷神》がデッキからブレイクゾーンに置かれるが、デッキの残り枚数が減ってしまい「フレアー」が撃てなくなってしまうため、ここでは敢えて出さないことを選択する。
【23-117L】《カオス》のオートアビリティが解決され、【6-084L】《レオ》がブレイクゾーンに送られる。しーゆーの手札は1枚に。そしてヒチウは再び「フレアー」。これで6ダメージ。さらに再び【22-084R】《風神》、【22-087R】《雷神》が両方ブレイクゾーンに置かれて復活する。
ヒチウは一気に戦線を立て直すが、ここで立ちはだかったのがしーゆーの【19-128L】《ウォーリアオブライト》。単騎では突破不可能なため【22-084R】《風神》と【22-087R】《雷神》でパーティーアタックをしかけるが、ここにしーゆーは最後の1枚の手札から【21-071H】《タイタン》!パーティーアタックを崩し、これを討ち取る。これを見てもはやダメージを与える手段を失ったヒチウが投了。お互い「序盤のEXバースト2回が効いたね」「【9-068H】《ドラゴン》を引けなかったぶんをリソースでカバーできたね。タイミングが違ったら勝負はわからなかった」と短い感想戦を交わしつつ、1-1で最終ゲームへともつれこむ。
運命を決する第3ゲーム。ヒチウは引き続き「カオスコンボ」。しーゆーは「水単」に。
ヒチウは初手をキープ。しーゆーはマリガン。
ヒチウは再び【14-095H】《ローチェ》からのロケットスタート。そして二の矢として【15-118C】《ブルードラゴン》を展開。
対するしーゆーは【18-102C】《ワッカ》を出すが、追加のバックアップを引けない。【15-118C】《ブルードラゴン》、【19-097C】《トンベリ》でデッキを掘り進め、小考すると意を決して【21-102L】《ガウ》をキャスト。ブロッカーとして立たせていく。
対するヒチウは【23-117L】《カオス》。オートアビリティの解決前に「フレアー」。【22-084R】《風神》が2枚ブレイクゾーンに置かれ1枚を出し、さらにデッキを掘り進めるがオートアビリティの必要な《カオス》とモンスターがそろわない。やむなくもう一発「フレアー」。ここでも【22-087R】《雷神》の姿はない。この2ダメージで【2-137H】《メルウィブ》がEXバーストするが、このあとオートアビリティによって手札を捨てるため、カードを【19-097C】《トンベリ》をフォワード化コストにあてつつ、【19-097C】《トンベリ》をブレイクゾーンに置き【21-102L】《ガウ》を残す。
返すターン、しーゆーはドロー後に速やかにターン終了。足を溜める時間にあてる。
ヒチウはまず【23-117L】《カオス》でアタックし3点目。そして【18-126L】《ライトニング》をブレイクゾーンから呼び戻す。【21-102L】《ガウ》は【15-118C】《ブルードラゴン》をパワー7000のフォワードに変えてダル状態に。ヒチウはためらいなく【18-126L】《ライトニング》を突っ込ませ、これが【15-118C】《ブルードラゴン》と相打ちになる。
ターンが回ってきたしーゆーがLBデッキから【23-129H】《ルナフレーナ》をキャストすると、これが【14-113R】《リヴァイアサン》を導く。フォワードを出しつつ【23-117L】《カオス》を退場させ、リソースも得るビッグアクションに。
さらに、しーゆーはここで回収した【21-119H】《レナ》を即キャスト。【14-102L】《海神リヴァイアサン》こそいないものの【20-114L】《魔神》を復活させる。これで【18-126L】《ライトニング》も効きにくくなったか。
攻め切りたいヒチウは【20-088L】《エスティニアン》をデジョン。次ターンに攻勢に出る構えを見せる。デッキ枚数は残り16枚。「フレアー」を撃つならタイムリミットはもうすぐそこだ。
しーゆーはヒチウのデッキを削るためアタックを敢行。【21-102L】《ガウ》で1ダメージを与える。デッキが残り10枚と9枚では大きな差が出るため、ここでデッキを奇数枚にしておくこともここでは重要そうだ。その後、【6-084L】《レオ》を追加し都合4体のフォワードで守りを固める。
続くヒチウのターン、【20-088L】《エスティニアン》のデジョンが誘発するが、これに対して【18-096C】《リヴァイアサン》。登場を阻止する。ヒチウの手札は【11-129H】《カオス》【21-049R】《セーラ [MOBIUS]》、【23-080R】《オーディン》、【4-125C】《クリオネ》。攻撃的なカードが足りていない状況だ。
ヒチウはブレイクゾーンから【18-126L】《ライトニング》。【20-114L】《魔神》に敢えて無効化させ、続けてブレイクゾーンの【20-069H】《カオス》のアビリティで何とか除去する。
続いて【22-084R】《風神》でアタック、パワー7000の先制攻撃なので【18-100L】《レナ》や【23-129H】《ルナフレーナ》、【22-123R】《レオ》で受けにくい。しーゆーは5ダメージ目を受ける。
続くターン、しーゆーは【23-129H】《ルナフレーナ》でアタックし、ダメージはこれで5対2に。【18-089H】《エキドナ》を追加する。ここでのパワー8000は影響力が大きそうだ。事実、ヒチウは攻めに光明を見いだせず、次のターンはドローするのみでパスを選択。
再びしーゆーのターン。アタックして3ダメージ目を与えつつLBデッキから【23-128R】《ベアトリクス》。戦線を充実させ、負けの芽をつぶしていく。
何か攻め手が欲しいヒチウだが、ドローは【16-129L】《カオス》と他1枚。単属性デッキには効果の薄いカードだ。【18-126L】《ライトニング》を再びブレイクゾーンから呼び戻し、ドローしつつアタックを敢行。敢えて討ち取らせたのちにLBデッキから【23-127R】《ニックス》。何とか高パワーのフォワードを確保する。
しかし、ここでしーゆーが決着に向けて動く。【9-114C】《不浄王キュクレイン》などのドローつきカードのキャストを介して手札を使い切ってブレイクゾーンを溜め、【18-100L】《レナ》が満を持して【14-102L】《海神リヴァイアサン》を復活させる!
これで完全に戦線の拮抗は崩れ、しーゆーが第3ゲームに勝利。見事、日本代表プレイヤーへと名乗りを上げた。