【FFTCG】「Standard Championship2024」開催迫る!「秘められた希望」環境のスタンダード環境をおさらいしよう!

『FINAL FANTASY TRADING CARD GAME』の公式記事連載。今週は、今月末に開催される「Standard Championship2024」に向けて、現在のスタンダード環境をおさらいします。

◆はじめに
皆さん、こんにちは!『FFTCG』公式記事ライターのたるほです。
来週はいよいよ「世界選手権2024」に出場する日本代表選手の最初の2名が決まる「Standard Championship2024」です。
大会に向けた調整は捗っていますか。今週末は「Standard Championship2024」に備え最後の調整を行なうという方も多いのではないでしょうか。

今回は、そんな皆さんに向け、「秘められた希望」環境のスタンダードのこれまでのメタゲームを今一度振り返って考察していきたいと思います。
「Standard Championship2024」に向けた調整に役立ててもらえればうれしいです。

それでは、さっそく始めていきましょう!


◆「秘められた希望」環境をおさらい
まず「秘められた希望」のスタンダード環境の変遷を振り返りたいと思います。

4/7「MASTERS 2024」千葉大会
「秘められた希望」環境の始まりを告げたのは、『FFTCG』における“はじまりの地”で開催された千葉大会でした。
新環境で初の大会ということで、創意工夫したデッキを持ち込むプレイヤーも多いなか、もっとも人気を集めたのは「火氷水【騎士】」でした。

使用率は実に14%にものぼり、10名の使用者のうち4名が決勝トーナメントに進むなどまさに破竹の勢いを見せるなか、その対抗馬として活躍したのが「火風土水【光の戦士】」「火風土水WoL」「コスト3WoL」などの多属性デッキです。多属性デッキの持つ対応力の高さに、「秘められた希望」で登場した新メカニズム「LimitBreak」が加えられ、新環境のメタゲームにも適応した戦いを見せていました。

最終的にはメインデッキとLBデッキ58枚同一のリストの「火風土水【光の戦士】」がワンツーフィニッシュを果たし、千葉大会は「火風土水【光の戦士】」のポテンシャルの高さを示すかたちで幕を閉じました。


4/13「MASTERS 2024」神戸大会
千葉大会の翌週、関西圏での初戦「MASTERS 2024」神戸大会が開催されました。
千葉大会同様、「火氷水【騎士】」が注目を集め使用率が20%を超えるなか、前週の影響もあってか「火風土水【光の戦士】」の使用者も伸び始めていました

決勝ラウンドでは「火氷水【騎士】」をはじめ「氷雷」「氷水」「氷単」など氷属性のデッキが目立つ結果となりました。

そんななか大会を制したのは「氷雷」。持ち前の対アグロ性能に秀でたデッキ特性に「LimitBreak」による安定した除去手段が加わったことで、環境で人気を集める「火氷水【騎士】」や「火風土水【光の戦士】」と対等以上に渡り合えるようになり再び環境に返り咲きました。


4/14「MASTERS 2024」福島大会
神戸大会の翌日、舞台を再び東日本に移し開催されたのが福島大会です。
福島大会ではこれまで使用率がダントツで飛びぬけていた「火氷水【騎士】」がやや勢いを落とし、前日に神戸大会でも優勝していた「氷雷」が最大勢力となりました。
こうした背景には、関東では千葉大会の結果からプレイヤーのマインドが対「火氷水【騎士】」に向き始めていたからではないかと推測されます。

決勝ラウンドに残ったデッキは「土雷カオスアーク」「氷雷」「火氷水【騎士】」「火氷雷コスト3WoL」とバラつきのある結果となりましたが、全体的に雷属性の活躍が目立っています。雷属性は【17-090R】《イクシオン》の存在や【22-120H】《クラウド》の登場で低コスト帯のフォワードに対して優位なポジションをとれることもあり、こうしたところからもプレイヤーの意識が対「火氷水【騎士】」へ向かっていることが感じ取れます。

また【16-129L】《カオス》+【19-105H】《アーク》のアプローチが既存の多属性デッキだけでなく「火氷水【騎士】」に対しても有効だと認められ始めたのもこの大会の特徴だと考えられます

そんな福島大会を制したのは「火氷雷コスト3WoL」でした。
「火氷水」の組み合わせがメジャーだった「コスト3WoL」のイメージを大きく塗り替える構築でありながら【13-022H】《シド・ランデル》など過去のカードにも再度フォーカスが当てられており、自身2度目の大会出場で優勝を果たしたかいむさんの経歴も相まって衝撃的な結果となりました。

4/21「MASTERS 2024」津大会
ここまで関東で2回、関西で1回のトーナメントを経て、4度目のトーナメントは関東・関西の中間に位置する三重県で行われた津大会でした。

全国各地からプレイヤーが集まった会場で存在感を示したのは、依然根強い人気を誇る「火風土水【光の戦士】」「火氷水【騎士】」の2デッキでした。
また単属性デッキの使用率も高く、会場には水属性以外のすべての単属性デッキがおり、合計の使用率は全体の1/3にものぼりました。
そんななか神戸大会・福島大会で活躍した「氷雷」はまさかの使用者0と、以外なデッキ分布の大会でした。

決勝ラウンドにはもはや今シーズンの常連である「火風土水【光の戦士】」と「火氷水【騎士】」が2名ずつ進みますが、それに肩を並べるかたちで「氷水」が2名駒を進め、「土単カオスアーク」「氷土雷【闇の戦士】」が追随します。

福島大会でも見られた【16-129L】《カオス》+【19-105H】《アーク》のアプローチに加え、【21-027L】《グリーヴァ》や【22-067L】《ナハト》といった序盤から大型フォワードを押し付けるアプローチの有効性も示された結果だったと言えるでしょう。

さまざまな可能性を感じさせられた決勝トーナメントでしたが、最終的には千葉大会を制したえあさんが「火風土水【光の戦士】」でそれらすべてを跳ねのけて2度目の優勝を果たしました。これまで氷属性にリソースと優位性を奪われていた「火風土水【光の戦士】」でしたが、EXバーストを持ちながらデッキのポテンシャルも引き上げる【10-043H】《アルクゥ》や、豊富なサーチ手段を持ち手札破壊対策と【22-120H】《クラウド》のキャストコストも兼ねられる【12-074H】《アルジイ》などが採用されるようになり、環境に適応しさらなる進化を見せる結果となりました。


5/11「MASTERS 2024」金沢大会
津大会からGWを挟んでやや間が空き、久しぶりのスタンダードでの開催となった金沢大会ですが、津大会の決勝ラウンドを踏襲するかのように「火風土水【光の戦士】」や「火氷水【騎士】」に加え、「氷水」が存在感を放つ大会となっていました。

決勝ラウンドに残ったのは「火風土水【光の戦士】」「氷水」「水雷カオスアーク」「火風」
なんと「秘められた希望」環境で初めて「火氷水【騎士】」のいない決勝ラウンドを迎える結果となりました。

その枠に入りこんだのは「水雷カオスアーク」と「火風」という、これまで見られなかったデッキタイプでした。なかでも「水雷カオスアーク」はデッキスロットの半分がEXバーストを持つカードで構成される受けの強いデッキでありながら【18-126L】《ライトニング》による奇襲も可能な構築となっており、また【16-129L】《カオス》で相手のフォワードを奪うことで【22-122L】《ティーダ》に展開をつなげることができるという可能性を感じさせるデッキでした。

しかし、それらのデッキをものともせず、優勝はえあさんの「火風土水【光の戦士】」が飾ります。実に3度目の優勝を果たし、「火風土水【光の戦士】」のポジションを確固たるものにする結果となる大会でした。

5/12「MASTERS 2024」徳島大会
金沢大会の翌日、舞台を四国に移して行なわれたのが「MASTERS 2024」徳島大会です。
関西圏のプレイヤーが大半を占めた徳島大会は「火氷水【騎士】」が久しぶりにトップシェアに返り咲く大会となりました。

前日の金沢大会で活躍したカオスアーク型とは異なるものの、EXバーストを厚く採用した「水雷」もやや多く、ミッドレンジ帯のデッキに流行の兆しも見えるなか、決勝ラウンドは「火氷水【騎士】」「氷雷」「水雷」「火単」の4デッキにばらけることになりました。

「火単」は【22-113L】《モント・リオニス》の登場で注目を集めていたデッキではあったものの、今一歩のところで活躍の機会を逃してきた印象でしたが、除去の重要性が高い環境が追い風となり、ここにきて大きく躍進した結果と言えるでしょう。

そしてこの徳島大会は、環境初期から注目を集め続けた「火氷水【騎士】」がついに初優勝を果たした大会となりました。
前述のとおりプレイヤーの意識が「火氷水【騎士】」から離れたというわけではなく、使用者の練度が高まったことで、ついに「火氷水【騎士】」が持つ本来のポテンシャルが引き出された結果、強敵を跳ねのけて勝利を手にしたのだと考えています。

6/2「MASTERS 2024」鹿児島大会
「MASTERS 2024」も「2ndseason」に切り替わり、開幕戦の舞台となったのは初の公式トーナメント開催ということでも注目を集めた鹿児島でした。
地元九州の強豪プレイヤーが集まった決勝ラウンドには「水雷」「氷雷」「火氷水【騎士】」「土水カオスアーク」が勝ち残ることとなり、デッキはばらけつつも直近のメタゲームを色濃く反映する戦いとなりました。

そして、この鹿児島大会では、【16-129L】《カオス》+【19-105H】《アーク》のコンボを搭載した「土水カオスアーク」が今シーズンついに初の優勝を飾ります。
「火風土水【光の戦士】」「火氷水【騎士】」「コスト3WoL」など多属性化による恩恵を受けるデッキが多くなり注目を集めるなか、その対策として【16-129L】《カオス》+【19-105H】《アーク》のコンボの有用性が証明される結果となりました。

6/9「MASTERS 2024」札幌大会
鹿児島大会から1週間後、戦いの舞台は大きく北に移り、「MASTERS 2024」札幌大会が行なわれました。こちらも地元のプレイヤーが中心となる大会ながら、関東からの遠征勢も多い大会となりました。

決勝ラウンドには「火氷水【騎士】」「氷雷」「土単カオスアーク」「土水カオスアーク」が残り、前週から引き続き【16-129L】《カオス》+【19-105H】《アーク》のコンボが勢力を広げた印象の強い大会でした。

そしてこの大会、なんと僕が「氷雷」を使い優勝という結果を収めることができました。使い慣れたデッキを選択したのが功を奏したかたちとなりましたが、個人的にも現環境での「氷雷」はよいポジションに位置すると考えているため、自身の考えを肯定できる結果が出せたと思います。

6/15「MASTERS 2024」名古屋大会
そして、直近で最後の「MASTERS 2024」のトーナメントとなったのが名古屋大会でした。
前回東海地方で行われた津大会とは打って変わって最大勢力の一角に「氷雷」が姿を現した背景には、ここ数大会の結果が大きく反映されており、またそれに次ぐかたちで「土水カオスアーク」も勢力を伸ばすなど、メタゲームの移り変わりを感じさせる大会となりました。

「氷雷」2名と「土水カオスアーク」「コスト3WoL」が勝ち進んだ決勝ラウンドにもその影響は大きく現れており、環境初期に人気を集めた「火風土水【光の戦士】」「火氷水【騎士】」の姿はありませんでした。

そしてこの名古屋大会は、神戸大会を「氷雷」で制していたぱっつぁんさんが同じく「氷雷」を使い制覇する結果となりました。2週連続の優勝ということもあり、脚光を浴びることとなった「氷雷」は今環境で間違いなく注目すべきデッキの一角になったと言えるでしょう。


◆優勝デッキと最大勢力を見る
ということで、これまでの「MASTERS 2024」の大会の様子を大まかに振り返ってきました。優勝デッキを結果でまとめてみると

・千葉大会:「火風土水【光の戦士】」
・神戸大会:「氷雷」
・福島大会:「火氷雷コスト3WoL」
・津大会:「火風土水【光の戦士】」
・金沢大会:「火風土水【光の戦士】」
・徳島大会:「火氷水【騎士】」
・鹿児島大会:「土水カオスアーク」
・札幌大会:「氷雷」
・名古屋大会:「氷雷」

となっており、回数だけで見れば「火風土水【光の戦士】」と「氷雷」が一歩先を行くような結果となっています。
また環境で注目を集めてきた「火氷水【騎士】」「コスト3WoL」「土水カオスアーク」もそれぞれ優勝を飾っており、それぞれが相応のポテンシャルを秘めていることが見て取れます。

では次に各大会の最大勢力となったデッキを見てみましょう。

・千葉大会:「火氷水【騎士】」
・神戸大会:「火氷水【騎士】」
・福島大会:「氷雷」
・津大会:「火風土水【光の戦士】」
・金沢大会:「火風土水【光の戦士】」、「氷水」
・徳島大会:「火氷水【騎士】」
・鹿児島大会:「火氷水【騎士】」
・札幌大会:「火氷水【騎士】」
・名古屋大会:「火氷水【騎士】」、「氷雷」

全9大会中、6つの大会で最大勢力となっていることから、シーズンを通して「火氷水【騎士】」が人気を集めていることがうかがえます。
こうした結果からは、環境の中盤戦に差し掛かる福島大会~金沢大会の期間には序盤戦で勝ち切れなかった印象からかやや人気を落としたものの、地力の強さが認められて後半戦では再評価されたという流れが読み取れますね。おそらく「Standard Championship2024」でも「火氷水【騎士】」が最大勢力の一角を担うと見て間違いはないでしょう。


◆「Standard Championship2024」の顔となるデッキは?
さて、これまでの「秘められた希望」環境の変遷を辿ってきましたが、以上を踏まえて「Standard Championship2024」の顔となるデッキについて話していこうと思います。

ズバリ、「Standard Championship2024」の注目デッキは「火氷水【騎士】」「火風土水【光の戦士】」「氷雷」「土水カオスアーク」の4つです。

ではここからは、それぞれのデッキの所感についてまとめていきたいと思います。

「火氷水【騎士】」
「秘められた希望」のスタンダード環境において注目を集め続けてきた「火氷水【騎士】」ですが、「Standard Championship2024」でも存在感を放つデッキになることは間違いありません。

僕が考えるこのデッキの位置づけは、“トーナメントに持ち込むデッキが最初に越えなければいけないハードル”というものなのですが、その理由はとにかく勝利までのプロセスが単純であることに尽きます。

「火氷水【騎士】」のアプローチは、【22-097L】《クリルラ》のオートアビリティを軸にフォワードの【ジョブ(騎士)】を展開するアグロプランです。基本的にサーチと除去以外の目的でバックアップは展開せず、こちらのフォワードを押し付けるというシンプルなプレイゆえにプレイミスが起こりにくいのが特徴です。また【22-097L】《クリルラ》自体の平均的な出力が高いため必ずしもこちらが100%で回る必要がなく、相手が少しもたつくだけで勝てることがあるのも強力です。極端な話、初手の【22-097L】《クリルラ》から【16-042R】《ラスウェル》をめくるだけで勝ててしまうこともしばしばあります


こういった特徴から「火氷水【騎士】」デッキはプレイヤーの力量に左右される余地が少なくデッキ選択の時点である程度の勝率が確保できるため使用者が多く、トーナメントに参加するうえで無視できないシェア率となります。これは実際に「MASTERS 2024」での使用率の高さを見ても間違いないでしょう。そのため、今環境で「火氷水【騎士】」に対して対抗策のないデッキは採用すること自体がリスクになります。

では、「火氷水【騎士】」に有利なデッキを持ち込めばそれでいいのかと言えば、そんなに単純なことはありません。このデッキのもっとも恐ろしいところは、プレイヤーのデッキに対する理解度が上がることによってさらに爆発的に強力なデッキへと変貌するという点にあります。フォワードのキャスト順、展開の緩急、アタックの判断などの精度が上がることで、相性関係など容易に覆せるポテンシャルを秘めています。

こうした点から「Standard Championship2024」でも非常に高い使用率と、それに見合う成績を残すデッキになると予想しています。

「土水カオスアーク」
「火氷水【騎士】」とともに注目しているデッキが「土水カオスアーク」です。

このデッキに対して僕が注目している要素は次の2つです。

1:多属性デッキに対して【16-129L】《カオス》+【19-105H】《アーク》のコンボが有効であること
2:勝利へのプロセスが比較的単純であること

まず一つめですが、これはもはや【16-129L】《カオス》+【19-105H】《アーク》のアイデンティティと言える強さです。
重大なのは「秘められた希望」環境でこの強みがデッキの速度帯に左右されることなく有効だと判明した点で、前述の「火氷水【騎士】」に対してもEXバーストからコンボをそろえることで十分に戦えるとわかりました。このため、「Standard Championship2024」では「MASTERS 2024」以上に使用率を伸ばしてくるデッキなのではと考えています。

二つめについてですが【16-129L】《カオス》+【19-105H】《アーク》のコンボは、カードを2枚そろえるだけで多少の不利なら解決してしまえるだけのパワーを秘めたコンボです。それゆえプレイングの難易度はほかのデッキと比べてもやや低いと言えるでしょう。「火氷水【騎士】」にも言えることですが、こういったイージーウィンの要素を持つデッキは「Standard Championship2024」のような長丁場のトーナメントでは使用者が増える傾向にあります。

【16-129L】《カオス》+【19-105H】《アーク》のコンボはどういったデッキに搭載するかでそのデッキの性質が大きく異なってきますが、「土水」という組み合わせにはLBカードの【22-122L】《ティーダ》という強力なフィニッシャーが登場しており、これが【16-129L】《カオス》のフォワードを奪取して頭数を増やせるアビリティと相性がいいことや、【19-119L】《ウネ》や【19-120C】《ガーネット》などの豊富な召喚獣回収で【19-105H】《アーク》を連打できるという強みと相まって、ほかのデッキタイプと比べても頭ひとつ抜けていると考えられます。

「MASTERS 2024」後半での結果が物語っているように、「土水」を筆頭に【16-129L】《カオス》+【19-105H】《アーク》のコンボは「Standard Championship2024」でも活躍することは間違いありません。

「火風土水【光の戦士】」
今回挙げた候補のなかで、純粋なデッキパワーという点でもっとも飛びぬけているデッキは何かと聞かれれば「火風土水【光の戦士】」にほかなりません。

【19-102L】《レフィア》と【19-128L】《ウォーリアオブライト》というフィニッシャーの2枚看板の存在で対コントロール、【18-012L】《ファリス》や【10-043H】《アルクゥ》の「Damage」アビリティと豊富なEXバーストによる対アグロと、ともに耐性があり死角の少ないデッキでありながら、「LimitBreak」の登場とそれに伴う【12-074H】《アルジイ》の採用で、苦手としてきた氷属性に対しても耐性を獲得しさらに対応力を高めたデッキとなっています。

「MASTERS 2024」でも「火氷水【騎士】」の流行という逆風をはねのけ3大会で優勝するだけのポテンシャルを見せつけており、「Standard Championship2024」での活躍も期待されます。

反面、準備行程も多いため事故のリスクなどを含めプレイングの難易度が非常に高く、使用率という意味ではやや伸び悩むのではというのが個人的な印象です。「火氷水【騎士】」や「土水カオスアーク」などを筆頭に環境的にも苦手な部類のデッキは多く、十分なポテンシャルを引き出せなければ苦しい戦いになることが予想されます。

そういった観点では、使用率を考慮してデッキ選択の段階で対戦しないことを前提にある程度見切りをつけるのもひとつの作戦かもしれません。

「氷雷」
「氷雷」は直近の大会での活躍もあり、現在増加傾向にあるデッキのひとつかと思います。
その背景として「火氷水【騎士】」に対しての性能が買われているという理由があるかと思われます。特に「Standard Championship2024」では「火氷水【騎士】」の増加を見越して、「氷雷」を選択するというプレイヤーが増えることが予想されます。

またリソースを奪うデッキの特性上、極端な有利不利が少なく、さまざまなデッキと対戦する機会の多いトーナメントに持ち込むには適したデッキであると言えるでしょう。特に「秘められた希望」環境では、これまで苦手としてきた「火風土水【光の戦士】」との相性関係が改善したことで、よりリスクの少ないデッキになったと評価しています。

ただ反面、ほかの注目デッキと比べてデッキパワーの面で一歩劣るというのが、個人的な懸念点です。
明確なフィニッシャーが存在しない「氷雷」はプレイの難易度も高く、リソースを奪うデッキの都合上、リソースを奪いきる前に相手が最大限のパフォーマンスを発揮した場合には逆転が難しくなるという課題も抱えたデッキです。またEXバーストによる逆転を許しやすいため、長丁場のトーナメントでは大会を通じてそのリスクと戦わなければならないという懸念点もあります。「Standard Championship2024」ではこうしたリスクをはねのけて、どれほどの活躍を見せてくれるかが注目されるデッキです。

その他の注目デッキ
もちろんこれらの4デッキ以外にも注目すべきデッキは多くあります。
そのなかでも「コスト3WoL」や「氷水」、「土単カオスアーク」のように【16-129L】《カオス》+【19-105H】《アーク》のコンボを搭載したデッキは今期かなり可能性を秘めていると考えられます。

また【16-129L】《カオス》+【19-105H】《アーク》の活躍が目立ち始めたことで、各種単属性のデッキも相対的に株を上げてきているので、「風単」など過去のトーナメントシーンで活躍したデッキが復権してくる可能性も高いです。

総合すると、「秘められた希望」環境は非常にデッキの選択肢が多いので、特定のデッキに照準を合わせてデッキを選択するより、最大限のポテンシャルを発揮したときに有利不利を覆しやすいデッキを選択することがポイントになるのではないかというのが僕の考察です。ただし、大前提として「火氷水【騎士】」のような足切りラインを設定してくるデッキも存在するので、その点だけは注意が必要です。


◆おわりに
今回はこれまでの「MASTERS 2024」を振り返りつつ、「Standard Championship2024」に向けたスタンダードの環境考察を行ってきました。
さまざまなデッキの活躍が予想されるなか、いったいどんなデッキが勝ち残るのか?そして最初に「世界選手権2024」への切符を手にするプレイヤーは誰なのか?非常に注目度の高い大会になるでしょう。

僕も一プレイヤーとして参加するので、大会に向け全力で調整し挑みたいと思います。

大会の様子は6月30日(日)10:45~から「スクウェア・エニックス」公式YouTubeチャンネルで配信されるので、こちらも要チェックです。

 

それでは、また次回の記事でお会いしましょう!